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クレドとは。今の時代にクレドが求められる理由と導入のメリット

企業を成長させるために以前から注目されているクレド(Credo)をご存知でしょうか。経営理念や企業理念とも混同されがちですが、クレドとはそれらをより具体的なものにした信条や行動指針のことを指します。企業や勤めている従業員の成長を促すために導入する企業も増えてきています。

しかし導入するにはクレドというものをしっかり理解していないと、かえって逆効果になります。今回はそのクレドについての概要や、導入するメリット、導入方法や導入時の注意点などを説明していきます。

目次[非表示]

  1. 1.クレドとは
    1. 1.1.経営理念や企業理念との違い
    2. 1.2.なぜ今クレドが求められるのか
  2. 2.クレド導入のメリット
    1. 2.1.メリット1.従業員の意識改革
    2. 2.2.メリット2.継続的な人材育成
    3. 2.3.メリット3.従業員のモチベーションアップにつながる
  3. 3.クレドの導入方法
    1. 3.1.1.各部署から代表を選出し、議論を行う
    2. 3.2.2.プロジェクトの計画・目標を立てる
    3. 3.3.3.経営者の方針や理念を調査する
    4. 3.4.4.アンケート調査を行う
    5. 3.5.5.クレドを文章化し全従業員に伝える
  4. 4.クレド導入時の注意点

クレドとは

クレドとは クレド(Credo)とは、企業全体の従業員が心がける信条や行動指針のことです。

ラテン語で志・約束・信条を表す言葉で、企業理念などとは少し違う意味合いになってきます。

企業理念や社是などは、創業時に掲げる企業の目的や社会的責任、企業の存在意義などを明確に示している言葉です。

それに対してクレドは企業が創業した後、企業経営の具体的事実等から、企業の改革や組織の環境開発、コンプライアンス経営などを目的として作られます。

クレドを作り企業の従業員一人ひとりに周知することで、自分で考えて行動できる主体的な考えをもつ従業員の育成や、育成による従業員のモチベーションアップなどにつながります。

また企業というひとつの組織に属していることに責任をもち、倫理的で法規的な経済活動ができるようなコンプライアンス遵守にもつながります。


そしてクレドは企業における従業員の信条を表したもので、従業員にその信条を浸透させることによって従業員の考え方の改革、育成につながるものです。

クレドを浸透させるために、企業全体や所属しているグループ企業全体にも共有されているのが特徴です。考え方としては経営理念や企業理念に近く、言い換えられることもあります。

経営理念や企業理念との違い

クレドは経営理念や企業理念との明確な違いはなく、ビジネス上においては混同されることもあります。

特に企業の根本的な考えを示しているという意味では、経営理念もクレドも同じようなものと捉えられて、経営理念や行動指針などがクレドに言い換えられることもあります。

クレドは経営理念や企業理念をより具体的にし、従業員に浸透しやすいよう文章化されています。同じように見えるクレドと経営理念や企業理念の明確な違いをあげるとすれば、クレドは時代にあった考え方を推奨したり、日々考え方を進化することにあります。

クレドを60年以上も導入しているアメリカの「ジョンソン・エンド・ジョンソン」では、定期的にクレド・チャレンジ・ミーティングというものを実施し、企業が提唱しているクレドの考え方に対して、議論をしているといいます。

経営理念や企業理念は、そういった議論を従業員達がすることはほとんどないかもしれません。なぜならば経営理念や企業理念は、企業の考え方や存在意義の軸になっているもので容易に変えられることではないからです。

一方クレドは議論をした結果、活用されていなければ内容を更新することもあります。 こういったことから、クレドはその時々の時代にあったものを提唱することで、経営理念や企業理念を補足し、具体的な内容にすることで網羅性を高めている行動指針といえます。

なぜ今クレドが求められるのか

クレドが求められている背景には、2000年代に入ってから数々の企業の不祥事が起こったということがあります。倫理観(Ethics)の欠如です。 2001年には米国のエンロン社が、2002年にはワールドコム社という大手企業が不祥事により経営破錠し、日本でも金融不祥事や食品偽造問題が話題となりました。

それにより日本では、2006年に金融商品取引法や公益通報者保護法が制定され、企業の内部統制を義務づけるよう法令遵守が求められるようになりました。

企業は法規制を上回る自主行動基準の策定などを行い、企業の目的や社会的責任・存在意義をもとにした倫理観をもった行動を促すことができるクレドの重要性を見直すようになりました。

