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組織開発とは?得られる効果や具体的なステップ、フレームワーク

「従業員一人ひとりの成長には注力しているけれど、組織全体のパフォーマンスが思うように上がらない…」そんな悩みを抱えていませんか?

組織として優れた成果を上げるためには、個々の能力向上だけではなく、組織全体の構造も同時に改善していくことが重要です。

個人の力を最大限に活かしながら、組織としての力を引き出すためには、戦略的な組織開発が不可欠となります。

この記事では、組織開発の基本から、その効果、実践的な手順に至るまで、詳しく解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.組織開発とは
    1. 1.1.組織開発の概要と目的
    2. 1.2.組織開発と人材開発の違い
    3. 1.3.組織開発が注目される背景
  2. 2.組織開発の効果と注意点
    1. 2.1.組織開発を行うことで得られる効果
    2. 2.2.組織開発を行う上での注意点
  3. 3.組織開発を進めるステップ
    1. 3.1.1.目的を明確にする
    2. 3.2.2.企業全体及び部門やチーム間の課題を洗い出す
    3. 3.3.3.改善策を部門・チーム単位で運用する
    4. 3.4.4.PDCAサイクルを回す
  4. 4.組織開発を行う際のポイント
    1. 4.1.従業員がイメージしやすい目標を立てる
    2. 4.2.経営層や上層部が積極的に動く
    3. 4.3.問題意識が強く熱意のある従業員を集める
  5. 5.組織開発の主要なフレームワークや手法
    1. 5.1.ミッション・ビジョン・バリュー
    2. 5.2.ワールドカフェ
    3. 5.3.OKR
    4. 5.4.コーチング
    5. 5.5.アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)
    6. 5.6.フューチャーサーチ
  6. 6.組織開発の基本と成功の秘訣を押さえよう

組織開発とは

組織開発

組織開発は、組織を成長させ効率的に運営するための手法や戦略の一つです。

現代のビジネスでは環境への変化に対応し続ける方法の一つとして、組織開発が注目を集めています。

組織開発の概要と目的

組織開発は、組織で働く人同士の関係性を深め組織全体パフォーマンスを最大化させるための取り組みです。

組織内の人間関係や部署間のつながりを活性化し、より健全で持続可能な組織を構築することが目的です。

組織開発を進めることで、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境が整い、組織全体としてのパフォーマンス向上などの効果が期待できます。

また、組織の活性化を促すには、組織開発の多岐にわたる手法の中から、自社にとって適切なアプローチを取り入れることが重要となるでしょう。

組織開発と人材開発の違い

組織開発と人材開発は、どちらも企業の発展を目指す上で重要な手法ですが、それぞれ注力する点アプローチの方法異なります。

  • 組織開発は、主に組織全体の構造や従業員同士の結びつきの強化に焦点に当てて、生産性の向上を目指します。
  • 一方で人材開発の焦点は、個々の従業員のスキル能力の向上です。
    人材開発では、各従業員が持つ潜在能力を引き出し、業務においてより高いパフォーマンスを発揮できるようにすることを目的としています。

