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【賞与支払届の基礎知識】経営者や経理担当者が押さえておくべき手続きの詳細

賞与支払届とは、賞与(ボーナス)を支給している会社が管轄の年金事務所などに提出しなければならない書類です。この賞与支払届は、雇用被保険者にとって、後の年金受給額にも関わる大事な書類です。ですので会社の人事・総務部の方は賞与支払届の提出を忘れたり、記入ミスがあると被保険者にも迷惑がかかるのです。そうならないためにも、この記事では賞与支払届の基礎知識や手続き、提出方法、注意点などを紹介していきます。

賞与支払届

2018年06月15日更新

RELO編集部

そもそも賞与とは

賞与支払届
賞与とは、いわゆる一般的にボーナスと呼ばれるもので、会社が従業員に対して支給する特別な給料のことです。支給する時期は会社によって異なりますが、6月・12月など、夏と冬に支給されることがほとんどでしょう。

また賞与は賃金(毎月の給料)と違い、会社に法律上の支給義務はありません。会社が不要と考えているなら、支給しないこともあります。

支給義務はありませんが、もし賞与を支給するのであれば、雇用の際などにあらかじめ賞与の有無を明記する義務があります。これは労働基準法第15条で求められているので、賞与がある企業では必ず明記しましょう。

支給義務のある賃金は、支給のルールや時期に関して様々な取り決めがあります。それに対して賞与は、支給ルールや時期に関しては会社が自由に決められるのです。基本的には、夏(6月頃)と冬(12月頃)の2回支給されるのが普通だと思います。また賞与の支給は年3回以下です。4回以上の支給になると給与とみなされるので注意が必要です。

決算賞与について

賞与は基本的に夏と冬の2回支給されますが、決算賞与といって決算月に会社の業績が好調であれば支給される賞与もあります。決算月は3月の会社が多いので、夏と冬と決算月の3回ボーナスを支給する会社もあるということは覚えておいたほうがいいでしょう。

賞与支払届の基礎知識

賞与支払届
賞与支払届とは、賞与を従業員に支給した時に、管轄の年金事務所または事務センターに提出する必要がある「被保険者賞与支払届」「被保険者賞与支払届総括表」のことです。提出期限は賞与を支給してから5日以内に提出しなければなりません。

賞与額は、将来的に受給する年金額計算の基礎となるのでしっかり管理しましょう。

対象となる賞与

対象となる賞与は、年に3回以下の支給であることです。年4回以上の支給になると標準報酬月額の対象となるため、賞与ではなくなります。
保険料の計算をするときには、「標準賞与額」から計算します。

標準賞与額の意味

標準賞与額とは、税引き前の賞与の総支給額から、1,000円未満を切り捨てた額のことです。その標準賞与額から計算して、健康保険・厚生年金の社会保険料を決めます。

賞与にかかる保険料

標準賞与額から健康保険と厚生年金の保険料率をかけた金額が、賞与にかかる保険料です。その保険料は、事業所と労働者で折半して負担します。そして健康保険と厚生年金の保険料率は毎年改正されるので注意が必要です。賞与を支給する際には、毎年新しい保険料率をチェックしておきましょう。

賞与支払届の手続きと提出方法

賞与支払届
まず賞与支払届に必要な書類は、個々の賞与の支払額を記載している「被保険者賞与支払届」と、支払合計人数と支払合計額を記載している「被保険者賞与支払届総括表」です。この2つの書類を管轄の年金事務所または事務センターに、賞与の支給日より5日以内に提出します。

提出する用紙は、事前に賞与支払月を年金事務所に届け出をしておくと、賞与支払予定月の前月に被保険者の氏名、生年月日等が印字されたものが郵送されてきます。また年金事務所に事前に届け出をしていない場合は、管轄の年金事務所に資料を請求しましょう。

賞与支払届を提出すると、年金事務所から保険料決定通知書が送られてきます。その書類を確認し保険料を計算してください。保険料の支払は賞与支払月の翌月末までに、通常の保険料と一緒に納付します。

