ホワイト企業認定とは?その必要性と取得のメリット
ホワイト企業認定とは、次世代に残すべき優良企業(ホワイト企業)を評価・認定し、企業価値の向上を支援する制度です。
今回は、このホワイト企業認定の必要性や取得することのメリットなどを解説します。
近年、企業が直面する課題の解決策としても有効と考えられます。認定基準や評価項目、認定までの流れも説明していますので、参考にしてみてください。
目次[非表示]
- 1.ホワイト企業認定とは
- 1.1.ホワイト企業認定が必要とされる背景
- 1.2.ホワイト企業認定取得のメリット
- 2.ホワイト企業認定基準と取得までの流れ
- 2.1.ホワイト企業認定基準
- 2.2.ホワイト企業認定取得までの流れ
- 3.ホワイト企業アワード
ホワイト企業認定とは
ホワイト企業認定とは、労働者の働き方や価値観が多様化する中で、人々がいきいきと働けるホワイト企業を増やしていくために誕生した認定制度です。
一般財団法人 日本次世代企業普及機構(ホワイト財団)が主催、運営しています。 このホワイト企業認定が必要とされる社会的背景を説明します。
ホワイト企業認定が必要とされる背景
長時間労働や仕事の負荷、職場での人間関係による労働者のメンタルヘルス不調、労働災害、訴訟や処分などが増加し社会問題化していることで、"ブラック企業" という言葉も流布するようになりました。
労働者も企業が「ブラック」か「ホワイト」かに注目し、働く場所としては当然、ホワイト企業を選択しようとしています。 しかし、「ブラック」か「ホワイト」かの判断には、やはり客観的な根拠が必要です。
ホワイト企業認定の評価基準には、働き方改革で求められる7つの指標がバランスよく盛り込まれており、労働者にとって働きやすい組織運営をしていることを客観的に確認することができます。 ホワイト企業認定では、将来的なビジョンや計画を明確にもち、継続的に実践されているかについての審査項目が盛り込まれています。
ですので、ホワイト企業認定を受けた企業は、現代の労働者の就労価値観やニーズにもフィットしていると考えることができます。 そのような理由から、ホワイト企業認定を取得していることは求職者へのアピール材料、またはその企業で働いている労働者の誇りやモチベーションを喚起できます。
つまり、ホワイト企業認定を取得することは人材確保や定着率向上という課題解決策にもなり得るのです。 この認定制度の存在によって、どのような取り組みをする企業がホワイト企業なのかが具体的になります。ホワイト企業も増え、企業の在り方についての社会認識も向上させるでしょう。さらに、ブラック的企業経営を抑制する役割も果たしていくものと考えます。
※ホワイト企業認定と経済産業省が運営する健康経営優良法人認定制度「ホワイト500」とは、異なる認定制度です。
■参考記事;ホワイト500とは?健康経営優良法人認定制度の評価ポイントと認定基準
ホワイト企業認定取得のメリット
ホワイト企業認定を取得することによって、さまざまなメリットが期待できます。
メリット1.採用活動に大きな成果
近年、選択肢の増えた求職者は業界や職種だけでなく、企業のことをより深く知り比較検討するようになっています。とくにブラック企業でないか、福利厚生は充実しているかなど、仕事内容と同じくらい労働環境への注目度も高まっています。
客観的な評価のもとホワイト企業認定を受けていることは、企業アピールのひとつになります。求職者に向けて健全な組織運営をし、安心して働ける企業であることを伝えることができます。
メリット2.人材定着率の向上
ホワイト企業認定は7つの認定指標があり、一定基準を満たす企業だけが取得できるものです。現状だけでなく将来的な取り組みの提示や目標も必要です。必然的に労働環境を整備するためのさまざまな施策を考えて、実施していくことになります。
その取り組みの一つひとつが労働者にとってもメリットとなっていくはずです。また、全員で一丸となり良い組織となるための実践を続けることは帰属意識やモチベーションの喚起にもつながります。 ホワイト企業で働いているという納得感が、人材定着率の向上に寄与していくでしょう。
メリット3.自社課題の明確化
ホワイト企業認定は、7つの認定指標についてバランスよく取り組みが行われていなければ取得することができません。 認定取得に向けて審査を受けることで、取り組みが不十分である項目、今後力を入れて取り組むべき項目を可視化することができます。
