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【総務人事担当者必読!】永年勤続表彰制度の賞与は課税対象になる?記念品の相場や課税対象の条件

「永年勤続表彰」制度は企業に長く勤める従業員に対して、企業からの労いと感謝の気持ちを伝える方法です。

長く勤めれば勤めるほど、従業員に贈られるものは比例して大きくなります。

今回は、永年勤続表彰に関する説明と記念品の相場、「永年勤続表彰による賞与は、課税の対象になるのか」という疑問にも答えます。

企業で永年勤続表彰を採用する目的や効果を知りたい経営者、総務人事担当者の方は、ぜひご参照ください。

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目次[非表示]

  1. 1.永年勤続表彰の意味
  2. 2.永年勤続表彰の目的とその効果
    1. 2.1.従業員のモチベーションアップや離職防止
    2. 2.2.数値以外で部署・従業員を評価できる
    3. 2.3.永年勤続表彰される勤続年数
  3. 3.永年勤続表彰は従業員に何を贈る?
    1. 3.1.賞与
    2. 3.2.記念品
    3. 3.3.休暇またはポイント
  4. 4.永年勤続表彰の導入方法
    1. 4.1.1.制度の目的や対象となる従業員を決める
    2. 4.2.2.表彰する年数、従業員に贈る賞与や記念品の内容を決める
    3. 4.3.3.具体的な表彰方法や運営方法を決める
  5. 5.表彰記念の賞与は課税の対象になる?
    1. 5.1.課税の対象になる条件
    2. 5.2.課税の対象にならないもの
  6. 6.まとめ

永年勤続表彰の意味

永年勤続表彰の意味 永年勤続表彰は、端的にいえば、従業員の「勤労〇〇周年」を祝う福利厚生制度(またはイベント)のことです。

米寿や卒寿などの「長寿祝い」、結婚年数を祝う「金婚式・銀婚式」などをイメージしてもらうと、想像がしやすいでしょう。

企業に長く勤めている従業員に、今までの労いとこれからの激励の気持ちを込めて、企業が感謝を伝えます。 感謝の気持ちといっても「ありがとう」と言葉をかけるだけでなく、賞与や副賞として記念品などを贈呈します。

言葉だけではなく形として気持ちを贈ることで、従業員に感謝を伝えます。そのため、永年勤続表彰には、従業員と企業の信頼関係を深めるという意味も含まれています。

そして、勤続年数が長ければ長いほど、その表彰記念の内容も変わっていくのが特徴です。

「勤続年数」を祝福するという特性から、「企業への貢献度」をはかる表彰制度とは、似て非なる制度といえます。

永年勤続表彰を含む社内表彰制度については、以下のページで詳しく解説しているので、当ページと併せてご参照ください。
社内表彰制度は従業員のモチベーションアップにつながる?メリットとデメリットを詳しく解説

永年勤続表彰の目的とその効果

永年勤続表彰の目的とその効果 永年勤続表彰は企業にさまざまな効果をもたらし、その導入目的も企業によって大きく異なります。

永年勤続表彰の導入を検討する総務・人事担当者の方に向け、具体的な効果を解説します。

従業員のモチベーションアップや離職防止

永年勤続表彰を福利厚生制度の一環として採用することで、従業員と企業の信頼関係が深まり、従業員のモチベーションアップや離職防止につながります。

長期間勤務してくれた従業員に対して手厚い表彰を行うことで、高い効果を期待しやすくなるでしょう。永年勤続表彰だけに限らず、企業の充実した福利厚生制度は、従業員のモチベーションアップや離職防止に役立ちます。

数値以外で部署・従業員を評価できる

企業が営業成績や契約数などを評価する社内表彰制度は、従業員の業務内容によっては表彰を受けられない場合もあります。特定の従業員や部署だけが表彰されていては、従業員同士で不公平感が募ります。

ですが、永年勤続表彰は「勤続年数」で評価する制度なので、総務や人事部のように「成績が数値ではかりにくい部署・従業員」を表彰しやすくなるメリットがあります。公平性の高い制度を導入したい企業に、永年勤続表彰は最適な福利厚生制度といえるでしょう。

ただし、永年勤続表彰は「賞与や副賞の内容」によって、上記の効果も大きく左右されます。大したことのないものを授与されても、やる気のアップに直結する従業員は稀です。最大限の効果を享受するには、「従業員が貰って嬉しいもの」を授与するのが理想です。

永年勤続表彰される勤続年数

勤続年数に応じて従業員が表彰されるわけですが、その年数は企業によって異なります。細かいところでは、勤続年数が5年毎の場合もありますが、10年毎に行われることが多いようです。

また、最初の5年目に表彰して、その後は10年、20年と、10年単位で表彰をする場合もあります。 最大で、勤続30~40年に設定されていることが多いです。

なぜ振り幅があるのかというと、以前は60歳で定年を迎えていたことが大きく関係しています。定年年齢が60歳の場合、大学卒だと勤続40年に届かないことがほとんどです。

そのため、勤続40年がない企業もあります。 しかし、現在では高年齢者雇用安定法により定年年齢も65歳になっている上、さらに引き上げる動きが出ています。そのため、勤続40年の表彰をどうするかと悩んでいる企業もあります。

これらの勤続年数には絶対的な決まりはないため、企業で自由に決めても問題ありません。

永年勤続表彰は従業員に何を贈る?

