
インセンティブ制度とは?導入ポイントや成功事例を紹介
インセンティブ制度は、従業員のモチベーションをアップさせるために不可欠な制度です。
インセンティブの種類や形式、混同されがちな歩合制・ボーナスとの違いについて解説いたします。
あわせて、インセンティブ制度を導入する魅力や、制度を導入・運営する際の注意点もまとめました。
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目次[非表示]
- 1.インセンティブ制度とは
- 1.1.インセンティブと歩合制の違い
- 1.2.インセンティブとボーナスの違い
- 2.インセンティブ制度のメリット
- 2.1.従業員のモチベーションが上がる
- 2.2.成果に対する評価基準が明確で、不公平感が減る
- 2.3.インセンティブに魅力を感じる優秀な人材を確保できる
- 2.4.健全な競争を促すことで個人・組織が成長できる
- 2.5.企業が目指す方向と従業員の行動を一致させることができる
- 3.インセンティブ制度のデメリット
- 3.1.競争激化によって組織風土や結束力が悪化する可能性がある
- 3.2.目の前の成果に固執し、視野が狭くなりやすい
- 3.3.成果を求める過程で心理的なプレッシャーがかかりやすい
- 3.4.一部の人しか享受できない設計で、従業員のモチベーションが下がる
- 3.5.単純な金銭的インセンティブだけでは限界がある
- 4.インセンティブの5つの種類
- 4.1.物質的インセンティブ(金銭・モノ)
- 4.2.評価的インセンティブ(評価・表彰)
- 4.3.人的インセンティブ(上司・先輩・同僚)
- 4.4.福利厚生的インセンティブ
- 4.5.自己実現的インセンティブ
- 5.インセンティブ制度設計の流れ
- 5.1.step1.インセンティブ制度導入の目的を明確にする
- 5.2.step2.従業員ヒアリングによって制度リスクを洗い出す
- 5.3.step3.インセンティブ制度の内容を決める
- 5.4.step4.インセンティブ制度の運用を決める
- 5.5.step5.従業員に周知し、経過を観察・分析する
- 6.インセンティブ制度の導入事例
- 6.1.メルカリ|ピアボーナス制度「mertip(メルチップ)」で組織力向上
- 6.2.パーソルプロセス&テクノロジー|残業ゼロの従業員にインセンティブ
- 6.3.リクルートジョブズ|GIB(Goal In Bonus)の導入で最大30万円の報奨金贈答
- 6.4.OWNDAYS|社内通貨システム「スタパ」を導入
- 6.5.カヤック|サイコロの出目だけインセンティブが与えられる「サイコロ給」
- 7.インセンティブ制度導入で検討したいおすすめサービス
- 7.1.リロクラブ「ポイント型インセンティブ」
- 7.2.Unipos「Unipos」
- 8.インセンティブ制度で生産性・企業価値を向上しよう
インセンティブ制度とは
「インセンティブ」とは、本来「外部からの刺激」を意味する言葉です。
企業においては、従業員のやる気やパフォーマンスを引き出すために与える報酬や特典を指します。
インセンティブ制度とは、そうした刺激を通じて従業員のモチベーションを高め、より高い成果を促す仕組みのことです。
たとえば、売上目標を達成した社員に金銭的な報酬を支給したり、特別休暇を与えるなど、金銭的・非金銭的な形でインセンティブが提供されます。
特に、成績優秀者や成果を出したチームに対してこうした報酬を与えることで、意欲を引き出し、組織全体の成果向上を狙う制度です。
インセンティブと混同されがちな待遇に、歩合制やボーナスがあげられます。
それぞれの違いについては、以下でまとめました。
インセンティブと歩合制の違い
インセンティブと歩合制は両者とも成果報酬という意味合いがありますが、インセンティブはノルマを達成することで支給される金銭やモノです。
対して「歩合制」は、成果に合わせて一律の金額で支給される金銭やモノを指します。
インセンティブ |
ノルマ達成で支給 |
---|---|
歩合制 |
成果ごとに一律を支給 |
- インセンティブ:「ノルマ(目標)を達成したら売り上げの○%に相当する金額を支給」
歩合制:「契約○件ごとに一律○円を支給」
インセンティブとボーナスの違い
インセンティブとボーナスの違いは、基準となる成果が異なります。
インセンティブは従業員個人の業績によって支給額や内容が変化するのに対し、ボーナスは企業の業績によって金額が変わるのが特徴です。
インセンティブは、従業員個人がどれほど企業に貢献したかを評価する制度だといえるでしょう。
