働き方の健康診断 第4回 働き方を変えるために必要なこと

働き方の健康診断 第4回 働き方を変えるために必要なこと

皆さま、こんにちは。ワーク・ライフバランスコンサルタントの新井セラです。前回の記事では、「時間リッチの秘訣は『優先順位』」というテーマで、「重要度と緊急度のマトリクス」をご紹介しました。緊急度だけに振り回されずに、重要度の高いタスクに着実に取り組めていますか?「このタスクの重要度は?」と考えることにより、自分の中で所要時間の見積もりも立てやすくなってきます。重要度が低いのだとしたら、あまり時間はかけられないですね。かといって、重要度が高くても、時間は有限。無尽蔵にかけていいわけではありません。適切な工数、適切な所要時間を意識できるといいですね。今回は、また次のステップ。「働き方を変えるために必要なこと」についてご一緒に考えていきましょう。

現状を変えるためのアクションを考え、実行しましょう

前回までのコラムでお伝えしてきたように、時間を見積もり、緊急度・重要度を元に計画を立て、時間を意識しながら進め、振り返る。振り返りで得た気づきをベースに、さらなる工夫をしていく。これだけでも残業が2~3割減る人もいるぐらい、実は大きなトレーニングになります。

時には筋肉痛のような苦しさもありますが、このサイクルに慣れてくると、もっと高い効果を狙いたくなるもの。現状をただ圧縮するだけでなく、より楽に、より効果的に、よりお客様や社内に喜ばれる、出すべき本来の価値が出せる、そんな仕事をしたいですよね。そのためには、現状を変えるためのアクションを考え、実行していきましょう。

といっても、どうやって?と思いますよね。よく見られるのが、アクション案はたくさん出てくるが、どれから手をつけるべきかわからずになかなか実行できない。あるいは、実行したいアクション案が多すぎて、全てに同時に手をつけてしまい、効果を感じられずに苦しくなってしまうという問題です。

そうならないためには、出てきた案を実際に実行する前に、“精査をする”というステップを間に入れる必要があります。私たちがコンサルティングの際によく使うのは、「効果と難易度のマトリクス」です。縦軸に難易度、横軸に効果を取り、4象限に分けています。

現状を変えるためのアクションを考え、実行しましょう

効果と難易度で取り組む順番を決める

ホワイトボードやA4用紙にこのマトリクスを書き、付箋に書き出したアクション案を貼ってみましょう。施策ごとに効果や難易度の比較をすると整理しやすくなります。

「難易度は高く効果は低い」という、左上の象限に入るアイデアは実行する必要は無いですね。反対に、右下の「難易度は低く高い効果が期待できる」象限に貼られたアイデアはすぐに実施しましょう。

自分だけでも取り組めることや同じ部署のメンバーを巻き込みやすいこと、例えばオフィスの机まわりやデータの整理整頓など、すぐに効果を実感しやすい施策が、この象限に入りやすい代表的なアクションです。

左下の「難易度は低いが効果も低い」アクションについては、取り組みやすいためすぐ着手したくなってしまいますが、効果を感じられずにモチベーションが下がる原因になりがち。効果が低いのだとしたら取り組まない、と決める勇気も大切です。

右上の「難易度は高いが高い効果も期待できる」アクションについては、最初から取り組むと苦しくなってしまうことが多いです。他部署や経営陣、他社を巻き込む必要があったり、効果が出るまでに時間がかかることも多いので、「難易度が低く高い効果が期待できる」アクションで成功を積み重ね、効果を実感しているタイミングで手をつけるのがおすすめです。

アクションを考えにくい時には課題を小さく分解

変えたい現状はあっても、どんなアクションをとるといいのかわからない。そんなこと、ありますよね。大きすぎる課題に直面してしまっているがゆえに、思考が進まなくなってしまっている状態です。

アクションを考えにくい、大きな課題に対しておすすめしているのは、課題を小さく分解すること。いわゆる、要因分析です。分解した小さな課題に対してであれば、解決策のアクションを考えやすいですね。

例えば「会議が長い」という課題を分解してみると、以下のようになります。職場によっては、もっと他の要因もあるかもしれません。

アクションを考えにくい時には課題を小さく分解
課題を小さくしてみると、打ち手のアイデアも出てきますね。出てきた打ち手のアイデアを効果と難易度で精査し、取り組む順番を決めて実行してみましょう。課題と解決策が合っていないと効果を感じにくいものですが、この方法をとると、課題に対して解決策が論理的に対応しているかという確認をすることもできます。

なぜその課題が起きているのかを考えながら分解してみましょう。

今回ご紹介しているツールはいずれも仕事だけでなく、ライフでも応用できるものです。主体的に動くことで、ワークもライフもより楽しく、さらに充実するよう、どんどん変化させていきましょう!

働き方の健康診断 第1回「とにかく忙しい」というあなたへの処方箋
働き方の健康診断 第2回 あなたの理想的な働き方は?
働き方の健康診断 第3回 時間リッチの秘訣は「優先順位」
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ABOUT US

ホテル業従事後、STR-RS (現UL-RS)で日本全国及びアジア各国の工場でのサプライチェーン監査と監査人の育成を担当。「働き方の健康診断」として、国際基準と該当法令をわかりやすく解説し、監査人としての指名多数。延べ5000人以上の工場経営者、従業員との対話を重ねた。日本では長時間労働と業務の属人化を解消できずに取引先としてのリスク判定が上がっていく企業が多いことから、日本企業の競争力をさらに高めるためにこそ働き方改革が必要だと実感。 2015年株式会社ワーク・ライフバランスに参画。前職の経験や知識を活かし、世界基準での働きやすい職場としてのきめ細かな観察をしつつ、相手の強みをさらに引き出すコンサルティングをしている。複雑なプロセスを分解し、誰でも瞬時に理解、行動できる仕組み作りを得意とし、会話を通して本質的な課題を引き出していることから、コンサルティング・講演でも顧客から高い評価を得ている。 ニュージーランド人の父と日本人の母を持つ。ライフでは、「違いが格差を生むのではなく、豊かさを生む社会へ」向けて活動する一般社団法人kuriyaを監事、プロボノメンバーとしてサポートしている。自身が地方出身・在住の為、地方企業への思いが強い。 詳しくはこちら ⇒ https://www.work-life-b.com/consultants/arai