従業員満足度が高い企業ランキングベスト15|具体的な対策法を解説
従業員満足度は、職場環境や給与待遇・人間関係などさまざまな要素から構成されます。
従業員満足度が高い企業は、従業員の当事者意識が高く活発にコミュニケーションをとる傾向があります。
満足度を高めるために、従業員満足度が高い企業の施策例を参考にしましょう。
本記事では、従業員満足度が高い企業を部門別のランキングで全15社ご紹介します。従業員満足度が高い企業の特徴や実施するべき対策をあわせて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次[非表示]
- 1.従業員満足度とは
- 2.従業員満足度を構成する要素
- 3.従業員満足度が高い企業の特徴
- 3.1.従業員の当事者意識が強い
- 3.2.コミュニケーションが活性化している
- 3.3.働きやすい職場環境が整備されている
- 4.従業員満足度を高めるメリット
- 4.1.モチベーションが向上する
- 4.2.定着率・採用力の強化につながる
- 4.3.企業イメージアップにつながる
- 5.従業員満足度を高めるデメリット
- 5.1.コストがかかる
- 5.2.確実に成果が出る確証はない
- 6.従業員満足度が高い企業ランキング部門別ベスト5
- 6.1.大規模部門ランキングベスト5
- 6.2.中規模部門ランキングベスト5
- 6.3.小規模部門ランキングベスト5
- 7.従業員満足度を高めるために企業が実施するべき対策
- 7.1.福利厚生の充実化
- 7.2.社内コミュニケーションの活性化
- 7.3.給与・人事制度の見直し
- 7.4.職場環境の改善
- 8.従業員満足度が高い企業を目指して職場環境・制度を見直そう!
従業員満足度とは
従業員満足度は、ES(Employee Satisfaction)とも呼ばれる「従業員が職場環境や人間関係・給与待遇などに満足しているか」を示す指標です。
少子高齢化に伴い労働人口が減少している現代では、採用力・定着率を向上させるため、従業員満足度を高める施策が重要視されています。
従業員満足度が高い企業は、従業員のモチベーションが高くパフォーマンスを最大化できるため、生産性・顧客満足度が向上します。
企業の業績を挙げるためにも、従業員満足度を高める施策を実行しましょう。
従業員満足度を構成する要素
従業員満足度を構成する主な要素は、次のとおりです。
- 職場環境
- 企業理念
- 給与待遇
- 福利厚生
- 人間関係
- 働きがい
- キャリア形成
- ワークライフバランス
従業員満足度を高められるよう、構成する主な要素を理解しておきましょう。
職場環境
職場環境の良し悪しによって、従業員満足度が変動します。
仕事内容や働く事業所や現場の環境・設備の充実度など、働きやすい環境が整っている組織ほど、従業員満足度が高いです。
またチームが一丸となって目標達成を目指したり、気軽に相談や雑談ができたりと、組織風土によっても従業員満足度が左右されます。
どれだけ給与や休日制度が充実していても、快適に仕事ができない職場環境では、従業員満足度が低下します。
企業理念
従業員満足度を構成する要素の1つが、企業理念です。
企業理念に賛同できる職場であれば、企業が示す指針や目標に疑問やストレスを感じずに働けます。
従業員が自ら企業が求める方向性に進む組織風土が構築されていると、組織としての団結力が高まり生産性の向上につながります。
従業員が企業理念に反する考えを持っている場合、企業の決定や経営方針に疑問を抱き、企業への愛着心が薄れてしまうでしょう。
そのため、企業理念をあらゆる場面で伝え続けることも大切です。
給与待遇
給与待遇に満足しているかによって、従業員満足度が変化します。
「成果に対して納得のいく給与が支払われているか」「役職や責任に対して適切な待遇を受けられるか」によって、従業員満足度が変わります。
給与待遇に関する満足度は、従業員満足度に直結するため重要な要素です。
同業他社と比較して、自社の給与待遇が優れていれば、従業員はやりがいを感じられます。給与待遇の満足度によって従業員満足度が変わるため、成果や役割に応じて適切な報酬を支払うことが大切です。
福利厚生
給与待遇と同じく福利厚生の充実度によって、従業員満足度が左右されます。
福利厚生は、金銭以外の形で従業員に還元する報酬であり、ライフワークバランスを実現するために重要な要素です。
