スポーツエールカンパニーの認定を受けるには?基準や認定証も解説

スポーツ庁では、従業員の健康増進を目的にスポーツの取り組みを実施する企業を認定する制度を設けています。

2023年は910社が認定を受けるなど、徐々に注目が集まっています。それでは、スポーツエールカンパニーの認定を受けるためには、どのような手順を踏めばいいのでしょうか。本記事では認定基準や認定後に付与される認定証について解説します。

■合わせてよく読まれている資料
健康経営最高峰銘柄企業が実践している健康施策」も合わせてダウンロードいただけます。

スポーツエールカンパニーとは

スポーツエールカンパニーとはスポーツ庁が開始した制度で、従業員の健康増進を目的にスポーツに取り組む企業を認定するものです。

スポーツ庁が実施した調査では、働き盛り世代と言われる20代~50代の週1回以上のスポーツ実施率は成人全体平均より低いことが明らかになっています。仕事・家事・育児などでスポーツを実施する時間がないことから、長い時間を過ごす職場で運動機会の提供を促進しています。

そこで、スポーツ庁の取り組みに賛同し、健康リスクを低下させ健康的な生活を定着させることを目的にスポーツ活動に取り組む企業は、スポーツエールカンパニー認定制度で認定されるようになりました。

スポーツエールカンパニー2023では、全910社が認定されました。認定された企業の中には、スポーツエールカンパニーの称号だけでなく、+の呼称や、ブロンズ・シルバー・ゴールドの称号が付与される企業もあります。+の呼称は週1回以上のスポーツが70%以上の企業、ブロンズやシルバー、ゴールドは認定5回以上の認定で付与されます。

スポーツエールカンパニーの認定申請対象

スポーツエールカンパニーの認定申請対象は以下のとおりです。

  • 企業・社団法人・財団法人・特定非営利活動法人などである
  • 国内に本社・事業所がある
  • Sport in Life コンソーシアムに加盟申請している

Sport in Lifeは多くの人がスポーツを楽しむ社会を目指した団体のことです。Sport in Lifeの趣旨に賛同する企業などが加盟できます。Sport in Life コンソーシアムの加盟申請は以下のステップでおこなえます。

  • コンソーシアム規約・ロゴマーク使用規約に同意する
  • コンソーシアム加盟申請受付フォームから申請する
  • 事務局や中央幹事会で申請内容を確認し、加盟可否の連絡が来る
  • 加盟が完了する

スポーツエールカンパニーの認定基準

スポーツエールカンパニーに認定されるには、6つの要件に当てはまる必要があります。要件に当てはまらなければ、認定を受けられません。6つの要件は以下の通りです。

  • 申請するスポーツの取り組みが限られた従業員だけでなく、企業や事業所など全体で推進しているものである
  • 取り組みの理解を経営者から得て、企業、事業所などで取り組み内容が明確になっている
  • 取り組みが企業・事業所内で周知されており、取り組んだ実績がある
  • 取り組み実施内容・導入手順・運用方法などが公表できる
  • 労働関係法令に遵守している
  • 暴力団や暴力団員などに該当する者がいない

ただし、6つの要件に当てはまっていても、財務状況がひどく悪化したり、法令違反や犯罪行為があったりした場合、認定にふさわしくないとして認定を受けられない可能性があります。

スポーツエールカンパニーの認定を受けられる取り組み事例

スポーツエールカンパニーに認定されるために、どのような取り組みをすればいいのかわからない方も多いでしょう。本章では、認定を受けられる具体的な取り組み例をご紹介します。

スポーツエールカンパニー通常認定の取り組み

スポーツエールカンパニー通常認定の取り組みは以下のようなものがあります。自社に合ったものを探してみましょう。

  • 始業前にラジオ体操をおこなう
  • ウォーキングイベントを開催する
  • 歩数計測アプリを導入する(目標歩数を設定する)
  • 社内部活動を支援する(費用負担など)
  • エクササイズの動画を配信する
  • エクササイズ動画のライブ配信をする
  • 就業中に簡単にできる運動やストレッチを掲示する
  • 社内スポーツ大会を開催する
  • スタンディングミーティングを活用する

通常認定に向けておすすめしたいのが、「始業前のラジオ体操」です。NHKや全国ラジオ体操連盟が配信するラジオ体操動画を使用すれば、簡単に導入できるでしょう。また、「歩数計測アプリの導入」や「ウォーキングイベントの開催」もおすすめです。普段から歩くことを意識できるため、従業員の健康意識の高まりも期待できます。