インセンティブ |
個人の業績によって変化 |
ボーナス |
企業の業績によって変化 |
インセンティブ制度の導入は、社員個人の目標が明確になり、モチベーションを向上させることができます。
また、社員が互いに切磋琢磨することで企業も生産性の高い競争力のある組織に成長できます。
インセンティブ制度のメリット
インセンティブ制度を導入することで、どのようなメリットを享受できるのでしょうか。
特に期待できるメリットの例をいくつかご紹介します。
従業員のモチベーションが上がる
金銭や評価などの目に見えるインセンティブは、従業員のモチベーションを上げます。
くわえて、従業員の「頑張りが報われた」という達成感・満足感を刺激でき、企業への愛着を持ってもらいやすくなります。
その主な理由としては、まず「行動と報酬の因果関係」がはっきりしており、努力に対する対価を具体的に実感できる点が挙げられます。
また、承認欲求や達成欲求が満たされ、社員一人ひとりが「もっと頑張ろう」と思いやすい心理状態につながるためです。
成果に対する評価基準が明確で、不公平感が減る
人一倍頑張っても他の従業員と同じ固定給であったら、不公平感を感じる従業員も出てくるでしょう。
これは、業務にどれほど熱心に取り組んでも、成果に見合った報酬が得られないと「努力が評価されない」と感じやすいからです。
そこにインセンティブ制度を導入し、個人の頑張り・成果に合った報酬を与えることで従業員の不公平感を軽減できます。
■参考記事;生産性向上に直結するコンピテンシーとは?人事評価とコンピテンシーモデル
インセンティブに魅力を感じる優秀な人材を確保できる
個人のニーズに合ったインセンティブ制度を導入すれば、優秀な人材を確保しやすくなります。
また、これから入社を考えている優秀な人材が、魅力的なインセンティブに惹かれることも十分に考えられるでしょう。
他社との差別化を図れれば、人事採用においても有利に働きます。
■参考記事;離職防止の対策を職場環境、労働条件、人間関係の観点から考える
健全な競争を促すことで個人・組織が成長できる
インセンティブ制度を上手く導入することで、「良い成果をあげたい」「他の人よりも成長したい」という健全な競争意識を社内に根付かせられます。
これは、評価や報酬の指標が明確になることで、社員が自分の目標を明確に意識しやすくなり、成長意欲が高まりやすいからです。
競争意識のもと切磋琢磨し合うことは、個人だけでなく組織全体の成長にもつながるはずです。
個々の社員が互いに高め合うことでスキルやノウハウが共有され、結果としてチームや部署全体のレベルアップが図られます。
企業が目指す方向と従業員の行動を一致させることができる
インセンティブ制度を活用することで、企業がその時点で達成したい戦略や目標を明確に従業員へ伝えやすくなります。
理由としては、組織として複数の指標を同時に追いかけている場合、従業員の意識や行動がバラバラになり、最重要KPIから遠ざかってしまうことがあるからです。
インセンティブを設けて「ここを達成すれば特典や報酬が得られる」と示すことで、多くの人の意識を特定の指標に集中させることができます。
たとえば、本来は新規顧客の開拓が優先度の高い戦略であるのに、現場が既存顧客の満足度ばかりを追い求めてしまう――といった状況を防ぐことができます。
このように、インセンティブ制度を導入すれば、企業が目指す目標に対して従業員の行動を一気に向かわせることが可能となり、組織全体が同じ方向に進みやすくなるのです。
インセンティブ制度のデメリット
インセンティブ制度には多くの魅力があるものの、設計や運用次第では組織や従業員にとってマイナスに作用する場合があります。
インセンティブのデメリットや導入・運用時に考えられる注意点をご紹介します。
競争激化によって組織風土や結束力が悪化する可能性がある
従業員同士の競争が激化した結果、社内の雰囲気が悪くなる可能性があります。
特に個人の業績評価にだけ焦点をあてたインセンティブの場合、インセンティブに直結する業務にだけ固執してしまい、インセンティブに直結しない業務をないがしろにしてしまう空気も生まれてしまうでしょう。
そうなると組織としての結束力が弱くなり、個人だけでなく組織全体の成長も阻害されてしまいます。
こうした問題を防ぐためには、組織として成果を上げることに重きを置いてインセンティブ制度を導入しなくてはなりません。
目の前の成果に固執し、視野が狭くなりやすい
インセンティブの条件を達成しようとするあまり、目先の成果にこだわりすぎて視野が狭くなるおそれがあります。
これは、短期的な数値目標が直接的な報酬につながる一方で、長期的な視点での取り組みや新たな試みに投資しづらくなるためです。