それぞれの取り組みが相補的な関係にあるため、組織全体の成果を高めるには、どちらの要素も欠かせないといえるでしょう。

組織開発が注目される背景

組織開発が注目される背景には、急速に変化するビジネス環境への対応や、働き方改革によって変化が求められていることが関係しています。

かつての日本では、同じ会社で働き続けることが当たり前の考え方でした。

しかし、現在は終身雇用制度年功序列の風習廃止を検討している企業もあります。

また、転職市場が活性化していることもあり、企業によっては同じタイミングで従業員が一斉に入社するということも少なくなりました。

その結果、従業員同士の結びつきが生まれにくくなっています。

したがって組織が主体となって従業員同士のつながりを作っていく組織開発が重要視されているのです。

組織開発の効果と注意点

組織開発は企業の成長を促進し、効率的に運営するための重要な取り組みです。

組織開発を行うことによりどのような効果が得られるのか、またその際に注意するべきポイントについて解説します。

組織開発を行うことで得られる効果

組織開発を行うことで、企業の生産性業務効率の向上が期待できます。

組織開発のプロセスでは、組織の構造やコミュニケーションの課題を洗い出します。

明らかになった課題に応じた具体的な改善策を実施するため、業務プロセスの無駄が省かれ、より効率的な働き方が可能になるのです。

さらに、組織開発のメリットの一つは、多様性を受け入れる文化が組織に根付くことです。

現代のビジネス環境では、異なるバックグラウンドや価値観を持った人々が集まることが一般的で、彼らの多様な視点やスキルが組織の強みになります。

組織開発を進めることで、こうした異なる才能を認め、活用する文化が育まれ、新しいアイデアや革新的な解決策が生まれやすくなります。

組織開発を行う上での注意点

組織開発を効果的に進めるためには、まず明確に定義された目的を持つことが不可欠です。

目的が不明瞭なままでは、組織全体のリソースや時間を無駄にしてしまう可能性が高くなります。

組織としての方向性が一致していなければ、成果を生むことは困難です。

加えて、短期間での大規模な変革は、従業員の混乱や反発を招くおそれがあります。

したがって、組織開発を進める際は長期的視点で進めることが成功へのカギといえるでしょう。

組織開発を進めるステップ

組織開発ステップ

次に、組織開発を効果的に進めるためのステップをご紹介します。

1.目的を明確にする

組織開発を進める最初のステップは、目的を明確にすることです。

目的が明確であることで、組織全体が一つの方向に向かって一致団結しやすくなります。

不明確な目的は、努力の分散や無駄を生む原因となるので、最初にしっかりとした目的の設定が必要です。

目的を設定することで、組織全体が何を目指しているのかを明確に理解できるようになります。

具体的な目標があることで、その達成に向けた具体的なアクションプランや戦略を立てやすくなり、組織全体が一丸となって目標達成に向けた動きを取れるようになります。

2.企業全体及び部門やチーム間の課題を洗い出す

企業全体の課題を洗い出すことは、組織開発を進める上で欠かせないステップです。

まずは、企業全体の視点から問題を捉えることで、組織の健全な成長と持続可能な発展をサポートできます。

  1. 企業全体の課題を明確にするには、従業員向けのアンケート顧客フィードバックなどを活用することが有効でしょう。
    客観的情報を基に企業全体の現状を把握することが重要です。
  2. 次に、部門やチームごとの課題を洗い出しましょう。
    各部門やチームには、それぞれ異なる課題が存在するため、全体と個別の両方の視点で問題を把握することが重要です。
    例えば、営業部門では顧客対応の課題、製造部門では生産性の低下など、具体的な問題を洗い出します。

