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人事担当なら理解しておくべき、睡眠マネジメントの効果

Withコロナの健康意識と睡眠

Withコロナの健康意識と睡眠 私達が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と対峙するようになって1年を越えました。

日本では医療従事者からワクチンの接種がはじまっていますが、Withコロナの生活は当分継続しそうです。 コロナ禍において、様々なことが大きく変化をしました。そのひとつに働き方の変化があります。勤務先に通勤することが当たり前だったことが、在宅勤務やリモートワークに切り替わった企業も多くあります。会議も対面ではなく、オンラインのシステムを使って実施することが一般的になりました。

そして、健康意識も変化したことのひとつです。免疫力の向上を多くの方が意識するようになりました。感染を防ぐ方法は沢山ありますが、自分の身体の免疫力向上はウイルスからの感染を防ぐために大事な要素です。

健康の三大要素として、「食事」「運動」「睡眠」がありますが、今回は人事担当者に理解して欲しい、「睡眠」が健康にどのような効果を及ぼすのかについて解説したいと思います。

睡眠のクイズ

睡眠のクイズ 突然ですが、睡眠についてのクイズにチャレンジしてみてください。

クイズは全5問。「YES」または「NO」の2択です。

問題1 「日本人は睡眠不足が多い。理想は『8時間』の睡眠時間が、良い?」

問題2 「寒い冬、身体を温めて寝たいので、寝る直前に、熱いお風呂にゆっくり浸かってから寝ることは、良い?」

問題3 「寝る前はリラックスしたいので、大好きな紅茶(緑茶)を飲んで過ごすことは、良い?」

問題4 「翌日の朝は慌てたくないので、寝る前に、スマホで、スケジュールやメールを確認して、安心した気持ちで寝ることは、良い?」

問題5 「平日は睡眠不足のため、休日はいつもよりも遅く起きて、睡眠時間を長くとることは、良い?」 以上になります。正解は後ほど。

日本の睡眠時間は世界最下位

日本の睡眠時間は世界最下位 日本人の睡眠時間は、世界の中でどのような順位(長い or 短い)にあるか、ご存知でしょうか。

OECD(経済協力開発機構)加盟諸国の34カ国を対象とした睡眠時間の調査があります。 2018年の調査で、加盟諸国の平均睡眠時間が8時間25分に対して、日本の平均睡眠時間は7時間22分で、最下位という順位でした。

日本は世界で最も眠らない国であるということなのです。 もしかしたら、日本の平均睡眠時間の7時間22分をみて、「意外と寝ているな」と感じている人もいるかもしれませんが、世界で比較すると全然寝ていません。

かつては「寝ずに頑張れ」という言葉がありましたが、欧米諸国からすれば、そのような考え方は受け入れられません。

例えば、Amazon社のトップであるジェフ・ベゾス氏は、このようなコメントをしています。「8時間寝ると、注意力や思考力の面で断然調子がいい。何よりも1日中気分がいい。」 

Amazon社のトップと聞けば、かなり忙しく仕事をしているイメージがありますが、だからこそ、8時間寝て、仕事のパフォーマンスを上げるというのです。

日本では、「睡眠負債」という言葉が、2017年、ユーキャン新語・流行語大賞トップ10に選ばれ話題になりましたが、このことからも日本人は、睡眠に対しての意識が低いことを認識しなければいけません。

では、その睡眠の効果にはどのようなものがあるのでしょうか。

睡眠の効果としては、心身の疲労回復の機能があります。心の面では交感神経を休息させています。仕事をしているときに交感神経を働かせていますが、睡眠時には副交感神経に切り替えて、この交感神経を休ませています。 そして身体の面では筋肉を緩めて、エネルギーを蓄積させています。

寝る前に食事をすることはよくないと言われますが、なぜかといえば、食べ物を口にすると食道を通り、胃と腸で消化活動を行います。睡眠時は内臓も休む時間帯ですが、寝る前の食事はいつまでたっても内臓が休まる時間がありません。

