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サバティカル導入のメリット|長期間の休暇が会社にもたらすイノベーション

サバティカルとは、サバティカル休暇と呼ばれる長期休暇制度です。日本では現状導入している企業は少ないですが、欧米先進国では、ワーク・ライフ・バランス(仕事とプライベートの両立)の推進、長期間勤務者の専門的知識の向上によるスキルアップやキャリアアップが可能というメリットもあり導入している企業も数多くあります。日本でも今後、そういった制度の導入が必要になるということから、経済産業省も企業に制度の導入を呼びかけています。今回はそのサバティカル制度について、詳しく説明していきます。

サバティカル

2018年06月15日更新

RELO編集部

サバティカルとは

サバティカル
サバティカルとは、主にサバティカル休暇と呼ばれる、使途に制限のない長期休暇のことです。長期間勤務者が使用できるもので、有給休暇などの年次休暇とは違います。休暇理由も特に問われることがなく、少なくとも1ヶ月以上、長い期間で1年ほどの休暇を取ることができます。

特に欧米先進国で導入されており、日本でも取り入れられる企業が少しずつですが、増えています。

個人がより専門的な知識を取り入れるためのキャリアアップやスキルアップができたり、休養をとることで過労防止になり、ワーク・ライフ・バランスの実現につながります。

基本的にサバティカル休暇中は無給ですが、企業ごとに定めている有給休暇の併用ができたり、大学や研究機関で専門知識を学ぶなどの理由があれば、援助金が支給される場合もあります。

サバティカル休暇は、長期休暇明けの労働環境も保証されており、長期休暇中もワークシェアリングなどにより労働環境の流動化にもつながります。

勤続年数の長い従業員に与えられる長期休暇

ある一定の勤続年数を超えると、サバティカル休暇を利用することができます。期間は企業によって違うので一概にどれくらいかは言えません。日本の企業でも、勤続1年後から取得可能なところもあったり、勤続10年後から取得可能なところもあります。
休暇期間も様々です。

株式会社ぐるなびでは、「プチ・サバティカル」といって、勤続5年後から3日間の連続休暇が取得できるといった小規模の制度もあります。

使途に制限がない

サバティカル休暇には使途に制限がありません。ですので同様に、制限のない援助金が支援される場合もあります。

サバティカル休暇導入のメリット

サバティカル
サバティカル休暇によって労働者は、通常の休暇では経験できないようなことにも挑戦できる時間が与えられます。これまで新しいことに挑戦するには、会社を退職しないとできないこともありました。しかしサバティカル休暇によって長期的な学習、体験をすることができ、特に学習意欲の高い若者が様々なことに挑戦できるチャンスが増えるでしょう。

サバティカル休暇を導入すると、以下のようなメリットがあります。

労働者の専門知識の向上、スキルアップにつながる

サバティカル休暇により、長期的に教育機関に通えることになり、個人の専門的知識の向上が見込めます。また普段なかなか行けない海外への語学留学、通常の企業の休暇では行くことが難しい場所、ワークショップなどの体験を行うことができます。
それにより個人差はありますが、専門的知識の向上、スキルアップやキャリアアップができ、労働者1人1人の生産性向上につながることでしょう。

しっかり休養がとれる

サバティカルによって、長期的な休暇を取ることで、普段の休養ではとりきれない疲れやストレスを軽減できます。ほかにも、長期休暇により海外旅行に行くなど行動範囲が拡大することで、今までできなかったような自身の新しい経験、価値観の創造につながります。また労働者の働く意欲が向上し、離職率の低下にもなるでしょう。

会社のイメージアップや忠誠度アップになる

特に日本の企業は一度会社に入社すると、学生時代のような長期休暇は難しいというイメージがあります。ですので、新しいことに挑戦するなど長期的な時間のかかることをするには、退職してからでないとできないと思われています。

そんな中、会社に1ヶ月以上の長期休暇制度があるとわかったらどう思うでしょう。ほとんどの人は好意的に思い、就職選びのひとつの評価ポイントとして見られます。

介護や病気療養での退職を防ぐことができる

労働者の中には、病気や介護で業務が困難な場合があります。そういった人たちがサバティカル休暇によって、長期休暇を取ることができます。介護や病気で長期的に仕事から離れなくてはいけない人も、サバティカル休暇を取ることによって、長期休暇後の仕事の復帰が可能になります。

