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eラーニングとは?導入方法やメリット、成功のコツを簡単に解説

eラーニングとはインターネットを利用して教育をおこなう学習形態のことです。

従来の対面の研修と異なり、工数やコストをおさえられたり従業員それぞれのペースで学べたりするメリットから、多くの企業が導入しています。

しかし、導入する際にはいくつか注意すべき点もあります。本記事では、eラーニング導入のメリットや成功に導く方法を解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.eラーニングとは
    1. 1.1.eラーニングの目的
    2. 1.2.eラーニングを活用できる教育場面
    3. 1.3.オンライン研修との違い
  2. 2.eラーニングの歴史と現在
    1. 2.1.1950年代:eラーニングの登場
    2. 2.2.2000年代:IT社会の実現のために国内でeラーニングが普及
    3. 2.3.現在のeラーニング
  3. 3.【企業】eラーニング導入のメリット・デメリット
    1. 3.1.メリット
    2. 3.2.デメリット
  4. 4.【従業員】eラーニング導入のメリット・デメリット
    1. 4.1.メリット
    2. 4.2.デメリット
  5. 5.eラーニング導入の成功事例
    1. 5.1.従業員1人ひとりに合った学習が可能に|株式会社Atec Japan
    2. 5.2.知識更新にかかる時間・労力を削減|株式会社ヴェントゥーノ
    3. 5.3.VRを活用したeラーニングを導入|株式会社松屋フーズ
    4. 5.4.知識の定着や弱点の克服を実現|オルビス株式会社
  6. 6.eラーニングの導入4ステップ
    1. 6.1.導入目的を明確にする
    2. 6.2.対象従業員を決める
    3. 6.3.学習コンテンツを考え、教材を選ぶ
    4. 6.4.必要なものを準備し、導入する
  7. 7.eラーニング導入時に必要なもの
    1. 7.1.インターネット環境・学習端末
    2. 7.2.学習管理システム(LMS)
    3. 7.3. 学習コンテンツ(教材)
    4. 7.4.学習支援者(メンター)
  8. 8.eラーニングの効果を高める3つのコツ
    1. 8.1.学んだことを実践する場を設ける
    2. 8.2.学習を従業員任せにしない
    3. 8.3.効果検証・フォローアップを実施する
  9. 9.eラーニングの導入で従業員のスキルアップにつなげよう


eラーニングとは

eラーニングとは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどを使用しインターネットを利用して教育・研修をおこなう学習形態のことです。

eラーニングの「e」はelectronicの略称で、電子的な・インターネットのという意味を持ちます。

eラーニングの特徴は、研修の場を設けなくてもいつでもどこでも学習できる仕組みであることです。

業務を遂行しながら従業員が同じ時間に集まって研修をおこなうのは難しい場合がありますが、eラーニングであればスキマ時間で従業員一人ひとりのペースで学習できます。知識のレベルや習熟度に合わせて学べることも特徴的です。

また、集合研修と異なり、スケジュール調整や研修場所の準備、講師とのやりとりなどの業務が必要ないため、研修担当者の負担を少なく従業員の教育ができます。

eラーニングの目的

eラーニングを導入する目的は3つあげられます。

1つ目に、対面でおこなう研修の人的課題を解決するためです。対面の研修を実施する場合は、従業員と講師のスケジュール調整、研修場所や教材の準備、講師とのやりとりなどの業務が必要です。

また、研修をおこなうごとに費用が必要になります。 eラーニングであれば、上記のような労力・費用をおさえられるため、研修担当者の負担を少なくして、従業員の教育ができます。

2つ目の目的は、学習の機会をつくるためです。普段の業務が忙しいと、知識やスキルを学ぶ時間を確保することは難しくなります。eラーニングであればスキマ時間に取り組めるため、継続した従業員のスキルアップが期待できます。

3つ目の目的は、キャリアチェンジなどのフォロー研修をおこなうためです。中途採用した方や異動した方にできる限り早く戦力になってもらうためには、しっかりとした研修が必要です。eラーニングであれば、集合研修の機会をつくらなくても個人で学習できるため、効率的に成長をうながせます。

