スポーツエールカンパニーとは?メリットや取り組み事例を紹介

スポーツ庁では、従業員の健康増進を目的にスポーツに取り組む企業を対象にしたスポーツエールカンパニー認定制度を設けています。

スポーツエールカンパニーに認定されれば、企業イメージや生産性の向上などさまざまなメリットを得られます。

しかし、従業員に運動の機会を与える方法がわからない方も多いのではないでしょうか。本記事では、スポーツエールカンパニーのメリットに加え、具体的な取り組み例、成功事例もご紹介します。

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目次

スポーツエールカンパニーとは

スポーツエールカンパニーとは、従業員の健康増進を目的としてスポーツ実施に積極的に取り組んでいる企業を指します。スポーツ庁が2017年に開始した認定制度で、2023年には910社が認定されました。認定企業は年々増加しており、昨今ますます注目が集まっています。

また、ハローワーク(公共職業安定所)の求人票等に表示するロゴマークも使用可能に。求職者に従業員の健康を考慮した企業だとアピールできることから、認定企業が増加していると考えられます。

スポーツエールカンパニーの認定制度が開始した背景は、働き盛り世代(20代~50代)がスポーツをおこなう時間がないことに起因します。仕事や家事、育児などを原因にスポーツに取り組めていません。そこで、1日の多くの時間を過ごす職場でスポーツができれば、従業員の健康的なライフスタイルが定着できるのではないかと考えられています。

実際にスポーツは心身の健康に効果的です。例えば、ジョギングやウォーキング、ヨガなど有酸素運動をおこなえば、「幸せホルモン」と呼ばれる物質が分泌され、精神的な健康に役立つのです。1週間に運動を2時間以上すると、1年後に抑うつになるリスクが約半分に抑えられるというデータも出ています。

また、歩く時間を10~20分程度増加すると、ガン・糖尿病などを防げる可能性も高まります。

このようにスポーツへ取り組むことによって健康的なライフスタイルを定着させるために、スポーツエールカンパニーが開始されたのです。

参考:スポーツ庁Web広報マガジン DEPORTARE「数字で見る! スポーツで身体に起こる気になる「6」つのデータ

スポーツエールカンパニーに認定されるメリット3つ

年々認定企業が増えているスポーツエールカンパニーには、どのようなメリットがあるのでしょうか。メリットは以下の3つです。

  • 社会的な評価が向上する
  • 採用活動に有利になる
  • 企業の生産性がアップする

1つずつ解説します。

社会的な評価が向上する

スポーツエールカンパニーに認定されるメリットの1つ目は、社会的な評価が向上することです。

認定されると認定証が交付されたり、スポーツ庁のSNSサイトへ掲載されたりなどして、社会的な評価を受けられます。従業員の健康管理に重点を置く企業が増えている現代で、従業員の健康増進のためにスポーツ実施に積極的に取り組んでいることをアピールできることは大きなメリットだといえるでしょう。

また、経済産業省の調査によると、従業員の健康増進を目的とした取り組み(健康経営)の実施は、企業の利益率にプラスの影響を与えることが分かっています。さらに、営業利益率の向上も実証されています。社会的評価が上がるだけではなく業績の向上につながることもメリットでしょう。

参考:経済産業省 ヘルスケア産業課「健康経営の推進について 令和4年6月

採用活動に有利になる

採用活動に有利になることもメリットのひとつです。

認定により高い社会的評価を得ると、求職者に安心感を与えられます。経済産業省がおこなったアンケート調査では、就活生に「将来、どのような企業に就職したいか」、その親に「どのような企業に就職させたいか」と質問したところ、「従業員の健康や働き方に考慮している」企業との答えが最も高い割合になりました。

就活生・親の双方で高い回答率を得ていることから、従業員の健康を意識しスポーツエールカンパニーに認定されていることは、求職者に安心感を与えられるといえるでしょう。

また、認定されると、ハローワーク(公共職業安定所)の求人票などに表示できるロゴマークも使用可能になります。従業員の健康を意識していることが見てわかるため、企業イメージが向上して採用活動に有利になるでしょう。

企業の生産性がアップする

3つ目のメリットは企業の生産性がアップすることです。

従業員の心身の不調は生産性に関係します。なぜなら、良好な健康状態でなければモチベーションがあがらなかったり、休暇が増えたりなど企業にさまざまな影響を与えるからです。積極的に仕事に取り組めなかったり、休暇が増え人員が足りなかったりすると、どうしても生産性は下がってしまいます。

