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企業におけるメンタルヘルスケアの取り組み事例10選|効果や具体策も紹介

企業にとって従業員のメンタルヘルスケアは欠かせません。従業員が心身ともに健康な状態でなければ、より良い事業を展開できないからです。さらに、優秀な人材を確保し続けるのも難しくなり、企業価値も低下するでしょう。

とはいえ、企業におけるメンタルヘルスケアにはどのような施策が有効かわからない方も多いはずです。そこで本記事では、企業におけるメンタルヘルスケアの取り組み事例を10選紹介します。メンタルヘルスケアによって期待できる効果や具体的な施策も解説しているので、併せて参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.企業におけるメンタルヘルスケアの重要性
  2. 2.メンタルヘルスケアによって期待できる効果
    1. 2.1.生産性の向上が期待できる
    2. 2.2.従業員の心身の健康を維持・向上できる
    3. 2.3.ハラスメント予防につながる
    4. 2.4.リスクマネジメントにつながる
    5. 2.5.企業価値の向上が期待できる
  3. 3.担当者が知っておきたいメンタルヘルス不調のサイン  
    1. 3.1.行動的側面
    2. 3.2.精神的側面
    3. 3.3.身体的側面
  4. 4.メンタルヘルスケアに有効な3つの予防策
    1. 4.1.1.【一次予防】未然に防ぐ
    2. 4.2.2.【二次予防】早期発見
    3. 4.3.3.【三次予防】復帰支援と再発予防
  5. 5.メンタルヘルスケアに有効な4つの具体策
    1. 5.1.1.セルフケア
    2. 5.2.2.ラインケア
    3. 5.3.3.内部EAP(事業場内産業保健スタッフ等によるケア)
    4. 5.4.4.外部EAP(事業場外資源によるケア)
  6. 6.メンタルヘルスケアの具体的な施策
    1. 6.1.従業員同士のコミュニケーション活性化
    2. 6.2.ストレスチェックの実施
    3. 6.3.産業医やエリア保健師の設置
    4. 6.4.メンタルヘルスに関する研修の開催
  7. 7.企業におけるメンタルヘルスケアの取り組み事例10選
    1. 7.1.1.株式会社青木農場
    2. 7.2.2.アビームコンサルティング株式会社
    3. 7.3.3.株式会社友伸エンジニアリング
    4. 7.4.4.株式会社ニチレイ
    5. 7.5.5.大阪ガス株式会社
    6. 7.6.6.株式会社北川鉄工所
    7. 7.7.7.バンドー化学株式会社
    8. 7.8.8.有楽製菓株式会社 豊橋夢工場
    9. 7.9.9.株式会社八天堂
    10. 7.10.10.三菱電線工業株式会社
  8. 8.従業員のメンタルヘルスケアにはリロクラブの活用を!
  9. 9.まとめ:従業員のメンタルヘルスケアに力を入れよう

企業におけるメンタルヘルスケアの重要性

メンタルヘルスケアとは、心の健康を維持する活動を指す言葉です。

厚生労働省が令和5年8月に発表した情報によると、令和3年11月から令和4年10月までの1年間にメンタルヘルス不調によって1ヵ月以上休業もしくは退職した従業員がいる事業所の割合は13.3%に上ります。前年度の調査では10.1%だったことから、増加傾向にあると判断できます。

ストレスなどを要因としてメンタルヘルス不調に陥ると体の健康状態も悪化するため、従業員の心身の健康状態を保つにはメンタルヘルスケアは欠かせないといえるでしょう。

参照:令和4年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況

メンタルヘルスケアによって期待できる効果

メンタルヘルスケアによって期待できる効果は、主に以下のとおりです。

  • 生産性の向上が期待できる
  • 従業員の心身の健康を維持・向上できる
  • ハラスメント予防につながる
  • リスクマネジメントにつながる
  • 企業価値の向上が期待できる

それぞれについて解説します。

生産性の向上が期待できる

企業がメンタルヘルスケアに力を入れると、生産性の向上が期待できます。従業員がメンタルヘルス不調を抱えると仕事へのやる気が失われたり、重要事項の判断ができなくなったりと業務にも支障をもたらします。さらに、業務遂行能力が低下する恐れもあり、今まで通りのパフォーマンスが発揮できないケースもあるでしょう。