目の前の課題や業務をこなすことは重要ですが、短期的結果を優先しすぎてしまうとイノベーションの芽をつぶすことになりかねません。
新しいことに挑戦する風土も育ちにくくなり、事業の成長は停滞します。
個人の短期的な成果のみを評価対象とせず、長期的な取り組みで得られる成果やその過程も評価基準としてインセンティブ制度に盛り込むことが重要です。
■参考記事;マトリクス組織のメリットと問題点|組織構造の種類と失敗例
成果を求める過程で心理的なプレッシャーがかかりやすい
インセンティブ制度は仕事のモチベーションにつながる一方、心理的なプレッシャーにつながるおそれもあります。
過度なプレッシャーがかかることで本来の実力を発揮できなくなったり、失敗を恐れて新しいことへ挑戦する意欲がそがれてしまったりすることもあるでしょう。
どのようなインセンティブ制度が求められているのか、従業員1人ひとりのニーズにできる限り焦点をあてて考えることが重要です。
その従業員が持つスキルや経験はどのようなものか、どのようなビジョンを持っているのかを明確にしましょう。
その点を踏まえて評価基準を設定し、インセンティブ制度を導入・運用することが大切です。
一部の人しか享受できない設計で、従業員のモチベーションが下がる
特定の層のみしかインセンティブの恩恵を受けられない設計になっていると、他の従業員のモチベーションが下がってしまいます。
たとえば、営業職の従業員のみが、インセンティブを受けられる制度が多くなりがちです。
そうなると、そのサポートをしているバックオフィスの従業員は、努力が評価されずに、モチベーションが下がります。
フェアな評価基準を設けているつもりでも、企業の特色やカラーによっては無意識な偏りが出ているかもしれません。
従業員やチーム、部署の業務量・経験を鑑みて、全従業員にインセンティブのチャンスがある設計にする必要があります。
単純な金銭的インセンティブだけでは限界がある
金銭的インセンティブのみで、従業員のモチベーションを維持することは難しいでしょう。
なぜなら、金銭的な報酬は一時的には大きな動機づけになり得ますが、人は慣れてくるとその効果が薄れ、さらに高い報酬を求めるようになる傾向があるためです。
加えて、企業側にも報酬に使える資源には限りがあります。
金銭だけを頼りにモチベーションを保ち続けることは、現実的には難しいのです。
そもそも、インセンティブには金銭以外にも多様な種類があります。
評価による承認、人との関わり、理念への共感、自己実現の機会など、非金銭的なインセンティブも重要な役割を果たします。
従業員の欲求も、単に経済的なものにとどまりません。心理的な満足感や成長実感など、個人の内面的な動機をどう満たすかを意識した制度設計が求められます。
インセンティブの5つの種類
インセンティブというと、金銭的なインセンティブを連想しがちです。
しかし実際には金銭やモノ以外のインセンティブもあり、各企業では多様なインセンティブが導入されています。
主なインセンティブの種類を5つ紹介します。
物質的インセンティブ(金銭・モノ)
物質的インセンティブは、金銭または金銭の代替品による報酬のこと。
一般的に、インセンティブといえばこちらを指すケースが多いでしょう。
金銭以外の支給品としては、次のようなものがあげられます。
モノのインセンティブ例:各種ポイント
日用品やグルメ、電子マネーなど様々な商品と交換できる社内ポイント(社内通貨) です。
例えばリロクラブの「ポイント型インセンティブ」は、従業員の頑張りに応じてポイントを付与するインセンティブ制度です。
貯まったポイントは、食品をはじめ各種日用品や家電、インテリアなど様々な商品と交換できます。
モノだけでなく、リロクラブが提携しているレジャー施設や宿泊施設、劇場など体験型サービスにも対応しています。
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モノのインセンティブ例:ピアボーナス
ピアボーナスとは、従業員同士で報酬や評価を送り合うシステムのこと。
呼称の由来は、「仲間(peer)」と「報酬(bonus)」のかけ合わせです。
報酬は、専用のスマートフォンアプリやチャットツールなどで送るケースが一般的。
報酬の内容としては感謝のメッセージや社内ポイント、電子マネーなどがあげられます。
ピアボーナスシステムでは、仕事ぶりだけでなくメンバーの頑張りやちょっとした気配りなども評価対象となります。
仲間同士で送り合うことで社内コミュニケーションが活性化され、社内の明るい雰囲気づくりにも役立つでしょう。
