「手当を上げるより、会社の姿勢が伝わるものを」

大島電気株式会社

富井 修司様 山口 直起様

企業概要


社名
大島電気株式会社

業種
設備工事業

当時会員数
約70名

利用サービス

  • 福利厚生倶楽部

導入前の課題と期待

  • 課題:
    募集しても応募が来ない。採用と定着に、決め手が欲しかった

導入の決め手

  • 手当の拡充ではなく、社員にも社外にも見える形を選んだ

導入後の効果

  • カタログギフトを起点に利用が広がり、離職防止にも手応え

新潟県十日町市に本社を置く大島電気株式会社さまは、1946年の創業から2026年4月で80年を迎えた電気工事会社です。発電所・変電所の電気工事や機器メンテナンス、送電線の建設・保守を軸に、情報通信・配電・建築電気・消防設備までを手がけ、東北電力・東京電力・国土交通省・地方公共団体などの社会インフラを地域から支えています。従業員は70名。

「面接に来ていただけない、募集してもなかなか来ない。何かしらのインパクトがないと難しいんじゃないか」——建設業×地方という環境のなかで、採用と定着に危機感を持たれていました。

2020年3月に福利厚生倶楽部を導入。本パスワード取得率・アプリダウンロード率はいずれも91.4%と、登録・浸透は高い水準にあります。一方で「登録は進んだが、使う人が増えない」という壁にもぶつかり、2025年3月にはカタログギフトを付帯したプランへ切り替えられました。

今回は顧問の富井 修司様と、業務部の山口 直起様に、導入の判断から社内への浸透、そして地方企業ならではの本音まで、率直にお話を伺いました。

\導入事例をまとめた資料はこちらから/

  • 導入の経緯とその課題

健康経営という言葉がまだなかった頃から始まっていた

Q:まずは御社の事業と、大切にされている価値観について教えてください。

A(富井様): おかげさまで弊社は、創業80年をこの4月に迎えることができました。社会基盤を支える「電気」というインフラに携わる企業として、安定した電気を送り届ける使命感を大切にしています。これからも社員一丸となって努力し、次の100周年を目指してゆきたいと考えています。

事業としては一般住宅の電気工事をはじめ、発電所でつくられた電気を変電所に送る送電線工事、発電所や変電所内の電気設備の建設・メンテナンスなど、電力インフラに関わる幅広い仕事を行っています。また、官公庁やJR・私鉄などからご依頼いただく電気工事や通信工事にも携わっています。

Q:御社のホームページや健康経営の取り組みを拝見して、「健康」をかなり大事にされている印象を受けました。どういう背景があるのでしょうか。

A(富井様): きっかけは2016年あたりですかね。上層部から指摘があったんです。当社は有所見者が非常に多いと。定期健康診断をこれだけやっていて、会社も健康管理に気をつけているはずなのに有所見者が多い、どうなっているんだという話があったんですね。

2016年当時は、まだ「健康経営」という言葉は世間ではそれほど馴染みのない時代でした。そんな中で、社員の健康診断結果を見ると、他の業界と比べて、血圧や高脂血症などの数値が高い社員が多いことがわかりました。

昔から、健康管理は自分で管理するのが当たり前、という捉え方だったんですが、それではまずいんじゃないかと感じるようになりました。そんな時、産業医の先生からも、うちの会社は有所見者が多いので、会社として対策を講じるよう指導をうけました。そこから健康管理に前向きに動き出しました。具体的には、定期健康診断でCやDの判定が出た方をフォローするため、所属部署の上司と調整し、業務の忙しさにかかわらず、病院に行って再検査を受けられるようにしました。まずはそこから始めましょう、という進め方をしたんですね。

