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福利厚生でスキルアップ支援を行うメリット|事例13選

企業が従業員の定着率を向上させて、キャリア形成をサポートするには、福利厚生でスキルアップ支援を行うことが大切です。
スキルアップ支援は従業員のキャリア形成だけでなく、企業の生産性向上や企業イメージアップにもつながる施策です。

生産性を向上させ企業イメージをアップしたいなら、福利厚生で従業員のスキルアップ支援を行いましょう。
この記事では、福利厚生で従業員のスキルアップ支援を行うメリットとデメリットを詳しく解説します。
福利厚生で従業員のスキルアップ支援を行った企業の事例を13選ご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

目次[非表示]

  1. 1.福利厚生でスキルアップ支援ができる
    1. 1.1.スキルアップとは
    2. 1.2.テクニカルスキル
    3. 1.3.ヒューマンスキル
    4. 1.4.コンセプチュアルスキル
    5. 1.5.福利厚生とは
    6. 1.6.法定福利厚生
    7. 1.7.法定外福利厚生
  2. 2.スキルアップ支援につながる福利厚生
    1. 2.1.資格手当
    2. 2.2.勉強休暇制度
    3. 2.3.教材取得支援
    4. 2.4.e-ラーニング
    5. 2.5.スキル研修
    6. 2.6.社内資格制度
    7. 2.7.社内大学
    8. 2.8.短期出向制度
  3. 3.福利厚生でスキルアップ支援を行うメリット
    1. 3.1.従業員のモチベーションを向上できる
    2. 3.2.業務効率が向上し仕事の幅が拡がる
    3. 3.3.生産性が向上する
    4. 3.4.企業イメージが向上する
    5. 3.5.人材確保・育成により組織力が向上する
  4. 4.福利厚生でスキルアップ支援を行うデメリット
    1. 4.1.コストがかかる
    2. 4.2.運用や管理に手間がかかる
  5. 5.福利厚生でスキルアップ支援を行った他社の事例13選
    1. 5.1.【クックパッド株式会社】Horizon(イギリスオフィス短期出向プログラム)
    2. 5.2.【ヤフー株式会社】勉強休暇制度
    3. 5.3.【株式会社デジタルブラスト】大学院入学支援制度
    4. 5.4.【株式会社伊藤園】伊藤園ティーテイスター社内検定
    5. 5.5.【株式会社LIFULL】LIFULL大学
    6. 5.6.【株式会社ツナグ・ソリューションズ】勉強休暇
    7. 5.7.【ソニー株式会社】フレキシブルキャリア休職制度
    8. 5.8.【株式会社セプテーニ・ホールディングス】gen-ten
    9. 5.9.【レバレジーズ株式会社】語学学習支援
    10. 5.10.【株式会社リクルートキャリア】キャリアウェブ制度
    11. 5.11.【株式会社フォースリー】キャリアアップ応援
    12. 5.12.【株式会社ドワンゴ】資格取得奨励金制度
    13. 5.13.【サイボウズ株式会社】育自分休暇制度
  6. 6.福利厚生の導入はリロクラブにおまかせ!
  7. 7.福利厚生でスキルアップ支援を行って組織力を向上させよう

福利厚生でスキルアップ支援ができる

従業員のスキルアップ支援を行いたい企業は、福利厚生の充実を検討しましょう。

福利厚生には多種多様な制度がありますが、スキルアップ支援の施策を導入すれば、従業員の知識向上・技術習熟につながります。

福利厚生でスキルアップ支援を行いたい企業は、下記でスキルアップと福利厚生の概要を確認しておきましょう。

スキルアップとは

スキルアップとは、言葉どおりに従業員の知識・技術などを向上させることです。
業務に関する知識や技術を習熟・向上させるだけでなく、コミュニケーション能力や状況把握力などを養うことも指します。

なかでもビジネスにおけるスキルは、主に次の3種類に分類されます。

  • テクニカルスキル
  • ヒューマンスキル
  • コンセプチュアルスキル

それぞれの特徴を確認して、スキルアップ支援を行う際の参考にしてください。

テクニカルスキル

テクニカルスキルとは、特定の業務を遂行するために求められるスキルや知識などを指します。
具体的には、次のような専門性の高いテクニックを指します。

  • 会計処理能力
  • 機械の操作方法
  • 特定のツールやシステムを利用する能力
  • 接客技術、商品知識
  • 事務処理能力、プログラミング言語理解力
  • マーケティング技術