住宅手当や通勤手当・食事手当などの各種手当を支給すれば、生活において必要な出費を抑えられます。
また育児・介護休暇の取得促進や特別休暇制度の導入、保養所や託児所の設置によってプライベートを充実させれば、従業員満足度が向上します。
人間関係
職場内の人間関係も、従業員満足度を構成する要素の1つです。
人間関係が良好な職場だと、チーム内の結束が強化されるため生産性の向上につながります。
また部署間の交流が活発な職場では、情報共有をスムーズに行えます。
反対に人間関係が劣悪な職場では、円滑にコミュニケーションを取ることも難しいです。思い通りに仕事を進められなかったり、疎外感や劣等感を感じたりすると、モチベーションが低下し離職率が増加します。
悩みや相談を気軽にできる同僚や、尊敬できる上司がいる職場は、従業員にとって働きやすくモチベーションを維持しやすいです。
働きがい
従業員満足度を構成する要素の中で、働きがいが重要です。
給与待遇や人間関係が良くても、働きがいのないルーティンワークや退屈な仕事内容では、モチベーションを維持できません。
自身のスキルをフル活用でき、成長を実感できるような組織は、従業員満足度が向上します。
業務を通じて社会に貢献したり、大きなプロジェクトをチームで達成したりと、働きがいを感じる職場ほど従業員満足度が高いです。
また働きがいがある職場は、従業員が高いパフォーマンスを発揮するため、生産性が高まります。
キャリア形成
キャリア形成ができる企業は、従業員満足度が高い傾向にあります。
仕事を通じてスキルを磨けたり、適切な人事評価を受けて昇給できたりと、キャリア形成ができる職場は従業員満足度が高いです。
ルーティンワークや退屈な仕事などやりがいを感じられない場合は、将来の不安やスキルを発揮できないもどかしさから、従業員満足度が低下します。
理想とするキャリア形成ができる環境を整えることで、従業員が長く働きたいと思うため、定着率を向上させられます。
ワークライフバランス
従業員満足度を高めるには、仕事面だけでなくプライベートが充実するライフワークバランスの実現が重要です。
プライベートの時間を確保でき、金銭的や精神的に余裕を感じられる職場は、ライフワークバランスを実現できます。
ライフワークバランスを実現するために、テレワークやフレックスタイム制度の導入により、プライベートの時間を確保できる柔軟な働き方を推奨しましょう。
また有給休暇や育児休暇の取得を促進したり、福利厚生によって各種手当を支給したりと、ワークライフバランスを充実させる施策の導入が求められます。
従業員満足度が高い企業の特徴
従業員満足度が高い企業の特徴は、次のとおりです。
- 従業員の当事者意識が強い
- コミュニケーションが活性化している
- 働きやすい職場環境が整備されている
それぞれの特徴に当てはまる職場づくりを行えば、従業員満足度を向上できます。従業員満足度が高い企業の特徴を確認して、自社に当てはまるよう組織改革を行いましょう。
従業員の当事者意識が強い
従業員の当事者意識が強い企業は、従業員満足度が高い傾向にあります。
仕事に対して受け身な姿勢であったり、指示待ちの従業員が多かったりと、当事者意識が弱い組織は生産性が低いです。
「仕事だからやらされてる」と消極的な姿勢で働くと、必要最低限のパフォーマンスしか発揮できません。
従業員の当事者意識が強い場合は、自ら何をするべきか考えて行動するため、生産性や顧客満足度が高いです。
能動的に「企業や顧客に貢献したい」と考えている場合は、組織との一体感は強まり従業員エンゲージメントが向上します。
そのため、自発的に行動する従業員が多いと、従業員満足度が高まります。
コミュニケーションが活性化している
コミュニケーションが活性化している企業は、従業員満足度が高いです。
従業員同士のコミュニケーションが少ないと、活気が出ずにモチベーションが低下します。また気軽に発言しにくい組織風土では、従業員同士のコミュニケーションが減り、意思疎通や情報共有が鈍化します。
コミュニケーションが活性化している企業は、相談やアドバイスを気軽にし合えるほど人間関係が良好です。
そのため悩みごとやストレスを抱えるリスクが少なく、ミスやトラブルを早急に対処できるため、定着率と生産性が向上します。
上司と部下や経営層など、役職や部署問わずにコミュニケーションを取れる組織は、従業員にとって働きやすい環境が整っています。
