働き方改革

働き方の健康診断 第3回 時間リッチの秘訣は「優先順位」

皆さま、こんにちは。ワーク・ライフバランスコンサルタントの新井セラです。前回の記事では、「理想的な働き方に近づくためのコツ」をご紹介しました。増やしたい時間を増やすことは出来ましたか?減らしたい時間については、どうでしょうか。やってみると、思ったとおりにいかない、というのはよくあることです。そんな時にはすぐに諦めてしまうのではなく、うまくいかなかった原因を考え、少し違う手で再チャレンジしてみることをお勧めします。今回は、次のステップとして「優先順位のつけ方」についてご一緒に考えていきましょう。

2018年06月22日更新

新井 セラ 株式会社ワーク・ライフバランス

時間の使い方に優先順位をつけられない?!

「いつも追われている気がする」「常に未完了感(やるべきことが終わっていない、すっきりしないという気持ち)を感じる」「やりたいことが出来ていない」そうおっしゃる方に試していただきたいのが、時間の使い方、そして自分のやることに「優先順位を正しくつけること」です。先ほどのような気持がつい多くなってしまう方によくみられる傾向は、「目についた順に業務に手をつけてしまう」「本当はじっくり考えたいのに考える時間を取れずに結果として的外れなものになってしまったり、手戻りが増えてしまう」「やり取りや仕事を増やしてしまう」というものです。テスト前に勉強しようと思って机に向かったはずが、なぜか部屋の掃除をしたくなってしまうというあるあるも、ちょっとこれと似ているかもしれません。

仕事でも、プライベートでも、この状況は苦しいですよね。出来ることなら大事なものにきちんと対応出来ているという実感を持ちながら、なおかつ、それ以外のこともコントロール出来ている、という状態にしたいものです。

そのために使いたいのが、優先順位を明確にするマトリクス。縦軸に緊急度、横軸に重要度を取り、4象限に分けています。

緊急度重要度マトリクス

緊急度と重要度で取り組む優先順位を見極める

大変有名なマトリクスですので、名著「7つの習慣」で知っている、という方も多いでしょう。このマトリクスを使ってタスクの整理をしてみることで優先順位が見えてきます。

お勧めは付箋を用意し、1つの付箋に1つのタスクと期日を書く、というやり方で今持っているタスクを全て書き出します。あわせて所要時間を記入したり、複数の種類の仕事がある場合には、カテゴリーごとに付箋の色を変えてみたりしてもいいですね。A4用紙にこのマトリクスを大きく描き、書き出した付箋を、緊急度と重要度に沿って貼ってみるのです。

第1象限は緊急かつ重要ですので、誰もが迷わずに優先して行うことでしょう。とはいえ、いつもいつもここに業務があると苦しいですね。そして、緊急でも重要でもない第4象限はなるべく減らしたいところです。他の方法で代替できないか考える、誰かに依頼する、頻度を減らす、定型化する、などの方法が考えられます。

難しいのが第2象限と第3象限です。どちらを優先するとよいのでしょうか?緊急度が高いだけに、つい第3象限を優先してしまいたくなりますよね。ただ、重要度が高いのはやはり第2象限。

緊急度重要度マトリクス2

「右下」こそ取り組んで、時間貧者(プア)を脱出!

私たちはの第2象限を「右下」と呼んでいます。忙しくしていると、「右下」にある業務は他の仕事に押しやられ、姿を消して見えなくなってしまうことがあります。その状態を放置しているといつの間にか緊急度が上がり、第1象限に来てしまうこともあります。来期のための計画や育成、大きな仕事の提案のための下準備など、将来のための種まきとして大事な仕事が第2象限に入ることが多いもの。もし付箋を分類した時に第2象限が空白になってしまったら、本当に無いかどうかをもう一度考えてみましょう。第2象限の仕事も含めて計画的に時間を取って進めることで「仕事全体をコントロール出来ている実感」を持つことができ、仕事の質も上がっていきますよ。

第3象限を制するコツは期日管理です。所要時間を見積もり、その時間を期日までに確保できるよう、手帳やスケジューラーに記入。難しい場合には早めに期日の交渉をしましょう。慣れない時には期日交渉をすると考えるだけでどきどきするものですが、重要度が低いだけに調整出来ることも多いのです。いつも期日を守り、信頼できる仕事ぶりをされている方からの依頼・要望には、なるべく応えたくなりますよね。日頃の期日管理をしっかり行うことで自身の信頼度を高め、本当に困ったときには勇気を持って交渉をしてみる。理想の働き方に近づいていくためのステップとして、ぜひチャレンジしてみましょう。

手帳

「重要度」はどう判断!?

マトリクスに付箋を貼る時に迷ってしまうとしたら、あるいは、上司や後輩との間で貼り方の判断が分かれるとしたら、重要度の判断の再確認が必要です。あなたの業務の重要度はどう判断するとよいのでしょう?売上だというケース、利益だというケース、影響範囲や人数の規模だというケース、また、複数の指標が関係することもあるでしょう。どんな要素を重要な点として判断するとよいのか、整理してみましょう。

また、その時によって、何が重要かは変わるもの。ライフでこのマトリクスを使うと、より一層はっきりとわかります。睡眠時間の重要性が高い時と、友人や家族と過ごす時間の重要性が高い時とでは、その時の健康状態や前後のスケジュール、友人や家族の状況によって変わりますよね。大切なのは、その時その時にきちんと判断できること。忙しさの波が押し寄せてきている時ほど、あえて整理する時間を持ち、優先順位に沿って動いてみる。判断の軸があるからこそ、自分でも納得して動けます。ワークにもライフにも、たとえ忙しい波が来ようとも、理想に近づけつつ、実り多く過ごしてまいりましょう!

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