テクニカルスキルを向上させるには、専門的なトレーニングや実践での積み重ねなど、スキルを磨くための研修や練習が必要です。
専門スキルを磨くための講習や講師による指導、実務経験を積み重ねることで得られるノウハウの習得など、勉強や経験を経てテクニカルスキルを磨くしか方法はありません。

ヒューマンスキル

ヒューマンスキルは、人間関係を円滑化するためのスキルを指します。ヒューマンスキルに挙げられる例として、次のようなものがあります。

  • リーダーシップ
  • コミュニケーション能力
  • ネゴシエーション能力
  • プレゼンテーション能力
  • コーチング能力
  • ヒアリング能力
  • ファシリテーション能力
  • 向上心

ビジネスシーンでは、チームやクライアントと連携して業務を進める必要があるため、人とのコミュニケーションを円滑化するヒューマンスキルが必要不可欠です。
ヒューマンスキルを高めるためには、コミュニケーション能力の研修としてディベートやディスカッションやグループワークなどを積極的に取り入れましょう。

繰り返しコミュニケーションの練習をすることで「相手が何を考え、どのような言葉を求めているか」を把握し、ヒューマンスキルの向上につなげられます。

コンセプチュアルスキル

コンセプチュアルスキルは、概念化能力とも呼ばれる知識やアイデア・思想など、抽象的な概念を組み合わせて、解決策を導き出すスキルです。
コンセプチュアルスキルを高めると、物事の本質を捉えて個人や組織の可能性を最大化できます。
そのため、マネジメントやリーダーシップを取る管理職に求められるケースが多く、あいまいな事情の本質を見極め戦略を立案するために必要です。

コンセプチュアルスキルを高めるには、論理的思考や水平思考・批判的思考を養うトレーニングで、物事の全体像を捉えながら臨機応変に対応する俯瞰力と柔軟性を向上させましょう。

またコンセプチュアルスキルを向上させるには、目先の利益だけでなく長期的なニーズを予測する先見性も必要です。

福利厚生とは

福利厚生とは、給与以外の形で従業員に報酬やサービスを提供することです。
福利厚生は従業員のライフワークバランスを向上したり、金銭的負担を軽減したりする制度があり、人材獲得や定着率の向上につながる施策です。

なお福利厚生を経費として計上するためには、次の要素を満たす必要があります。

  • すべての従業員が平等に利用できる
  • 社会通念上、常識の範囲内の費用である

一部の役職や年齢・部署の従業員のみが利用できる福利厚生は、経費として計上できません。また高額すぎる食事手当や交通費など、常識の範囲を超える福利厚生費も認められません。

また福利厚生は、さまざまな制度が存在しますが、主に次の2種類に分類されます。

  • 法定福利厚生
  • 法定外福利厚生

それぞれの違いを把握して、福利厚生を導入する際の参考にしましょう。

法定福利厚生

法定福利厚生とは、法律で義務付けられた最低限の福利厚生です。
主に次のような税金や保険関係の制度が、法定福利厚生として定められています。

  • 厚生年金保険
  • 健康保険
  • 介護保険
  • 雇用保険
  • 労災保険
  • 子ども・子育て拠出年金

厚生年金保険は、国民年金に上乗せする形で支払う年金制度です。健康保険は、病気や怪我をして病院へ通院・治療した際の診察費や治療代を軽減する保険制度です。

他にも雇用保険や労災保険など万が一の事態に備える保険制度や、介護保険・子育て拠出金など高齢者や子どもへの支援をサポートする制度が、法定福利厚生として設けられています。

法定外福利厚生

法定福利厚生が法律上で義務付けられた最低限の福利厚生であるのに対して、法定外福利厚生はその他の企業が独自に設けている制度のことです。
スキルアップ支援を含む、交通費支給や食事手当などは法定外福利厚生に該当し、企業によって設けているかが変わります。

