
新入社員に教えたい基本のビジネスマナーは?指導するときのポイント
ビジネスマナーは、働くうえで大切な礼儀作法やルールのことを指します。
そして、ビジネスマナーを守ることは、職場での円滑なコミュニケーションや信頼関係の構築にもつながります。
この記事では研修の担当者向けに、新入社員に教えたい基本的なビジネスマナーを解説します。
新入社員向けの指導や研修を行う際にぜひ役立ててください。
目次[非表示]
社会人として押さえるべきビジネスマナーの基本
新入社員がビジネスマナーを正しく理解し、実践するためには、単なるルールの習得にとどまらず、「仕事を円滑に進めるための心構え」を伝えることが重要になります。
まずは社会人として押さえておきたい基礎的なマナーを解説します。
表情や身だしなみ
ビジネスの現場では、第一印象がその後の人間関係や仕事の成果に影響する場合があります。
新入社員の研修の段階で表情や身だしなみの重要性をしっかりと伝えることが大切です。
外見の印象は初対面の人に対する評価に大きく影響します。
例えば清潔感のある服装と明るい表情は、相手に安心感を与えやすいです。
また、会社への評価にもつながる場合があるため、身だしなみを整えることはおろそかにしてはいけないマナーの1つです。
髪が乱れていたり、スーツにシワがついていたりすると、相手から不快に思われる可能性があるため、不快感を与えないような第一印象を心がけるように指導しましょう。
適切な言葉遣い
敬語を正しく使えるようになることも、社会人としてのマナーでは重要です。
例えば、何かを理解したときにする返事は「了解しました」ではなく「承知いたしました」と言うのが望ましいです。
細かな言葉の選び方一つで、ビジネスマナーの質が問われます。
新入社員には社会人として日々の業務の中で意識的に敬語を使い、習慣化してもらうことが重要です。
また電話対応やメールに関するマナーもそれぞれレクチャーし、実践できるように指導しましょう。
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電話では相手の顔が見えないため、声のトーンや言葉選びが相手の印象を決定づける大きな要素となります。
電話応対では明瞭な発音と適切な敬語を心がけることが不可欠です。 -
メールは、送信の記録が残るため言葉遣いや内容に細心の注意を払う必要があります。
送信前には誤字・脱字、敬語の誤り、送信先のアドレスなどを確認しましょう。
また、メールと電話を適切に使い分けることも重要です。
スケジュール変更や緊急の用件など、即時の伝達が必要な場合は、メールではなく電話で連絡するように指導しましょう。
丁寧な挨拶
挨拶はビジネスの基本です。
新入社員研修では、丁寧かつ心のこもった挨拶を習慣化することの重要性を伝えましょう。
挨拶は単なる形式ではなく、相手への敬意を示し、協力的な関係を構築するための大切な手段です。
信頼関係を築くために、ただ挨拶をするのではなく気持ちをこめて伝えることがポイントです。
時間厳守
時間を守ることは、社会人としての基本マナーであり、職場での信頼を築くための重要な要素です。
約束された時間を守ることは、相手への敬意を示す行動であり、継続していくと相手から信頼されるようになっていきます。
また、時間を意識して仕事をすることが習慣化すれば、よりスムーズに業務を進められるようになります。
新入社員には単に時間を守るよう伝えるだけではなく、業務で活用できるスケジュール管理の方法も指導しましょう。
報告・連絡・相談
報告・連絡・相談(報連相/ホウレンソウ)は、業務をスムーズに進め、チームの生産性を高めるために不可欠なビジネススキルです。
報連相が正しく行われる組織では問題の早期発見・解決が可能となり、業務の遅延やミス防止にもつながるでしょう。
研修では、単なる「報告・連絡・相談」の手順を教えるだけでなく、「なぜ報連相が重要なのか」をしっかりと理解してもらいましょう。
ビジネスシーン別の社会人としてのマナー
ビジネスシーンでの立ち居振る舞いも、周りの人が受け取る印象に大きく影響します。
日常的なビジネスシーンでの具体的なマナーについて見ていきましょう。
名刺交換の方法
名刺交換はビジネスの基本であり、社会人として欠かせないマナーの一つです。
名刺を渡す際には、相手の正面を向き、両手で名刺を差し出します。
同様に、名刺を受け取る際は両手で、相手の名前や会社名を確認しながら受け取りましょう。
また、打ち合わせの場などでは受け取った名刺はすぐにしまわず、会議中はテーブルの上に置いておくことも伝えておきましょう。
もし相手が複数人いる場合は、役職が高い順に左から右へと並べるのがマナーとされています。
訪問先での対応
訪問先での振る舞いは、相手への配慮だけでなく、自社の信頼やブランドイメージにも影響を与える可能性があります。
新入社員へは、訪問時の基本マナーをしっかりと指導し、実践できるようにすることが求められます。
例えば、約束の時間より少し早めに到着して時間に余裕を持つ心構えや、受付では自分の名前と訪問目的を落ち着いた態度で伝えることなどを教えましょう。
また、待機中の姿勢や振る舞いも印象に影響します。
ソファに深く座りすぎたり、スマートフォンを操作したりするのではなく、姿勢を正して静かに待つことがマナーと伝えましょう。
食事の場での注意点
ビジネスシーンでの食事の場は、信頼関係を深めるための重要な機会です。
食事のマナーや話し方で悪い印象を与えてしまうと、その後のビジネスの関係性にも影響を及ぼすことを認識させるようにしましょう。
基本的な食事の作法も重要ですが、席次のマナーも重要なポイントとなります。
上座には上司や取引先の重要な人物を案内する」「自分は下座に座って、相手を立てる姿勢を見せる」など、相手との関係性に合わせた行動がとれるように指導しましょう。
社会人としてのマナーを教える際のポイント
ビジネスマナーを教える際には、提供する情報の質だけでなく、サポートの仕方にも注意が必要です。
実践と振り返りの時間をつくる
ビジネスマナーを教える際には、実践と振り返りの時間を設けることが重要です。
上記で紹介したマナーについてロールプレイができる講習を行い、実践してもらいましょう。
実践の中で体感することで、学んだ内容がより一層頭に残り、自然な行動につながります。
繰り返し練習すれば単なる知識としてではなく、実践に結びついたスキルとして定着しやすいです。
実践と振り返りの時間を通じて、学んだ内容を確実に定着させましょう。
応用できるように教える
ビジネスマナーを教える際には、基本をしっかりと伝えるだけでなく、それを応用できる力を育てることが重要です。
ビジネスシーンではさまざまな状況があり、それに応じた柔軟な対応が求められます。
実際のビジネスシーンで応用できる力を備えることで、新入社員は多様な業務の中でスムーズにコミュニケーションができ、円滑な職務遂行が可能となります。
応用のできる教え方によって、彼らが職場で即戦力となるスキルを身に付けられるようサポートしましょう。
社会人として大切なビジネスマナーを定着させて成長を促そう
ビジネスマナーは、単なる形式的なルールではなく、新入社員が職場で信頼を築き、円滑に業務を遂行するための重要なスキルです。
研修担当者には、実践的なトレーニングを重視し、繰り返し練習できる環境を提供することが求められます。
また、すべてのマナーの基本である、「相手を尊重する心構え」を根本に据えた指導を行いましょう。
ビジネスマナーの習得は一朝一夕にはいかないかもしれませんが、継続的な学びの機会を提供しながら実践と振り返りを重ね、新入社員が少しずつ覚えられるようなサポートを心がけてみてください。