Q:有所見者が多いというのは、ハードに働かれていたということなんでしょうか。

A(富井様): というより、毎年同じような社員が繰り返し有所見となっていたんです。健康診断の結果を受けて、病院で再診するよう文書で勧告してもなかなか受診していませんでした。そこで、理由を調べてみると、「病院に行くための休暇を申請しづらい」「業務が忙しくて時間が取れない」といった事情があることがわかりました。つまり、本人の健康意識だけの問題ではなく、会社としても再診のために休みを取りやすい体制や環境が整っていなかったんですね。「仕事が忙しい」「行っても無駄だ」「自覚症状がないから行かない」——ただ、それが一番まずいことじゃないかと。

所属部署の管理者にも協力してもらい、本人と話をして、休みを取って病院に行ってもらうようにしたんですね。再診の結果「特に問題はないので様子を見ましょう」という社員もいれば、「治療が必要」とわかり、そのまま治療を始めた社員もいました。そうやって少しずつみんなに協力してもらいながら、会社として「健康経営」に向かっていった、ということですね。

Q:健康経営という言葉ができるより前に、もう取り組みを始められていたということですね。

A(富井様): そうなんですよ。「これが健康経営なんだ」というのは、後から名前がついてきたようなところがありましたね。

採用と、今いる人の離職防止

Q:そうした課題感が、福利厚生倶楽部の導入にもつながっていったのでしょうか。

A(富井様): 健康経営と直接結びつけて言われると難しいところもあるんですが、エンゲージメントというか、社員の働きがいや働く意欲、そういうモチベーションを上げることは大事ですから。

健康経営の中にはワークライフバランスも当然出てきます。仕事と家庭と、それから趣味と。そういうものがあって初めて会社での生産性が上がると考えれば、何かできればいいなとは思っていました。ただ、なかなかいいものがなくて、そのまま健康面の取り組みだけを続けていたんです。

そこに福利厚生倶楽部さんの説明を何度か聞く機会があって、こういうものもあった方がいいんじゃないかというのが1点。もう1つは、福利厚生倶楽部さんがおっしゃるように、こういう福利厚生があることは若者へのアピールになるんじゃないか、という採用面です。それらを含めてトータルで考えたときに、福利厚生倶楽部さんがいいんじゃないかということで進めていきました。

Q:導入前は、採用やワークライフバランスの面で具体的にお困りだったということでしょうか。

A(富井様): それは当然ありましたよね。面接に来ていただけない、募集してもなかなか来ない。そういう状況でしたから、何かしらのインパクトがないと難しいんじゃないかと。

新しい人を採用しなくてはいけないのはもちろんですが、それ以上に、今いる人たちが離職しないための手段も必要だろうと。それに、こういうものがあれば、休むこと自体や、余暇をどう使うかということにも意識が向いていくだろう。そういう考えで導入した、というレベルなんですよね。

「今いる人たちが離職しないための手段も必要だろうと」(富井様)

  • 導入の決め手:手当の拡充か、福利厚生サービスか

Q:他のサービスも比較検討されたのでしょうか。

A(富井様): 他社もいろいろ確認しました。ただ、値段の問題もありますし、うちとしてもどれだけ投資できるかというところがありましたので。検討を重ねて、福利厚生倶楽部さんが一番身近になるかなというところもあって、そちらに決めさせていただきました。

Q:福利厚生サービス以外の選択肢、たとえば手当を拡充するといった案はいかがでしたか。

A(富井様): 手当という話は当然ありました。福利厚生倶楽部さんにその分を払うのなら、手当を上げてほしいと。そういうことも言われましたね。

社内でも検討して、そうした方がいいんじゃないかという意見もあったんですが、総合的に考えたときに、社員だけでなく外部への発信も含めてどちらを取るべきか、という判断をしました。

もう1つは、当社に関心を持ってくださった方が会社を見に来られたときに、福利厚生のことをホームページに出せる。それが採用の時に役立つだろうと。宣伝という意味では、広告宣伝費に近い考え方ですね。それに加えて、今いる社員の働きがいというエンゲージメントの面も考えると、こういう形がいいんじゃないかと。