提出書類の記入方法

被保険者賞与支払届、被保険者賞与支払届総括表の記入方法は以下、日本年金機構のサイトを参考にしてください。

参考文献
被保険者賞与支払届pdf|日本年金機構
被保険者賞与支払届総括表pdf|日本年金機構

記入ミスなどにより訂正する場合は、以下の方法で訂正します。

  1. 該当部分を二重線で消し、上に新しい金額などを記入する。
  2. 該当部分が多い場合は、その行を二重線で消し、別の行に正しく記入し直します。
  3. 提出後に修正が必要な場合、上記の訂正方法を参考に、再提出します。

全ての資料を記入したら管轄の年金事務所または事務センターに、賞与の支給日より5日以内に提出しましょう。

電子媒体で提出する場合

CDやDVDなどの電子媒体で提出する方法があります。提出方法は、以下の年金機構のホームページを参考にしてください。

参考文献 電子媒体提出方法|日本年金機構

電子申請を行う場合

24時間どこでも申請できる電子申請という方法もあります。こちらも日本年金機構のホームページで提出方法を参照してください。

参考文献 電子申請(e-Gov)|日本年金機構

退職者の場合の提出方法

退職者が賞与を受け取る場合、賞与支払届に記載する対象は賞与の支給当日まで在籍していた被保険者です。退職した後に賞与が支給されている場合、賞与支払届に記載する必要はありません。もしすでに記載されているのであれば、行ごと二重線で消しておきましょう。

また賞与支払当月に退職する場合は、社会保険の資格喪失日が翌月の1日となるため、健康保険料や年金保険料を徴収します。それ以外の場合では、保険料は徴収しないことになります。

どこに提出するのか

提出先は、どの健康保険に加入しているかによって変わります。

  • 協会けんぽ(全国健康保険組合)の場合
    協会けんぽの場合、提出先は日本年金機構です。したがって健康保険分も厚生年金分も、管轄の年金事務所または事務センターに提出すれば大丈夫です。
  • 協会けんぽ以外の場合
    企業によっては、その企業グループ専用の健康保険があります。そういった場合には、各健康保険組合と日本年金機構の2ヶ所に提出する必要があります。

提出期限は短いので、遅れないように提出しましょう。

賞与支払届の注意点

賞与支払届
賞与支払届を提出するには、いくつか注意点があります。間違えて何度も修正することにならないように気をつけてください。

賞与不支給でも提出が必要

賞与の支払予定月に支払がないときでも、被保険者賞与支払届総括表の提出が必要です。その場合、不支給という形の提出になります。

標準賞与額の上限

また標準賞与額には上限があります。健康保険は年度の累計額が573万円で、厚生年金は1ヶ月あたり150万円です。健康保険の場合、累計額が573万円を超えたときは、健康保険標準賞与額累計申出書を提出します。

また厚生年金は1ヶ月で2回以上支給される際も、合算上限額が150万円となるので注意しましょう。つまり150万円を超えて賞与が支払われる場合、厚生年金の保険料は150万円の標準賞与額に保険料率をかけて算出します。

提出を忘れた場合の対応

賞与支払届の提出を忘れていると、支払日の2ヶ月後に年金事務所から賞与支払届督促状が送られてきます。もちろん忘れないに越したことはないですが、もし忘れてしまって督促状がきたら、すぐに保険料を納付しましょう。また、提出する予定の年金事務所や健康保険組合にも連絡をしてください。
場合によっては、遅れた理由を報告書として提出しなければなりません。延滞料を支払うことにもなりかねないので、絶対に賞与支払届は忘れないように提出しましょう。

提出を忘れないために

事前に賞与支払月の予定を年金事務所に届け出をしておくと、賞与支払月の前月に書類が郵送されてきます。提出を忘れないためには、必ず届け出をしておきましょう。

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