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企業研修のグループワークで大切なこととは?メリットや実施の流れ

企業の研修では、座学だけではなく、実践的な学びの場を作ることが重要です。

その中でも、グループワークは参加者が主体的に考え、意見を交わしながら学べる効果的な方法の一つです。

しかし、「どのようなグループワークを取り入れればよいのか」「実施の際に何を意識すれば効果が高まるのか」と悩む研修担当者も多いのではないでしょうか。

単にグループで話し合うだけでは、期待する成果が得られないこともあります。

この記事では、グループワークの基本から、研修に取り入れるメリット、具体的な手法、実施の流れまでを詳しく解説します。

より実践的で効果的な研修を実施するための参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.グループワークの定義と目的
    1. 1.1.グループワークの定義とは
    2. 1.2.グループワークの目的とは
    3. 1.3.グループワークとディスカッションの違い
  2. 2.研修でグループワークを実施するメリット
    1. 2.1.コミュニケーションスキルの向上
    2. 2.2.チームワークの強化
    3. 2.3.問題解決能力の育成
    4. 2.4.アイデアの共有と創造性の向上
  3. 3.効果的なグループワークを行うために大切なこと
    1. 3.1.明確なゴール設定
    2. 3.2.進行管理と時間配分
    3. 3.3.全員の参加を促す環境作り
    4. 3.4.フィードバックの実施
  4. 4.グループワーク当日の流れ
    1. 4.1.参加者にグループワークの目的を共有する
    2. 4.2.グループワークの詳細を説明する
    3. 4.3.グループワークを実施する
    4. 4.4.グループごとに発表する
    5. 4.5.フィードバックを行う
  5. 5.研修で効果的なグループワークの種類
    1. 5.1.作業型
    2. 5.2.ビジネス型
    3. 5.3.プレゼン型
    4. 5.4.ディベート型
    5. 5.5.ゲーム型
  6. 6.グループワークを実りある時間にしよう