このような3つの目的で、eラーニングは取り入れられることが多いです。

eラーニングを活用できる教育場面

eラーニングは以下のような場面で活用できます。

  • 全社研修
  • 階層別研修
  • 個別研修
  • 部署・職種別研修

全社研修は、従業員全員が理解しておくべき企業のビジョンやコンプライアンス、業務のノウハウを教育することが多いです。

対面の研修だと異なる拠点で異なる講師がおこなうため、認識のズレや質が異なるなどの問題が起きる場合があります。eラーニングは作成した教材を全従業員に共有できるため、同じ質の教育ができます。

また、階層別研修や部署・職種別研修でも受講する従業員のステップに合わせたコンテンツを提供できるため、何度も集合研修の場を設ける必要なく効率的に教育できます。

このように、eラーニングは教育の目的に合わせてさまざまな場面で活用できるのです。

オンライン研修との違い

eラーニングと似た言葉に「オンライン研修」があります。

オンライン研修は言葉の通り、インターネット環境を活用して非対面で研修をおこないます。オンラインで実施することはeラーニングと変わりません。

では、この2つにどのような違いがあるのか見ていきましょう。


学習方法
配信方法
eラーニング
専用学習ツール
録画配信
オンライン研修
Web会議ツール
リアルタイム配信

オンライン研修は、研修日・時間を決めて講師と従業員がリアルタイムでつながり学びます。

コミュニケーションをとりながら進めることが目的のひとつです。対面の研修と同じような研修方法だといえます。

一方、eラーニングは事前に録画されたコンテンツを視聴して学びます。

インターネット環境があればいつでも受講できるため、他の従業員と研修日や時間を合わせる必要はありません。

eラーニングは自分のペースで学ぶもの、オンライン研修は双方向でコミュニケーションをとりながらおこなうものだと覚えておきましょう。

eラーニングの歴史と現在

本章では、eラーニングの登場から現在の動向まで解説します。

1950年代:eラーニングの登場

eラーニングは、コンピュータを使った教育支援の「CAI」という考え方をもとに誕生しました。

これまでの教育や研修は、現在の集合研修のように同じ時間に同じ場所に集まって長時間学ぶ必要がありました。集合研修は効率が悪いという課題があることから、eラーニングが誕生したのです。

しかし、eラーニング登場当初はコンピュータの普及が進んでおらず、eラーニングのような複雑なシステムを構築することは難しい状況でした。1990年代にパソコンが普及したことで、eラーニングも発展していきます。

2000年代:IT社会の実現のために国内でeラーニングが普及

eラーニングが日本国内で普及したのは、2000年代です。普及のきっかけとなったのは、2000年に政府が「e-Japan構想」を打ち出したことです。

e-Japan構想とは、高速インターネットを常時接続可能な環境づくりをする政策のことです。この構想や2000年代後半にスマートフォンやタブレットが普及するなど、インターネット環境が大きく変化したことで、eラーニングも普及していきました。

集合研修の課題だった「受講者の進捗管理」「教材データの保管」などを解決できることや、同じ場所に集まらないと実施できなかった接客業やサービス業の研修が実施できることを利点に感じる企業が増え、eラーニングを導入する企業も増加していきました。

現在のeラーニング

現在、eラーニングは通勤通学時間やランチ中など好きな時間・場所で受講できるようになりました。

時間を決めてじっくり学ぶ必要があった研修から気軽に効率的に学べるeラーニングが学び方の主流のひとつになっています。

また、コロナ渦の影響で集合研修が難しくなったり、オンライン学習の機会が増えたりしたことから、eラーニングはさらに需要が拡大しています。

さらに、資料や動画を見て知識を得るだけでなく、「体験」して知識を身につけるタイプの教材も増加中です。VRやAI進化に合わせて、eラーニングも進化していくと考えられるでしょう。

【企業】eラーニング導入のメリット・デメリット

インターネット環境を利用して学習機会を提供するeラーニングは、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。本章では企業側のメリット・デメリットを解説します。

メリット

eラーニングを導入する企業のメリットは以下の4つです。

  • 研修担当者の負担が少なくなる
  • コストが抑えられる
  • 従業員の学習状況や進捗状況の管理が簡単になる
  • 従業員の知識・スキルの質が一定になる

1つずつ解説します。

研修担当者の負担が少なくなる

1つ目のメリットは、研修担当者の負担が少なくなることです。

対面の研修で必要だった、研修内容の企画・スケジュール調整・研修場所や教材の準備・講師の選定や打ち合わせなど、研修実施までの業務が多くありました。

しかし、eラーニングはインターネット環境があれば従業員個人で知識やスキルを学べます。研修内容の企画や教材の準備など、eラーニング導入時に必要な業務をおこなうだけで、多くの従業員に学習の機会を提供できるのはメリットだといえるでしょう。