法定外福利厚生の具体例は、次のとおりです。

  • 食事に関する制度
    • 社員食堂の設置
    • 食事手当や食事券の支給
    • 昼食代の一部支給
  • 休暇に関する制度
    • リフレッシュ休暇
    • ボランティア休暇
    • バースデー休暇
  • 医療や健康に関する制度
    • 人間ドック
    • 健康診断の費用補助
    • 心身の健康相談窓口の設置
    • スポーツジムの設置
  • 住まいに関する制度
    • 家賃補助
    • 社宅や寮の提供
    • 引っ越し費用の補助
    • 住宅ローン補助
  • 交通費に関する制度
    • 通勤手当の支給
    • 営業活動に関する移動費の支給
  • ​​​​​​​育児や介護に関する制度
    • 育児費用の一部補助
    • 介護費用の一部補助
    • 託児所の設置
    • 育児休暇
    • 介護休暇
  • 慶弔や災害に関する制度
    • ​​​​​​​結婚や出産などの祝金の給付
    • 災害時の見舞金の給付
    • 弔慰金の給付
    • 遺児年金の給付

他にも推しメン休暇制度やハネムーン手当など、ユニークな法定外福利厚生を設けて、人材獲得・定着率向上を図っている企業も存在します。
スキルアップ支援を行いたい企業は、どのような施策を用意すれば従業員の成長をサポートできるか、他社の事例を参考に考案しましょう。

スキルアップ支援につながる福利厚生

スキルアップ支援につながる福利厚生は、次のとおりです。

  • 資格手当
  • 勉強休暇制度
  • 教材取得支援
  • e-ラーニング
  • スキル研修
  • 社内資格制度
  • 社内大学
  • 短期出向制度

それぞれの施策を確認して、自社で取り入れるべき福利厚生を検討しましょう。

資格手当

資格手当とは、業務に関係する資格を従業員が取得する際の費用を補助する福利厚生です。
法定外福利厚生のなかでも「自己啓発」の分野に該当し、従業員のスキルアップを支援できます。

従業員の資格取得を促進する施策の具体例は、次のとおりです。

  • 資格手当 :資格取得のために必要な教材費を支給する
  • 合格報奨金 :資格を取得した際に、一時金としてお祝い金を支給する

なお資格手当は、毎月定められた金額を手当として支給するケースと、教材の購入費やセミナー受講費を支給するケースなど、企業によって対象範囲や条件が異なります。
合格報奨金は、資格の難易度によって支給額が変動し、従業員が高難易度の資格取得に励むモチベーションを向上させやすい施策です。

勉強休暇制度

勉強休暇制度は、スキルアップや資格取得など勉強を目的とした休暇制度です。
事前に企画書を提出し、「どのような勉強をするために休暇を取得するのか」申請が承認されると、特別休暇を取得できます。

多忙な業務に追われる日々では、落ち着いて勉強する時間を確保できない問題点を解消するために、勉強休暇制度を設けている企業があります。
また勉強休暇制度によって、資格取得・スキルアップを促進できれば、従業員のキャリア形成を支援することが可能です。

勉強休暇制度は、従業員に休暇を与えて心身の疲労を軽減するとともに、スキルアップを促進できる効率的な福利厚生です。

教材取得支援

教材取得支援は、名前どおり書籍やe-ラーニングシステムなど、スキルアップや勉強に必要な教材を取得する際の費用を補助する福利厚生です。

従業員がスキルアップを行う際には、知識の習得や技術の向上が必要であり、自己学習を行うための教材を購入するケースがあります。
書籍やe-ラーニングなど、スキルアップに必要な教材を購入するにはコストがかかり、従業員に金銭的な負担が生じてしまいます。

教材取得支援では、教材購入にかかる負担を軽減して、従業員のスキルアップを促進するために重要な福利厚生です。

e-ラーニング

e-ラーニングは、パソコンやタブレット・スマートフォンなどを活用して、オンラインで研修を実施するシステムです。
リアルタイムで講師がオンライン研修を実施できるだけでなく、システム上に用意されたコンテンツを利用して、受講者が自主的にスキルアップを行えます。

福利厚生としてe-ラーニングを提供すれば、従業員が自主的に知識習得・資格勉強を行える体制を整えることが可能です。
なおe-ラーニングシステムを導入すると、次のようなメリットを得られます。

e-ラーニング導入による企業側のメリット

  • テレワークなど多様な働き方へ対応できる
  • 全国で統一化された研修を実施できる
  • 学習の機会を増やせる
  • コンテンツ制作・管理の負担を軽減できる
  • 受講管理・採点業務の手間を軽減できる
  • 教育担当者の人件費や研修にかかる交通費や宿泊費を削減できる
  • データに基づいた人材開発ができる

e-ラーニング導入による従業員側のメリット

  • 場所や時間を問わずに学習できる
  • 受講のハードルが低く、気軽に学習できる
  • 動画や音声を活用して、繰り返し研修を受講できる
  • 学習進捗が可視化されるためモチベーションが向上する
  • 苦手分野や目標を明確化できる
  • キャリア形成に役立つ
  • 受講者同士のコミュニティを形成できる