働きやすい職場環境が整備されている
従業員満足度を高めるには、働きやすい職場環境が整備されているかが重要です。
働きやすい職場とは、風通しが良くプライベートの時間も確保できるワークライフバランスが実現した組織です。
有給休暇を取得しにくかったり、気軽に福利厚生を利用できなかったりすると、企業に対する愛着心が薄れて従業員満足度も低下します。
働きやすい職場環境を整備するには、次の要素を満たす必要があります。
- 休暇を取得しやすい組織風土
- 充実した福利厚生
- ワークライフバランスの充実
働くことでワークライフバランスが充実すれば、企業に対する所属意識が高まるため、従業員満足度が高まるのです。
従業員満足度を高めるメリット
従業員満足度を高めるメリットは、次のとおりです。
- モチベーションが向上する
- 定着率・採用力の強化につながる
- 企業イメージアップにつながる
各メリットを確認して、従業員満足度の向上に注力するべきか検討しましょう。
モチベーションが向上する
従業員満足度が高いと、従業員のモチベーションが向上します。
企業への満足度が高い従業員は、仕事に対して熱意を持って取り組むため、生産性が向上し顧客満足度が高まります。
従業員のモチベーションを高めて、パフォーマンスを最大化するために、従業員満足度の向上が重要です。
また従業員満足度が高い職場は、コミュニケーションが活性化し従業員の当事者意識が強いため、ミスやトラブルを早期発見し対処できます。
生産性が高まりミスやトラブルを防止できるため、企業の業績アップにつながります。
定着率・採用力の強化につながる
少子高齢化に伴い労働人口が減少している現在では、定着率・採用力の強化につながる施策が重要です。
従業員満足度が高い企業は、従業員の当事者意識が高く組織内のコミュニケーションが活性化しているため、定着率が高い傾向にあります。
従業員が離職すると、新たな人材を雇用するコストがかかるため、定着率の向上はコストカットにつながります。
また従業員満足度が高い企業は、就職先を探している求職者からしても魅力的な職場です。そのため採用力が強化され、優秀な人材を獲得できるチャンスが増えます。
企業イメージアップにつながる
従業員満足度が高いと、外部で従業員が活き活きと働くため、企業イメージアップにつながります。
取引先や顧客が、意欲的に働く従業員と接することで、クリーンで働きやすい企業イメージが定着するのです。
また従業員満足度が低いと、離職率が増えて口コミや噂で企業のマイナスイメージを社会に与えます。
そのため、従業員満足度を高めることで、企業のイメージダウンを防止できます。
従業員満足度を高めるデメリット
従業員満足度を高めるデメリットは、次のとおりです。
- コストがかかる
- 確実に成果が出る確証はない
メリットだけでなくデメリットも確認して、従業員満足度に影響する施策の実行を検討しましょう。
コストがかかる
従業員満足度を高めるには、給与を上げたり新たな福利厚生を導入したりと、コストがかかります。
社内コミュニケーションを活性化させるためにも、社内イベントを開催したりカフェや雑談スペースを設けたりと、コストをかけなければなりません。
従業員満足度を高めることに注力して、膨大なコストを費やしてしまうと、費用対効果が下がってしまいます。
従業員満足度を高めたいときは、費用対効果を測定して施策の実施を検討しましょう。
確実に成果が出る確証はない
従業員満足度を高める施策を実行しても、確実に成果が出る確証はありません。
コストと労力をかけて、組織改革を行っても成果が出なければ、企業としての損失が大きいです。
また従業員満足度を高めても、確実に生産性や定着率が向上するとは限りません。
従業員満足度は、給与待遇や人間関係・企業の組織風土など、さまざまな要因によって構成されます。
そのため自社が求める課題を解決する要素に注力しなければ、従業員満足度が高まっても組織改革ができません。
従業員満足度を高める際には、課題を明確化して成果が出るよう改善を繰り返して、中長期的に対策を実行する必要があります。
従業員満足度が高い企業ランキング部門別ベスト5
Great Place To Work® Institute Japan(GPTW Japan)は、従業員満足度が高い働きやすい職場を「働きがい認定企業」に認定して公表しています。
