福利厚生の住宅手当で従業員の負担を減らす!手当の種類は?

福利厚生の住宅手当で従業員の負担を減らす!手当の種類は?

住宅手当は、従業員の経済的負担を軽減する人気の福利厚生制度のひとつです。企業にとっては、負担の大きい制度でもあるため、入念な検討が必要です。今回は、住宅手当の種類や特徴、導入手順や注意点を解説していきます。すでに導入している企業の事例も紹介していますの参考にしてください。

従業員に人気の福利厚生の種類は?かかる費用と効果的な導入方法

福利厚生で人気の種類一覧。福利厚生とは?の疑問にすべて答えます

住宅手当とは?

住宅手当とは?
住宅手当は、自社で働く従業員の住まいに関する手当を支給する福利厚生制度です。法定外福利厚生のため、実施は企業の任意となります。従業員の持ち家や賃貸契約をしている住居に対して支給されます。

住宅手当を導入する際の規定や条件に法的制限はありません。企業が自由に設定することができます。一律額で住宅手当を支給している企業もありますし、従業員の状況に応じて支給額を設定することも可能です。

住宅手当は、企業の福利厚生に掛かる費用の中でも、大きな割合を占める項目のひとつです。現金で直接支給する場合は、従業員の給与の扱いとなり、課税される福利厚生です。

従業員にとっては、経済的な負担を軽減してくれる嬉しい制度です。しかし、企業側の負担が大きいため、住宅手当を廃止したり、現金支給以外の手段を使って住宅に関する補助を出す企業も増えています。

福利厚生で住宅手当を導入するメリット

福利厚生として住宅手当を導入することで、導入企業にとってどのようなメリットが期待できるのかを見ていきましょう。

求人募集でのアピール要素となる

求人募集でのアピール要素となる
人材不足が深刻化するなか、住宅手当があることは、求職者が求人広告を見る際に、目に留まりやすいアピール要素となるでしょう。

近年は外国人を雇用する企業が増えており、そのほとんどの外国人従業員が賃貸アパートやマンションで暮らすことになると思います。日本で賃貸契約を取り付けることは、外国人にとって容易なことではありません。

外国人が日本で部屋を借りる際に必ず必要になる保証人探しや、不動産会社とのコミュニケーションなど、経済的な面だけでなく、住む場所をスムーズに確保できるかどうかも、彼らの高いハードルとなります。サポートが充実していることも大きなアピールになると考えます。

外国人の賃貸住宅保証サービスや、外国人向けの保証人不要賃貸物件探しサービスもありますので、あわせて確認してみることをお勧めします。

参考:
外国籍社員受け入れトータルサポート|株式会社リロ・エクセル インターナショナル
住宅手配、VISA手配サポート、銀行口座の開設、役所手続きへの同行、携帯電話の契約など外国籍社員へのあらゆるサポートをワンストップかつ英語で提供。

外国人入居希望者向け|株式会社グローバルトラストネットワークス
日本の外国人専門賃貸・不動産サイト|ベストエステート

従業員の定着率の向上

住宅に関するサポートは、従業員の生活に直結します。企業にとっては負担でも、従業員にとっては大きなメリットのひとつです。手当があるから、通勤が楽、良い条件のところに住むことができるという声も多いです。もし転職をすれば、現在得ている住宅手当がなくなると困るため、生活の基盤の維持を優先して思い留まることもあるかもしれません。

安定した経済的基盤の証明

企業にとって負担の大きい住宅手当ですが、それを導入できていることが経営基盤が安定しているという証明にもなります。もちろん、福利厚生が充実している企業、もしくは人を大事にする企業という点も伝わると思います。それだけでなく、住宅手当の導入の場合、求職者だけでなくすべてのステークホルダーからの信頼性も、より高まるでしょう。

住宅手当の代表的な例

住宅手当の代表的な例
企業が従業員に提供している住宅関連の補助には、いくつかの種類があります。ここでは、「住宅手当」「家賃補助」「社員寮・社宅」「引っ越し手当」について、一つひとつを説明していきます。

住宅手当

ここでいう住宅手当は、持ち家のある従業員に対して、住宅ローンの一部を現金で支給することを指します。雇用形態や扶養している家族の人数など、状況によって支給額を設定している企業が多いです。また、住宅ローンの支払額に応じて段階的に支給額を決めているところもあります。