ただ、社員のために手当だけを増やすことがいいのかというと、それはちょっと違うんじゃないかと。

こうして2020年3月、福利厚生倶楽部の利用がスタートしました。

  • 運用(社員への周知浸透)、利用について

導入当初は、毎年リロクラブに来てもらって説明会を

Q:導入当初、社員のみなさまへの周知はどのように進められたのでしょうか。

A(山口様): 導入当時は毎年、福利厚生倶楽部さんに来ていただいて、使い方やログインの方法を従業員向けに説明していただく説明会をやっていました。

A(富井様): でも、やっぱり使わない人は使わないからな。

使った人の声を、社内に返していく

Q:説明会以外に、継続的に取り組まれていることはありますか。

A(富井様): ワークライフバランスの取り組みの中で、「こういうところに行って、こんなふうに使いました」という話を社員に伝えるようにしているんですよね。「こう使ったらよかったですよ」という体験や意見を出してくださいと、ワークライフバランスプロジェクトチームから呼びかけています。利用したときの良かった点を報告してもらえれば、それを他の社員にも共有しますよ、という形にしていて。

イントラネットの社内報で紹介しているんです。そうすると、みんなが「そうか、そういう使い方ができるのか」と気づく。意識が変わるので、いいと思いますね。

A(山口様): 毎月、福利厚生倶楽部の担当さんからいただくご案内を、「6月は6月の一押し」という形で、イントラネットで皆さんに配信しています。

ライフイベントのお祝いは、案内しやすい

Q:社員のみなさまに案内しやすいメニューはありますか。

A(山口様): 最近だと、お子さんが生まれた従業員に「福利厚生倶楽部でこういうお祝いの品がもらえるよ」と声をかけたりしています。「こんなものがもらえるんですね」と、若い子たちは結構いい反応をしてくれるので。

クーポンもそうですが、小学校入学のようなライフイベントに合わせたお祝いは、個人的にも従業員に案内しやすいなと感じています。

Q:実際に使われた方から、印象的なお声はありましたか。

A(富井様): 映画鑑賞券が安く手に入って、それで観られたという話はありました。

この辺りには映画館がなくて、50キロほど先まで行かないと観られないんです。長岡まで出て、買い物ついでに映画を観るという形になる。ですから、映画鑑賞券が安くなるのはいいよね、という話は皆さんからよく出ていましたよ。

あとは宿泊ですね。ピンポイントで狙うとすごく安い。それを知っているかどうか、というところもあります。

A(山口様): 若い人の方が使っているかなという気はします。ラーメンを食べに行ったときの割引とか、トッピング無料券とか。そういう話はよく聞きますね。

A(富井様): それと、本人は使っていなくても、奥さんが使っていたり、ご家族で使っている方がいるようなんですね。家族で一緒に出かけることも多いですから、自分では使わなくても奥さんが手配してくれる、と。そういう形で使っている人の話も聞きました。

「本人は使っていなくても、奥さんが使っていたり、ご家族で使っている方がいるようなんですね」(富井様)

  • 「地方には、使えるチャンスが意外とない」

Q:運用を続けるなかで、課題に感じられた点はありますか。

A(富井様): 苦言を言わせていただけるなら——東京や都会にはいろいろな店舗があって、クーポンを使えるチャンスがあるんですけども、地方には意外とないんですよ。

ですから担当者さんには、どんどん営業して、クーポンが使えるところを獲得してくださいとお願いしているんです。ただ、そこがまだまだネックになっている。利用率を見ても、そもそも利用するチャンスが少ないというところはあります。

Q:使っている方と、使っていない方の違いはどのあたりにあるとお考えですか。

A(富井様): 使っていない人は、おそらく一度も使っていないと思います。とにかく一度使ってみれば、「こういうところでも使えるな」と自分で探すようになると思うんですけどね。

社員の研修旅行で北海道に行ったときに、その場で使うといった知恵が働く人もいます。ただ、他の人はなかなかそこまで至らない。観光には行っているのに、「ここで福利厚生倶楽部を使えばいいんだ」という発想がまだ働いていない部分があって。