グループワークの定義と目的

グループワーク

グループワークは、多くの企業の研修で活用されている手法の一つです。

個人で学ぶのではなく、複数人で協力しながら課題に取り組むことで、実践的な学びを得られるのが特徴です。

まずは、グループワークの定義と目的、そしてディスカッションとの違いについて説明します。

グループワークの定義とは

グループワークとは、複数人のチームで共通の課題に取り組み協力して解決策を導き出す活動のことを指します。

単なる話し合いではなく、参加者は何らかの役割を担って、実際に行動しながら成果を出すことが求められる点が特徴です。

企業の研修では、実践的なスキルを習得する手法として活用されています。

グループワークの目的とは

グループワークの目的は、チームで協力しながら実践的なスキルを身に付けることです。

コミュニケーション力チームワークの向上に加え、限られた時間で解決策を考えることで問題解決力が鍛えられます。

また、自ら考え行動する機会が増えるため、主体性の向上にもつながります。

グループワークとディスカッションの違い

グループワークは、チームで課題解決を目指すのに対し、ディスカッション意見交換が主な目的です。

ディスカッションは結論を出すことが求められないケースがありますが、グループワークは議論した内容をまとめて成果とすることが多いです。

それぞれの目的を理解し、研修内容に応じて適切に使い分けることが大切です。

研修でグループワークを実施するメリット


グループワークは、座学では得られない学びの機会を提供し、研修の効果を高める手法の一つです。

グループワークを実施することで、社員のスキル向上に加え、企業全体の業務効率や成果の向上にもつながるメリットがあります。

ここでは、企業の研修の場における主な利点を紹介します。

コミュニケーションスキルの向上

グループワークでは、参加者同士が意見を交わしながら課題に取り組みます。

自分の考えを相手に伝え他者の意見を理解するプロセスを繰り返すことで、論理的に話す力傾聴力が鍛えられます。

社員のコミュニケーションスキルが向上すると、チーム内の意思疎通が円滑になるため、業務上のミスや認識のズレを減らせるでしょう。

特に、部署を超えたプロジェクトや顧客対応の場面で、スムーズな情報共有が可能になる点は大きなメリットです。

チームワークの強化

一人で完結する仕事は少なく、多くの業務がチーム単位で進みます。

グループワークを通じて、メンバー同士が意見を出し合い、協力しながら課題を解決する経験を積むことで、自然とチームで動く力が身に付きます。

こうした経験を重ねれば、日常の業務でも互いに助け合いながらスムーズに仕事を進める意識が生まれるでしょう。

また、新入社員と既存社員が交流する場にもなり、組織全体の一体感が高まる効果も期待できます。

問題解決能力の育成

業務を進めるにあたって、ときには予期せぬトラブルや課題に直面することがあります。

その際、個人の判断だけでなく、チームで解決策を導き出す力が求められます。

グループワークでは、与えられた課題について話し合い、解決策を導き出すプロセスを繰り返すため、論理的に考え、行動する力が鍛えられます。

この経験を積むことで、社員が日常の業務でも主体的に問題解決に取り組むようになり、結果として組織全体の生産性向上にもつながります。

アイデアの共有と創造性の向上

一人で考えるよりも、複数人で意見を出し合うことで、新しい発想が生まれやすくなります。

グループワークでは、異なる視点を持つメンバーの意見に触れることで、自分にはなかったアイデアを知る機会が得られます。

これにより、新規事業の企画業務改善のヒントが見つかるケースも少なくありません。

また、普段あまり発言しない社員でも、グループワークを通じて発言を促せるため、組織全体の活性化にもつながります。

効果的なグループワークを行うために大切なこと


グループワークを充実させるには、ただ課題を与えるだけではなく、全員が積極的に関われる環境を整えたり、進行を工夫したりすることが重要です。

ここでは、グループワークの効果を最大限に引き出すために押さえておきたいポイントを紹介します。

明確なゴール設定

グループワークを効果的に進めるためには、実施する目的を明確にすることが欠かせません。

目的が曖昧なまま進めてしまうと、参加者が何のためにグループワークをしているのかがわからず、議論取り組み浅いまま終わってしまう可能性があります。

「このグループワークで何を学ぶのか」「どのような成果を目指すのか」を明確にすれば、どのようなワークをすれば良いかを逆算して考えられるようになります。

進行管理と時間配分

グループワークは、時間が足りなければ議論がまとまらず、逆に長すぎる集中力が途切れてしまいます。

そのため、適切な時間配分と進め方が重要です。

効果的に進めるには、最初に全体の流れを説明し、各ステップにかける時間を決めておくとスムーズです。

例えば、「まずアイデアを出す時間を◯分、その後に議論を深める時間を◯分、最後にまとめの時間を◯分」といった形で進めると、話し合いが偏ったり、途中で迷ったりすることが少なくなるでしょう。

また、進行役を務める人には、ワークの途中で「今◯分経過しました」「そろそろ次のステップに移りましょう」と声をかけるように伝えると良いです。

さらに、チームごとに途中経過を発表する時間を設けると、他のグループの考え方を参考にしたり、方向性を見直したりする機会にもなります。

時間管理がうまくいけば、限られた時間の中でも充実した議論ができ、より実りのあるグループワークになるでしょう。

全員の参加を促す環境作り

グループワークでは、発言量の差が生じやすくなります。
そのため、どのような人でも意見を出しやすい雰囲気を作ることが大切です。

例えば、3~5人程度の小さなグループにすると、発言しやすい雰囲気になり、参加者同士の距離も縮まりやすくなります。

さらに、口頭での発言が苦手な人もいるため、ホワイトボードや付箋を活用して書きながら意見を出せるようにするのも効果的です。

こうした工夫をすると、特定の人だけが話すのではなく、全員が参加しやすい環境を作れます。

フィードバックの実施

グループワークの成果をより高めるために、最後に振り返る時間を設けると、学びが深まります。

ただ「良かった」「うまくいかなかった」と評価するのではなく、何が効果的だったのか、どこを改善すればいいのかを具体的に伝えることが大切です。

例えば、「◯◯さんの発言が議論を深めるきっかけになった」と伝えれば、本人も自信につながるほか、他の参加者もどのような発言が求められているのか理解しやすくなります。

また、「もっと時間を意識して進められるとよかった」「この視点を加えると議論が広がったかもしれない」といった具体的なアドバイスがあれば、次回に活かしやすくなります。

