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人的資本経営と従業員エンゲージメントの関係性|重要性や向上させるメリット・施策例を徹底解説!

人的資本経営を実現させるためには、従業員エンゲージメントの向上が必要です。 従業員エンゲージメントが低い企業は、離職率が高く生産性が低い傾向にあります。人を資本として捉える人的資本経営を実現させるためには、資本である従業員のエンゲージメントを向上させる施策が必要不可欠です。

「人的資本経営を実現させたいけど、何から始めるべきかわからない」という企業は、まず従業員エンゲージメントを向上させる施策を実行しましょう。

本記事では、人的資本経営と従業員エンゲージメントの関係性について、求められている理由とメリットを交えて詳しく解説します。 従業員エンゲージメントを向上させる施策例と注意点も併せて解説するため、最後まで読んで人的資本経営の実現に役立ててください。

目次[非表示]

  1. 1.人的資本経営とエンゲージメントの関係とは?
    1. 1.1.人的資本経営とは?
    2. 1.2.エンゲージメントとは?
    3. 1.3.従業員エンゲージメントの向上が人的資本経営の実現につながる
  2. 2.人的資本経営と従業員エンゲージメントの重要性
    1. 2.1.人的資本経営が求められている理由
    2. 2.2.従業員エンゲージメントの向上が求められている理由
  3. 3.人的資本経営を実現させるために知っておくべき要素
    1. 3.1.人的資本経営の重要指標「ISO30414」とは?
    2. 3.2.伊藤レポートの「3P・5Fモデル」とは?
  4. 4.人的資本経営でエンゲージメントを向上させるメリット
    1. 4.1.安定した人材の確保につながる
    2. 4.2.従業員のパフォーマンスを向上できる
    3. 4.3.ESG投資にて評価される
  5. 5.従業員エンゲージメントを向上させるポイント
    1. 5.1.現状のエンゲージメントを把握する
    2. 5.2.企業への帰属要因を把握する
    3. 5.3.成果を評価する社内風土を構築する
    4. 5.4.ライフワークバランスを充実させる
  6. 6.人的資本経営における従業員エンゲージメントを向上させる施策例
    1. 6.1.社内コミュニケーションの活性化
    2. 6.2.フレックスタイム制やテレワークの導入
    3. 6.3.ポジション公募制の導入
    4. 6.4.健康経営の実施
    5. 6.5.福利厚生の充実
  7. 7.従業員エンゲージメントを向上させる際の注意点
    1. 7.1.従業員エンゲージメントの向上に絶対解はない
    2. 7.2.従業員エンゲージメントの向上を最終目標にしない
    3. 7.3.長期的な戦略として取り組む
  8. 8.人的資本経営を実現させるなら「リロクラブ」にお任せ!
    1. 8.1.福利厚生アウトソーシングサービス
    2. 8.2.健康支援サービス
  9. 9.人的資本経営を実現させるために従業員エンゲージメントを向上させよう!

人的資本経営とエンゲージメントの関係とは?

人的資本経営とエンゲージメントの関係性は深く、お互いが両立していることが必要不可欠です。 従業員エンゲージメントを向上させることで、人的資本経営の実現に近づけます。

2018年に国際標準化機構(ISO)が人的資本情報開示のガイドライン「ISO30414」を公表したことにより、ESG投資の観点から人的資本を大切にする経営理念が注目されました。

2020年には米国証券取引委員会(SEC)で上場企業に対する人的資本の情報開示が義務化され、海外で人的資本経営に取り組む企業が増加しました。

さらに日本でも経済産業省が「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」を立ち上げ、従業員エンゲージメントの向上が人材戦略に求められるポイントだと取り上げています。

人的資本経営を実現させるには従業員エンゲージメントの向上が不可欠であり、企業としては双方を実現させるために対策を講じる必要があります。


人的資本経営とは?

そもそも人的資本経営とは、社内の従業員を人的資本として捉え、人材獲得・育成に投資する経営戦略です。 人材のスキルアップや知識習得を重視することにより、代替の効かない人的価値が向上し、組織を中長期的に成長させる好循環が生まれます。

従来の年功序列制や終身雇用制の経営戦略では、人材をコストや消費する資源として扱っていました。 しかし、それに対して人的資本経営では人材を資本として扱うため、従業員のパフォーマンスを最大化し企業の生産性を向上させることが可能です。


エンゲージメントとは?