メンタルヘルスケアを行うと従業員の心が安定しやすくなり、仕事へのモチベーションが向上します。すると、従業員個人が本来持っている力を発揮しやすくなるため、生産性の向上が期待できます。すべての従業員が高いパフォーマンスで業務を遂行できると、企業全体の生産性も大幅にアップするでしょう。


従業員の心身の健康を維持・向上できる

メンタルヘルスケアは、従業員の心身の健康を維持・向上できます。企業全体でメンタルヘルスケアに力を入れると、従業員それぞれがメンタルヘルス不調に敏感に反応でき、トラブルが深刻化する前に適切な対応を行えます。初期段階でメンタルの不調に気付けると悪化しにくく、早期回復も期待できるでしょう。さらに、従業員全員がメンタルヘルスケアへの理解を深めていれば、自身の変化にも素早く気付けて、心の安定を維持しやすくなります。


ハラスメント予防につながる

メンタルヘルスケアは、ハラスメント予防にもつながります。

厚生労働省が令和6年5月に発表した職場のハラスメントに関する実態調査によると、ハラスメントによって眠れなくなった方が25.0%、通院や服用をしている方が10.7%いることがわかっています。令和2年度の調査よりも増加傾向にあり、ハラスメントによるメンタルヘルス不調は深刻化しているといえるでしょう。

つまり、メンタルヘルスケアは間接的にハラスメント予防につながり、従業員にとって働きやすい環境が整備できると判断できます。

参考:令和5年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書


リスクマネジメントにつながる

メンタルヘルスケアは、リスクマネジメントにもつながります。リスクマネジメントは起こり得るリスクをあらかじめ把握しておき、そのリスクを回避もしくは損失を最小限に抑えるプロセスのことです。

メンタルヘルス不調によって集中力や注意力が低下すると、通常時よりもリスクの発生率が高まります。業務内容によってはメンタルヘルス不調を抱える本人だけではなく、周囲の人々の人命に影響を与えるようなトラブルに発展する恐れもあるでしょう。さらに、メンタルヘルス不調の原因が企業側にある場合、訴訟を起こされる可能性も否定できません。

したがって、メンタルヘルスケアによって従業員の心の安定を維持できれば、結果的に企業の存続にもつながるといえます。


企業価値の向上が期待できる

メンタルヘルスケアに力を入れると、企業価値の向上が期待できます。メンタルヘルスケアによって労働環境を良くできれば周囲からの企業イメージがアップし、企業価値そのものが向上します。すると採用活動をスムーズに行えたり、ビジネスチャンスをつかみやすくなったりするでしょう。

また、従業員にとって働きやすい環境を用意できると、ホワイト企業に認定されやすいです。人材の定着率も向上し、社内外から高い評価を得やすくなるでしょう。ホワイト企業を目指したい方は、以下のサポートの活用をご検討ください。

ホワイト企業認定サポート|福利厚生のことならリロクラブにお任せ

担当者が知っておきたいメンタルヘルス不調のサイン  

従業員のメンタルヘルス不調に気付くためには、心や体が出すサインを見逃さないことが大切です。ここでは、以下の3つに分けて担当者が知っておきたいメンタルヘルス不調サインを紹介します。

  • 行動的側面
  • 精神的側面
  • 身体的側面

行動的側面

メンタルヘルス不調が起こると、以下のような行動を起こす傾向があります。

  • 小さなことで叱りつける
  • 大好きだった趣味に興味を示さない
  • 飲み会に参加しなくなる
  • 遅刻や欠勤が増える
  • ヒヤリハットが増える
  • 否定的な発言が増える

従業員の心が安定しにくくなり、いつもと違った行動が増える場合が多いです。

精神的側面

メンタルヘルス不調が起きると心の安定を保てなくなり、以下のような症状が現れやすくなります。

  • 仕事へのやる気が感じられない
  • 業務に集中していない
  • すぐに不安を感じている
  • すぐにイライラする
  • 自分への自信を失くしている

メンタルヘルス不調によって、マイナスの感情を抱きやすくなるでしょう。

身体的側面

メンタルヘルス不調を起こすと、身体的にもさまざまな変化が見られます。具体的な例は以下のとおりです。

  • 肩こりや腰痛、便秘、下痢など健康不安を抱える
  • 夜に熟睡できない
  • 食への興味が感じられない
  • 食欲が増している
  • 疲労感が拭えない
  • 体重の増加、もしくは減少が見られる
  • 今まで以上に喫煙・飲酒を繰り返す