上記のように企業側と従業員側どちらにも多くのメリットがあるため、福利厚生でスキルアップを促進したい場合は、e-ラーニングの導入がおすすめです。

スキル研修

スキル研修とは、業務に関するスキルアップを目的とした研修を指します。

システム操作の指導や接客業におけるマナー研修など、業務内容に合わせた研修を実施し、生産性の向上と従業員のスキルアップを目指します。
資格取得を目指すスキル研修を実施すれば、従業員のキャリア形成を促進できるため、モチベーションを向上させることが可能です。

さらに資格取得によってキャリアチェンジの機会を与えられるため、効果的な人材配置を実現できます。

社内資格制度

社内資格制度とは、公的に定められた資格ではなく、社内でスキルや知識の理解度を証明するために設けられた資格制度です。

スキルや知識は数値化しにくく、「どれだけのスキル・知識を有しているか」習熟度を証明することが難しいものです。
社内資格制度を設けることで、一定のスキル・知識を有していることを証明し、特定の分野に対する理解度・習熟度を確認できます。

また社内資格制度は、厚生労働省が定める「社内検定認定制度」で定める一定基準を満たせば、技能振興上奨励すべきである資格制度として認められます。

参照元:社内検定認定制度|厚生労働省

社内資格制度は、従業員がスキルアップに励んだ成果を資格という形で証明できるため、モチベーションアップにつながる福利厚生です。

社内大学

社内大学とは、従業員が勉強できる環境を企業内に整備し、スキルアップを促進する福利厚生です。
さまざまな育成プログラムを用意し、従業員が学びたいスキルや知識を提供して、スキルアップを促進します。

社内大学は、従業員のスキルアップにつながるだけでなく、組織内のネットワークを構築し、社内エンゲージメントを向上させる効果があります。
そのため、スキルアップによるキャリア形成と組織への定着率向上を実現することが可能です。

短期出向制度

短期出向制度は、期間を定めて異なる部署や事業所へ出向し、人材育成を行う制度です。

海外研修や他業種でのOJT研修など、期間を定めて異なる環境で働くことで、従業員のスキルアップを促進します。
新しい環境では、人間関係を構築するためのヒューマンスキルと新たなスキル・知識を習熟するテクニカルスキルが求められます。

さらに海外の事業所へ短期出向すれば、異なる文化とふれあいイマジネーションを刺激できるため、コンセプチュアルスキルを向上させることも可能です。

福利厚生でスキルアップ支援を行うメリット

福利厚生でスキルアップ支援を行うメリットは、次のとおりです。

  • 従業員のモチベーションを向上できる
  • 業務効率が向上し仕事の幅が拡がる
  • 生産性が向上する
  • 企業イメージが向上する
  • 人材確保・育成により組織力が向上する

従業員のスキルアップを促進したい企業は、それぞれのメリットを確認しておきましょう。

従業員のモチベーションを向上できる

福利厚生でスキルアップ支援を行えば、従業員のモチベーションを向上できます。
従業員のスキルが向上すれば、業務を効率的に遂行でき、企業やクライアントからの評価が高まります。

さらに従業員が資格を取得すれば、自身のスキルや知識に対する価値を適切に評価することが可能です。
企業が福利厚生で資格取得やスキルアップを支援することで、従業員のモチベーションを向上させて、生産性を高められます。

またモチベーションの向上は、従業員の離職を防止する効果も期待できるため、定着率の向上にもつながります。

業務効率が向上し仕事の幅が拡がる

福利厚生でスキルアップ支援を行うメリットは、業務効率が向上し仕事の幅が拡がることです。

スキルアップによってモチベーションを向上させて、パフォーマンスを最大化できるため、効率的に業務を遂行できます。
業務効率を向上させれば、リソースを空けて他の業務に手を回せるため、仕事の幅を拡げられます。

従業員のパフォーマンスを活性化させ、仕事の幅を拡げればキャリア形成を促進し、よりモチベーションを高めることが可能です。

生産性が向上する

従業員のスキルアップを支援するメリットは、組織全体の生産性が向上することです。

福利厚生によって従業員一人ひとりのスキルが高まり、業務効率が向上すれば組織全体の生産性を高められます。
スキルが向上すれば、人的ミスを軽減し作業スピードをアップさせ、高いクオリティで業務を遂行できます。