永年勤続表彰は従業員に何を贈る? 表彰の際に従業員へ授与するものは、企業によって変化しますが、おおまかに分けて「賞与、記念品、休暇またはポイント」の3種類が挙げられます。以下から、項目別に分けた上で詳しく解説します。

賞与

賞与は、いわゆる金一封や特別ボーナスのようなもので、基本的には勤続年数によって金額を決定します。産労総合研究所の2006年の資料によると、永年勤続表彰の平均賞品価格は、以下の通りです。

勤続年数
価格
5年
約1.5万円
10年
約3.6万円
15年
約3.7万円
20年
約7.4万円
25年
約7.1万円
30年
約13.1万円

参照:永年勤続表彰に関する調査(PDF資料)|産労総合研究所

上記のように、勤続年数が長くなるほど金額も多くなります。もちろん企業によって金額は異なりますし、後述する記念品を両方贈呈する場合はもう少し金額は低くなる可能性が高いです。1つの目安として参考にしてください。

記念品

記念品の例として、昔は社名入りのトロフィーや置き時計などが贈られることもありました。しかし、現在では表彰者が自由に選べるものが好まれています。具体的には、商品券や旅行券、カタログギフトなどです。現金を直接的に贈ることに抵抗感がある企業などは、記念品として商品券や旅行券などを贈与しても良いでしょう。

休暇またはポイント

賞与や記念品に加えて、リフレッシュ休暇を付与することもあります。また最近では、現金や現物支給に代わり福利厚生代行サービス事業者が発行するポイントを付与する動きも出てきています。従業員は付与されたポイントで、商品や宿泊などのメニューと交換できるサービスです。

賞与の相場も、上記の記念品の相場とほとんど変わらないことから、総合的な金額は賞品の相場と同じぐらいと思っておいて大丈夫でしょう。

これらを踏まえて、永年勤続表彰の具体的なモデルケースを紹介します。

賞与+リフレッシュ休暇の場合
勤続10年
賞与4万円+リフレッシュ休暇5日
勤続20年
賞与8万円+リフレッシュ休暇6日
勤続30年
賞与14万円+リフレッシュ休暇7日
賞与+記念品の場合
勤続10年
賞与3万円+記念品1万円相当
勤続20年
賞与7万円+記念品1.5万円相当
勤続30年
賞与12万円+記念品2万円相当
記念品のみ
勤続10年
記念品4万円相当(カタログギフト等)
勤続20年
記念品8万円相当(商品券+カタログギフト等)
勤続30年
記念品14万円相当(旅行券+商品券+カタログギフト等)
ポイント付与の場合
勤続10年
4万円相当のポイント
勤続20年
8万円相当のポイント
勤続30年
14万円相当のポイント

上記のように贈り物が豊富に存在すると、総務や人事担当者の中には、「結局どれを選べばいいの?」という疑問を持つ方もいるでしょう。

確かに、従業員によって「欲しいもの」は大きく異なりますし、すべての従業員を満足させるのは困難です。永年勤続表彰の賞与や記念品選びに迷っている企業は、表彰制度のアウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。

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永年勤続表彰の導入方法

永年勤続表彰の導入方法 ここで、企業に永年勤続表彰を設けたい企業担当者に向けて導入方法を解説します。

結論からいえば永年勤続表彰は、ほかの表彰制度と導入方法に大きな変化はありません。具体的には、以下のような手順で導入を行います。

1.制度の目的や対象となる従業員を決める

永年勤続表彰を導入する際は、制度の目的と対象となる従業員を決定しましょう。対象となる従業員は「正社員のみ」「非正規含む」など、雇用形態別に区分するのが一般的です。

幅広い効果を期待するなら、全従業員を対象にするのが良いでしょう。永年勤続表彰は、純粋に勤続年数を表彰する制度なので、分け隔てのがない分「導入の際に従業員から不満が生じにくい」特徴があります。

2.表彰する年数、従業員に贈る賞与や記念品の内容を決める

対象となる従業員が決まったら、表彰する勤労年数や賞与・記念品の内容を決めます。従業員によって希望は大きく異なるため、複数の中から好きなものを選べるようにするのも手です。