メンタルヘルス不調によって心が不安定になると、体にも悪影響をもたらします。「いつもと違う」と感じるサインが10日から2週間以上続く場合は、メンタルヘルス不調を疑ってみましょう。

メンタルヘルスケアに有効な3つの予防策

メンタルヘルスケアに有効な予防策は、以下の3つです。

  • 【一次予防】未然に防ぐ
  • 【二次予防】早期発見
  • 【三次予防】復帰支援と再発予防

それぞれについて解説します。

1.【一次予防】未然に防ぐ

一次予防は、従業員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐことです。職場の人間関係を改善したり、上司からのハラスメントを防止したりとストレスの要因を排除することで、メンタルヘルス不調を防ぐ取り組みです。

一次予防は従業員自らがメンタルヘルスへの意識を高めることや、ケアを行う習慣づくりのサポート体制を整えることです。さらに、職場における働きやすい環境づくりも欠かせません。企業のサポートがあると、従業員にとってより心の安定を図りやすくなるでしょう。

2.【二次予防】早期発見

二次予防は、従業員のメンタルヘルス不調にいち早く気付く取り組みです。重症化する前に気付くことで、メンタルヘルス不調の早期回復が期待できます。担当者だけではなく上司や同僚など、すべての従業員がメンタルヘルス不調に気付けるような支援体制を構築しておくと早期発見しやすくなるでしょう。

また、産業医をはじめとする専門家へいつでも相談できる窓口があると、メンタルヘルス不調の早期発見に役立てられます。

3.【三次予防】復帰支援と再発予防

三次予防は、メンタルヘルス不調によって休職した従業員の職場復帰支援と再発予防の取り組みです。一度休職すると職場に戻りにくいと感じる方もいるはずです。スムーズに職場復帰できるように、配属部署や職場での受け入れ体制などを構築しましょう。

さらに、精神面や仕事面に配慮したり、労働時間の見直しを行ったりするのも有効といえます。メンタルヘルス不調が再発しない仕組みを取り入れることで、すべての従業員にとって働きやすい環境を作れます。

メンタルヘルスケアに有効な4つの具体策


メンタルヘルスケアに有効な具体策は以下の4つです。

  • セルフケア
  • ラインケア
  • 内部EAP(産業保健スタッフなどによるケア)
  • 外部EAP(事業場外資源によるケア)

それぞれについて解説します。

1.セルフケア

メンタルヘルスケアにおけるセルフケアとは、従業員本人が行うケアのことです。従業員によってストレス緩和方法が異なるため、自分に合ったものを見つけることが大切です。例えば、以下のような例があります。

  • 好きな入浴剤を使ってゆっくりとお風呂に入る
  • マッサージを受ける
  • 友人との会話を楽しむ
  • ゲームなどの趣味を楽しむ
  • 散歩やヨガなど軽い運動をする
  • 自分の気持ちをノートに書き出す

従業員自身がストレスとの付き合い方を理解できれば、メンタルヘルス不調を感じにくくなるでしょう。


2.ラインケア

メンタルヘルスケアにおけるラインケアとは、管理監督者が部下に対して行う取り組みのことです。管理監督者は従業員の「いつもと違う」にいち早く気付くことで、ストレス要因の特定や改善を行います。そのためには従業員とのコミュニケーションを重視したり、信頼関係を構築したりすることも重要です。


3.内部EAP(事業場内産業保健スタッフ等によるケア)

メンタルヘルスケアにおける内部EAPとは、メンタルヘルスケアの専門家が社内に常駐して適切なサポートを行う取り組みです。そもそもEAPとは従業員支援プログラムのことで、従業員のメンタルヘルス不調などの問題に対して専門家のサポートを受けられるプログラムです。

専門家が社内にいると企業内の雰囲気や事情などを理解してもらいやすくなり、状況に応じたサポートを受けやすくなります。産業医や産業保健スタッフなど専門的な知識を持った方に気軽に相談できる体制を構築すると、メンタルヘルス不調の改善や解決がしやすくなるでしょう。