生産性を向上させれば企業の売上増加につながるため、福利厚生でスキルアップ支援を行うことが大切です。

企業イメージが向上する

福利厚生でスキルアップ支援を行うメリットは、企業イメージが向上することです。

福利厚生を充実させている企業は、従業員を大切に扱っているイメージが定着します。さらに求職者からすると、自身のスキルアップやキャリア形成を積極的にサポートしてくれる企業に見えるため、就職先として優先度が高まります。

従業員のスキルアップ支援を充実させることで、求職者や顧客など社会に対して良い企業イメージを与えることが可能です。

企業イメージを向上させれば、優秀な人材の獲得や定着率の向上、取引先との信頼構築などさまざまなメリットを得られます。

人材確保・育成により組織力が向上する

福利厚生でスキルアップ支援を行うメリットは、人材確保・育成により組織力を向上できることです。

従業員を大切に扱いスキルアップを促進している企業は、求職者からすると「働きやすくキャリア形成ができる」魅力的な就職先に見えます。
そのため、少子高齢化社会に伴う労働人口不足が課題の採用市場において、優秀な人材を確保しやすいアドバンテージを獲得できます。

また従業員のスキルアップを支援することで、効果的な人材育成を実施し、組織力の向上を行えます。
スキルアップ支援に関する福利厚生は、新入社員の獲得と既存社員の人材育成を効率化することが可能です。

福利厚生でスキルアップ支援を行うデメリット

福利厚生でスキルアップ支援を行うデメリットは、次のとおりです。

  • コストがかかる
  • 運用や管理に手間がかかる

スキルアップ支援を行うにはメリットだけでなく、デメリットも理解しておかなければなりません。それぞれのデメリットを確認して、福利厚生でスキルアップ支援を行うべきか検討しましょう。

コストがかかる

福利厚生でスキルアップ支援を行うデメリットは、コストがかかることです。

教材取得支援や資格取得支援・資格手当など、スキルアップに必要な費用の助成や手当を支給するにはコストがかかります。
他にもe-ラーニングシステムの導入や社内大学の設立など、スキルアップ支援を行う福利厚生には、高額なコストが発生するものもあります。

従業員がコストに見合ったスキルアップを実現すれば問題ありませんが、支払ったコストに対して得られる成果が少ない場合、費用対効果が低くなってしまうため要注意です。

福利厚生でスキルアップ支援を行う際には、発生するコストと得られる成果を比較し、費用対効果の高い施策を実施しましょう。

運用や管理に手間がかかる

福利厚生でスキルアップ支援を行うと、運用や管理に手間がかかってしまいます。

従業員が福利厚生の利用申請をした際に、審査・承認する担当者が必要です。福利厚生の運用には、担当者の人件費がかかるだけでなく、システム管理や支給額の計算など手間がかかります。

スキルアップ支援を行うためには、福利厚生が適切に利用されているかを判断するための社内規定が必要です。
例えば社内規定を整備しておくと、資格手当を支給する際に「業務に関係がある資格とは、どの程度の範囲か」を明確化し、支給対象を絞り込むことが可能です。

上記のように福利厚生の運用や管理の手間を削減する工夫を行って、従業員のスキルアップを支援しましょう。

福利厚生でスキルアップ支援を行った他社の事例13選

従業員のスキルアップ支援を実施したい企業は、他社の成功事例を参考に導入する福利厚生を検討しましょう。福利厚生でスキルアップ支援を行った他社の事例を、13選ご紹介します。

  • 【クックパッド株式会社】Horizon(イギリスオフィス短期出向プログラム)
  • 【ヤフー株式会社】勉強休暇制度
  • 【株式会社デジタルブラスト】大学院入学支援制度
  • 【株式会社伊藤園】伊藤園ティーテイスター社内検定
  • 【株式会社LIFULL】LIFULL大学
  • 【株式会社ツナグ・ソリューションズ】勉強休暇
  • 【ソニー株式会社】フレキシブルキャリア休職制度
  • 【株式会社セプテーニ・ホールディングス】gen-ten
  • 【レバレジーズ株式会社】語学学習支援
  • 【株式会社リクルートキャリア】キャリアウェブ制度
  • 【株式会社フォースリー】キャリアアップ応援
  • 【株式会社ドワンゴ】資格取得奨励金制度
  • 【サイボウズ株式会社】育自分休暇制度