拠点が複数あったり、従業員数が多かったりする企業でも、一度の構築で完結できます。

研修に関する業務の負担が少なくなることで他業務に時間を使うことができ、研修内容の充実や分析などの業務にも注力できるようになり、さらに研修の効果を生み出せるようになるかもしれません。

コストが抑えられる

2つ目のメリットは、コストが抑えられることです。

対面の研修では、講義1回おこなう度に研修場所を手配したり教材を準備したり、スケジュール調整をしたりする必要があるため、コストがかかります。

場合によっては交通費や宿泊費がかかる場合もあるでしょう。 eラーニングは導入費用や月額費用などがかかるものの、対面の研修よりもコストを抑えられる可能性が高いです。

従業員の学習状況や進捗状況の管理が簡単になる

3つ目のメリットは、学習状況や進捗状況の管理が簡単にできることです。

eラーニングシステムを利用すると、プログラムの自動処理によって「どの従業員がどこまで学んでいるか」「学習が遅れている従業員は誰か」「テスト結果はどうか」などを把握できます。

紙で管理したりExcelなどに手入力したりする必要がなく、作業の効率化にもつながるでしょう。 学習状況や進捗状況が管理できると、従業員ごとの課題を把握してフィードバックしたり、学習が遅れている従業員にアプローチしたりもできます。

また、学習状況や結果などのデータが蓄積されていくことで、今後の研修内容企画にも役立つでしょう。

従業員の知識・スキルの質が一定になる

4つ目のメリットは、従業員の知識・スキルの質が一定になることです。

従業員数が多かったり拠点が複数あったりすると、複数の講師から学ぶことになります。同じ教材を使って学んだとしても、講師によって教育の質が変化する可能性があるため、知識・スキルの質にばらつきが生まれやすいです。

eラーニングであれば、全拠点・全従業員が同じ講師から同じ講義を受けられるため、従業員の知識・スキルの統一が可能です。また、新しい情報も素早く同じ質で届けられるでしょう。

デメリット

デメリットは以下の通りです。

  • 受講環境を整えなければならない
  • 教材を作成する必要がある
  • 従業員のモチベーションが低下する可能性がある

1つずつ解説します。

受講環境を整えなければならない

1つ目のデメリットは受講環境を整えなければならないことです。

eラーニングを導入するときは、eラーニングシステムやインターネット環境の構築が必要です。場合によっては、パソコン・スマートフォンなどの端末の準備もする必要はあるでしょう。そのため、受講環境を整えるための導入コストもかかります。

また、eラーニングシステムを管理するIT知識が必要なため、担当者の教育もしなければならないかもしれません。

eラーニングの導入は環境づくりや教育からスタートしなければならないのはデメリットに感じる方もいるでしょう。

教材を作成する必要がある

2つ目のデメリットは、教材を作成する必要があることです。

eラーニングをおこなうためには学習コンテンツ(教材)が欠かせません。自社で作成する場合は、1から構成を考えたり動画制作をしたりする必要があるため、大きな労力が必要になります。

しかし、eラーニングコンテンツの制作会社に依頼したり、eラーニングシステム内の教材を使用したりすれば、作成の労力をおさえられます。

従業員のモチベーションが低下する可能性がある

3つ目のデメリットは、従業員のモチベーションが低下する可能性があることです。

従業員が自ら受講する必要があるeラーニングは、従業員任せにしているとモチベーション低下につながることがあります。対面研修のように従業員の様子を見てフォローできず、理解が進まなかったり集中できなかったりする可能性があるでしょう。また、業務時間外の学習を負担に感じることもあります。

従業員のモチベーション維持や負担軽減のためにコミュニティを作ったりフォロー体制を整えるなどして対策をおこないましょう。

【従業員】eラーニング導入のメリット・デメリット

本章では、従業員側のeラーニング導入のメリット・デメリットを解説します。

メリット

メリットは以下の3つです。

  • いつでもどこでも学習できる
  • レベルに合わせて学べる
  • 繰り返し学び知識・スキルを身につけられる

1つずつ解説します。

いつでもどこでも学習できる

1つ目のメリットは、パソコン、スマートフォン、タブレットがあればどこでも学べることです。対面の研修では決められた時間に学ぶ必要がありますが、eラーニングであれば自分の予定に合わせて自由に学習を進められます。