2024年の日本にある「働きがいのある企業」ランキングは、次のとおりです。
ランキング |
大規模部門(従業員1,000人以上) |
中規模部門(従業員100~999人) |
小規模部門(従業員25~99人) |
1 |
シスコシステムズ |
コンカー |
あつまる |
2 |
DHLジャパン |
アチーブメント |
ミクセル |
3 |
アメリカン・エキスプレス |
Box Japan |
All Ads |
4 |
セールスフォース・ジャパン |
フロンティアホールディングス |
バーテック |
5 |
ディスコ |
FCE |
イベント21 |
参照元:2024年版 日本における「働きがいのある会社」ランキング|働きがいのある会社研究所
各企業の特徴と施策例を、企業規模別にご紹介しますので、自社で従業員満足度を高める際の参考にしてください。
大規模部門ランキングベスト5
従業員数が1,000人以上の「働きがいのある企業」大規模部門ランキングベスト5位は、次のとおりです。
- シスコシステムズ
- DHLジャパン
- アメリカン・エキスプレス
- セールスフォース・ジャパン
- ディスコ
大企業が取り組む施策例を参考に、従業員満足度の向上を目指しましょう。
1.シスコシステムズ
シスコシステムズでは、オープンコミュニケーションを推進するため、聴く力を向上させる双方向フィードバックのトレーニングを実施しました。
オープンコミュニケーションとは、雑談・声かけ・プライベートな話をし、立場に関係なく自分の意見を言えることです。
お互いに相手の話を聞き、自分の意見を言い合う双方向フィードバックのトレーニングを実施することで、社内コミュニケーションを活性化させました。
またテレワーク制度の導入により、どこでも働ける環境を整備し、従業員のワークライフバランスを向上させています。
Hybrid新年会やFamily day・I&C monthなどのイベントでは、オンラインとオンサイトの体験を最適化し、社内に出社しなくても働ける組織風土を構築しました。
従業員が自律的に働き方を選択できるため、仕事に行くことが楽しみである組織づくりを実現しました。
また報酬に対する納得感が高く、経営・管理者層の人材配置が適切なため、組織全体の従業員満足度が高いです。
2.DHLジャパン
DHLジャパンは、サッカーとチアリーディングの社内スポーツ大会「Asia Cup」を定期開催し、アジア王者を決める競技を行っています。
2023年には、日本を含む約1,500人が参加し、世界で最も国際的な企業文化を高めました。
また「人と人をつなぎ、生活の向上に貢献する」というパーパスの実現によって、従業員エンゲージメント向上を促進しています。
働きがいのポイントとして、「利益が公正に分配されている」「福利厚生が充実している」「部門を超えて従業員同士の交流がある」などが挙げられます。
3.アメリカン・エキスプレス
アメリカン・エキスプレスは、自分のキャリアは自分で作ろうという文化があり、従業員に積極的なキャリア選択を推奨している企業です。
従業員の決断を尊重し、さまざまな側面でサポートを提供し、従業員満足度を高めました。
2023年には、この考え方を体系化した「Deliver・Reflect・Learn・Connect」の4つの柱からなる「Career Growth@Amex」というフレームワークが導入されています。
全社メールや全社集会などを通じて、従業員に企業理念と組織風土の周知を図りました。
報酬に対する満足感とワークライフバランスの充実、さらに経営層や管理者が従業員の失敗を許容していることから、高い従業員満足度を実現しています。
4.セールスフォース・ジャパン
セールスフォース・ジャパンは、従業員を最初の顧客と捉え、最新のテクノロジーを業務で体験できるように人的資本経営を実施した企業です。
自社製品やイノベーションを一般提供する前に、「Slack AI」「Ask Concierge」といった社内サービスを通じて、社員のAIイノベーションスキルを向上しています。
自社製品への理解とAIイノベーションスキルを向上させることで、高い生産性とコミュニケーションを活性化させながら働けるようサポートしています。
多くの従業員が、自社らしい福利厚生や報酬に納得しており、自律的に働く組織風土・職場環境が整っているため、従業員満足度が高いです。
5.ディスコ