そこで、スポーツ活動の実施によって従業員の良好な健康状態を維持できれば、モチベーションの向上や欠勤の減少が期待できます。

取り組みによってストレスや運動不足を解消すると、生活習慣病や心の病気の予防にもなり、生産性もアップするでしょう。

また、20~79歳を対象にした健康状態に関する意識調査では、健康状態が良好だと自覚する方は、「ほとんど毎日」または「ときどき」運動しているという結果が出ています。

そのため、「ほとんど毎日」または「ときどき」運動する取り組みをおこない、心と体の健康を増進すれば、生産性アップにつながると言えます。

参考:スポーツ庁Web広報マガジン DEPORTARE「数字で見る! スポーツで身体に起こる気になる「6」つのデータ
スポーツ庁「令和3年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について Ⅱ調査結果の概要

スポーツエールカンパニー認定を目指す方法

スポーツエールカンパニーの認定を目指すために、4つの方法に取り組みましょう。

  • スポーツが与える影響について理解する
  • オンライン交流会に参加する
  • 従業員の理解を得る
  • 認定されるスポーツ活動を取り入れる

1つずつ解説します。

スポーツが与える影響について理解する

スポーツエールカンパニーの認定を目指すために、まずスポーツが与える影響について理解しましょう。

おすすめの方法は、スポーツ庁Web広報マガジン「DEPORTALE」を読むことです。DEPORTALEでは、スポーツの影響についてわかりやすくデータで説明しています。

具体的には以下の内容を理解できます。

  • 長時間の座り仕事が与える健康リスク
  • 10分で健康状態を高める方法
  • 体機能の状態を知るためのセルフチェック
  • エクササイズ方法

上記は一例で、DEPORTALEでは他にもあらゆる情報が発信されています。

DEPORTALEを活用して、「なぜスポーツ活動をおこなうのか」「スポーツは健康にどのように影響するのか」「なぜスポーツエールカンパニー認定を目指すのか」を理解しましょう。

参考:スポーツ庁Web広報マガジン「DEPORTALE

オンライン交流会に参加する

スポーツエールカンパニーの認定を目指すのであれば、オンライン交流会に参加するのもいいでしょう。

Sport in Lifeプロジェクトでは、スポーツエールカンパニーをテーマに「Sport in Life推進プロジェクト オンライン交流会」を開催しています。

Sport in Lifeとは、スポーツエールカンパニー認定申請時に加入しておかなければならないコンソーシアム(共同企業体)のことです。

オンライン交流会では、スポーツエールカンパニー認定制度に関する説明や、有識者による講演、認定企業の取り組み事例の紹介がおこなわれます。

「スポーツに取り組むことでどのような影響があるのか」「スポーツエールカンパニーに認定されるにはどのような取り組みをすればいいのか」などを知りたい方は参加しておきましょう。

ただし、オンライン交流会が開催されるのは1年に1回程度です。スポーツエールカンパニー認定申請の申込締め切りの1か月前、9月下旬に開催されることが多い傾向にあるため、参加したい方は早めにチェックしておきましょう。

従業員の理解を得る

スポーツが与える影響や、スポーツエールカンパニーの詳細などを理解できたら、次は従業員の理解を得ましょう。

突然「ウォーキングイベントをはじめます!」と従業員に告知しても、なぜ取り組むのか理解できず参加を促せません。そのため、「なぜスポーツの取り組みをおこなうのか」「スポーツエールカンパニーを目指す理由は何か」「そもそもスポーツエールカンパニーとは何か」を伝えましょう。

従業員の健康増進を目的に実施することがわかれば、従業員から理解を得られる可能性が高いです。

認定されるスポーツ活動を取り入れる

従業員の理解を得られたら、認定されるスポーツ活動を取り入れましょう。

例えば、公式HPに記載されている以下のような取り組みがあります。

  • 出社時や就業中、昼休みの体操・ストレッチ時間の設定
  • 階段利用の推進
  • スタンディングミーティング・ワークの実施
  • スポーツイベントや企業運動会への参加

また、スポーツ庁が公開する「スポーツエールカンパニー認定企業一覧」では、認定企業の取り組み内容が記載されています。自社に合った取り組みを探すのに役立つかもしれません。

スポーツイベントや大会の告知をしている「ここスポ」を活用して企業で参加するのもいいでしょう。ただし、従業員のスポーツ観戦を支援する取り組みや、スポーツ団体・アスリート大会の支援などの取り組みは対象外です。