現金支給となるため、課税対象です。従業員の持ち家率が減少していることや、従業員ごとに支給額が異なるため不公平になるとして廃止する企業が増えています。

家賃補助

賃貸アパートやマンションに住む従業員に対して、家賃の一部費用を補助するものです。こちらも従業員によって家賃が異なるため、支給対象者の範囲も含め、企業負担の割合も企業ごとに異なります。従業員と家主が直接契約をすることになるので、企業からは現金支給です。したがって、課税対象となります。

社員寮・社宅

企業が不動産を所有し、従業員に住宅として貸し出す制度です。個人で契約するより、低価格の家賃で住まいを提供することができる制度です。

また、社員寮や社宅の運営に掛かる費用は、要件を満たせば福利厚生費としての計上(非課税)が可能です。維持費や管理費が必要になり、社宅の稼働率が下がると価値が下がるというデメリットもありますが、企業資産としての扱いになるので、節税効果も期待できるでしょう。

現在は、一般の不動産会社と賃貸契約を結び、自社不動産をもたずに借り上げる形で従業員に提供している企業が増えています。社宅や借り上げ社宅を導入すると、契約や月々の管理など煩雑な業務が伴ってきます。

これを受け、社宅に関するアウトソーシングサービスも増えてきているようです。管理や運用を任せることができ、自社の負荷を下げる有効策として活用されています。

引っ越し手当

引っ越し手当に関しては、以前は、従業員の転勤や赴任に対し、費用の一部を支給する制度が一般的でした。近年は、会社の近くに引っ越す際の引っ越し費用に対して支給をしている企業が増えています。支給対象条件や支給額は、企業で自由に設定することができます。

引っ越し手当を、福利厚生費として計上(非課税)する場合は、「社内規定があること」「一般的に必要とされる金額の範囲内」という要件を満たしておく必要があります。

住宅手当を導入している企業の事例

住宅手当を導入している企業の事例
では、住宅手当を導入している企業の事例をご紹介していきます。

近隣住宅手当

近年、オフィスの近隣に住んでいる従業員に対し、手当を支給する企業が増えています。通勤のストレス緩和、健康増進のための支援、通勤手当の削減にもつながっているようです。取り組み事例をみていきましょう。

グラニ

正社員には、月に2万円の家賃補助があり、従業員の100%が利用しているそうです。
その家賃補助に加えて、オフィスから1.8キロまでの徒歩圏内に住んでいる従業員には、近隣住宅手当として月額7万円を支給しています。また、就業にあたり徒歩圏内(1.8km以内)に引っ越す従業員に対しては、一律50万円の引っ越し費用の補助があります。

参考:グラニの福利厚生と制度|株式会社グラニ

グリー

オフィスの近隣(対象圏内)に住む従業員には、家賃の5割(上限5万円まで)を補助しています。近隣住宅補助対象圏外から対象圏内に引っ越す従業員に対しては、初回のみ20万円の引っ越し費用の補助があります。

参考:GREE Lifestyle Support|グリー

gloops

オフィスから2km圏内に住む正社員には、月額4万円が支給されます。近隣住宅補助圏内に引っ越す場合は、不動産業者を斡旋してサポートを行い、その仲介手数料の一部を補助しています。

参考:採用情報|株式会社gloops

近隣を問わない家賃補助

オフィスからの距離を問わない住宅手当もあります。勤続年数が増えると待遇がよくなっていく形態が、多く見受けられます。

サイバーエージェント

オフィスから2駅圏内に住む正社員に対しては、月額3万円の補助金(2駅ルール)を支給しています。5年以上勤務する正社員になると、距離制限なしで月額5万円を補助(どこでもルール)しています。

参考:安心できる福利厚生|株式会社サイバーエージェント

ウエディングパーク

どこでもファイブと名付け、勤続5年以上となった従業員に対して、月額5万円の家賃補助を支給しています。ウエディングパークは、休暇制度や社内部活やスキルアップ支援など、数字の5に紐づけた内容の福利厚生を打ち出して、印象度を上げているようです。

