人材・組織開発

ホラクラシー型組織のメリット・デメリット|ヒエラルキー型との違い

ホラクラシーという言葉をご存知でしょうか。組織を成す人の立ち位置がフラットで、個人の主体性を高める組織形態として登場しています。今回は、ホラクラシー型組織の特徴やメリット・デメリット、気になる給与体系、導入時のリスクなどについて紹介します。ホラクラシー型の是非は問われていますが、皆さんの組織が向いているのか、不向きなのか確認してみてください。

ホラクラシー

2018年08月01日更新

RELO編集部

ホラクラシーとは?

ホラクラシー
ホラクラシーとは、社内に役職や階級のないフラットな組織形態のことを指します。大きな特徴は、意思決定権が組織内で分散されるということです。それに伴って、責任の所在もそれぞれの部署やチーム、もしくは社員個人に分散されます。それぞれがより大きな裁量をもち、自主的に仕事に取り組めるようになることが期待できます。

ホラクラシー型の対義語は、ヒエラルキーです。現在もほとんどの企業が、階層型のヒエラルキー構造によって事業を進めています。

ホラクラシー型の経営で有名なのは、アメリカの通販サイトを運営するザッポス社です。賛否両論の中、近年、日本でもこのホラクラシー型の経営を行う企業が登場しています。

ヒエラルキー型組織との違い

ホラクラシー
ヒエラルキー型の組織の場合、階級や役職があり、管理職やリーダーが存在します。意思決定、とりまとめ、マネジメント、人事評価などは管理職やリーダーが行いますから、本来の業務以外にこれらの負担も組織の中の誰かが抱えることになるでしょう。

ホラクラシー型の組織は、そもそも管理職やリーダーを配置しません。個々の裁量と意思決定により役割は分担され、皆で仕事をやり遂げていきます。

ホラクラシー型組織のメリット・デメリット

ホラクラシー
ホラクラシー型の組織のメリットとデメリットについて考察します。

メリット

ホラクラシー型では、組織の中に上下関係がなくなり、役割分担も評価を行う人も特定の誰かではなくなります。

上に立つ管理者のマネジメントスキルのばらつきを心配する必要もなくなり、上下関係の存在で生じる不満や軋轢もなくなるでしょう。同時に、マネジメントに対する負担過多やストレスを感じる人もいなくなります。

意思決定の権限と責任は、社員やチームそれぞれに与えられるため、個々の主体性も強化されます。業務にフォーカスして役割分担が行われ、個々の役割がとても明確になるのが特徴で、この明確さが業務効率と生産性を上げていくようです。

デメリット

管理者の不在がデメリットになる場合もあります。問題やトラブルに直面したときは、個々の社員が負担とストレスを抱えることになります。また、役割分担が明確になるほどチームワークが希薄化する懸念があります。

管理者がいないことで、社員の行動の把握が困難になり、たとえば、機密情報漏えいの可能性などは高まるということもあるでしょう。また、これまでヒエラルキー型で進められてきた組織にとって、社員がホラクラシー型に慣れるまでには時間がかかるようです。

ホラクラシー組織での給与制度はどうなる?

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管理職が行う人事考課などによって給与設定がされている組織は多いと思います。ホラクラシー型の組織では、給与に関わる制度はどのように制定するのでしょうか。

仕事に対する相場で給与を設定

社内にある業務を相対的に見た相場や市場での相場などを考慮して、各業務に対する給与が設定されているようです。インセンティブや勤続年数による追加給、能力給などは一切付けず、その業務を行うなら誰が行ったとしても一律とされています。

給与をオープンにする

組織の中で誰がどんな業務を行い、その業務にいくら支払われるかをすべての社員が把握できる形になっているようです。これによって透明性かつ、公平性が保たれています。

ホラクラシー組織が向いている企業の特徴

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すべての企業がホラクラシー型に向いているわけではないようです。ホラクラシー型の組織に向いている企業の特徴を考えてみましょう。

セルフマネジメントのできる社員の集合体であること、責任感があり、主体的に動ける風土が築かれている組織であれば、比較的導入の効果を得やすいかもしれません。チームワークの希薄化の懸念を払拭するような協力意識、壁のない建設的な意見交換ができる体制があるという企業であれば、成果につながる確率は高いのではないでしょうか。

ホラクラシー組織を導入する上でのリスク・注意点

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ホラクラシー型の組織を導入しようとするときのリスクを考慮し、スムーズに機能させるための注意点を説明します。

責任・功績の所在を明確にする

役割分担に際し、その責任までを明確に提示した上で、意思決定を求めることが大切になります。また、最終的な功績を組織やチーム内でオープンにすることも必要です。

チームなど小さな単位で制度を導入していく

はじめから大々的に始めるのではなく、数人のチームなどの単位で導入してみることをおすすめします。業務形態や特色などによって、調整や改善すべき点が見えてくるでしょう。ある程度の検証を進めた上で広げていくことが得策です。

セルフマネジメント能力のある社員で構成

セルフマネジメント能力のある社員でないと、ホラクラシー型の組織は機能しません。組織の構成要員の条件として、セルフマネジメント能力があることは基準として入れておくべきでしょう。

ホラクラシーを採用している企業の例

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不動産業界向けのWEBソリューションを提供しているダイヤモンドメディア株式会社は、国内でもホラクラシー型の組織の先駆者ともいえる存在です。2008年の創業時からホラクラシー型の運営が進められており、その徹底によって成功している企業です。

具体的な取り組みとしては、給与は自己申告ではないのですが、組織全員で決められます。その給与も経費も含め、企業の財務情報はすべてオープンにされています。

上司、部下、雇う側、雇われる側の概念も排除されています。人材を企業に取り込む前の入り口になるところで、慎重かつ徹底したフィルターをかけるために3ヶ月間の業務委託契約が実施されるそうです。これは、企業の見極めのためでもあるのですが、何よりも働く社員の判断を仰ぐためです。

働く時間や場所、休みの設定は個人に委ねられています。それぞれのセルフマネジメント力が問われる部分となります。

実力が見合わなくなった社員には、周りの社員がメンタリングする仕組みが取り入れられています。ストレートなアドバイスを受けることによって、その後のキャリアを考えていけるようになっています。企業にとっても本人にとってもベストな選択をするためのものです。

参考 ダイヤモンドメディアが目指す、ホラクラシー経営とは|ダイヤモンドメディア

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