研修担当者だけでなく、参加者同士でフィードバックし合う時間を作るのも効果的です。

参加者はお互いの意見を聞くことで、自分にはなかった視点に気づけます。

グループワーク当日の流れ


ここまで、グループワークを行う上でたいせつなことを解説しました。

次はグループワークを行う当日の流れを紹介します。

グループワークをスムーズに進めるためにも、大まかな流れを把握しておきましょう。

参加者にグループワークの目的を共有する

まず、「何のためにこのグループワークを行うのか」を参加者に伝えます。

例えば、「チーム内のコミュニケーションを深める」「課題解決の力を養う」など、目的を共有することで、参加者が意義を感じながら取り組みやすくなります。

グループワークの詳細を説明する

次に、具体的な進め方ルールを伝えます。

時間配分役割分担の方法などを説明し、不明点があれば質問を受け付けます。

最初に流れを理解してもらうことが、研修のスムーズな進行につながるのです。

グループワークを実施する

グループワークが始まったら、研修担当者は各グループの様子を見つつ、必要に応じてサポートに入ります。

議論が止まっている場合は適度にヒントを出し、話し合いが白熱しているグループへは残り時間を意識するよう促すなど、状況に応じた対応が求められます。

グループごとに発表する

グループワークが終了したら、グループごとに話し合った内容結論発表してもらいます。

発表を通じて、他のグループの考え方や視点を知ることができ、より広い視野を持つきっかけになります。

発表の際は、あらかじめ各グループの持ち時間や発表する代表者を決めておくように伝えましょう。

さらに、発表をただ聞くだけで終わらせず、他のグループの内容に対して質問やフィードバックを行うよう促せば、参加者同士のより学びを深めることができます。

研修担当者は、発表内容を聞きながら、グループの共通点や違いを指摘したり、重要なポイントを強調したりすることで、参加者の理解を深めるサポートをするとよいでしょう。

フィードバックを行う

最後に、グループワークの成果気づき振り返ります。

参加者同士で感想を共有したり、研修担当者がポイントを整理したりすることで、学びを深められます。

どのような点が業務に活かせるのかも伝えると、研修の効果がより高まるでしょう。

研修で効果的なグループワークの種類


研修で取り入れられるグループワークにはさまざまな種類があります。

目的に応じて適切な手法を選ぶことで、研修の効果を高められます。

ここでは、代表的な5つのグループワークを紹介します。

作業型

話し合いが中心ではなく、実際に手を動かして取り組むグループワークです。

例えば、「限られた素材を使ってタワーを作る」「決められた時間内に簡単な工作を完成させる」など、協力しながら課題を進める形式が多く見られます。
 
作業を通じて、自然にチーム内でのコミュニケーションが生まれ、協調性やリーダーシップが鍛えられます。

特に新入社員研修でよく取り入れられ、初対面のメンバー同士でも気軽に交流できる場としても有効です。

ビジネス型

実際の業務を想定した課題に取り組むグループワークです。

例えば、新規事業の提案市場分析などをテーマに、戦略的に考え、解決策を導き出します。

この形式では、理論に基づいたアプローチを学びながら、実践的な問題解決力を鍛えることができます。

また、チームで協力して進めるので、コミュニケーション力や意思決定のスキル向上も期待できるでしょう。

業務に直結する内容のため、研修後の実務に活かしやすいのが特徴です。

プレゼン型

チームでテーマに沿った発表を行うグループワークです。

情報を整理し、わかりやすく伝える力が求められます。

論理的思考力やプレゼンテーションスキルを鍛えたい場合に適しています。

ディベート型

特定のテーマに対して賛成・反対に分かれて意見を戦わせるグループワークです。

論理的に考え、根拠を示しながら主張する力を養えます。

多角的に物事を考える訓練にもなり、企画力や判断力の向上につながります。

ゲーム型

ゲームを通じて協力や競争を体験するグループワークです。

簡単なシミュレーションチーム対抗の課題解決ゲームなどが例として挙げられます。

楽しみながら実務で役立つスキルを学べるのが特徴です。参加者同士の親睦を深める目的で行われることもあります。

グループワークを実りある時間にしよう


グループワークは、社員のコミュニケーション力問題解決力を高め、組織のチームワークを強化する有効な手段です。

研修の目的に合わせて適切な形式を選び、参加者全員が積極的に関われる環境を整えれば、より実りある時間にすることができます。

また、グループワークの実施後にフィードバックや振り返りを行うと、研修での学びを実際の業務に活かしやすくなります。

自社の研修にグループワークを取り入れて、社員の成長を促し、組織全体の活性化につなげていきましょう。


RELO総務人事タイムズ編集部
RELO総務人事タイムズ編集部
RELO総務人事タイムス編集部です。 本メディアは、「福利厚生倶楽部」の株式会社リロクラブが運営しています。 「福利厚生倶楽部」の契約社数は23,500社、会員数1,250万人という規模で、業界シェアNo.1を誇ります。 従業員満足を追求する人事や総務、経営者の皆様にとって少しでも有益になる情報を発信していきます。

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