参考:スポーツ庁「スポーツエールカンパニー認定企業一覧
   スポーツ庁「ここスポ

スポーツエールカンパニー認定企業の取り組み事例5選

スポーツエールカンパニーの認定を目指す際は、認定企業の取り組み事例をチェックすることがおすすめです。「スポーツエールカンパニー認定企業一覧」を参考に、取り組み事例を5つご紹介します。

社内ウォーキング活動の実施【株式会社プレオン】

IT企業である株式会社プレオンは、社内ウォーキング活動を実施しました。社内ウォーキング活動を「プラス3000」と名づけ、前月より3,000歩多い歩数を目標にウォーキングに取り組んでいます。

プラス3000の特徴は以下の通りです。

  • 万歩計(歩数管理システム)を自社開発
  • 社員全員(31名)にiPhoneを配布
  • 月毎に歩数を集計し、歩数に応じて個人・部署表彰を実施
  • 表彰された社員に商品を贈呈

社員が積極的にウォーキングに取り組ませるため、歩数を手入力するシステムをつくったり、表彰制度を導入したりしていることがポイントです。

ウォーキングイベントだけでなく、毎日15時に社内でラジオ体操を実施したり、社内の部活動の発足・費用負担をおこなったりもしています。

スタンディングミーティングの導入【出光興産株式会社北海道製油所】

製造業の出光興産株式会社北海道製油所では、スタンディングミーティングを導入しました。事務所内の共有スペースの打ち合わせテーブルをスタンディングで利用できるものに変更し、利用を推進しています。

スタンディングミーティングを導入すると立った状態になり、体を使えます。立ち姿勢は筋肉の代謝向上や血行促進の効果があるため、従業員の健康リスクを減少できると言われています。

また、立った状態でミーティングすることで、座った状態より打ち合わせを効率的に進められています。

スタンディングミーティング以外にも、企業の通勤バスを利用する従業員に対して最寄り駅の手前で降車し、ウォーキングをおこなう「退勤ウォーキング」も推進。加えて、毎週金曜日にはジョギングやウォーキングで帰宅したり、退勤後にジムに直行したりする従業員に対して、ジャージや運動靴の通勤を認めています。

他にも、ラジオ体操の実施や運動を習慣づけるコーチングの受講など、さまざまな取り組みをおこなっています。

健康管理webサイトを導入【心幸クリエイト株式会社】

飲食サービス業を展開する心幸クリエイト株式会社では、自社開発の健康管理webサイトを導入しました。

従業員の健康診断結果や体力測定結果に合わせ、一人ひとりに運動動画を配信しています。従業員は取り組む運動を配信されている動画の中から選んで、webサイトに運動した結果を入力します。運動実績がシステムに残ることでモチベーションを向上し、日々の運動の促進が可能です。

健康管理webサイトの導入以外にも、体力や体組成を測定できるイベントを年4回開催しています。測定結果のランキングを発表することで、従業員間のコミュニケーションも促進できているんだそう。また、管理栄養士から個別カウンセリングを受け、運動継続もサポートしてくれます。

3秒でできる簡単体操を推奨【東芝ライテック株式会社】

電機関連製造業の東芝ライテック株式会社では、3秒でできる簡単体操を推奨しています。3秒間体操を「これだけ体操」と名づけ、印刷待ちのわずか3秒でできる簡単な体操を掲示しています。

これだけ体操のほか、社内掲示板に肩こり・腰痛予防になる「いきいき健康体操」動画を掲載。在宅ワークの方も運動できるように取り組んでいます。

他にも、運動とコミュニケーションを活性化するダーツ大会の実施や、プチ運動会の取り組みも。また、北海道から沖縄までバーチャルウォークで歩数を競うイベントも開催しています。

社員で生活習慣を共有【アフラック生命保険株式会社】

保険業のアフラック生命保険株式会社では、社員で生活習慣を共有できる「Keep in Fit! みんなでチャレンジ」を導入しています。プログラムの特徴は以下の通りです。