また、短時間勤務や中途採用の従業員など決められた集合研修に参加できない人でも、同じ教材を使って好きな時間に学べるため、知識やスキルの統一化が可能です。 身につけるべき新しい情報が追加された場合も、eラーニングはすぐに教材に追加できるため、最新情報をすぐに入手できることもメリットといえます。

レベルに合わせて学べる

2つ目のメリットは、レベルに合わせて学べることです。 対面の研修では、参加する従業員に同じ内容・同じペースで講義をおこなうため、スキルの習熟度に合わせて効率的に教育を進められません。

eラーニングであれば、すでに身につけている内容を飛ばしたり、必要な講義のみを選択できたりするため、従業員のレベルに合わせて効率的に学びを進められます。

繰り返し学び知識・スキルを身につけられる

3つ目のメリットは、繰り返し学んで知識・スキルを身につけられることです。 講義を一度受けるだけでは、必要な知識やスキルを十分に身につけられない可能性があります。

eラーニングでは何度も繰り返し学べるため、知識の定着にもつながります。従業員の課題をもとにフィードバックすることで、さらに高いレベルの知識・スキルを身につけられるでしょう。

デメリット

デメリットは以下の通りです。

  • その場で質問ができない
  • 通信環境が必要になる

1つずつ解説します。

その場で質問ができない

1つ目のデメリットは、その場で質問できないことです。 eラーニングはリアルタイムで講師が講義をおこなっていないため、わからないことがあってもすぐに質問し疑問を解決できません。

フィードバックや質問を解決するシステムはあるものの、学んでいるときに疑問を解決できないことはデメリットだといえます。

通信環境が必要になる

2つ目のデメリットは、通信環境が必要になることです。 eラーニングはインターネット環境を活用して学習機会を提供するものであるため、通信環境が整っていないと学べません。

現在はスマートフォンやWi-Fiが普及しているため、大きなデメリットだとはいえません。

しかし、従業員に通信料が多くかかる場合などには対策が必要になるでしょう。

eラーニング導入の成功事例

研修コストを抑えつつ、従業員のレベルに合わせて学習を進められるeラーニングの導入は、従業員1人ひとりの教育と企業の成長に大切なものといえます。

では、実際にeラーニングを導入した企業は、どのような効果を得たのでしょうか。 本章ではeラーニング導入の成功事例を4つ紹介します。

従業員1人ひとりに合った学習が可能に|株式会社Atec Japan

1つ目に紹介するのは、設備の開発や製造をおこなう株式会社Atec Japanです。

同社が抱えていた課題は、「従業員の知識レベルが標準化していない」「出張が多く効率的に研修ができない」ということでした。 eラーニングの導入により、新入社員は基礎知識、中堅社員やベテラン社員は知識の復習と従業員1人ひとりに合った学習が可能になりました。

また、いつでもどこでも学べるシステムであるため、出張の多い従業員も自分の予定に合わせて効率的に学べるようになったそうです。 知識を身につけたあとは確認テストを実施し、修了証明書を発行することで従業員の学習意欲も高められたと話しています。

参考:eラーニングのデジタル・ナレッジ「導入事例 株式会社Atec Japan」 

知識更新にかかる時間・労力を削減|株式会社ヴェントゥーノ

2つ目に紹介するのは、健康食品や化粧品などの商品開発をおこなう株式会社ヴェントゥーノです。

同社が抱えていた課題は、「毎月の知識更新研修に時間とコストがかかる」「学習状況の管理が大変」というものでした。 eラーニングの導入により、既存商品・新発売の商品の知識を同じレベルで身につけられるようになったそうです。

また、毎月の研修のために別拠点から本社へ赴く必要がなくなり、移動の時間やコスト削減にもつながっています。

さらに、紙でおこなっていたテストをインターネット上で自動集計することで、担当者の手間も減ったそうです。

参考:learningBOX株式会社「導入事例 株式会社ヴェントゥーノ

VRを活用したeラーニングを導入|株式会社松屋フーズ

3つ目に紹介するのは、「松屋」を展開する株式会社松屋フーズです。

同社は2018年からeラーニングを取り入れ、動画で教育をおこなったり、店舗マニュアルや教育チェックシートを電子化したりなどの取り組みをおこなっていました。 同社では、「接客のスキルが統一化されていない」という課題を抱えていました。