サバティカル休暇のデメリット

サバティカル
サバティカル休暇にはメリットだけではありません。多くのメリットをもつサバティカル休暇ですが、それに対してデメリットもあります。デメリットを知ることによって、対策を打ったり、労働者のサポートを行うことができるのです。

長期休暇後の仕事復帰が難しい

長期休暇後、仕事に復帰することは保障されていますが、実際に長期的に業務から離れることで復帰後の仕事に支障がでないか、という懸念事項があります。日本ではサバティカル休暇はまだ一般的ではありません。ですので、仕事復帰するタイミングでのバックアップ体制を作り、スムーズに業務に戻れる仕組みが必要になります。

現状、育児休業などの長期休暇からの復帰にも様々な問題が発生しています。長期休暇後の業務にスムーズに戻れる体制を作ることが、今後の日本企業の課題になっているといっても過言ではないでしょう。

サバティカルのような長期休暇を取る社員がいるのか

そもそもサバティカルのような長期休暇を取る制度が、日本にはあまりありません。有給休暇すら日本はあまり取れていないのが現状です。そんな中、1ヶ月以上の長期休暇を取ることで周りから後ろ指をさされないか、などの人為的な懸念事項もあります。

もちろん業務の忙しさから、なかなか休暇を取れていないことも原因にあると思うので、先ずは会社の業務環境の改善から始めなければいけない会社もたくさんあります。欧米先進国では、そういった業務環境が整っていることからこそ、サバティカル制度の導入もスムーズに行えているのではないでしょうか。

サバティカル休暇導入のために会社がすべきこと

サバティカル
サバティカル休暇は社員のスキルアップや、ワーク・ライフ・バランスの推進にとても有益な制度です。しかし、サバティカル休暇を導入するにあたって会社に必要な課題はたくさんあります。

まず、労働者が長期休暇を取れる業務環境を整えることです。人が1人抜けることで回らなくなる仕事では、休暇どころか不測の事態にも対応することが難しくなります。個人個人の業務の効率化、他の人との業務のシェアやスムーズな引き継ぎシステムの構築など、できることは様々です。また制度の周知や理解を得ることも必要になります。

そして業務や業種によって改善できる点も様々です。会社によってはリモートワークを取り入れ、自宅やレンタルオフィスで業務が可能なところもあります。リモートワークの導入によって、通勤する際の時間や費用などのコストを削減することができるからです。

サバティカル休暇を導入している企業

実際にサバティカル休暇を導入している企業を参考にしてみるのもよいでしょう。日本ではまだ導入している企業は少ないですが、大手企業では導入しているところもあります。

ヤフー株式会社

IT企業の大手ですが、一般的に知らない人はいないぐらいの認知度を誇るヤフー株式会社。制度としては、勤続10年以上の正社員が対象で、最長で2〜3ヶ月の休暇を取得することが可能です。また休暇支援金として、基準給与の1ヶ月分が支給されます。年次有給休暇や積立有給休暇との併用も可能です。

株式会社リクルートテクノロジーズ

就職や転職でも有名なリクナビ、ウエディングやブライダルのゼクシィなど幅広い事業を展開しているリクルートグループのIT企業です。こちらは勤続年数3年以上の社員が対象で、3年ごとに最大28日間の休暇を取得できる「STEP休暇」という制度を導入しています。また応援手当として、一律30万円の支給があります。

リクルートテクノロジーズでは、有効期限が発生から2年の年次有給休暇を、未消化の場合40日分積み立てられるストック制度も導入しています。

株式会社ぐるなび

グルメ情報や飲食店予約ができるぐるなびを運用している株式会社ぐるなびも「プチ・サバティカル」という休暇制度を導入しています。この制度は勤続5年で、3日間の連続休暇を取得でき、活動支援金として2万円の援助金が支給されます。

また最近の導入例として、医療システム開発の株式会社ファインデックスが、10年勤務するごとに最長6ヶ月の休暇を取得できるサバティカル休暇制度を導入しました。休暇中は基本給の3割が支給され、取得後は取得前と同じ条件で復帰することができます。

参考リンク
サバティカル休暇制度を導入(2018年5月8日リリース)|株式会社ファインデックス

このようにサバティカル休暇を導入している企業もあります。こういった企業がモデルケースとなり、これから様々な企業でサバティカル休暇を導入する企業が増加することが予想されるでしょう。経済産業省でも、「人生100年時代(一億総活躍社会実現)」の到来を見据え、サバティカル制度の導入を呼びかけています。

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