もちろん、賞与や記念品が豪華であるほど高い効果を見込めますが、コストが経営を圧迫しては意味がありません。予算や費用対効果を考慮しつつ、賞与や記念品の内容を決定してください。従業員に対して事前にアンケートを取り、「何が欲しいか」を集計するのも良い方法です。

3.具体的な表彰方法や運営方法を決める

次に、「該当の従業員をどのように表彰するか」を決めましょう。専用の会場を確保して表彰式を行うのも手ですが、こちらもコストや事務担当者の負荷などを考慮した上で決定してください。最後に制度を運営管理する部署や、従業員への連絡方法などを決定すれば、永年勤続表彰制度の導入が完了します。

永年勤続表彰制度を導入する注意点として、「既存の従業員をどのようにフォローするか」を決めておきましょう。すでに長い期間働いている従業員であれば、制度導入の際に「今まで勤務してきた分を表彰してもらいたい」と考えるのも当然です。表彰する基準を細かく決めておけば、導入の際にトラブルも少なくなります。

表彰記念の賞与は課税の対象になる?

表彰記念の賞与は課税の対象になる? ここで、「表彰記念の賞与は課税の対象になるのかどうか」について触れておきましょう。

表彰記念の賞与はもちろんのこと、商品券などの汎用性の高い金券なども所得の対象になる場合がほとんどです。この場合は企業からの贈与ということで、一時所得として課税の対象になります。

課税の対象になる条件

まず前提として、現金や商品券などを支給する場合には、その全額が給与所得として課税されます。

さらに、表彰者が自由に記念品を選べる場合には、その記念品の価格が給与として課税される仕組みです。

より詳しい情報は、国税庁のオフィシャルサイトに掲載されているため、制度運用の際に参考にしてください。

参照:No.2591 創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき|国税庁

課税の対象にならないもの

逆に課税の対象にならないものは、旅行や観劇への招待費用などです。

ここで疑問になるのが、旅行券は課税されるのかという問題になります。なぜなら旅行券は、金券ショップなどで現金に換金することが可能だからです。実質としては、旅行券を使い実際に旅行に行ったという証拠があれば、非課税になるようです。

所定の報告書に、必要事項(氏名などの個人情報や旅行先の支払額等)を記入して、旅行先を確認できる資料を添付して勤務先に提出します。

そして条件である、「旅行券の支給から1年以内に利用」「旅行の範囲が、支給した額からみて相当なもの」を満たしていれば、非課税になります。ただし、きちんと条件を満たし手続きをしなければ、原則として旅行券は課税対象になるので注意しましょう。

参照:永年勤続記念旅行券の支給に伴う課税上の取扱いについて|国税庁

まとめ

永年勤続表彰制度まとめ 今回は、永年勤続表彰制度の基本情報や導入方法について詳しく解説しました。当ページのおおまかなまとめは、以下の通りになります。

  • 永年勤続表彰は、従業員の「勤労〇〇周年」を祝う福利厚生制度。
  • 永年勤続表彰は、従業員のモチベーションアップや離職防止に貢献する。
  • 成績を数値ではかりにくい部署・従業員を表彰できるメリットがある。
  • 5年や10年など、永年勤続表彰される勤続年数は企業別でさまざま。
  • 永年勤続表彰は、従業員に対して賞与や記念品、休暇などを贈る。
  • 永年勤続表彰は、ほかの表彰制度と導入方法はほとんど変わらない
  • 表彰記念の賞与はほとんど課税対象となる

今回紹介した永年勤続表彰以外にも、営業成績表彰やMVP賞など、企業の報奨制度は数多く存在します。

これらの制度を複数運用すると、管理が煩雑化して、総務や人事の負担が増すこともしばしばです。

複数の報奨制度を一括で管理したいという企業担当者は、リロクラブの「ポイント型インセンティブ」を利用してみてはいかがでしょうか。 ポイント型インセンティブとは、現金(または金券)ではなくポイントを付与する報奨制度です。

「勤労年数」や「営業成績」、「誕生日」などの条件を自由に設定して、従業員にポイントを付与できます。このポイントに応じて、商品やリフレッシュ体験といった現金以外の報酬を従業員に与えられる仕組みです。

リロクラブのポイント型インセンティブについて詳しく知りたい方は、以下のページをご確認ください。ポイント型インセンティブ導入におけるメリットから詳しい導入方法まで、わかりやすく紹介しています。

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小野寺 孝典
小野寺 孝典
リロクラブ 執行役員(法人営業担当) 福利厚生管理士(EBアドバイザー) 約20年にわたって福利厚生制度の構築や利用促進のためのコンサルティングに取り組んでいる。 福利厚生倶楽部を基盤とした企業の経営課題を解決するための提案を得意としている。

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