4.外部EAP(事業場外資源によるケア)

外部EAPとは、メンタルヘルスケアに活かせる外部サービスを導入する取り組みです。産業医などの専門家にいつでも相談できるサービスを取り入れると、社内に常駐してもらう必要がありません。必要なときだけ利用できるほか、社内で話しにくいことも相談できるでしょう。専門知識や経験が豊富なサービスを選べば、より具体的なサポートを受けられます。

メンタルヘルスケアの具体的な施策

メンタルヘルスケアの具体的な施策は、主に以下のとおりです。

  • 従業員同士のコミュニケーション活性化
  • ストレスチェックの実施
  • 産業医やエリア保健師の設置
  • それぞれについて解説します。

従業員同士のコミュニケーション活性化

メンタルヘルスケアに取り組むなかで、従業員同士のコミュニケーション活性化は重要です。特に、新型コロナウイルスの蔓延や働き方改革によってリモートワークが増加し、従業員が孤立しやすい企業も多いはずです。日頃からほかの従業員と交流がないとストレスや悩みなどを抱えたときに相談しにくいほか、メンタルヘルス不調の早期発見も難しいでしょう。

リモートワークをしながら従業員同士のコミュニケーションを活性化するためには、オフィス内にモニターを用意し、顔を映し出しながら業務をするのもおすすめです。随時会話ができるように環境を整備すれば、オフィス勤務と同様のコミュニケーションを取れます。また、オフィス内であっても従業員同士が話やすいように、デスクの向きを考慮したりミーティングや面談を増やしたりするのも有効策です。積極的にコミュニケーションを取れる環境を作ると、メンタルヘルス不調の防止・早期発見につながります。


ストレスチェックの実施

メンタルヘルス不調を予防するためには、ストレスチェックの実施が有効です。ストレスチェックとは、ストレスに関する質問に従業員が回答し、その結果を集計・分析する検査です。従業員のストレス状態を可視化できるため、必要に応じた対処法を考えられるでしょう。

また、ストレスチェックの結果は従業員本人だけに活用するのではなく、社内全体で共有し合って働きやすい環境づくりに活かすのもポイントです。継続していけばメンタルヘルスケアの有効性を判断しやすくなるでしょう。


産業医やエリア保健師の設置

メンタルヘルスケアでは、産業医やエリア保健師を設置するのもおすすめです。メンタルヘルスケアに関する専門家との連携体制を構築していれば必要なサポートを受けやすくなるほか、相談しやすい環境の整備にもつながるでしょう。

なお、エリア保健師は地方ごとに1〜2名ほど配置され、各エリアの情報を本社で共有し合います。そのため、全国に支社がある大手企業であっても、継続したメンタルヘルスケアを受けられます。特に転勤がある企業は、ほかのエリアとの協力体制を構築しておくといいでしょう。


メンタルヘルスに関する研修の開催

メンタルヘルスに関する知識を身につけると、従業員にメンタルヘルスケアの重要性を理解してもらいやすいです。従業員が専門知識を学べば、自身の異変にも気付きやすくなります。また、心理カウンセラーをはじめ企業の相談窓口となる専門家自らが研修を開催すれば従業員と交流でき、メンタルヘルス不調を感じたときに相談しやすくなるでしょう。

▼メンタルヘルスに有効な取り組みとしては次の記事をご参考にしてください。

  メンタルヘルスに有効な取り組みとは?メリットと4つのケアを徹底解説! 株式会社リロクラブ



企業におけるメンタルヘルスケアの取り組み事例10選

企業におけるメンタルヘルスケアの取り組み事例を10選紹介します。

  1. 株式会社青木農場
  2. アビームコンサルティング株式会社
  3. 株式会社友伸エンジニアリング
  4. 株式会社ニチレイ
  5. 大阪ガス株式会社
  6. 株式会社北川鉄工所
  7. バンドー化学株式会社
  8. 有楽製菓株式会社 豊橋夢工場
  9. 株式会社八天堂
  10. 三菱電線工業株式会社