それぞれの事例を参考に、自社に適した福利厚生でスキルアップ支援を実現しましょう。

【クックパッド株式会社】Horizon(イギリスオフィス短期出向プログラム)

クックパッド株式会社では、新卒3年目までの若手従業員を対象に、グローバルな環境で働く機会を提供しスキルアップ支援を行う「Horizon(イギリスオフィス短期出向プログラム」を実施しています。

約半年間イギリスにあるグローバル本社に短期出向することで、英語力の向上や異なる環境で働く経験を得られます。

従業員自身が希望して短期出向プログラムに参加することで、自発的にアクションを起こす行動力や好奇心を成長させることが可能です。
また言語が異なる環境で働くため、テクニカルスキルだけでなくヒューマンスキルの成長を後押しできます。

【ヤフー株式会社】勉強休暇制度

ヤフー株式会社では、従業員のスキルアップを支援するために勉強休暇制度を設けていました。
勤続3年以上の正社員を対象に、通常の業務を離れて専門的な知識・スキルを習熟するための勉強休暇を福利厚生として提供する制度です。

最長で2年間の休暇取得が可能なので、より専門性の高い資格に挑戦でき、従業員のキャリア形成を支援できます。

なお、ヤフーとLINEサービスが統合された2023年10月1日に、ヤフー株式会社はLINEヤフー株式会社に社名変更しました。これとともに、勉強休暇制度は廃止されました。

【株式会社デジタルブラスト】大学院入学支援制度

株式会社デジタルブラストでは、従業員が働きながら大学院に入学した際の学費を一部負担する「大学院入学支援制度」を設けています。
具体的には、2年間の学費を企業が負担する福利厚生であり、教科書代やノートパソコン代など教材費は従業員負担です。

デジタルブラストの従業員であれば、誰でも利用申請ができる制度ですが、実際に授業料などの学費が支給されるかは社内選考によって決まります。
応募期間中に応募理由書を提出し、15分間のプレゼンテーションを経て、支援対象者が選抜されます。

なお大学院入学支援制度は、あくまで在籍しながら大学院へ入学する従業員を支援する福利厚生であり、主に企業の休日である土曜日に講義が組まれることが多いです。
平日の講義は夕方以降に設定されており、仕事終わりに大学院で学べる環境を整えています。

【株式会社伊藤園】伊藤園ティーテイスター社内検定

株式会社伊藤園は、従業員が自社商品である「お茶」に関する知識を習熟し、啓発活動が行えるように「伊藤園ティーテイスター社内検定」と呼ばれる社内検定制度を設けています。

「伊藤園ティーテイスター社内検定」は、年に一回希望者が受験でき、合格するには学科・検茶・口述によって茶文化からおいしいお茶のいれ方など幅広い知識と技能を証明しなければなりません。

なお「伊藤園ティーテイスター社内検定」は、2017年に厚生労働省から社内検定の認定を受けており、正式な認定資格として認められています。
そのため従業員は資格取得に向けて、自社製品である「お茶」に関する知識・スキルを勉強し、社内外へ啓発活動を行える人材へと成長します。

【株式会社LIFULL】LIFULL大学

株式会社LIFULLは、従業員のスキルアップ支援を行うために、「LIFULL大学」と呼ばれる社内大学を福利厚生として提供しています。

LIFULLでは、「まずは経験してみる」ことを人材育成の上で重視しており、個人ごとに異なる学習ニーズや業務では得られない経験を提供するために「LIFULL大学」を設立しました。

LIFULL大学では、従業員のやりたいことと必要な能力開発を目的に、3種類のプログラムで学びの場を提供しています。

  • 必須プログラム
    • 従業員が必ず身に着けるべきスキルを学ぶ
  • ​​​​​​​選択プログラム
    • 自分が受講したいゼミを選択して、スキルアップに励める
  • 選抜プログラム
    • 次世代のリーダーを育成するため、選抜メンバーに対して海外研修などを実施する

なお従業員が学びたい分野の講義を受けられる「選択プログラム」では、年間50~60講座ほどが開講されており、営業学部・ものづくり学部・ビジネス学部の3学部で構成されています。