  • 自分の生活習慣を理解のうえ、生活習慣の改善のつながるプログラムを実施
  • プログラムの進捗を社員で共有
  • 目標達成状況に合わせて表彰を実施

95%の社員がプログラムに満足し、58%の社員が生活習慣の改善に取り組むなど結果を残しています。

他にも、全国の事業所の社員が参加できるウォーキングイベントや、週に一度エクササイズのライブ配信をおこなっています。

事例から学ぶスポーツエールカンパニー実現のポイント

以上の事例から、スポーツエールカンパニーを実現するために以下のポイントをおさえておきましょう。

  • 従業員の健康状態を把握したうえで、導入するスポーツを考える
  • 就業中でも簡単に・短時間でできる運動を取り入れる
  • 社内で競えるイベントを開催する
  • 健康状態や運動管理ができるシステムやアプリを導入する
  • 取り組み状況の分析や満足度調査をおこなう

ただし、すべてのポイントを取り入れる必要はありません。取り入れやすいポイントから取り組んでいきましょう。

スポーツエールカンパニー認定を目指せる運動促進サービス

スポーツエールカンパニーの認定を目指していても、自社のみで運動を促進することは難しいかもしれません。そこで本章では、スポーツエールカンパニー認定に役立つ運動促進サービスをご紹介します。

Relo健康サポートアプリ|株式会社リロクラブ

Relo健康サポートアプリは、日々の行動や活動を入力するだけでAIアシスタントが健康アドバイスをしてくれるアプリです。アプリの機能・メリットは以下の通りです。

主な機能 ・エクササイズ動画配信

・歩数などを競うイベント開催

・健康アドバイス配信

メリット ・従業員一人ひとりに合わせた健康管理ができる

・分析で課題が明確になり健康増進施策を立てられる

・健康経営の実現にも活用できる

エクササイズ動画の配信や歩数を競うイベントの開催など、運動機会を促進できるだけでなく、従業員の健康課題に対し健康管理ができることがRelo健康サポートアプリのポイントです。

KIWI GO|株式会社アジャイルウェア

KIWI GOは従業員の運動の習慣化を促すアプリです。アプリの機能・メリットは以下の通りです。

主な機能 ・歩数計

・歩数を競うイベント開催

・同じ趣味の従業員間の交流促進

メリット ・運動習慣がない人も続けやすい

・部署や年齢関係なくグループチャットで交流できる

KIWI GOのポイントは、ウォーキングに特化していることです。ウォーキングで従業員の健康を促進したい企業にぴったりなアプリでしょう。

Beatfit for Biz|株式会社アリストル

Beatfit for Bizは健康増進施策に関する課題を解決してくれるアプリです。アプリの機能・メリットは以下の通りです。

主な機能 ・エクササイズコンテンツの配信
メリット ・1日3分から運動できるコンテンツがある

・利用状況の確認やデータ分析ができる

・健康経営の実現にも活用できる

Beatfit for Bizのポイントは、毎日簡単に運動できるコンテンツを配信していることです。1日3分から取り組めるため、運動習慣のない方でもはじめやすいでしょう。

FiNC for BUSINESS|株式会社 FiNC Technologies

FiNC for BUSINESSは生活習慣を変化させる仕組み・機能を持つアプリです。アプリの機能・メリットは以下の通りです。

主な機能 ・歩数や運動の記録

・歩数ランキングの表示

・社内コミュニティ

メリット ・部署・全社の従業員の歩数ランキングを表示してくれる

・楽しく健康行動が続けられるような専門家監修のプログラムが配信される

FiNC for BUSINESSは運動機会を増やす効果があるだけでなく、社内のコミュニケーションを活発化できることもポイントのひとつです。健康増進以外にもメリットがあるのは嬉しいポイントでしょう。

HealthPlanet Walk|株式会社タニタヘルスリンク

HealthPlanet Walkは毎日の歩数を記録してくれるアプリです。アプリの機能・メリットは以下の通りです。

主な機能 ・歩数計

・消費カロリーや歩行時間、距離の計測

メリット ・1日、1週間、1か月の歩数データを閲覧できる

・目標達成を一覧で確認できる

HealthPlanet Walkのポイントは、目標達成に向けて運動できることです。目標を達成すればチェックマークがつくため、毎日のモチベーションにつながるでしょう。

&well|三井不動産株式会社

&wellは自然と健康になれるプログラムを提供するアプリです。アプリの機能・メリットは以下の通りです。

主な機能 ・歩数管理

・企業対抗ウォーキングイベントへの参加

・健康について学べるコンテンツの配信

メリット ・クイズの出題で健康リテラシーを高められる

・健康経営の実現にも活用できる

&wellは企業対抗のイベントがあることがポイントです。自社内だけでなく、取引先などの企業とコミュニケーションを活性化できます。

スポーツエールカンパニー認定までの流れ

スポーツエールカンパニー認定には以下の5ステップが必要です。

  • Sport in Lifeコンソーシアムに加盟申請する
  • 認定要件をチェックする
  • スポーツエールカンパニー認定申請フォームで申請する
  • 審査を受ける
  • 認定証と認定マークなどの交付を受ける