このように、睡眠には、心身の疲労回復の機能があります。そして、その疲労回復ができるからこそ、免疫力の向上につながり、健康な状態で仕事に取り組むことができるのです。この仕組みを理解しておくことが大切です。

良い睡眠に向けて5つのアドバイス

良い睡眠に向けて5つのアドバイス それでは、先ほどチャレンジしていただいた「睡眠のクイズ」の答えをここで発表します。5問ありましたが、正解は全て「NO」になります。 その理由も含めて、これから良い睡眠に向けて5つのアドバイスを記しますので、ご自身の睡眠習慣と比べてみてください。

  1. 「理想の睡眠時間は、人によって異なる」
    • 睡眠は脳と身体に休息を与えます。そして自律神経を整えます。
      また、最初のノンレム睡眠時に成長ホルモンが最も多く分泌され、代謝の促進につながります。
    • よく化粧品会社のCMで、お肌の潤いにとって最初の睡眠が大事というのは、この成長ホルモンの分泌のことを指しています。 さて、言葉の説明になりますが、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の意味はご存知でしょうか。
    • 「レム」というのは、「Rapid Eye Movement」の略で、日本語では急速眼球運動と呼ばれます。言葉の通り、目が激しく動いている睡眠のことです。このタイミングで夢をみたりします。夢を明け方にみるというのは、明け方になるとこのレム睡眠の時間が段々と長くなることから起こります。
    • 一方でノンレム睡眠はレム睡眠の逆になりますので、目があまり動きません。そして、眠りの深さが4段階あります。最初の睡眠でしっかり深く眠ることができるとそのタイミングで成長ホルモンの分泌が活性化し、疲労回復にも大きく影響するのです。深い眠りが少ないと疲労回復が弱くなります。
    • そして、睡眠時間は年齢とともに短くなるのが一般的です。よく40代50代の人が、「学生時代は8時間も10時間も寝られたのに、この歳になって6時間しか寝られないよ」ということを言いますが、自然なことであるので、心配はありません。 よって、問題1ですが、「理想は8時間睡眠」というのが「NO」となり、人によって異なり、年齢とともに短くなるのです。
  2. 「入浴は入眠90分前が理想」
    • 睡眠にとって、入浴のタイミングはとても大事です。睡眠は身体を休めて疲労回復につながるとお伝えしましたが、この身体を休めている時間は私達の体温が日中よりも下がります。
    • この体温が下がることで眠りがスムーズになります。 そのために、入浴を有効に使うことができます。入浴をすることで皮膚体温が上がります。上がったということは今度は下がるわけです。この体温の上がりを入浴によって意図的に作り出します。
    • その結果、入眠がスムーズに行われ、深く眠ることにもつながるのです。この体温の下りの時間が90分です。寝付きがよくない人は、入浴のタイミングを見直してみてください。そして、もし入浴の時間がとれずに寝る直前になってしまった場合は、湯船には入らずにシャワーで身体を軽く温める程度がベストです。
    • よって、問題2ですが、「寝る直前に入浴」というのが「NO」となり、入眠90分前の入浴、または直前ならばシャワーにすることが正解です。
  3. 「カフェインは、帰宅後はとらないが理想」
    • カフェインには覚醒作用があります。業務時間中にカフェインをとることは、頭をリフレッシュすることにつながりますので、有効です。
    • しかし、夜になってからは注意が必要です。その際は、ノンカフェインの麦茶やハーブティーがオススメです。
    • 一方、午後に短い時間で仮眠をとる人もいると思いますが、その人には仮眠前のカフェイン摂取がとてもよいです。カフェインによって、眠りが深くなりにくいので、スッと起きることができると思います。
    • よって、問題3ですが、「寝る前のカフェイン」というのが「NO」となり、寝る前はノンカフェインのものを選ぶようにしてください。
  4. 「寝室ではスマホを見ないことが理想」
    • スマートフォンのブルーライトは、入眠がスムーズにいかないことにつながります。
    • 睡眠を誘導するメラトニンが抑えられてしまうからです。 もう1つは、頭を働かせてしまうことで、脳が覚醒をしてしまうということです。目と頭の両方から冴えてしまいます。
    • この2つの理由から、寝室ではスマホを見ないようにすることが快適な睡眠につながります。
    • よって、問題4ですが、「寝る前に」というのが「NO」となり、寝室ではなくリビングでスマホを使い、寝室では必要以上に触らないことです。
  5. 「決まった時刻に起床が理想。休日も同じ」
    • 人間には体内時計があります。地球の自転は24時間ですが、人間の体内時計は24時間半から25時間あるといわれています。
    • 地球の自転24時間とは異なるということなのです。では人間の体内時計はどのように地球の自転24時間と調整しているかといえば、朝起きて、目から光を入れることで、体内時計はリセットされます。
    • しかし、起床時間が毎日違うと、毎日体内時計のリセットのタイミングが異なることになります。海外旅行で時差ボケを起こすのと同じ負荷を日本にいながら身体に与えることになります。このことをソーシャルジェットラグと呼びます。
    • 平日は仕事もあるため比較的起きる時間は一定だとしても、問題は休日の起床時間です。平日の睡眠不足を解消するために、休みの日はついつい遅くまで寝ている、お昼まで寝ているという人がいるかもしれません。そのような人は要注意です。体内時計のリセット時間がズレるために、時差ボケと同じ負荷を身体に与えています。 では、睡眠不足解消のためにどうしたらよいのか。
    • 休日も起床時刻は同じ時間にしてください。1時間の差に収めることができるとよいです。起床後、朝食もとってください。体内時計をリセットした状態で、お昼ぐらいから長めの昼寝をとることで、睡眠不足の解消につなげてみてください。
    • よって、問題5ですが、「いつもよりも遅く起きて」というのが「NO」となり、起きる時間は同じにして、昼寝を積極的に活用することが効果的です。

