社内のモラハラ社員の特徴と対処方法|企業にとってのリスクや再発防止方法
あなたの職場でモラハラが横行していませんか?企業にとって職場にモラハラが存在してしまうと大きなリスクとなってしまいます。適切に感知して措置をとれるように、どういったものがモラハラになるのか、その特徴や原因などを認識しておくことが大切です。
モラハラ社員本人や被害者にどのように対処すべきか、また、どのようにして再発を防止できるかを説明します。
目次[非表示]
- 1.モラハラとは
- 2.パワハラとの違い
- 3.モラハラ社員の特徴・事例
- 3.1.特徴的な事例
- 3.2.何故、モラハラ行為に至ってしまうのか
- 4.モラハラ社員を放置することのリスク
- 5.社内のモラハラ社員への対応方法
- 6.法的手段に訴える場合は?
- 7.社内でモラハラに遭った社員のケア
- 8.社内でのモラハラ防止方法
- 8.1.モラハラとはどういうものかを徹底周知する
- 8.2.企業としての措置を提示
- 8.3.いつでも相談できる窓口の設置
モラハラとは
モラハラの正式な言い方はモラルハラスメントです。言動や態度によって、相手を精神的に苦しめたり、傷つけたりすることです。暴力や暴言ではない場合が多いため、周りの人が気付きにくいという特徴があります。
また、被害者が自分を責めがちになることも注意点として挙げられます。 学校や家庭の中でも起こり得ることですが、職場でもモラハラによってストレスを抱える社員が出たり、法的な問題に発展するケースも増えているようです。
パワハラとの違い
職場でのハラスメントの中にパワハラ(パワーハラスメント)があります。このパワハラは、上の立場にある上司などが、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を利用して相手に苦痛を与えるものです。
精神的、肉体的苦痛の両方があてはまります。 一方、モラハラは、職場内の立場は関係ありません。
したがって、同僚同士など、職場内の誰にでも起こる可能性があります。もちろん上司と部下の間にも存在し得るものですが、部下が加害者になることもあり得ます。モラハラの行為自体は、精神的な苦痛を与えるものです。
▼パワハラに関する基本知識は、次の記事よりご確認ください
モラハラ社員の特徴・事例
モラハラ社員の特徴、モラハラに至ってしまう原因や心理について確認してみましょう。
特徴的な事例
- 仲間外れ ランチや飲み会の際に、その人だけ誘わない 関係した仕事のミーティングでも声を掛けない
- 無視 挨拶や雑談などで声をかけても、無視する 仕事上のやり取りでもまったく反応しない
- 誹謗中傷・噂を広げる 事実でも事実でなくても、相手が不利になるような内容を周囲に振りまく 口頭の場合もあれば、メールや文書などで公にされる場合もある
- 必要な情報を与えない 仕事を進めるために必要な情報や資料などをわざと与えない
- 低レベルの仕事だけを回す 能力に見合った必要な仕事ではなく、ほぼ仕事に直結しないような雑用ばかり頼む たとえば、お茶くみやコピーというようなことを依頼する
- プライベートに干渉する 仕事時間以外に異常な連絡が繰り返される 家族や恋人に関して、不快なほどに知りたがる
何故、モラハラ行為に至ってしまうのか
モラハラの特徴を見ていくと、特定の人をターゲットにした陰湿ないじめともいえる行為が多いことが分かります。実は、モラハラをしている本人も自覚していないこともあるので厄介なのです。加害者がモラハラに至ってしまう原因には、加害者に潜む心理が関連しているようです。
たとえば、小さい時から周囲のモラハラを見ていたり、自分がモラハラを受けたりした経験があるとか、親の過保護や過干渉によって育てられてきた人も加害者になりやすい傾向が見られます。
また、自分に自信がなかったり、捨てられることへの恐怖感があったりしてモラハラ行為に至るケースもあるようです。
モラハラ社員を放置することのリスク
モラハラ社員を放置してしまうと、企業や組織にとってはリスクとなります。上記で紹介したように、モラハラ社員は自分自身に問題を抱えているのであり、被害者が悪いというわけではありません。
放置した場合、被害者にとっての職場環境はとても辛いものになってしまうでしょう。退職に至るケースも少なくありません。
しかし、たとえその被害者がいなくなったとしてもモラハラ社員は変わることはありません。次のターゲットを見つけて、モラハラ行為に及んでしまうのです。
現在は、モラハラ行為は法律に反する行為として認識されています(侮辱罪、名誉毀損罪、脅迫罪など)。職場のモラハラが訴訟問題に発展してしまえば、そのときだけでなく、企業イメージにも傷がつくことになるでしょう。何より、良好な職場環境が保てなくなってしまえば、業績にも支障が出てくるはずです。
社内のモラハラ社員への対応方法
モラハラ社員本人に、自分のしていることに気付かせることが大切です。気付いていないことも多いものです。 自覚をうながしても、通じにくいケースが多いことも否めません。
そのような場合は、モラハラ社員とは距離を置く体制を整えることが大切かもしれません。距離を置くとことと、仲間外れや無視することは異なります。
周りに反応する人(ターゲット)と加害者に同調する人がいることで、モラハラが成立します。被害者となった人と周りの人の信頼関係を強固にすることで、モラハラの勢いを抑制することができるでしょう。
モラハラ社員が反省することを要求したり、分かり合おうとして意識的に関わろうとしたりしても効果がないことも多いようです。度が過ぎる場合には、法的手段に訴えるという検討も必要になるでしょう。
法的手段に訴える場合は?
法的手段に訴える場合は、証拠となるものが必要です。日々のやり取りの記録、音声や動画をとっておくといいでしょう。また、被害者の日記なども「何があったのか」「どのような苦痛があったのか」を示すものとして有効となるでしょう。
社内でモラハラに遭った社員のケア
重要となるのは、社内でモラハラを受けた被害者のケアです。周りが気付きにくいものであり、被害者自身が「自分が悪いのではないか」と悩むことが多いのがモラハラです。 モラハラ行為が長期間に及んでいるケースは少なくありません。
精神的なストレスが続いて、身体に不調をきたすこともあります。さらに、モラハラを受けた経験が、あとあとまで残ってしまう可能性もあります。
まず、職場が徹底しなければならないことはプライバシーの保護です。その上で、被害者が悪いのではないということを伝えましょう。関係性の修復を強く望む傾向も強いため、必要以上に関わらないよう示唆していくことも大切でしょう。
職場として周りができることは、本来の仕事で周りの協力のもと、自信をつけさせてあげることなのかもしれません。
社内でのモラハラ防止方法
企業として行うべきことは、モラハラが許されない環境を作ることに尽きます。発覚が遅れがちなモラハラを防止していくために、以下のような対策をおすすめします。
モラハラとはどういうものかを徹底周知する
モラハラの行為というのは、加害者にとっても被害者にとっても線引きが難しい部分があります。気付かぬうちに加害者になってしまっていたり、モラハラ被害を受け続けていたりすることがあります。モラハラとはどのようなことを指すのか、振り返りや注意喚起をして、しっかりと周知しましょう。モラハラが犯罪であることを認識させることが大切です。
企業としての措置を提示
もし、モラハラ行為が発覚した場合の企業としての対応を明らかにしておきましょう。モラハラ行為の抑制にもなりますし、万が一、発生した場合の措置もとりやすくなるはずです。
いつでも相談できる窓口の設置
社員が1人で抱え込むことなく、いつでも相談できる窓口を設置しておきましょう。モラハラに特化せず、仕事上の悩み、制度に関する相談など、対応できる事柄を広く設定しておくと相談しやすくなるでしょう。