適性診断サービスで企業を変革する自律型人材を発掘し、育成する

適性診断サービスで企業を変革する自律型人材を発掘し、育成する

なぜ自律型人材が今組織で求められるのか

企業の成長ステージと求められる人材

2018年に日本国内でベストセラーになった書籍『ティール組織(フレデリック・ラルー著)』で、”自律的に考え行動する個人の集合体=ティール組織”の概念が提唱されたのは記憶に新しいところです。

経済効率・合理性が重視された過去の組織では、個々の従業員のフォロワーシップが重視されていましたが、新型コロナウイルス感染対策・SDGs・DXなど社会的課題が山積する今日、組織で求められる人材は大きく変わりました。

今日具体的に求められているのは、課題解決のための専門能力に加え、コミュニケーション能力・主体性・チャレンジ精神などによるマインドセットをもち、主体的に考えながら周囲を巻き込んで行動できる人材です。

「将来は明るくないが、現状には特に不満はない」という意識をもつ日本人が多い中、既存従業員や新規求人応募者の中から自分自身で将来を切り開く気概をもつリーダー適性の高い自律型人材をいかに発掘できるかが、組織の停滞を回避し持続的発展を目指す上での課題になりつつあります。

採用時の適性診断の重要性

採用時の適性診断の重要性

 「一目ぼれ」との言葉があるように、人間は出会った相手の第一印象で、その人格の良し悪しを判断する傾向があります。職場で日常的に相手とコミュニケーションするようになれば、相手への第一印象が変わってくることもありますが、短時間・一発勝負の採用面接では、第一印象に基づく判断を変えることは極めて困難です。

筆者は1990年前後に小売業での採用担当者として、ほぼ毎日応募者面接を行っていました。当時はバブル全盛期で、母集団形成にとても苦労しましたが、採用した人が職場で元気に働いている姿を見て、とても嬉しかったことを覚えています。

その一方で、思い出したくない失敗の記憶も多くあります。特に記憶に残っているのは、2人の応募者についてのエピソードです。

自分に素直に生きるAさんの場合

1人目は面接時の質問にハキハキと答え、対面印象がとてもよかったAさんです。Aさんは適性診断の結果、情緒的に問題があり採用を避けるべき人材でしたが、応募者不足もあり筆者の判断で採用し、ある部署に配属しました。

配属してから間もなく当該部署から、Aさんが見当たらず皆で探しているとの連絡がありました。何か不測の事態が起こったのではないか、とても心配し本人に何度も連絡し続けました。翌日になってやっとAさんと連絡がとれましたが、周囲に無断で退職しており、そのことを反省する言葉は全くありませんでした。

本音をみせないBさんの場合

2人目は面接時に沈着冷静で、落ち着いた受け答えが印象的だったBさんです。

適性診断(性格診断)の多くは、自分自身の行動・価値観などについて先入観を入れずに回答することで、信ぴょう性の高い結果が得られますが、自分自身をよくみせる意図(作為性)を働かせて回答する応募者が一定の割合で存在します。

Bさんの適性検査の結果はまさに作為性が高い結果で、本人の真の性格はわからない状態で、再面接を行い本人の意図を確認すべきでしたが、こちらも筆者の判断で採用し配属したところ、よりよい条件の職場がみつかったので即日退職の申し出が本人からあったとの連絡が当該部署からありました。
     
Aさん・Bさんの面接時の印象と入社後の行動・心理

Aさん:好対面印象Bさん:冷静沈着
面接時○活動的、明朗闊達
○ソツない応対
○明確な意思表示(主体的)
○冷静沈着、落ち着き
○ソツない応対
○柔軟性が高い(従属性)
入社後×早期離職(問題行動等)×早期離職(円満退社)
心理×自分に素直に生きる(天真爛漫)
×組織に帰属すること、他人と協調する(≒自由を失う)ことへの恐怖
×本音をみせない(自分を装う)
×より条件のよい仕事を探す