これらを改善していくことで、より働きやすく、優秀な人材が定着する企業となっていきます。
メリット4.生産性の向上
ホワイト企業認定を取得できるということは、継続的に労働者の安全と健康、仕事で活躍できる環境、個人が尊重されている企業だということです。
さまざまな側面から審査が行われますが、その目的は企業が認定を受けることではなく、企業とその組織に属する労働者が相互に向上することです。 労働者が安心感と健康な心身をもって働ける労働環境が整備され、そのための取り組みの改善・継続に尽力する企業であれば、生産性の向上も期待できるでしょう。
メリット5.顧客満足度の向上
ホワイト企業認定の審査基準には、企業のビジネスの安定性なども含まれています。ホワイト企業認定を取得していることにより、顧客にもアピールすることができ、顧客満足度の向上が期待できます。
メリット6.企業イメージの向上
ホワイト企業認定企業には、事業運営のさまざまなシーンで活用できる認定マークが付与されます。企業のホームページやパンフレット、採用時の求人広告などで認定マークを活用していけば企業イメージの向上が図れます。
ホワイト企業認定基準と取得までの流れ
では、ホワイト企業認定を取得するための認定基準と取得までの流れを確認していきましょう。
ホワイト企業認定基準
ホワイト企業認定には、7つの認定指標が設けられています。
- ビジネスモデル/生産性
- ワーク・ライフバランス
- 健康経営
- 人材育成/働きがい
- ダイバーシティ&インクルージョン
- リスクマネジメント
- 労働法遵守
各指標に設けられた項目に対し、一定基準(点数)を満たしていることが条件です。企業規模にあわせて認定基準に緩和条件を設けることで、公平に審査をしています。
さらに、審査点数で高い水準の取り組みを実施する企業を評価するために、5段階の認定ランクを設けています。
■参考記事;ワーク・ライフ・バランス推進のメリットや必要性を解説
■参考記事;健康経営は、将来に向けた投資。メリットと実践ポイントを詳しく解説
ホワイト企業認定取得までの流れ
では、ホワイト企業認定を取得するまでの流れをみていきましょう。
ステップ1.WEB審査を受ける
「ホワイト企業認定審査」より審査を受けていただきます。
ステップ2.WEB審査の結果をフィードバック
各項目が点数で表示されますので、自社の状況・弱み・強みがわかります。
ステップ3.仮認定/書類審査
1.のホワイト企業認定審査(WEB審査)の段階で、認定基準を満たしていた場合「仮認定」となり、その後、書類審査に進んでいただきます。
ステップ4.認定
- ホワイト企業認定マーク
- ホワイト企業認定プレート
- ホワイト企業認定証
を付与、贈呈いたします。 認定マークは名刺やHP等に、認定証書や認定プレートは社内やエントランス等に飾っていただき貴社PRにご活用ください。
参考:ホワイト企業認定の流れ・採点方法・認定料|一般財団法人 日本次世代企業普及機構
ホワイト企業アワード
一般財団法人 日本次世代企業普及機構(ホワイト財団)は、毎年、ホワイト企業アワードを開催しています。ホワイト企業アワードは、ホワイト企業であるために高い意識をもち、積極的に施策や取り組みを行っている企業を表彰するイベントです。 過去の受賞履歴をみると、大企業に限らず中堅中小企業の受賞も数多くみられます。ホワイト企業認定の理念に共感し普及に協力できる企業であれば、法人・個人事業主を問わず応募できるのも特徴です。
2021年度のホワイト企業アワードは11月にオンラインでの開催が決定しております。
【予告】第7回ホワイト企業アワード 開催概要
- 開催日時:2021年11月25日(木)14時~17時30分
- 場所:オンライン開催
- エントリー受付:8月30日(月)
- エントリー締切日:10月22日(金)
- 表彰部門(予定):生産性向上部門、ワーク・ライフバランス部門、ダイバーシティ&インクルージョン部門、働きがい部門、健康経営部門、福利厚生部門
毎年多くの企業が自社の取り組みをPRするべくエントリーしており、注目度の高さがうかがえます。 ホワイト企業アワードの審査基準は、「将来性」「独自性」「再現性」「社会性」です。受賞企業からは、採用面での手応えを感じるという声も多く、今後の企業課題を解決する効果が期待できそうです。