1つずつ解説します。

Sport in Lifeコンソーシアムに加盟申請する

スポーツエールカンパニーの認定を申請する前には、Sport in Lifeコンソーシアムに加盟申請しなければなりません。

コンソーシアム規約などをチェックし、WEBフォームで申請しましょう。申請・加盟に費用はかかりません。約2~3週間で加盟認定を受けられます。

Sport in Lifeコンソーシアムの加盟申請は、必ずしもスポーツエールカンパニーの認定申請前におこなっておく必要はありません。同時申請も可能です。

認定要件をチェックする

スポーツエールカンパニー認定要件に当てはまっているか確認しましょう。認定要件は以下のとおりです。

  • スポーツ活動の取り組みは限られた従業員ではなく、企業や事業所など全体で推進しているものである
  • 経営者などの理解を得ており、社内の取り組みが明確化されている
  • スポーツ活動の取り組みが社内で周知されており、取り組んだ実績がある
  • 取り組み内容、導入手順、運用方法などを公表できる
  • 労働関係法令などに遵守している
  • 暴力団および代表者、役員、使用人、従業員、構成員に暴力団員などに該当する者がいない

これらの要件を満たしていても、財務状況が極度に悪化したり法令違反があったり、犯罪行為があったりした場合など、認定にふさわしくないと判断されると認定を受けられないことがあります。

参考:スポーツ庁「スポーツエールカンパニー2024」の申請受付について

スポーツエールカンパニー認定申請フォームで申請する

認定要件をチェックできたら、スポーツエールカンパニー認定申請フォームで申請しましょう。申請前には募集要項をしっかり確認します。

申請フォームでは主に以下の内容を記入します。

  • 企業(または事業所・支社・支店)の名称
  • 住所
  • 従業員数
  • 代表者名
  • 取り組み内容
  • 取り組みのキャッチフレーズ

申請フォームでは記入内容を保存できません。担当者が記入し、上司に確認してもらう場合や、一部内容が不明な場合などはスポーツ庁が提供しているExcelデータで下書きをつくるようにしましょう。

万が一、記入した内容と事実が異なっている場合は認定を受けたとしても取り消しや留保となるため注意しましょう。

審査を受ける

申請したら、審査に入ります。スポーツエールカンパニー認定制度実施要項・実施細則にもとづき、委員会の意見を踏まえたうえで認定されるかが決定します。

基本的に申請フォームの内容で審査を受けられますが、場合によっては追加資料の提出やヒアリングを依頼されることもあります。

認定証と認定マークなどの交付を受ける

認定されると、スポーツ庁のホームページで企業名を公表し、認定証と認定マークが交付されます。また、ハローワークの求人票などに表示できるPR ロゴマークも獲得できます。

認定後は、「なぜ認定されたのか」「どのような取り組みをしたのか」などの情報発信をおこないましょう。

スポーツエールカンパニーの助成金はないが、健康経営の実施で助成金を受け取れる

スポーツエールカンパニーの助成金はありません。しかし、健康経営の助成金制度があります。健康経営の助成金制度については、以下の記事を参考にしてみてください。

RELO総務人事タイムズ「健康経営のための7つの助成金・補助金とは?活用のコツも解説

また、スポーツの取り組みが従業員の慰労目的・全社で行う社内行事と認められれば、運動支援にかかる費用を福利厚生費として計上できます。経費として扱われ、非課税の対象となるため、費用をおさえられるでしょう。

自社だけでスポーツを導入することが難しい場合は、低価格の運動促進サービスを導入するのも一つの手です。費用を最低限に抑えつつ、効果的な取り組みができる可能性が高いです。

従業員の運動習慣化を促進してスポーツエールカンパニー認定を目指そう

従業員の運動習慣化は、健康リスクを下げ休職や退職率の軽減、生産性の向上、企業イメージの向上などが期待できます。

取り組みがスポーツエールカンパニーに認定されれば、従業員の健康を考慮していることが証明され、採用活動や取引に影響を与える可能性が高いです。

今回紹介した内容をもとに、スポーツエールカンパニーの認定を目指してみましょう。

取り組み内容に迷った場合や運動促進アプリの導入を考えている場合は、ぜひ一度リロクラブにご相談ください。

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