経営戦略で使われるエンゲージメントとは、従業員エンゲージメントのことを指します。 従業員エンゲージメントとは、従業員と企業の相互理解・相思相愛度を指す指標です。

具体的には、従業員が企業に対してどれだけ愛着があるか、貢献したいと思えるかなど、仕事や組織に対する情熱・愛着心が該当します。

従業員エンゲージメントが高いほど、従業員は企業に貢献しようとパフォーマンスを発揮し、生産性向上につながります。

反対に従業員エンゲージメントが低い場合は、従業員のモチベーションが低下しており、離職率の増加や生産性が低下するリスクがあります。 従業員エンゲージメントは、組織内のパフォーマンスを発揮し生産性を向上させるために重要です。


従業員エンゲージメントの向上が人的資本経営の実現につながる

従業員エンゲージメントの向上が人的資本経営の実現につながります。 なぜなら、従業員エンゲージメントが高い組織では、従業員が自ら企業に貢献しようと人的資本を高める効果が期待できるからです。

経済産業省が公表した「持続的成長に向けた長期投資(ESG・無形資産投資))研究会報告書 」の「伊藤レポート 2.0」では、従業員エンゲージメントの向上が人的資本経営につながる相乗効果が記載されました。

  • 従業員エンゲージメントを向上させる施策を実施する
  • 従業員エンゲージメントが向上し、生産性・離職率などの事業KPIに好影響をもたらす
  • 人的資本経営が実現する
  • 従業員エンゲージメントが向上する

上記のように従業員エンゲージメントを向上させる施策を実施すれば、人的資本経営の実現につながります。

さらに従業員を資源として大切に扱う人的資本経営の実施により、従業員エンゲージメントが再度向上するプラスのサイクルが生まれます。


人的資本経営と従業員エンゲージメントの重要性

人的資本経営と従業員エンゲージメントの向上が求められている理由には、現在の社会情勢・企業としての在り方の変化が背景にあります。

人的資本経営を実現するべきか悩んでいる企業は、人的資本経営と従業員エンゲージメントの重要性を把握するため、それぞれが求められている理由を確認しておきましょう。


人的資本経営が求められている理由

人的資本経営が求められている理由には、次のような社会情勢の変化が関係しています。

  • 産業構造が変化しているから
  • 人的資本経営の情報開示が求められているから
  • 少子高齢化に伴い労働人口が減少しているから
  • ダイバーシティが拡大しているから

それぞれの理由を解説します。人的資本経営の重要性を理解して、施策を実施するべきか検討してください。


産業構造が変化しているから

産業構造が変化していることが、人的資本経営が求められている理由です。 第一産業である農業・林業や、第二次産業である建設業・製造業などのシェア率は年々減少しており、第三次産業であるサービスや無形商材を扱う仕事が増加しています。

内閣府が公表している「令和2年度の経済活動別のGDP構成比」によると、各産業のシェア率は次のとおりでした。

経済活動
シェア率
第一次産業
1.0%
第二次産業
25.9%
第三次産業
73.1%

参照元|内閣府「令和2年度の経済活動別のGDP構成比」

第三次産業のシェア率が7割を超えており、サービス業における比重が増加しています。 第一次産業や第二次産業のように製品や商品の質が重視されるのではなく、第三次産業ではサービスを企画・提供する人材の質が重視されます。

そのため人的資本経営によって、従業員のスキルアップ・知識習得を促し、高精度なサービス提供を実現させることが大切です。


人的資本経営の情報開示が求められているから

人的資本経営が重視されている理由は、情報開示が求められているからです。現在は欧米社会を中心に、人的資本経営の情報開示が一般化しています。

2020年11月にSEC(米国証券取引委員会)が上場企業を対象に、人的資本の情報開示を義務付けました。 SECの情報開示では、国際標準化機構(ISO)が定める「ISO30414」がガイドラインとして適用され、欧米社会を中心に人的資本に関する情報開示が広まっています。

国内では内閣官房が2022年8月30日に「人的資本可視化指針」を公表し、各社企業に向けて人的資本の情報開示を推奨しています。

参照元|非財務情報可視化研究会「人的資本可視化指針」


非財務情報である人的資本の開示で、ESG投資を重視する投資家への関心を高められます。 人的資本経営の情報を開示している企業は、投資家の注目・関心を集めて出資を募りやすいです。 投資家からの出資を集めて社会的信用を高めるためにも、人的資本経営が重要です。