睡眠をマネジメントする

睡眠をマネジメントする 新型コロナウイルスの感染拡大によって、私達は様々な制約の中で生活を送らざるを得ません。そのことから、体調を崩したり、メンタル不全を起こしたりする人も増えています。その現象のひとつとして、睡眠の悩みをもつ人もいます。

今回紹介をしたように、睡眠の最大の効果は疲労回復の機能です。 仕事で成果を出していくためにも、その原動力となる身体が健康であることは外せません。この健康を維持するためには睡眠はとても大事なことです。しかし、頭では分かっていても良い睡眠を実践することは難しいものです。 この実践を後押しするものに "見える化" があります。健康診断や人間ドックの結果をみて、生活習慣を変えるきっかけになります。今回のテーマである睡眠も "見える化" によってマネジメントすることができます。

現在は睡眠測定ができるデバイスが多くありますので、そちらを使うことも有効です。しかしながら、人間の意志は弱いものです。強い意志をもって一人で頑張れる人ばかりではありません。みんながやるから自分もがんばれるという人が現実的には多いのではないでしょうか。 その状況を踏まえれば、企業の取り組みとして、睡眠改善や睡眠マネジメントをテーマに、組織として従業員一人ひとりの健康をサポートするという取り組みを考えてみるのも大切です。

睡眠改善プログラム「TechNeru」

睡眠改善プログラム「TechNeru」 スリープテクネが提供する睡眠改善プログラム「TechNeru」は、睡眠改善プログラムを通じて従業員のパフォーマンス向上と組織力の向上をサポートする法人向けサービスです。 個人の睡眠スコアと睡眠習慣を数値化して個人の課題を "見える化" し、さらにそれを組織の課題に落とし込んでから、課題解決に向けた取り組みをサポートしていきます。 従業員の睡眠習慣とパフォーマンスの関係性が気になる人事担当者は、お問い合わせください。

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RELO総務人事タイムズ編集部
RELO総務人事タイムズ編集部
RELO総務人事タイムス編集部です。 本メディアは、「福利厚生倶楽部」の株式会社リロクラブが運営しています。 「福利厚生倶楽部」の契約社数は19,200社、会員数710万人という規模で、業界シェアNo.1を誇ります。 従業員満足を追求する人事や総務、経営者の皆様にとって少しでも有益になる情報を発信していきます。

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