リロクラブでもピアボーナスのサービスを提供していて、送りあったポイントは、ショッピングのポイントとして活用できたりします。
評価的インセンティブ(評価・表彰)
表彰や昇進などで評価する制度が「評価的インセンティブ」です。
他の従業員の前での表彰、人事評価による昇進・昇格などで、従業員のモチベーションが上がることが期待できます。
たとえば、次のようなものが該当します。
- 社内アワード(“最優秀社員賞”や“MVP賞”など)
称号・バッジ付与
社外アワードへの推薦 など
「自分の頑張りが目に見える形で評価されている」という従業員の安心感にもつながり、離職率の低減も見込めます。
■参考記事;社内表彰制度は従業員のモチベーションアップにつながる?メリットとデメリットを詳しく解説
人的インセンティブ(上司・先輩・同僚)
人的インセンティブは、優秀な同僚や尊敬する上司と働きたいなど、一緒に働く人を重視して仕事を選ぶ人にとっては効果的なインセンティブです。
たとえば、次のような事例が該当します。
-
トップパフォーマーとのジョブシャドウイング
業績が高い社員やリーダーの仕事ぶりを一定期間“見て学ぶ”機会を設ける。
-
リーダーシッププログラムへの抜擢
将来の管理職候補を選抜し、役員や上司と直接ディスカッションできる機会、特別研修への参加権などを付与する。
「尊敬する上司のためにも成果を出したい」「一緒に頑張ってくれている同僚のためにも結果を残したい」と考える従業員が多ければ、人的インセンティブの導入・整備を検討すると良いでしょう。
福利厚生的インセンティブ
福利厚生の中からインセンティブを用意して、条件に応じて、プレゼントを行います。
-
リフレッシュ特別休暇:
会社が設定した節目や達成条件を満たした場合に、長めの休暇を与える制度
-
健康増進支援:
スポーツジムやフィットネスクラブの無料回数券をプレゼント
-
食事サポート:
お弁当代やデリバリーの回数券をプレゼント - 株式報酬制度(ストックオプションなど)をプレゼント
特別休暇などの福利厚生制度を充実させることで、従業員のリフレッシュやワークライフバランスの実現を支援し、モチベーションアップ・持続を図るインセンティブです。
自己実現的インセンティブ
仕事を通して、従業員個人の目標や将来のビジョンを実現するインセンティブのこと。
次のようなインセンティブが該当します。
- 社内外セミナーへの参加費負担
- 希望部署への異動 など
やりがいのある仕事を与えたり、従業員の希望するスキルが身につく仕事に挑戦させたりするなどして、夢や目標の達成を応援する制度を設けます。
向上心が強いタイプの従業員におすすめです。
インセンティブ制度設計の流れ
明確な目的やヒアリングもなしにインセンティブ制度を導入しても、期待する効果は得られません。
従業員から十分なベネフィットを得るためにも、以下の方法を参考にインセンティブ制度を設計してみてください。
step1.インセンティブ制度導入の目的を明確にする
「なぜインセンティブ制度を導入するのか」という目的を明確にしましょう。
「他の企業も導入しているから」といった曖昧な理由では、報酬の内容や評価基準が不明瞭になり、思っているような効果が得られません。
次のようなインセンティブのメリットにあるようなものの中から、自社が目指す目的を明確にしましょう。
- 業績・生産性の向上
- 従業員のモチベーションアップ・維持
- 優秀な人材の獲得・定着 など
step2.従業員ヒアリングによって制度リスクを洗い出す
インセンティブ制度は、従業員の立場に立って導入・運用することが求められます。
現場の従業員にヒアリングを行い、ニーズの不一致をはじめとするリスクを事前に洗い出すことが大切です。
特定の部署のみが対象となる...など事前に不満の声を聞いておくと、デメリットとなるリスクの発見と対策を考える材料になります。
特定の従業員や上層部のみから意見の聞き取りをするのではなく、現場の従業員にもしっかりと耳を傾けたうえで導入・運用を進めましょう。
step3.インセンティブ制度の内容を決める
目的や洗い出したリスクを鑑みて、インセンティブ制度の内容を決定します。
導入するインセンティブの種類だけでなく、「どのような効果を狙いたいのか」「この制度が全ての従業員に対してフェアに働くか」といった点も議論する必要があります。
たとえば、『新規顧客の獲得数を増やすためのインセンティブ制度を導入するケース』を基に考えていきます。
-
目的の明確化:
新規顧客開拓を促進し、売上基盤を広げる。
-
検討したリスク:
短期的な売上目標のみに執着し、顧客との長期的関係を疎かにする可能性
-