それぞれの事例を参考に、自社のメンタルヘルスケアに役立ててください。

1.株式会社青木農場

株式会社青木農場は、米・茶豆の栽培やお餅・米粉スイーツなどを製造している企業です。生産だけを行う農業の場合、自然条件に左右されることから労働時間や休日などに関する規定は労働基準法で適用除外とされています。ほかにも時間外労働や休日労働による割増賃金の支払いも必要なく、深夜労働に関する割増賃金はほかの産業よりも低い基準です。

しかし、同社ではほかの産業並みの働き方を目指しており、1週間の労働時間の上限は40時間、時間外労働は1.25倍、深夜労働は1.5倍の賃金を支払っています。その結果、労働環境の見直しを積極的に行い、休む時間を確保しやすい状態を作り出しています。

また、同社の代表取締は「従業員それぞれの時間を大事にしてほしい」と語っており、効率的な業務遂行はメンタルヘルス不調の予防につながると話しています。

https://kokoro.mhlw.go.jp/case/company/cmp133/


2.アビームコンサルティング株式会社

アビームコンサルティング株式会社は戦略立案・構想策定、システム開発・導入などを幅広くサポートしている総合系コンサルティングファームです。同社はクライアントの状況に合わせて多くの従業員が社外でプロジェクト業務を遂行するため、人間関係の構築が他社よりも必要です。また、クライアントのオフィスをはじめ、あらゆる場所で業務を遂行していることから、従業員自身が自分を律して最大限のパフォーマンスを発揮しなければいけません。

同社ではクライアントに高いパフォーマンスを提供し続けるためにも、2014年に産業保健スタッフを配置しました。さらに、従業員のメンタルヘルスケアへの関心が薄かったからこともあり、従業員向けのe-ラーニング内で健康管理に関する内容を学び始めています。

また、同社では所属部署の上司とプロジェクトの上司の2つのラインケアが実施できるため、企業独自のマニュアルを作成してメンタルヘルス不調の早期発見に役立てています。従業員には必ずカウンセラーがついており、必要に応じた相談や能力評価などを行っているのも魅力だといえるでしょう。

https://kokoro.mhlw.go.jp/case/company/cmp130/


3.株式会社友伸エンジニアリング

株式会社友伸エンジニアリングは、配電盤を中心としたハイテクシステムの開発および産業用のソフトウェア開発を行っている企業です。同社は2011年に発生した東日本大震災の後、メンタルヘルス不調になった従業員が増えたことによってメンタルヘルスケアに注力しています。そして、誰もがメンタルヘルス不調になる可能性があるとわかったため、早期発見の重要性を感じています。

同社では外部EAPによる面談を月に1度開催しているほか、産業医による面談も月に1度実施しており、従業員の定期的なケアを行っているのが特徴です。このような取り組みによって従業員自身がメンタルヘルス不調の早期発見の重要性を認識したため、不調を感じても状況改善しやすいケースが増えています。

https://kokoro.mhlw.go.jp/case/company/cmp128/


4.株式会社ニチレイ

株式会社ニチレイは加工食品事業と低温物流事業、不動産事業など幅広く事業展開している企業です。2005年に持株会社体制に移行したことによって従業員の健康管理が行き届かなくなり、現役で働いている方が亡くなるケースが増加しました。そこから「働きがいの向上は従業員の健康がベースである」という考え方をもとに、健康経営を推進し始めています。

同社は全国に事業所を展開しているため、東北に1名、関西に1名、九州に2名のエリア保健師を配置しました。さらに、50人以上の事業所では産業医も選任し、全国どこの産業医も同じ目線で業務が遂行できるような仕組みも構築しています。

また、エリア保健師と本社保健師とのミーティングは月1回実施され、情報共有や継続的なサポートにも力を入れています。2023年からは50人以上の事業場に配置している産業医約40名と本社保健師、エリア保健師、事業場で健康管理を行っている担当者などが集まる医療職会議を実施しました。その結果、従業員のメンタルヘルス不調にいち早く気付ける環境が整っています。

https://kokoro.mhlw.go.jp/case/company/cmp126/


5.大阪ガス株式会社

大阪ガス株式会社は、都市ガスの製造や供給などを行っている企業です。同社は以前から健康への取り組みを強化しており、2018年から5年連続で健康経営優良法人のホワイト500に認定されたうえ、2023年には健康経営銘柄にも選定されました。