Q:認知が上がっていけば、まだ伸びしろはありそうということでしょうか。

A(富井様): 伸びしろはあるんですが、利用するチャンスが少ないこと自体が、その伸びしろを抑えてしまっているんだと僕は思っています。この地域でもっと使えるようになれば、福利厚生倶楽部が頭の中にありますから「ここで使えないかな」と探せる。ところが地元にあまりないとなると、よそに行ったときに急に使えるかというと、意外と使えない。使いこなせないんです。

Q:日常で使っていないと、非日常でも使えない、ということですね。

A(富井様): そうなんです。

カタログギフトへの切り替えで変わったこと

Q:2025年3月からカタログギフトを付帯したプランに切り替えられました。その理由を教えてください。

A(富井様): もちろん、利用率が低いからです。低いですし、従業員がメリットを感じていないことをひしひしと感じていました。「じゃあやめようか」というところまで来ていたんです。

広告宣伝費として、採用の面ではメリットがあるかもしれない。けれども社員にとってのメリットがないとなると、かえってモチベーションが下がるだけの話で。そこを何とかしたいと相談させてもらって、やっといい返事が来たのが、このカタログギフトでした。

1年前から仕組みを変えて、クーポンを利用するだけでなく、社員が5,000円相当のカタログギフトから選べるようにしたんです。これが社員には好評でしてね。会社がこういうことをやっているというのを、好意的に捉えてくれる社員がグーンと増えました。

Q:切り替えてみて、従業員の方の反応はいかがですか。

A(富井様): 反応はいいと思います。喜んでいますよ。品揃えも豊富で、結構いいんです。それなりにすごいと思います。

利用が限られている田舎の方には、カタログギフトの方がインパクトがあるような気がしますね。毎年カタログを見て「今年はこれにしようか」となりますし、家族との会話にもつながります。

そうすると、ご家族にとっては、会社が社員に対してある程度投資してくれているというのが見えてくるんじゃないでしょうか。手当に入れてしまうと、給料が上がったのかどうかもなかなかわかってもらえませんから。そういう意味では、こちらの方がいいんじゃないかなという感じはしますね。

  • 導入効果について

Q:導入してみての手応えは、どのように感じられていますか。

A(富井様): ワークライフバランスというのは、なかなか効果が数字で出づらいところではあります。ただ、使っている人からは「カタログギフト導入はよかった」という声が多く寄せられていますし、使っている人はやはり関心も高く、福利厚生倶楽部にログインして、他の商品を見るきっかけにもなっていると思います。それと、カタログギフト導入で、社員のモチベーションはかなり上がってきているんじゃないかと感じていますので、離職防止の面からも良かったと思っています。

採用の場面での手応え

Q:冒頭に挙げていただいた採用の面では、いかがでしょうか。

A(山口様): 採用活動で言うならば、福利厚生倶楽部に加入していること自体が他社との差別化になります。「福利厚生倶楽部に入っていて、いろいろな飲食店やホテルが安く利用できるんですよ」というのは、アピールポイントとして伝えています。

十日町の他の企業さんでは、あまり導入されていないですよね。ゼロではないですけれど。

A(富井様): 新卒採用や中途採用には、福利厚生倶楽部のアピールはとても良いと思います。今後は、うちの会社も認知してもらえるよう、もっと会社アピールして、相乗効果で採用活動を進めてゆきたいと思います。

Q:内定者の方への案内もされているのでしょうか。

A(山口様): 実際、内定者にも福利厚生倶楽部のご案内をしました。実際に利用したかはわからないんですけど、「こういうものもあるんだよ」と伝えて、登録だけはしてもらっています。

A(富井様): 高校生や大学生は、まだ自由に使えるお金も多くあるわけではないですから、少し安く買えたり、安く食べられたりするメリットは大きいはずです。ただ、内定者という枠にこだわらなくてもいいと思っているんです。「うちの会社に入れば、こんなメリットがある」とわかってもらえるよう情報発信してゆきたいと考えています。

新潟県十日町市の本社にて

お話ありがとうございました。

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