2019年から「VR」を活用した接客トレーニングを導入したことで、店やトレーナーによる質の差がなくなる効果を生み出しました。

また、言葉での説明ではわからない部分を疑似体験することで、実際に働くときの緊張感の軽減にもつながったそうです。

さらに、教育担当者の店長が1から教えるのではなく、VRを使って個人で学んでもらうことにより、拘束時間が3時間から30分に減少したこともeラーニング導入の効果だそうです。

参考:eラーニングのデジタル・ナレッジ「導入事例 株式会社松屋フーズ」 

知識の定着や弱点の克服を実現|オルビス株式会社

最後に紹介するのは、コールセンター業務でeラーニングを導入したオルビス株式会社です。

eラーニングの導入の効果として、「知識の定着や弱点の克服」「スキマ時間を活用して学習」という2つがあげられます。 1日1,000~3,000件ほどお問い合わせがある同社では、どのオペレーターも商品の知識、美容についての知識、キャンペーンやプロモーションなどの知識をしっかり身につけておく必要があります。

そこで、別研修に加えてeラーニングを導入したことで知識の定着や弱点の克服を実現しました。

また、コールセンターの業務のスキマ時間で学べることで、時間を有効活用できているそうです。

参考:Mogic株式会社「導入事例 オルビス株式会社

eラーニングの導入4ステップ

eラーニングの導入を失敗せずにおこなうために、以下4ステップを踏む必要があります。

  • 導入目的を明確にする
  • 対象従業員を決める
  • 学習コンテンツを考え、教材を選ぶ
  • 必要なものを準備し、導入する

1つずつ解説します。

導入目的を明確にする

1つ目におこなうのは、導入目的を明確にすることです。

eラーニングの導入により、「どのような課題を解決したいのか」「eラーニングで何をしたいのか」「どのような結果が出れば目的が達成したとなるのか」などを考えます。

例えば、「人材育成が不十分で離職率が高い」という課題があったとしましょう。この課題を解決するためには十分な人材育成をする必要があります。

人材育成のためにおこなう施策として、各部門の現場での教育を活性化することがあげられます。このような施策の検討で、「eラーニングの活用で部署別の従業員育成を進める」という目的が明らかになるのです。

目的がないままeラーニングを導入しても、教育の効果が十分発揮できません。必ず目的を設定するようにしましょう。

対象従業員を決める

次に、対象従業員を決めます。

必要とするコンテンツは新入社員・中堅社員で異なったり、営業職・事務職で異なったりするため、どの従業員に学んでほしいかを明確にしなければなりません。

eラーニングの導入目的に合わせて、年齢や部署、職種、雇用形態、役職などをもとに対象従業員を選びましょう。

学習コンテンツを考え、教材を選ぶ

次におこなうのは、学習コンテンツを考えて教材を選ぶことです。

まずは導入目的をもとに、対象従業員は「どのような知識・スキルを身につけるべきなのか」を考えます。

例えば、新入社員を対象にする場合はビジネスマナーなどが必要な学習コンテンツとなるでしょう。

また、営業職を対象にする場合は商品やサービスの知識、営業スキルを学ぶコンテンツが必要です。 学習コンテンツが決まったら、教材を選びます。制作会社の教材を購入したり、制作会社に1からつくってもらったり、自社で制作したりなどして教材を準備できます。

必要なものを準備し、導入する

最後に、eラーニングの導入に必要なものを準備します。

具体的には、「インターネット環境・学習端末」「学習管理システム(LMS)」「教材」があります。「学習支援者(メンター)」が必要になることもあります。

必要なものに関しては次章で詳しく解説します。

eラーニング導入時に必要なもの

eラーニング導入時に必要なものは以下の4つです。

  • インターネット環境・学習端末
  • 学習管理システム(LMS)
  • 教材
  • 学習支援者(メンター)

1つずつ解説します。

インターネット環境・学習端末

eラーニング導入のうえで必要なのは、インターネット環境・学習端末です。

インターネット環境の構築をおこなうときは、社内で受講する場合、自宅や通勤中に受講する場合など想定されるシーンを考える必要があります。動画視聴は通信料がかかるため、企業が費用を補助するのかなども検討しておきましょう。