ディスコは、「Always the best, Always fun」と称する従業員一人ひとりがプロとしての自覚をもち、何事においても常に最善を尽くす心がけを組織内に浸透させています。
「Always the best, Always fun」は、何事においても常に最善を尽くすことは当然であり、仕事を楽しむ心も決して忘れてはなりません。
積極的に仕事を楽しむことによって、より良い結果を得られるとともに、会社で過ごす時間や私生活全体を幸せにできるものとして社内に理念を共有しています。
従業員にプロとしての活躍を期待する一方で、成果に対して納得のいく報酬・福利厚生を提供しているため、従業員満足度が高いです。
中規模部門ランキングベスト5
従業員数が100〜900人の「働きがいのある企業」中規模部門ランキングベスト5位は、次のとおりです。
- コンカー
- アチーブメント
- Box Japan
- フロンティアホールディングス
- FCE
中規模部門に該当する企業の担当者は、上記の成功事例を参考に従業員満足度を高める施策を考案しましょう。
1.コンカー
コンカーは、働きがいを高めることを経営戦略に位置付け、「働きがいドライバー」の活性化につながる制度・仕組みを整備しています。
従業員の成長を促すため、積極的にフィードバックをし合う組織風土を構築しました。上司から部下だけでなく、部下から上司・同僚同士など、弱点だけでなく強味を伝えるポジティブなフィードバックを行っています。
また気軽にフィードバックが行える職場環境づくりを重視しており、従業員の心理的安全性を高める施策も推進しています。
コンカーの働きがいポイントは、「仕事に行くことが楽しみである」「安心して働ける環境がある」「経営・管理者層の人材配置が適切である」の3点です。
2.アチーブメント
アチーブメントでは、従業員への能力開発を推奨しており、自社サービスである戦略的目標達成プログラム研修の無償受講制度を用意しています。
プログラミングをすべて受講すると、300万円近い投資金額となり、受講生には各業界を代表する経営者や著名人、プロアスリートの方が学びにきます。
目標達成されている異業種の方々との学びを通して、自分自身のキャリアプランやライフデザインを定期的にアップデートする機会を提供する施策です。
CEOと直接的に接点を持てる組織風土で、働きがいとスキルアップ・キャリア形成を支援することで、従業員満足度を高めています。
そのため、従業員は自身の仕事に特別なやりがいを感じ、高いモチベーションを持って取り組みます。
3.Box Japan
Box Japanは、部門を超えた「コラボレーション」を重視しており、組織内のコミュニケーション活性化とキャリア形成の促進を行っている企業です。
立候補制で従業員の中から先生役を選抜する「学びの場」、諸業務の成功・失敗エピソードも共有する「Enablement Program」によって、部門を超えた学びの場を提供しています。
また、各部門の事業計画や振り返りを行う資料や録画を公開し、活動の可視化を実現して従業員が相互に学び合い成長する取り組みを行っています。
相互理解に関する取り組みを重視しており、報酬に対する納得感や利益分配の公平性だけでなく、能力開発の機会が与えられていることが従業員満足度が高い理由です。
4.フロンティアホールディングス
フロンティアホールディングスでは、大切な人に貢献をして感謝されることで働きがいを得るものだと考えています。
まずは顧客に対して、住宅・保険・自動車などの暮らしに関わるサービスを通して、末永いお付き合いを実現しています。
また一緒に働く従業員に対して、従業員同士が助け合って感謝し、チーム一丸となって働く組織風土を構築しました。
従業員同士が協力し合って同一の目標を目指す組織風土により、従業員エンゲージメントが向上しています。
なお従業員満足度が高い理由は、報酬や管理職に対する納得感の高さが大きく関係しています。
5.FCE
FCEは、現状に満足せず改善を重ねる組織風土を構築した企業です。
毎年、3ヵ月間の「生産性アップ運動」に取り組み、過去3年間で110以上のプロジェクトが発足しました。
目的・ゴールを定めて、集中的に業務改善に取り組むことで、働きがいの向上と事業成長を促進しています。
また従業員が一丸となってゴールを目指すことで、チームワークが強化されました。