インセンティブ制度の内容決定:
月間新規顧客数+契約後1年以内の継続率を複合的に評価
付与するインセンティブ:
1年後の継続率が基準を超えた際に追加ボーナスや特別休暇を付与-
公平性の担保:
各部署ごとに役割を整理し、「この部署は見込み顧客に情報提供する」「別部署は実際の契約手続きをフォローする」というように数値目標にどう貢献できるかを可視化
step4.インセンティブ制度の運用を決める
インセンティブ制度がどのように運用されるかも大切です。
どのように成果を決定し、条件や内容、どのタイミングで反映されるのかを明確にします。
具体的な運用例(新規獲得インセンティブの場合)
月次での成果確認とポイント付与
- 毎月末に、営業部・インサイドセールス・サポート部門合同で新規顧客の獲得数・契約数を報告し合う。
- 事前に定めた指標(新規顧客数、契約継続率など)をもとに、個人・チームごとに獲得ポイントを算出。
- ポイント数に応じて月末~翌月頭に金銭報酬、特別休暇などを付与。
注意点
- データの正確性: 獲得数や契約数の報告にズレがあると不公平感が生まれるため、CRMなどを使って一元管理し、手動入力のミスを減らす。
- チームワークの確保: 部門間で「報酬のために奪い合い」にならないよう、必要に応じて“チームボーナス”も設定し、協力しながら目標を達成する仕組みを整える。
■参考記事;福利厚生がない企業は今後厳しくなる理由。すぐに導入できる福利厚生
step5.従業員に周知し、経過を観察・分析する
一生懸命制度を決めても活用されなければ意味がありません。
活用されるように周知をしたり、運用後もPDCAを回して常に改善を図っていきましょう。
-
制度決定後:成果の定義・評価基準を慎重に決定したら、全従業員へきちんと周知することが大切です。
- この認識合わせができていないと、従業員の不満やインセンティブの効果を得られません。
- この認識合わせができていないと、従業員の不満やインセンティブの効果を得られません。
-
制度の導入直後:改めて制度の内容や条件等を従業員へ周知しましょう。
- 一度周知しただけでは、伝わらなかったり、関心を持たない従業員もいるため、工夫して周知することを心がけましょう。
- 一度周知しただけでは、伝わらなかったり、関心を持たない従業員もいるため、工夫して周知することを心がけましょう。
-
運用を開始後:従業員の声や効果などを観察・分析することも欠かせません。
- やる気をもって取り組んでいるか、マンネリ化していないかなどの確認を常にすることが大事です。
自社にとって最適な制度にするために、分析結果をもとに改善を続けていきます。
- やる気をもって取り組んでいるか、マンネリ化していないかなどの確認を常にすることが大事です。
■参考記事; 失敗しない人事評価制度の作り方。よくある失敗例や運用に必要なポイント
インセンティブ制度の導入事例
インセンティブ制度を導入している企業は多くあり、先行事例として参考になります。
ここでは、メルカリをはじめとした5つの企業の導入事例をピックアップしました。
メルカリ|ピアボーナス制度「mertip(メルチップ)」で組織力向上
フリマアプリ「メルカリ」の運営会社である株式会社メルカリは、ピアボーナス制度である「mertip(メルチップ)」を導入しています。
従業員同士のコミュニケーションにインセンティブを組み合わせることで、「一個人ではなく組織として働いている」という意識を強化できる点がメルチップの魅力。
物質的インセンティブとしての面だけでなく、従業員同士で認め合う評価的インセンティブの側面もあります。
導入から約2年後の2020年8月には、メッセージの累計数が100万件を突破しています。日々、従業員同士でのやりとりを深めています。
参考:贈りあえるピアボーナス(成果給)制度「mertip(メルチップ)」を導入しました。|mercan (メルカン)
パーソルプロセス&テクノロジー|残業ゼロの従業員にインセンティブ
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社では、「いかに残業をせずパフォーマンスを上げられるか」を指標としたインセンティブ制度を導入しています。
これは残業ゼロで、なおかつ生産性の高い社員に対し残業代20時間分に相当する報奨金を支払う制度です。
インセンティブ制度では成果や業績が指標になりがちですが、「いかに残業をせずにパフォーマンスを上げられるか」を指標にしたのは特徴的な取り組みだといえるでしょう。
参考:残業ゼロの社員にインセンティブを支給生産性高く活躍する社員を賞賛し、長時間労働を抑制|パーソルプロセス&テクノロジー