部門やチーム間の課題を明確にすれば、個別に最適化された改善策を講じることができます。

3.改善策を部門・チーム単位で運用する

各部門やチームごとに改善策を立てて実際に運用する際は、いきなり全社的に展開するのではなく、スモールスタートを意識することがポイントです。

小規模な施策から始めることで、迅速に効果を検証し、改善につなげられます。

最初から全社的に導入すると、変化が浸透するまでに時間がかかり、現場の負担も大きくなりがちです。

そのため、小さな成功事例を積み重ねながら、効果的な施策を全社レベルへと拡大していくプロセスが、組織開発をスムーズに進めるカギとなります。

4.PDCAサイクルを回す

組織開発の成果を最大化するには、PDCAサイクルを回して改善を持続的に進めることが必要です。

PDCAサイクルとは、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)の頭文字を取った言葉です。

PDCAサイクルに則って組織開発をする場合、施策を運用した後は目標に対する評価を行い、その評価を踏まえた計画を立てて改善策を実行することになります。

この一連のサイクルを繰り返していけば、問題をより深く掘り下げることができます。

また、運用中に発見された新たな課題点に対する改善策や、施策のブラッシュアップを図っていくことで、組織開発が最適化されていくでしょう。

組織開発を行う際のポイント

ポイント

組織開発を成功させるためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

従業員がイメージしやすい目標を立てる

組織開発を進めるためには、組織が目指すべき具体的なゴールを明確にすることが重要です。

企業ごとに組織づくりの目指す方向性は異なるため目標はさまざまですが、ゴールが曖昧で抽象的だと、従業員は何をどのように進めるべきかがわからず、戸惑ってしまいます。

従業員が迷わないよう、具体的なイメージができるものにしましょう。

加えて、評価がしやすいよう、測定可能な目標を設定することが重要です。

経営層や上層部が積極的に動く

組織開発を行う際は、経営層上層部が組織開発のリーダーシップを取って進めると良いでしょう。

経営層が積極的に関与することで、その重要性が従業員に伝わり、組織全体で一貫した取り組みが可能になります。

経営層や上層部が積極的に関わることで、必要なリソースの調達がスムーズに進み、組織開発の活動が円滑に展開されるでしょう。

意思決定が早いほど、組織開発の障害が減り、計画をスムーズに実行しやすくなります。

問題意識が強く熱意のある従業員を集める

組織開発を成功させるためには、熱意モチベーションを持った従業員を社内から選定することも不可欠です。

無作為に選ぶのではなく、問題意識や意欲の高い従業員を選定しましょう。

組織開発を推進するメンバーは一人で黙々と進めるタイプではなく、周囲を巻き込める人が理想です。

組織改善に取り組むメンバーが施策に共感し、熱心に取り組むことで、他の従業員に良い影響を与えます。

推進メンバーを集める際は、組織開発の重要性を伝えることで、より納得して協力してもらえるようになります。

「なぜやるのか」の部分も説明するようにしましょう。

組織開発の主要なフレームワークや手法


組織開発は、多くのフレームワークや手法を用いて行うことができます。

以下では、主要なフレームワークや手法を解説します。

ミッション・ビジョン・バリュー

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)は、企業の経営方針を構成する3つの重要な要素です。

以下を定義するためのフレームワークです。

  1. 組織の存在意義使命を示す「ミッション」
  2. 組織の理想像目指すべき姿を表す「ビジョン」
  3. 組織の行動指針価値観を示す「バリュー」

3つの要素を定めて浸透することで、組織の方針が定まり組織開発を進めていく土台となります。

ワールドカフェ

ワールドカフェは、大勢の参加者が自由に議論を深める手法です。

この手法の魅力は、異なる見解やアイデアが飛び交うことで、組織開発につながる創造的な解決策が生まれる点にあります。

ワールドカフェは上司や部下など上下の関係を考えずにフラットな状態で意見を交わすことができるため、従業員同士の交流を活発化につながります。

また、自由な対話が新たな視点や斬新なアイデアを引き出すきっかけにもなるでしょう。

OKR

OKR(Objectives and Key Results)は、組織内での目標を管理する手法です。

企業と従業員が進むべき方向を一致させて、取り組むべき目標を明確化します。

また、チーム間や個人間での目標をリンクさせることで、同じ目標に向かって計画を進めていくことを狙いとしています。

OKRは高い頻度で目標設定・調査・評価を行うことが特徴です。

一般的に四半期(3カ月)単位で運用されることが多いですが、企業の方針によっては半年や1年単位で設定するケースもあります。

コーチング

コーチング とは、従業員の気づきを促し目標達成をサポートするコミュニケーション手法です。

上司が指示や答えを与えるのではなく、対話形式のコミュニケーションによって、従業員が自ら考えて行動できるように導くことが特徴です。

対話を繰り返していくことで、従業員の自主性やチャレンジ精神を引き出します。

また、組織開発においては、関与する従業員の内面の変容をサポートできる手法です。

アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)

アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)は、組織開発において重要なアプローチの一つです。

この手法は、組織の強みや過去の成功体験に焦点を当てて、組織全体の士気を高め、前向きな変革を促進することを目的としています。

ポジティブな側面に注目することで、従業員一人ひとりが組織に貢献する意欲が高まるでしょう。

アプリシエイティブ・インクワイアリーは、単に過去を振り返るだけでなく、組織の成功要因を活かして未来を構築するための手法です。

この手法はメンバーの潜在能力を引き出すことで、より高い業績の実現が期待できます。

フューチャーサーチ

フューチャーサーチは、ホールシステム・アプローチ(※)を用いた大規模な対話による組織開発の手法です。

将来のビジョンを共有することで、組織の方向性を示し全メンバーが一丸となってその実現に向けて進むための基盤を築きます。

フューチャーサーチを通じて、組織全体が一つのチームとして機能し、効率的な戦略の実行が期待できるでしょう。

※ホールシステム・アプローチ:特定の課題やテーマに対して、関連するすべてのステークホルダー(企業のリーダーや従業員、顧客など)を一堂に集めて、創造的な意思決定を行う手法。

組織開発の基本と成功の秘訣を押さえよう


組織開発は、組織全体の成長と持続的な発展を実現するための重要な手法です。

組織全体の構造や文化に焦点を当て、働きやすい環境を作ることで、生産性向上や多様性の促進につながります。

最新のフレームワークや手法も柔軟に取り入れ、段階的に推進することで、より効果的な組織変革を実現できるでしょう。

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