少子高齢化に伴い労働人口が減少しているから

人的資本経営が注目されている背景には、少子高齢社会に伴う労働人口の減少が関係しています。

少子高齢社会が加速する現在では労働人口が不足しており、競合各社で優秀な人材を獲り合う人材獲得競争が繰り広げられています。 優秀な人材ほど労働条件や待遇の良い企業に就職するため、企業としては人材獲得に向けて社内体制を整備しなければなりません。

人的資本経営は、人材を資本として捉え従業員の成長を促す取り組みを行うため、就職活動を行っている求職者からすると働きやすい経営方針です。 さらに人的資本経営は、新規の人材獲得だけでなく現在就業している既存の人材を育成・定着させられます。 深刻な人材不足が続く現在では、採用力強化と定着率向上が企業の重要課題です。

離職を防止し優秀な人材を獲得したい企業は、人的資本経営を実現させましょう。


ダイバーシティが拡大しているから

ダイバーシティが拡大していることも、人的資本経営が求められている背景に挙げられます。

ダイバーシティとは多様性を意味します。ビジネスシーンでも短時間勤務やテレワーク・フレックスタイム制など多種多様な働き方が増えてきました。

人的資本経営では人材を資本として捉え成長させ、従業員がモチベーション高く働けるように、柔軟な対応や環境の整備を行います。多種多様な人材が自分に合った働き方で仕事に取り組めるため、高いパフォーマンスを発揮できます。


従業員エンゲージメントの向上が求められている理由

人的資本経営を実現させるためには、従業員エンゲージメントの向上が必要です。向上が求められている理由を理解して、それぞれ対策することが求められます。

従業員エンゲージメントの向上が求められている理由は次のとおりです。

  • 国内のエンゲージメント状況が悪いから
  • 企業に変化が求められているから
  • 離職率や生産性に関わるから

なぜ従業員エンゲージメントを向上させる必要があるのか、それぞれ理由を解説します。


国内のエンゲージメント状況が悪いから

従業員エンゲージメントの向上が求められている理由は、国内のエンゲージメント状況の低さにあります。

そもそもエンゲージメントが高い従業員はモチベーションや生産性が高く、離職率が低い傾向にあります。 しかし、アメリカの世論調査を行うギャラップ社が実施した2023年度の「従業員の意識調査」によると、日本国内のエンゲージメント状況は悪いことが判明しました。

調査内容
日本国内
世界平均
仕事に誇りを持っている
33%
63%
仕事にやりがいを感じている
37%
69%
会社に貢献したいと思っている
37%
68%
仕事に積極的に関わっている
39%
71%
エンゲージメントスコア
20点
34点

参照元|2023 年版 ギャラップ職場の従業員意識調査:日本の職場の現状


さらに95%の従業員が「職場で生き生きと活躍できていない」と解答しており、25%近くが「まったくエンゲ ージしていない従業員」で、企業の評判を落とすようなふるまいをしているという結果が出ています。

人的資本経営を実現させるためにも、まずは従業員エンゲージメントを向上させなければなりません。


企業に変化が求められているから

不確実で将来的な安定が難しい「VUCA」時代を生き残るには、企業が常に変化し成長していく必要があります。

「VUCA」とは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取った略語で、複雑に変化し続ける予測困難な状況のことです。従業員エンゲージメントの向上が求められている背景には、企業に変化が求められている現在の社会情勢が関係しています。

「VUCA」時代を生き残るために、企業は常に成長し続けなければなりません。 従業員エンゲージメントが低い状態では、社会情勢が変化したり新規事業を立ち上げたりと、新たな挑戦が求められた際にパフォーマンスを発揮できません。

なぜなら従業員エンゲージメントが低い状態では、企業や仕事に対して低いモチベーションで取り組んでいるため、乗り越えることが困難な壁に直面した際に成果を発揮できないからです。

従業員エンゲージメントが高い状態だと、新規事業を立ち上げる際にも従業員が高いモチベーションで仕事に取り組めます。


離職率や生産性に関わるから

離職率や生産性に関わることも関係しています。企業に愛着があり情熱を持って仕事に取り組める状態だと、高いパフォーマンスを発揮して生産性を向上でき、従業員が能動的に仕事へ取り組むため離職率が低下します。

人材不足の課題を解決し、企業の生産性を向上させるために、従業員エンゲージメントを高める施策が求められています。


人的資本経営を実現させるために知っておくべき要素

人的資本経営を実現させるために、企業担当者は次の要素を知っておくべきです。

  • 人的資本経営の重要指標「ISO30414」
  • 伊藤レポートの「3P・5Fモデル」

「ISO30414」と伊藤レポートの「3P・5Fモデル」は、人的資本経営を実現させるために欠かせない重要な要素です。 それぞれの要素について解説します。


人的資本経営の重要指標「ISO30414」とは?