参考:ウエディングパークカルチャーをつくる独自制度まとめ|株式会社ウエディングパーク

社宅・自由選択社宅

比較的大企業に多いですが、社宅を所有しているところや、借り上げ社宅を導入している企業もあります。

伊藤ハム

独身・単身社宅、福祉社宅、転勤社宅など、必要性に応じて誰もが制度を利用できるように整備されています。その他の住宅手当も完備。社宅は、あらかじめ用意されたものではなく、従業員が地域も物件も自由に選ぶことができるそうです。

参考:人材育成と福利厚生|伊藤ハムグループ

オリンパス

男女それぞれ専用の独身寮があります。また、借り上げ社宅の利用も可能です。オフィスにアクセスのよい場所に、新婚者用社宅(2LDK+バルコニー+駐車場完備)を建設。結婚5年目までの従業員が入居できるそうです。

参考:福利厚生|オリンパスグループ

住宅手当を導入する際の注意点

住宅手当を導入する際の注意点
人気のある住宅手当ですが、税法上の絡みもあり、手順に不安のある担当者も多いのではないでしょうか。導入の手順と注意点を確認しておきましょう。

導入手順

住宅手当の基本的な導入手順は、次のようになります。

  • 導入する住宅手当の内容(種類)を決定する
  • 支給の基準項目とそれに伴う支給額を決める
  • 決定事項を就業規則に記載する
  • 従業員に周知し、該当者への支給を開始する
  • 税法や労基法に則って、会計処理を行う

社宅や借り上げ社宅の導入手順

社宅や借り上げ社宅の導入手順を説明します。

  • 物件の確保
    (借り上げ社宅の場合は家主との契約)
  • 賃貸料相当額の把握
    (借り上げ社宅の場合は家主に確認)
  • 企業の負担割合を決定する
    (賃貸料相当額の50%以上を従業員から徴収していれば非課税)
  • 入居者の月額会計処理
    (給与から従業員負担分を天引き)
  • 要件を満たしていれば企業負担分を福利厚生費として計上(非課税)

※自社所有の社宅の場合、上記に加えて、固定資産税の支払いが発生します。また、物件を管理やメンテナンスするための費用や業務が必要となります。

アウトソーシングを活用した導入もおすすめ

社宅や借り上げ社宅を導入にあたっては、アウトソーシングサービスの活用もぜひ検討してみてください。業務が簡素化されるだけでなく、入居者へのサービスの質も向上できるでしょう。

自社所有の社宅がある場合は、管理やメンテナンス、入居手続きなどに掛かる業務の一切を代行業者に委託することができます。借り上げ社宅の場合も物件選定から、家主との契約手続き、入居・更新・解約に掛かる書類作成、支払業務、稼働率分析や管理などほぼ一括で任せることができ大変便利です。

参考:
借り上げ社宅管理・転貸方式で業務改善|株式会社リロケーション・ジャパン
社宅管理代行≪ANSWER≫アンサー 借上社宅|株式会社タイセイ・ハウジー
社宅管理代行サービス|東京建物不動産販売株式会社
社宅管理代行|三井不動産レジデンシャルリース株式会社

注意すべき点

注意すべき点
住宅手当を導入する際の注意点を押さえておきましょう。

規定はシンプルにする

従業員の住宅状況や家庭環境は多種多様です。それぞれに対応するために、あまりに細かく対応事項を設定すると、運用が煩雑になってしまいます。できるだけシンプルな規定にすることをおすすめします。どの従業員にも当てはまりやすい基準に留めることで、公平性を保つこともできます。

制定は慎重に

住宅手当は、従業員にとって、給与と同じく大きな資金源となります。それに合わせて生活設計をしていく従業員も少なくないはずです。あとから規定の変更や縮小があると、さまざまな手続きが発生したりして、不満の声が上がる確率が高くなります。

住宅手当に関する社内規定は変更がしにくいという前提で、始めの策定段階で予算計画を踏まえて、入念に検討されることをおすすめします。

縮小傾向であることを認識する

住宅手当を現金支給している企業の数は、全体的には減っているという現状があります。現金支給のため、逆に、従業員の税負担を増加させる点も、その理由のひとつです。非課税にできる他の補助への切り替えが進んでいることは、知っておいたほうがいいでしょう。

従業員の住宅状況や傾向をしっかり確認して、本当に必要で有効なものか、他にもっと有効な方法がないかを検討されることをおすすめします。「自社」の従業員に喜ばれる住宅手当を選択していきましょう。

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