こうした経験があり、筆者は適性診断の重要性を強く認識するようになりました。またユーザーとして、既存の適性診断サービスに関する問題意識をもつようになりました。

既存の適性診断に対する問題意識

  • マイナス面(ストレス耐性)を重点的に判定 → プラス面がわかりにくい
  • 結果がわかりにくい(≒読み込まないと理解できない)
  • 使い勝手が悪い(例:結果が出るまで時間がかかる)
  • 費用が高い(1診断3,000~5,000円が相場)

少子高齢化が進み採用における母集団形成が難しい中で、なぜ今さら適性診断を行う必要があるのか、との声を企業・団体の採用担当者から聞くこともあります。

しかし採用に携わった者として、面接では見抜けない気質・性格・マインドセットなどを把握するための手段として、適性診断サービスの利用をお勧めします。

適性診断サービス検討時のポイント

適性診断サービス検討時のポイント

国内でも多くの適性診断サービスがありますが、診断対象の領域(気質・性格・知力等)や結果のフィードバック方法は個々に違っています。数ある適性診断サービスの中から自社にあったサービスを選ぶ際に検討すべきポイントを整理してみました。

前段階で整理しておくこと.適性診断の測定領域

前段階で整理しておくこと.適性診断の測定領域

適性診断の測定領域例

適性診断サービスを新たに利用する、または現在利用するサービスから切り替えるにあたって、応募者のどのような資質を重点的に見極めたいのか予め整理しておくことが重要です。

見極めたい資質例

  • 応募者のメンタル面(情緒的に安定しており、安定した作業が可能)での懸念事項の有無
  • 応募者の採用後、組織内での適性配置に必要となる性格・価値観(目標意識・感受性・競争意識・前向性・責任性等)の傾向を見極める
  • 応募者が業務遂行に必要な基礎学力(言語・非言語等)の保有度合いを見極める

検討ポイント1.診断結果(フィードバック)の確認

適性診断の結果は、採用担当者や面接官などが内容を確認し、以降の応募者の採用選考に活用されます。また一部の企業では診断結果を応募者に開示することで、応募者満足度の向上を図る取り組みも行われています。

人事以外の従業員や応募者本人に診断結果を開示する場合、結果が分りやすくフィードバックされているかがポイントになります。

診断結果を確認するユーザー例

  • 人事部門の採用担当者のみが結果を確認する(→複雑・難解な診断結果も可)
  • 人事部門以外の面接官も結果を確認する(→複雑・難解な診断結果は不可)
  • 採用後や受検者満足度向上のため、本人に結果を開示する事がある(→複雑・難解な診断結果は不可)
適性診断のフィードバック例

出典:ベクトル「PETⅡ」診断フィードバックシート

検討ポイント2.適性診断の実施環境

応募者による受検方法、また診断結果の事務局による確認方法は利用する適性診断サービスによって異なるため、自社の選考フローにあったものを選択することがポイントです。

また受検時間が長いサービスは、メリットとして応募者に関する多くの情報が得られる反面、応募者への負荷が大きいため、応募者満足度を向上させたい場合には注意が必要です。

なお受検方法はより多くの実施方法に対応可能、結果確認は即日確認可能なWEBサービスがベターです。

応募者の受検方法

  • WEB受検:応募者が自身のパソコン・スマートフォンにて受検する
  • テストセンター受検:応募者が面接会場・テストセンター等で備え付けのパソコンにて受検する
  • 質問紙受検:応募者が面接会場・テストセンター等で質問紙にて受検する

診断結果の確認方法

  • オンライン:WEB上の管理画面から結果を即日確認する
  • オフライン:回答済みの質問紙をサービス企業に送付し、後日結果を受領する
適性診断の受検の流れ(WEB受検)

検討ポイント3:採用後の適性診断の利用

適性診断には、応募者の採用選考に特化したサービスや、内定・入社後の研修・カウンセリング・昇格時のアセスメント等にも利用可能なサービスがあります。内定・入社者の早期辞退・退職防止や、既存従業員の定着・配置等に課題がある場合、後者にも対応可能なサービスを検討することになります。