リクルートジョブズ|GIB(Goal In Bonus)の導入で最大30万円の報奨金贈答
株式会社リクルートジョブズは、「GIB(Goal In Bonus)」というインセンティブ制度を導入しています。
これは、目標を達成することで報奨金が支給されるインセンティブ制度のこと。目標内容は、会社が3ヶ月ごとに決定しています。
報奨金は、最大で1人あたり30万円。
シンプルなインセンティブ制度ですが、その分従業員のモチベーションも上げやすいでしょう。
OWNDAYS|社内通貨システム「スタパ」を導入
メガネやサングラスを販売する「OWNDAYS(オンデーズ)」は、社内独自の通貨システム「スタパ」を導入。
各種商品や旅行、アミューズメント体験と交換できるマイルを貯められる仕組みとなっています。
マイルは専用の投稿フォームへの投稿や社員同士での付与、システムへのログインといったシチュエーションで貯められるのが特徴。
その他、月の売上達成や昇進、無遅刻無欠勤など様々な条件を達成することでマイルが貯まる仕組みとなっています。
これにより、店長やエリアマネージャーはもちろんその他の従業員のモチベーションアップにも成功。
ゲーム感覚でマイルを貯めたり、従業員同士のコミュニケーションツールとして活用したりと、様々な広がりをみせています。
カヤック|サイコロの出目だけインセンティブが与えられる「サイコロ給」
「面白法人」として、ユニークな採用制度や事業プロデュースを導入しているカヤック。同社では、毎月の固定給にサイコロの出目分(%)のインセンティブが加算される「サイコロ給」を導入しています。
例えば、月給30万の従業員がサイコロの6の出目を出した場合、30万円×6%=18,000円が月給へ加算されます。「人の評価を過剰に気にしすぎることなく、面白く働いてほしい」という思いを込めて、インセンティブ制度にも遊びを取り入れています。
インセンティブ制度導入で検討したいおすすめサービス
インセンティブ制度は、自社内で設計・導入することも可能ですが、外部のサービスを利用するという方法もあります。
最後に、おすすめサービスを2つ紹介します。
リロクラブ「ポイント型インセンティブ」
株式会社リロクラブの「ポイント型インセンティブ」は、ポイントを付与して業務の成果やプロセスを評価するインセンティブ制度です。
業務成果やプロセス以外にも、勤続表彰や健康促進、改善提案回数といった様々なシチュエーションでポイントを付与できるのが特徴。
柔軟な制度設計が叶います。「従業員の誕生日をお祝いする」といった設計も可能で、社内のコミュニケーションツールとしてもご活用いただけます。
インセンティブ制度導入をお考えの方はリロクラブの「ポイント型インセンティブ」をご検討ください。
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Unipos「Unipos」
出典:Unipos
Uniposは、Unipos株式会社が開発したピアボーナス制度を導入できるサービス。
従業員同士で、感謝や称賛のメッセージを添えたポイントを送り合えるのが特徴です。
SNSのタイムラインのような投稿フォームになっており、「誰がどんなことを頑張っているのか」「どんなことに取り組んでいるのか」という情報が一目でわかるようになっています。
Uniposの詳細は、以下のページからご確認ください。
インセンティブ制度で生産性・企業価値を向上しよう
インセンティブ制度は、うまく運用すれば従業員のモチベーション向上だけでなく、生産性や企業価値の向上にもつながります。
ただし、制度を導入すれば自動的に効果が出るわけではありません。
成果を出すには、施策の設計・運用・見直しを適切に行うことが不可欠です。
「手間がかかりそう」「コストやリソースに余裕がない」と後回しにしてしまうと、従業員のやる気や組織への帰属意識はなかなか育ちません。
だからこそ、今回紹介した内容を参考に、自社に合ったインセンティブ制度の導入を前向きに検討してみてください。
特に、ゼロから制度を構築するのが難しい場合は、コストを抑えて利用できるインセンティブサービスの活用がおすすめです。
生産性の向上、利益率の改善、そして企業価値の向上を実現する第一歩として、ぜひご活用ください。
制度設計や導入方法でお悩みの方、コスト面が気になる方は、ぜひリロクラブまでお気軽にご相談ください。
下記のボタンから簡単にお申し込みいただけます。
また、インセンティブ制度だけでなく、福利厚生についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。