【株式会社ツナグ・ソリューションズ】勉強休暇

株式会社ツナグ・ソリューションズが、福利厚生として提供している勉強休暇制度は、スキルアップ支援として効果的です。

主に従業員の自己啓発を目的としており、事業年度に1回、連続5日間までの休暇を取得できる制度です。

利用するには、事前に事業管理本部に企画書を提出した上で、全本部長の承認を得なければなりません。
また勉強日として10万円までを補助しており、講習会参加費用や教材費用を企業が負担するため、従業員の金銭的負担を軽減できます。

【ソニー株式会社】フレキシブルキャリア休職制度

ソニー株式会社が実施している「フレキシブルキャリア休職制度」は、従業員のスキルアップとキャリア形成を支援する福利厚生です。

フレキシブルキャリア休職制度は、2015年に導入された、下記のキャリア形成を実現させるための制度です。

配偶者の海外赴任や留学に同行して知見や語学・コミュニケーション能力の向上を図るための休職(最長5年)
専門性を深化・拡大させる私費就学のための休職(最長2年)

配偶者が海外赴任や留学をする際に、同行して海外でのスキルアップを行いたい場合は、最長5年の休職が認められます。
また自身の専門性を高めるための目的であれば、最長2年間の休職を取得することが可能です。

【株式会社セプテーニ・ホールディングス】gen-ten

株式会社セプテーニ・ホールディングスは、グループ全体の従業員が参加できる社内新規事業プランコンテスト「gen-ten」を開催しています。

「gen-ten」では、グループ内の従業員だけでなく社外の挑戦者も募っており、挑戦意欲の高い人材であれば誰でも参加可能です。
さらに「学生の部」を新設し「社員の部」と共同開催することで、幅広いターゲット層から新規事業のアイデアを募集し、イマジネーションを活性化させています。

書類審査を通過した予選通過者は、1泊2日の事業開発合宿に参加し、役員・社員のメンタリングを受けられます。
従業員の挑戦意欲を刺激し、独創性を活性化させるスキルアップ支援の福利厚生です。

【レバレジーズ株式会社】語学学習支援

レバレジーズ株式会社では、オンライン英会話を無料で受講できる語学学習支援制度を設けています。
定期的に社内の受講希望者を募集し、定員に達すると抽選を行って、語学学習の参加者を選定します。

昼休憩や早朝時間を利用してオンライン英会話を実施することで、従業員のスキルアップ支援を行う福利厚生です。
またレバレジーズ株式会社では、次のようなスキルアップ支援に特化した福利厚生を用意しています。

  • 新規事業立案制度
    • 所属部署や役職に関わらず自由に新規事業の提案ができる
  • LCP
    • ​​​​​​​「事業部間交換留学制度」や「シャッフルランチ」などを行い、各事業所・各部署が持つノウハウを共有する
  • 表彰制度
    • 年2回開催される全社総会で圧倒的な成果を修めた社員を表彰する
  • 事業部キックオフの自由参加制度
    • ​​​​​​​前月もしくは前四半期においての業績・トピック報告・事業部内表彰・今後の動きを共有する
  • 読書支援制度
    • ​​​​​​​定められた金額まで自由に書籍を購入できる
  • 資格取得支援制度
    • 資格取得を目指す従業員の支援を行う
  • 1on1カルチャー
    • 1カ月に1回は必ず、上司と部下が1対1で話し合う
  • メンター制度
    • 新卒1年目の社員1人ひとりに部署の違う先輩社員がメンターとなり、業務上の課題やキャリアについて相談できる
  • リーダートレーニングシステム
    • 若手リーダーや一定の役職についている従業員が、社内外の研修に任意で参加できる
  • 合宿制度
    • 事業部ごとに短期合宿を行う場合の費用を企業が負担する
  • ヒカラボ制度
    • エンジニアのスキルアップ・キャリア支援を目的とする勉強会を月に1〜2回開催する
  • 新卒・中途社員研修
    • 新入社員や中途社員に向けた研修を実施する

【株式会社リクルートキャリア】キャリアウェブ制度

株式会社リクルートキャリアは、各部門が求人情報を掲載し従業員が自由に応募し、従業員の意思によって異動できる「キャリアウェブ制度」を設けています。

「キャリアウェブ制度」は、入社後2年半から利用でき、部門と応募者の双方の希望が合えばマッチング成立です。
マッチングが成立した部署に異動して、新たな仕事に取り組むことで、新しいスキルと知識を習得しキャリア形成も行えます。