クレド導入のメリット

クレド導入のメリット クレドを導入することによるメリットはいくつかあります。

メリット1.従業員の意識改革

クレドを作ることで従業員の意識改革、また組織としてコンプライアンス遵守にもつながり、そういった目的で導入する企業も増えてきています。もともと、クレド導入理由がコンプライアンス遵守の意識と行動の改革を目的としている背景があるので、従業員の意識改革は一番のメリットです。


メリット2.継続的な人材育成

単発の従業員研修などは、日が経てば忘れてしまうこともあります。クレドは、企業の行動基準や価値観を企業と個人で共有できるツールでもあります。

そのツールによって企業の経済活動の判断軸を共有することで日常的な人材育成になり、また企業の意に沿った行動を主体的に考えられ行動できる人材に育てることができます。

メリット3.従業員のモチベーションアップにつながる

従業員はより明確な行動基準を知ることで、自信をもって業務を遂行することができるようになります。経営理念や企業理念のような抽象的な表現の場合、従業員によって捉え方が変わってくることもあります。

しかしクレド(より具体的な行動指針)があると自信をもって主体的な業務に取り掛かれるだけでなく、モチベーションアップにもつながります。


クレドの導入方法

クレドの導入方法 クレドを導入するには、経営理念や企業理念のような抽象的な表現を、より簡易的かつ具体的に深掘りすることが重要になります。また経営陣のみで議論するのではなく、全従業員主導で作成することにより、従業員に主体的な考えが生まれクレドが浸透しやすくなります。 具体的な方法として以下を参考にしてください。

1.各部署から代表を選出し、議論を行う

様々な部署や役職からメンバーを選出し、議論を行います。事業の方向性や行動指針など、経営理念や企業理念を掘り下げた内容から入ると議論しやすいと思います。企業がどうありたいのか、どういう意義をもっているのかなど、企業全体を様々な角度から分析することが重要です。

2.プロジェクトの計画・目標を立てる

様々な部署から人を割いているプロジェクトを円滑に進めるためには、目的に沿った計画が大事です。また5W1Hなどを参考に、クレドをなぜ作るのか、いつまでに作るのか、どうやって作るのか、などを議論して目標から明確にしていきましょう。

3.経営者の方針や理念を調査する

経営者から経営方針や理念を聞くことも重要です。企業の今後をどう描いているのかなど、今現在から未来のことまでの構想を聞くことはクレドを作る上で考えの軸になる部分なので欠かせません。

4.アンケート調査を行う

全従業員の意向をアンケート調査によってリサーチしましょう。従業員一人ひとりが考えの違う人間です。従業員の意向をクレドに盛り込むことで、組織としての自覚も生まれ、従業員にとっても関心をもつきっかけになるでしょう。 [kanren postid="11837" date="none" labeltext="あわせて読みたい"]

5.クレドを文章化し全従業員に伝える

最後に意見をまとめて文章化します。読み手になるのは従業員です。読みやすく従業員全体に浸透しやすい文章を心掛けます。内容は具体的に書くことで、従業員にも伝わりやすくなります。クレドカードを配布すると、日常的に従業員が確認することができます。

クレド導入時の注意点

クレド導入時の注意点 クレドを導入するにあたって、注意することがあります。まずはしっかり従業員に導入する目的を説明しなければなりません。

クレドは、全体で価値観の共有をすることになります。企業側の一方的な価値観の押し付けになってしまっては、従業員も共感できません。共感できない考え方ですと、いずれは反発が起こります。

そうならないためには、全従業員の考えをアンケートなどを通して聞くことが重要になってきます。

また従業員がやらされている感を作らないためにも、意見を聞く場を用意することも必要です。「上から言われたから実行する」より、「自分達も一緒に考えて決めたこと」だと思うことで、自然とやる気も出てきます。

また、クレドの内容と実際の行動が矛盾しないようにします。特に率先垂範すべき経営者が言行不一致の場合、反感が生まれます。経営者がクレドの内容をしっかり理解している必要があります。

クレドを作成するときは上記のことを注意します。従業員の数が多くなれば、それだけ意見の違いもあるので反感も生まれやすくなります。組織としての機能を強化するためにクレドを導入しようとしても、そういった反感により従業員の不満が溜まれば逆効果です。 クレドはメリットや導入時の注意点をしっかり理解した上で導入することで、効果的に活用することができます。


RELO総務人事タイムズ編集部
RELO総務人事タイムズ編集部
RELO総務人事タイムス編集部です。 本メディアは、「福利厚生倶楽部」の株式会社リロクラブが運営しています。 「福利厚生倶楽部」の契約社数は19,200社、会員数710万人という規模で、業界シェアNo.1を誇ります。 従業員満足を追求する人事や総務、経営者の皆様にとって少しでも有益になる情報を発信していきます。

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