適性診断サービスの利用範囲

  • 応募者の採用後の適性診断の利用はない
  • 応募者の内定時・入社時等の研修で利用する可能性がある
  • 応募者の入社後のカウンセリング・アセスメント等で利用する可能性がある
適性診断の研修での活用例

検討ポイント4:使い勝手の確認

近年AIや企業におけるタレントマネジメントへの関心の高まりから、適性診断の結果と入社後の活躍度合を分析し採用選考に活用するなど、より高度な適性診断の活用を模索する動きが活発化しています。

また適性診断の結果をRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を使って自動で採用支援システムにアップロードするなど、より効率的な使用方法も広がりつつあります。これらのデータ分析に対応できるよう、診断結果がデータとしてダウンロードできるサービスが望ましいです。
適性診断サービスの管理画面例

出典:ベクトル「PETⅡ」管理画面

適性診断導入手順と成果を出すためのポイント

適性診断導入手順と成果を出すためのポイント

検討が済み、適性診断サービスを導入する場合の大まかな手順と、導入成果を最大化するためのポイントは以下のとおりです。

導入ステップ1.診断結果の検証

適性診断サービスごとに診断領域・フィードバック方法は異なっているため、応募者について自社が欲しいデータが得られるか、フィードバック内容を中心に検討する必要があります。

また受検者の性格・価値観等が正しく(違和感なく)診断されるか、既存従業員を何名か選んで試行実施し、個人別の結果を確認することも重要になります。
適性診断のロジック例

導入ステップ2.診断費用・必要工数の検証

適性診断サービスの料金は、サービス利用費用(従量制/サブスクリプション制)と初期費用に大別されます。またサービス利用費用には受検前に料金を支払う先払い方式と事後に支払う後払い方式があります。

想定される受検件数に基づく総額費用の多寡(=コストパフォーマンス)、および受検前の事前手続きの有無(=必要工数)を事前に確認し、コストパフォーマンスと使い勝手がよいサービスを選ぶことが重要です。

導入ステップ3.診断実績の検証

適性診断サービスの内容によっては、特定の業種・職種との親和性が高いサービスがあります。公開されている情報から、サービス全体での受検者数・利用社数だけでなく、自社が該当する業種・職種での実績についても確認したほうがベターです。

ベクトルの「PETⅡ」「PET-p」

ベクトルの「PET-p」適性検査結果画面

出典:ベクトル「PET-p」適性検査結果画面

2019年からはじまった新型コロナウイルス感染症の拡大により、採用活動が対面から非対面中心に変化しています。また感染対策などで業務量が増加する中、採用活動をより少ない時間で効率的に行いたいという担当者の声が多くあります。

人事・採用担当者の声

  • 対面からオンラインに面接がシフト → 応募者にかかわる情報量減るため、補完データがほしい
  • 対面での採用を前提とした紙媒体が使えな → オンライン化したい
  • 在宅勤務でも使えるツール(≒クラウド型のシステム)がほしい
  • 感染対策等で増加した業務以外は極力効率化したい → 利用に伴う工数のミニマイズ

ベクトルでは、独自のコンピテンシー・モデルに基づき、受検者のリーダー・マネジャー適性を診断、採用・育成等の場面でシンプルにわかりやすくフィードバックする「PETⅡ」と、応募者の大量選考に適したよりベーシックな「PET-p」の2つの適性診断をラインナップしています。

「PETⅡ」については、適性診断と組み合わせた内定者・従業員向けの研修サービスも用意しています。リーダー・マネジャー候補者の発掘手法、コストパフォーマンスの高い適性診断に興味がある方は、是非一度ご相談ください。

ABOUT US

明治大学文学部卒。流通大手企業にて、グループ会社への人事面での指導・新会社設立支援、および本社の人事改革に携った後、人事情報の体系化および人事データベースの構築を手掛ける。
株式会社ベクトルでは組織・人事コンサルタントとしてIT・建設・不動産など多様な業種でのコンサルティングに合わせて、人事情報システム・人事業務支援システム・サーベイシステムなどの設計を手掛ける。著書に『実践 人事制度改革』(共著、労務行政)などがある。