従業員一人ひとりのキャリアにおける挑戦を後押しして、実現できる仕組みを整えた福利厚生です。

【株式会社フォースリー】キャリアアップ応援

株式会社フォースリーは、従業員のスキルアップ・キャリア形成を支援する「キャリアアップ応援」を福利厚生として実施しています。

「キャリアアップ応援」は、業務に必要な書籍の購入費用を補助したりセミナー参加費用を補助したりと、スキルアップに必要なコストを助成する制度です。
さらにエンジニアは、仕事に必要な機材を自由に購入できるため、より効率的に業務を遂行できます。

【株式会社ドワンゴ】資格取得奨励金制度

株式会社ドワンゴでは、資格を取得した従業員を対象に奨励金を支払う「資格取得奨励金制度」を設けています。
正社員や契約社員など雇用形態と業務内容に関わらず、対象資格を取得した従業員に奨励金を支給する制度です。

「資格取得奨励金制度」は、従業員自らのスキルアップを図ることを目的としており、資格の難易度に応じて奨励金が1万~100万円と幅広く変動します。
また奨励金の申請数は無制限に設定しており、従業員が積極的に資格取得に励める体制を整備しています。

【サイボウズ株式会社】育自分休暇制度

サイボウズ株式会社は、退職者がまたチームに復帰しやすいよう「育自分休暇制度」を用意していました。
「育自分休暇制度」とは、海外留学や転職など環境を変えて成長しようと退職した従業員が、最長6年以内であれば復帰できる制度です。

「育自分休暇制度」を用意することで、従業員が成長のための挑戦をしやすい環境をつくり、チームを離れてから「戻りたい」と思ったときに「いつでも復帰できる安心感」を与えられます。

しかし自分を成長させる目的以外の理由で退職した従業員も、「育自分休暇制度」を利用すればいつでも復職できる「保険」として利用されるケースが多く、2024年3月末に制度を廃止しました。
代わりに「アルムナイ採用」と呼ばれる制度を新設し、サイボウズを退職した従業員を「確実に復職させる」のではなく、「再びマッチングする機会を持ちやすくする」卒業生向けの選考フローを用意しました。

「アルムナイ採用」は、「育自分休暇制度」とは異なり退職理由や退職日からの年月に関わらず、サイボウズ退職者であれば誰でも利用できます。

福利厚生の導入はリロクラブにおまかせ!

福利厚生の導入を検討しているなら、リロクラブにおまかせください。リロクラブでは、福利厚生の導入を支援する、次のようなサービスを提供しています。

福利厚生倶楽部は、契約数19,200社以上、会員数710万人以上の業界シェア率NO.1の実績を誇る福利厚生アウトソーシングサービスです。
低コストで充実した福利厚生の構築が可能であり、複雑な業務や人件費を軽減して福利厚生の充実をアウトソーシングできます。

カフェテリアプランは、導入コンサルティングから管理運用までトータルサポートし、従業員の多様なニーズに対応できる福利厚生サービスです。
満足度の高さと豊富なサービスのラインナップが魅力的で、多種多様な人材が就業している企業でも、個々のニーズを満たす福利厚生の提供を実現できます。


福利厚生でスキルアップ支援を行って組織力を向上させよう

福利厚生でスキルアップ支援を行えば、従業員のパフォーマンスを最大化し生産性を向上できます。
モチベーションを向上させることで離職を防止し、優秀な人材の獲得にもつながるため、組織力を向上させることが可能です。

福利厚生でスキルアップ支援を行うには、資格手当やe-ラーニングシステムの導入など、積極的に従業員がスキルアップやキャリア形成に励みたくなるような制度が必要です。
しかし新たな福利厚生を導入するには、運用コストや手間がかかるため、自社にリソースが不足している場合は外部企業へのアウトソーシングを検討しましょう。

リロクラブでは、福利厚生のアウトソーシングサービスを提供しており、豊富なメニューから従業員のスキルアップを支援できます。

RELO総務人事タイムズ編集部
RELO総務人事タイムズ編集部
RELO総務人事タイムス編集部です。 本メディアは、「福利厚生倶楽部」の株式会社リロクラブが運営しています。 「福利厚生倶楽部」の契約社数は19,200社、会員数710万人という規模で、業界シェアNo.1を誇ります。 従業員満足を追求する人事や総務、経営者の皆様にとって少しでも有益になる情報を発信していきます。

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