また、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの学習端末も必要です。会社から支給するのか、アプリをインストールしてもらうのかなど方法を考えます。スマートフォンアプリの場合、従業員のスマートフォンのバージョンによっては使用できない可能性もあります。事前に仕様や環境などを確認しておきましょう。

学習管理システム(LMS)

eラーニングには、学習管理システム(LMS)が必要です。

学習管理システムとはeラーニングを運用・管理するためのシステムのことをいいます。 教材の作成や管理、進捗状況の把握などeラーニングに必要なことを一元管理できることがメリットです。また、教材ごとに管理する必要がないため、作業工数やコストの大幅な削減もできます。

■LMSをお探しの方は、「Reloかんたんラーニング」もご参照ください。

学習コンテンツ(教材)

3つ目に必要なのは、教材(学習コンテンツ)です。eラーニングはPowerPoint資料、動画などさまざまな教材を使用できます。PowerPoint資料と動画を組み合わせた提供も可能です。 教材は、

  • 既存教材を利用する
  • 制作会社に1から制作してもらう
  • 自社で制作する

ことで準備できます。

学習支援者(メンター)

eラーニングを導入するときは、学習支援者(メンター)の導入も検討しましょう。

eラーニングは従業員が個人で取り組む学び方のため、モチベーションを維持することが難しいデメリットがあります。疑問に回答するなど従業員の学習をサポートする学習支援者の導入で、デメリットを解決できることがあります。

eラーニングの効果を高める3つのコツ

eラーニングの効果を高めるための3つのコツは以下の通りです。

  • 学んだことを実践する場を設ける
  • 学習を従業員任せにしない
  • 効果検証・フォローアップを実施する

eラーニングの導入を失敗させないよう、チェックしていきましょう。

学んだことを実践する場を設ける

1つ目のコツは、実践する場を設けることです。 eラーニングで知識やスキルを理解して終わるのではなく、頭で理解していることを行動にうつすことで、eラーニングの効果が高まると期待できます。 例えば、講義終了後にテストをおこなったり、グループワークを開催したりする方法があります。

学習を従業員任せにしない

eラーニングは従業員任せにせず、企業側が支援することが重要です。 個人で学習を進めるeラーニングは、一人だとモチベーションを維持できなかったり、飽きたり面倒になったりする可能性があるため、場合によっては十分に活用されず効果を出せないかもしれません。

「なぜeラーニングをおこなうのか」を説明したり、数分でできるコンテンツを盛り込んだりなど、自主的な学習を促すきっかけをつくりましょう。

効果検証・フォローアップを実施する

eラーニングの導入後は、定期的に効果検証をおこないましょう。 「知識レベルが上がっているか」「スキルが習得できたか」「売り上げにつながったか」など、自社の目的が達成できたか、近づいているかを確認します。また、教材も定期的に見直すことも大切です。アンケートを取ったり、効果検証をおこなったりしたうえで、従業員の理解を深めるための方法を考えましょう。

さらに、学習状況によってフォローアップの実施も欠かせません。学習管理システム(LMS)を活用して従業員の進捗状況や習熟度を把握し、習熟度が低い従業員には別コンテンツを提供するなどのフォローアップができる体制を整えることが大切です。

eラーニングの導入で従業員のスキルアップにつなげよう

eラーニングは従業員1人ひとりのペースで自分に合ったコンテンツを学習できるため、学習効率を高めスキルアップに役立ちます。

しかし、導入時に十分な準備ができていないと十分な効果が出ないこともあります。導入する際は目的や対象者を明確にしたうえで、従業員のスキルアップと企業の成長につなげましょう。  

■eラーニングをお探しの方は、「Reloかんたんラーニング」もご参照ください。

RELO総務人事タイムズ編集部
RELO総務人事タイムズ編集部
RELO総務人事タイムス編集部です。 本メディアは、「福利厚生倶楽部」の株式会社リロクラブが運営しています。 「福利厚生倶楽部」の契約社数は19,200社、会員数710万人という規模で、業界シェアNo.1を誇ります。 従業員満足を追求する人事や総務、経営者の皆様にとって少しでも有益になる情報を発信していきます。

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