新しいチャレンジや課題改善への取り組みが賞賛される組織風土を構築しているため、従業員一人ひとりがやりがいを持って仕事に取り組んでいます。
小規模部門ランキングベスト5
従業員数が25〜99人の「働きがいのある企業」小規模部門ランキングベスト5位は、次のとおりです。
- あつまる
- ミクセル
- All Ads
- バーテック
- イベント21
従業員100人未満の小規模部門に当てはまる企業は、上記の企業例を参考に従業員満足度が高い組織づくりを行いましょう。
1.あつまる
あつまるでは、「個人ビジョン経営」と呼ばれる、従業員一人ひとりの挑戦と成長が働きがいにつながる施策を実施しています。
従業員が「会社の経営計画」に連動した「個人ビジョン」をビジョンシートにまとめ、ビジョンを実現するために挑戦し続けることで、やりがいを高めています。
また毎月開催する企業ミーティングで、経営哲学や企業のビジョンを全従業員に共有することで、モチベーションを高く持って働く組織風土を構築しました。
あつまるは、福利厚生が充実している点と適切な人材配置、やりがいを感じられる職場環境によって高い従業員満足度を実現しています。
2.ミクセル
ミクセルでは、理念への理解と共感が潜在能力を引き出し、イノベーションの推進力になると考えています。
Philosophy・Purpose・Vision・Beliefといった4種類の理念体系を機能的に意味づけ、組織内に共有する機会を設けておりました。
Visionにおいては従業員とともに常に磨きをかける機会を定期的に設け、全従業員がパフォーマンスを発揮できる状態を目指しています。
地域活動にも積極的に取り組み、社会への貢献を従業員が実感できるため、やりがいを感じやすいです。
ミクセルの従業員満足度が高い理由は、「地域・社会への貢献を実感できる」「能力開発の機会が与えられている」「経営・管理者層の人材配置が適切である」の3つが主な要因です。
3.All Ads
All Adsは、「人を想い、社会を想う」をビジョンを経営理念にし、従業員を大切に扱うことを最重要視する人的資本経営を実現しました。
具体的には、居心地の良いオフィス環境を提供し、福利厚生の充実化を行っています。また成長を実感できる人事評価制度によって、従業員のモチベーションを向上させ、スキルアップにつなげています。
従業員と企業が双方成長できるよう、従業員の声をもとにアップデートを行い、エンゲージメントスコアの向上に注力しました。
オフィス環境や福利厚生を充実させ、働きやすい職場環境を整備することで、多くの従業員が「仕事に行くことが楽しみ」だと感じています。
またエンゲージメントスコアが向上することで、自身の仕事や企業の事業に対して誇りを持っている従業員が多いです。
4.バーテック
バーテックは、年に1度、従業員の教育と社内コミュニケーション活性化のために2日間にわたる合宿を実施しています。
2023年の合宿では、「お客様と共に描く、新時代」をテーマに、顧客参加型の合宿を開催しました。
「2050年に顧客と業界がどのようになっていたいのか」従業員と語り合う機会を設けました。
合宿によって、顧客が思い描く未来の実現に向けて、どのような方法で貢献できるのかを全従業員で考えることで、従業員同士の結束を高めています。
また顧客と直に意見を交換することで、やりがいを感じられ従業員満足度が向上しました。
バーテックでは「部門を超えての交流」や「経営・管理者層に対する信頼性」が、従業員満足度を高めています。
5.イベント21
イベント21では、「10years VISION summit by U25.」と呼ばれる25歳以下の従業員を対象にした研修を年に1度実施しています。
研修の目的は、世の中にポジティブな影響を与える人材を育成することです。
立候補制で参加者を募り、自分自身のキャリアプランやライフデザインを考え、理想の人物像に近づくための機会を設けています。
研修によって自身のスキルアップやキャリア形成を促進し、次世代の人材育成を推進しています。
社内イベントも従業員の発意によって企画・運営されているため、モチベーションを維持・向上し、従業員満足度が高い企業としてランキングベスト5を獲得しました。
従業員満足度を高めるために企業が実施するべき対策
従業員満足度を高めるために、企業が実施するべき対策は次のとおりです。
- 福利厚生の充実化
- 社内コミュニケーションの活性化