同社では以下の7つの行動指標を掲げ、随時モニタリングする仕組みを構築しています。

  • 体重:適正体重を目指す
  • 食事:正しい食事習慣を身につける
  • 運動:適度な運動習慣を身につける
  • 飲酒:過度な飲酒を控える
  • 禁煙:就業時間内は喫煙を控える
  • 睡眠:十分な睡眠時間を確保する
  • ストレス:ストレス状態を把握する

また、従業員が積極的にメンタルヘルスケアを実施できるように「ヘルシー7オリンピック」というイベントを開始し、7つの行動指針のうち自ら掲げた目標を達成したらスタンプを贈呈しました。さらに、ウォーキングイベントを毎年2回開催したり、健康診断の結果に応じて必要な取り組みを取り入れたりと従業員の心身の健康を目指しているのも特徴です。

全組織・全関係会社に、健康や健康経営を担っている「衛生担当」がいるほか、産業医3名と看護師・保健師・臨床検査技師が合わせて22名在籍しており、専門知識を持った方が多方面からサポートしています。

https://kokoro.mhlw.go.jp/case/company/cmp125/


6.株式会社北川鉄工所

株式会社北川鉄工所は、金属素形材事業や産業機械事業などを行っている企業です。メンタルヘルス不調による休業者が目立つようになっただけではなく、休業者本人や上司が体調不調に気付けなかったこともあり、自社内のメンタルヘルスケアを強化し始めました。

まず、現状を見直した同社は常勤の専門職がいないという課題に対して、外部EAPを導入しています。費用面の問題も抱えていたため、必要な部分に予算をかけられるような体制も構築しました。

ほかにもストレスチェックの体制を毎年見直しし、職場環境改善に活かしています。例えば、集団分析の対象人数が10名以上で、高ストレス者が20%以上となった職場を高ストレス職場と認定し、専門職の方と連携しながら職場環境改善支援を実施しています。ほかにもさまざまな対策を講じた結果、メンタルヘルスケアの必要性が同社内で認めてもらえるようになりました。

https://kokoro.mhlw.go.jp/case/company/cmp114/


7.バンドー化学株式会社

バンドー化学株式会社は、自動車や産業機械・農業機械などの伝動ベルトといった製品を数多く製造している企業です。20年以上にわたって従業員の健康課題を分析してきた同社は、健康経営銘柄やホワイト500にも選定されています。そして2017年には「バンドーグループ健康宣言」を制定し、グループ全体が一体となって健康づくりに取り組んでいます。

同社は7日以上休業した従業員の延べ休業日数から算出した休業日数率を主な指標としており、従業員の健康管理に取り組む必要性を提示しているのが特徴です。しかし、現状メンタルヘルス不調と生活習慣病などによって療養している従業員が多いため、改善策が急務とされています。

また、各事業所に保健師を配置し、従業員1人ひとりに目配りをしているのも特徴です。相談しやすい雰囲気づくりにも注力しており、従業員のメンタルヘルス不調にいち早く気付ける環境を整備しています。

https://kokoro.mhlw.go.jp/case/company/cmp112/


8.有楽製菓株式会社 豊橋夢工場

有楽製菓株式会社はチョコレート菓子などの製造・販売を行っている企業で、豊橋夢工場は2011年に竣工した基幹工場です。同社はワークライフバランスの実現に向けた取り組みを実施しており、労働条件としては働きやすい環境です。しかし、4年間で8名の従業員がメンタルヘルス不調による休業に至り、約6割が職場復帰をしても再度休業してしまう状況でした。そのため、職場復帰支援の取り組みを強化しています。

休業者の状態に応じて面談を実施したり、主治医の意見をこれまで以上に取り入れたりと休業者に過度なストレスを与えることなく職場復帰支援を実施しています。ほかにも産業医の意見をもらいながら休業者のペースに合わせた職場復帰を支援した結果、再休業者の割合を6割から3割に減らすことができました。とはいえ、継続的な効果を実感できたわけではないため、セルフケアの取り組みに力を入れながらメンタルヘルス不調にいち早く気付ける環境の構築を目指しています。

https://kokoro.mhlw.go.jp/case/company/cmp111/


9.株式会社八天堂

株式会社八天堂は、くりーむパンをはじめとした食品の製造・販売を行っている企業です。同社では企業理念に共感し、実現を目指すなかで活力や熱意が感じられる職場づくりを行っています。そして同社の考え方などをまとめた「八天堂BOOK」を制作し、全従業員に配って内容を浸透させています。