スポーツエールカンパニーブロンド認定の取り組み

  • インセンティブ付きウォーキング施策を考える
  • バランスボールチェアを導入する
  • マラソン大会への参加を促進する
  • 企業ならではの体操を考える
  • 50才以上を対象にロコモ診断をする
  • 自転車通勤距離をポイントに変え、直営店で商品交換ができる
  • サイクリングデーを定める
  • 自宅で参加できる運動コンテンツを配信する
  • 障がい者スポーツ支援の活動をおこなう

ブロンド認定に向けておすすめしたい取り組みは、「自宅で参加できる運動コンテンツの配信」です。健康支援アプリなどを導入すれば、低価格で運動コンテンツを配信できます。出社する従業員だけでなくリモート勤務の方も取り組むことができるため、認定を目指しやすいです。

さまざまなアプリがある中でおすすめなのが「Relo健康サポートアプリ」です。1動画約6分で取り組むことができるため、運動習慣のない人もはじめやすいでしょう。

「Relo健康サポートアプリ」の詳細はこちら

スポーツエールカンパニー+(プラス)の取り組み

  • 階段利用を促進する
  • 地域の運動イベントに参加する
  • 健康関連のセミナーへの参加を推奨する
  • スポーツジム・フィットネスジムの利用費用を負担する
  • スポーツ用品の購入を促進する
  • 社内運動会・球技大会・ボーリング大会などを開催する

+(プラス)の認定に向けておすすめしたいのが、「階段利用の促進」です。+認定のためには、従業員の週1回以上のスポーツ実施率が70%以上であることが必要です。毎日使う階段であれば、+の認定を目指しやすいでしょう。

スポーツエールカンパニーの認定証付与までの流れ

スポーツエールカンパニーの認定を受け、認定書を付与されるためには以下の4ステップを進める必要があります。

1.申請対象と認定要件の確認

2.WEBフォームで申請

3.審査

4.認定、認定証・認定番号の付与

1つずつ解説します。

1.申請対象と認定要件の確認

まずは申請対象と認定要件を確認しましょう。スポーツエールカンパニーが定めるものに当てはまっていなければ、認定を受けられません。

当てはまっていない場合、改善できる場合は早めに改善しましょう。スポーツエールカンパニーに申請できるのは年に一度です。期限までに申請できるよう、できるだけ早く準備することが大切です。

2.WEBフォームで申請

申請対象と認定要件を確認し、申請までの準備が整ったらWEBフォームで申請します。申請内容と実施内容が異なっている場合、認定されなかったり認定後取り消しされたりします。必ず事実を記載しましょう。

WEBフォームでは、以下のような内容を記入します。

  • Sport in Lifeコンソーシアムの加盟状況
  • Sport in Lifeコンソーシアムに加盟している企業・事業所の詳細
  • 申請担当者の情報(氏名や所属先、連絡先など)
  • スポーツの取り組みの概要
  • 取り組みのキャッチコピー

任意で活動する様子の画像も添付できます。画像を添付すれば、活動状況が伝わりやすいでしょう。

WEBフォームは一時保存ができません。上司の確認が必要な場合や不明点を確認する必要がある場合など、一時保存したい場合は認定下書きシートを活用できます。積極的に活用しましょう。

また、プラス認定を申請する場合は、「従業員が週1回以上スポーツをしており、実施率が70%である」ことを証明する資料を提出しなければなりません。

「スポーツエールカンパニー2024」の申請受付について記載されているページでは、「プラス認定アンケート及び根拠資料」を閲覧できます。参考にしながら作成しましょう。

3.審査

期限までに申請したら、いよいよ審査に入ります。認定企業の決定までにはおおよそ2か月の時間を要します。

基本的にWEBフォームの内容で審査がおこなわれますが、場合によっては追加資料の提出が求められたり、取り組みの説明やヒアリングを依頼されたりすることもあります。認定のために対応するようにしましょう。

4.認定、認定証・認定番号の付与

認定されると、スポーツ庁のホームページなどに企業名が公表され、認定証・認定マークなどが付与されます。認定証には、認定番号や有効期限、スポーツ庁長官室伏広治氏のサインが記載されています。また、ハローワークの求人票などに使用できるPRロゴマークの使用も可能です。

認定、認定証・認定番号が付与された後は、認定された取り組みや認定された事実を情報発信しましょう。

スポーツエールカンパニーの認定基準に関するよくある質問

本章では、スポーツエールカンパニーの認定基準に関するよくある質問にお答えします。

認定対象となるのはどの期間?