- 給与・人事制度の見直し
- 職場環境の改善
従業員満足度が高い企業例だけでなく、具体的な対策法を確認して、自社の従業員満足度を高めましょう。
福利厚生の充実化
福利厚生が充実している企業は、従業員にとって「長く働きたい」と感じられるため、定着率が向上します。
福利厚生が整備されていない企業は、キャリア形成や人生設計に不安を感じるため、長く働くべきか悩んでしまうのです。
福利厚生は、給与とは別に従業員へ還元できる報酬になるため、従業員のモチベーションや定着率に大きく左右します。
ライフワークバランスを実現する制度や、各種手当によって生活を支える制度、スキルアップやキャリア形成支援につながる制度など福利厚生はさまざまです。
従業員アンケート調査を実施して、従業員が求める制度を把握した上で、福利厚生を見直しましょう。
社内コミュニケーションの活性化
社内コミュニケーションを活性化させれば、組織内の結束力が強化され、生産性・定着率が向上します。
誰とでも気軽にコミュニケーションが取れる組織風土だと、情報伝達をスムーズに行え人間関係の悩みも少なくなるため、従業員満足度が高いです。
さらに社内コミュニケーションを活性化させて、管理者層や経営層と従業員が気軽に対話できる環境を整備すれば、経営理念や企業ビジョンを組織内に浸透させられます。
そのため企業への所属意識が高まり、能動的に企業へ貢献しようと、従業員エンゲージメントが高まります。
従業員満足度を高めたい際には、社内コミュニケーションを活性化させる次の施策を実施してください。
- 懇親会や親睦会
- お花見やBBQ
- シャッフルランチ
- スポーツ大会
- ハイキングや登山
- クイズ大会、謎解き
- 駅伝、マラソン大会
- 社内コンペ、社内コンテスト
- OJT制度
- 1on1ミーティング
社内イベントの開催や、OJT・1on1ミーティングを実施することで、社内コミュニケーションを活性化させて従業員満足度の向上につながります。
給与・人事制度の見直し
給与・人事制度に従業員が納得していない場合は、従業員満足度が低下します。
従業員満足度を高めるには、従業員の成果や働きに応じた給与待遇を用意し、適切に評価される人事制度を整備することが大切です。
納得感の高い人事制度を整えるには、明確な判断基準を設けて社内に公表することが大切です。
あいまいな評価基準では、公平性を担保できずに不信感が生まれます。
目標達成率や利益向上率など、数値で人事評価を向上させる基準を設ければ、従業員のモチベーションを向上できます。
また同業他社と比較した業界内の給与水準から、自社の待遇が劣っているか給与基準を見直すことが大切です。
労働に対して適切な報酬・評価を得られない場合は、従業員のモチベーションが低下し、従業員満足度が低くなるため要注意です。
職場環境の改善
職場環境によっても、従業員満足度は大きく変化します。
どれだけ給与待遇や人間関係に納得していても、劣悪な職場環境では働きがいを感じられず、ストレスが溜まります。
従業員満足度を高めるには、安心して働ける組織づくりと、快適に過ごせる環境を提供することが大切です。
具体的には、次のように職場環境を改善することで、従業員満足度を高められます。
- オフィス内の照明や空調、デスクや消耗品などの整備を改善する
- 従業員のメンタルヘルスケアを実施する
- 適切な人材配置やシステム導入によって業務を効率化する
- eラーニングシステム導入や研修プログラムの見直しによって、キャリア形成を支援する
- テレワーク制度やフレックスタイム制度の導入による働き方改革の実施
従業員満足度を高めるため、従業員が働きやすい職場環境を整備しましょう。
従業員満足度が高い企業を目指して職場環境・制度を見直そう!
従業員満足度が高い企業は、従業員のモチベーションが高く生産性・定着率・採用力が高い傾向にあります。
そのため従業員満足度を高めることで、組織力を強化できるため顧客満足度が向上し、業績アップにつながります。
従業員満足度を高めるには、職場環境や福利厚生・給与体系・人事制度を見直し、従業員が能動的に働きたくなる職場づくりが必要です。
本記事でご紹介した従業員満足度の高い企業例と具体的な対策を参考に、自社に必要な施策を実行しましょう。
なお福利厚生を充実させたい場合は、自社のリソースを使わずに制度の見直し・導入ができるアウトソーシングサービスの利用を検討しましょう。