また、毎年全従業員に社内アンケートを実施し、働く環境への満足度や上司からのサポート満足度、仕事への意欲、八天堂クレド・理念の理解と浸透の4つの切り口から社内の状態を把握しているのが特徴です。さらに外部EAPによる健康習慣アンケートや体の健康に関するアンケート、ストレスチェックも実施しており、従業員にとって働きやすい環境を構築しています。同社では臨床心理士のいる病院と提携しているため、メンタルヘルス不調の早期発見に役立てています。

https://kokoro.mhlw.go.jp/case/company/cmp109/


10.三菱電線工業株式会社

三菱電線工業株式会社は、シール製品や光ファイバ部品などの製造・販売を行っている企業です。2016年からストレスチェックを実施しているほか、2018年からセルフケア研修とラインケア研修を毎年行っています。各事業所には保健師などを配置し、従業員が相談しやすい環境を整えているのも特徴です。エリアによっては従業員数の関係で全員との面談ができないものの、メンタルヘルス不調の方や就業制限のある方に手厚いサポートを実施するなど臨機応変な対応を行っています。

さらに、2020年度から健康経営に取り組んでおり、コミュニケーションの活性化にも力を入れています。特に新型コロナウイルスが蔓延した頃は従業員同士のコミュニケーション不足が深刻化したため、グループワークを通じて従業員同士が意見を言い合える従業員参加型ワークショップを開催しました。その結果、従業員同士の交流が深まり、活発な意見交換ができるようになっています。

https://kokoro.mhlw.go.jp/case/company/cmp104/


従業員のメンタルヘルスケアにはリロクラブの活用を!

従業員のメンタルヘルスケアには、リロクラブの「メンタルヘルスケアサービス」の活用がおすすめです。メンタルヘルスケアサービスは、ストレスチェックに関する業務をシステム化できるサービスです。以下の3つのメニューで構成されており、必要に応じたメンタルヘルスケアを実施できます。

【Reloストレスチェック】
Web専用のストレスチェックで、厚生労働省の職業性ストレス簡易調査に準拠した57問を用意している。

【V-HRストレスチェック】
Webと紙の両方に対応したストレスチェックで、Reloストレスチェック同様に厚生労働省の職業性ストレス簡易調査に準拠した57問を用意している。

【Selfシリーズ】
予算に応じてカスタマイズできるサービスで、厚生労働省の職業性ストレス簡易調査に準拠した57問にセルフケアコンテンツの測定をプラスできる。

リロクラブのメンタルヘルスケアサービスを活用すると法令対策を行いながら、事務の手間を削減できます。各企業のメンタルヘルスに関する事情や課題などを考慮したうえで活用できるため、幅広いニーズを満たせるでしょう。

まとめ:従業員のメンタルヘルスケアに力を入れよう

メンタルヘルスケアに力を入れると従業員の心身の健康を向上させながら、企業価値を高められます。また、リスクマネジメントの予防にもつながるほか、企業全体の生産性の向上も期待できるでしょう。今回紹介した具体的な施策や企業の取り組み事例を参考にしながら、自社に合ったメンタルヘルスケアを実施してください。

メンタルヘルスケアには、リロクラブが提供する「メンタルヘルスケアサービス」の活用もおすすめです。法令を遵守したストレスチェックを実施でき、企業担当者の事務的な手間を削減できます。効率よくメンタルヘルスケアを行いたい方は、ぜひリロクラブまでご相談ください。

RELO総務人事タイムズ編集部
RELO総務人事タイムズ編集部
RELO総務人事タイムス編集部です。 本メディアは、「福利厚生倶楽部」の株式会社リロクラブが運営しています。 「福利厚生倶楽部」の契約社数は23,500社、会員数1,250万人という規模で、業界シェアNo.1を誇ります。 従業員満足を追求する人事や総務、経営者の皆様にとって少しでも有益になる情報を発信していきます。

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