スポーツエールカンパニーの認定対象となるのは、昨年度の申し込み締め切り日から申請する年度の申し込み締め切り日までの取り組みです。

認定対象の取り組み期間に実施していれば、期間外にもおこなっていた長期的な取り組みも認定対象になります。

全事業所合同の運動イベントの開催は認定対象になる?

全事業所合同の運動イベントの開催は認定対象になります。年に一度の開催でも認定対象です。

申請する場合は、本社の情報を入力しましょう。

支社ごとに認定を受けられる?

それぞれの支社で異なる取り組みを実施している場合、支社ごとに申請できます。ただし、全社で同じような取り組みをおこなっている際は本社の情報で申請をします。

申請する際には、複数の支社から申請をおこなうことを記載しましょう。

複数の支社があっても1つの支社だけ認定を受けられる?

複数の支社があっても1つの支社だけ認定を受けられます。

例えば、○○支社ではスポーツの取り組みをしておらず、△△支社ではスポーツ活動の取り組みをしている場合です。

スポーツエールカンパニーは企業全体だけでなく、事業所・支社でも応募できます。そのため、必ずしも全社で取り組む必要はありません。

どのような場合に認定対象外になる?

認定要件に当てはまらない場合以外にも、認定対象外になることがあります。

例えば、経営するスポーツジムにてトレーナーが常に運動をしている場合です。営業のためにおこなっているスポーツであるため、認定対象外です。ただし、営業活動以外に部活動などでスポーツをしている場合、認定の対象となります。

また、建設現場で従業員が体を動かす業務を申請しても認定されません。ただし、始業時などに従業員全員でラジオ体操やストレッチをしている場合は認定の対象です。

申請するのが健康保険組合の場合、注意が必要です。母体企業のスポーツ活動の促進をしていても、認定の対象となりません。健康保険組合内でスポーツの取り組みをしている場合や、母体企業と共同で取り組みをする場合は認定の対象となります。

スポーツエールカンパニーに関する注意点

スポーツエールカンパニー認定に申請する際は、2つの注意点を理解しておきましょう。

スポーツエールカンパニーに申請するまでにSport in Lifeコンソーシアムに加盟していなければならない?

Sport in Lifeコンソーシアムへの加盟は、スポーツエールカンパニーと同時申請でも可能とされています。

承認審査中でも申請は受け付けられますが、申請日までに承認を得るとスムーズです。

認定申請時に提出する「取組の内容が分かる社内資料」とは?

「取組の内容が分かる社内資料」は、スポーツ活動を推進するための研修資料・取り組み実績内容・社内報・活動写真などのことです。

また、スポーツ活動の実施計画や社内アンケートなど、どのような取り組みをしているのか具体的にわかるものもいいでしょう。

認定基準を理解してスポーツカンパニーの認定を目指そう

従業員の健康増進を目的にスポーツに取り組む企業を認定するスポーツエールカンパニー。スポーツエールカンパニーの認定申請の際には、認定要件などをしっかり確認して申請しなければなりません。

「間違っていたから認定を受けられなかった…」ということがないように、認定までのステップを細かくチェックしておきましょう。

スポーツエールカンパニーの認定のサポートなら、ぜひ一度リロクラブにご相談ください。お客様に伴走してサポート致します。

福利厚生の導入・充実なら、リロクラブにご相談ください


福利厚生の代行サービスを手掛けるリロクラブには、毎日全国のさまざまな企業から福利厚生に関する相談・問い合わせが寄せられています。

お問い合わせ一例
  • 「福利厚生倶楽部」の料金と内容が知りたい
    (従業員数1名の東京都の企業より)
  • 会社周辺で利用できる施設がどの程度あるのか、また割引の程度はどれくらいか知りたい
    (従業員数10名、福岡県、代表取締役より)
  • 子育て支援の福利厚生の導入を検討。詳しい話が聞きたい
    (従業員数65名、東京都、管理部より)
  • 人事制度改定を検討。あわせて福利厚生施策の再構築も検討。意見交換とお見積りを希望
    (従業員数2,500名、神奈川県、人事部より)

など

従業員数1名の企業から1,000名以上の企業まで。リロクラブなら、従業員数・予算・エリア・課題等に応じて、 豊富な経験や幅広い事例をもとに効果的な福利厚生制度の構築提案が可能です。
ぜひこの機会に福利厚生制度の導入・充実・見直しを検討してみてください。

福利厚生のご相談は
リロクラブへ