「ISO30414」は、人的資本経営の重要指標となるガイドラインです。 国際標準化機構(ISO)が2018年に作成した人的資本経営の重要指標であり、次の11領域の情報開示が定められています。

11領域の項目
概要
1.コンプライアンスと倫理
企業のコンプライアンスと倫理に関する測定指標
2.コスト
人件費や採用費など
3.ダイバーシティ
労働力やリーダー層の多様性に関する測定指標
4.リーダーシップ
管理職の数や従業員の管理職に対する信頼度など
5.組織文化
従業員のエンゲージメントや満足度など
6.組織の健康・安全・福祉
労災の比率や研修参加率など
7.生産性
売上高・収益・EBIT・ROIなど
8..採用・異動・離職
ポジション別の空き状況や候補者の数、ポジションを埋める人材の比率など
9.スキルと能力
人材開発に費やす予算や内容など
10.後継者育成
後継者のカバー率や準備率など
11.労働力確保
従業員数・外部労働力・求職者数など

参照元|ISO「ISO 30414:2018」

各領域の情報を収集し分析することにより、人的資本経営の達成状況を可視化できます。


伊藤レポートの「3P・5Fモデル」とは?

「3P・5Fモデル」とは、「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」で座長を務めた伊藤邦雄氏による「伊藤レポート」で定義された人材戦略の枠組みです。 「3つの視点(Perspectives)」と「5つの要素( Factors)」を示しており、簡単にまとめると次のような意味合いを持ちます。

  • 3Pとは「人的資本経営において欠かせない3つの視点」
  • 5Fとは「人的資本経営において欠かせない5つの要素」

引用元|経済産業省「人的資本に関する研究会 報告書〜人材版伊藤レポート2.0〜」


経済産業省が公開した「人材版伊藤レポート2.0」では、人的資本経営を成功させるためのポイントとして3P・5Fの重要性が記載されています。 3P・5Pモデルを構成している要素は、具体的に次のとおりです。

「3Pモデルの構成要素」

  • 経営戦略や人材戦略と連動しているか
  • ビジネスモデルや経営戦略が現時点での人材戦略に与えるギャップを把握しているか
  • 組織や個人の行動が反映され企業文化としての定着しているか


「5Pモデルの構成要素」

  • 人的資本経営が多種多様な人材が活躍できる環境を構築できているか
  • 人の多様性が対話やイノベーション、事業のアウトプットにつながる環境であるか
  • 目標としている将来と現代のギャップを埋めれているか
  • 多種多様な人材が個を主張し意欲的に活動しているか
  • 時間や場所にとらわれない働き方ができているか


各要素を押さえることで、人的資本経営を実現できます。人的資本経営に取り組む際には、3P・5Pモデルを意識して施策を実行しましょう。

より詳細はコチラの記事も参照してください。


人的資本経営でエンゲージメントを向上させるメリット

人的資本経営でエンゲージメントを向上させれば、次のようなメリットを得られます。

  • 安定した人材の確保につながる
  • 従業員のパフォーマンスを向上できる
  • ESG投資にて評価される

それぞれのメリットを確認して、人的資本経営に取り組むべきか検討しましょう。


安定した人材の確保につながる

人的資本経営でエンゲージメントを向上させるメリットは、安定した人材の確保を実現できることです。

従業員エンゲージメントを向上させる施策を実行すれば、従業員が働きやすくスキルアップできる環境を整えることが可能です。また従業員の定着率が向上すれば、新たに人材を確保し育てるための採用コストや育成コストを削減できます。

深刻な人材不足が問題視される労働人口が減少した社会では、安定した人材の確保は企業にとって重要な課題です。

人的資本経営でエンゲージメントを向上させれば、安定した人材の確保につながるため、人材不足の課題を解決できます。


従業員のパフォーマンスを向上できる

従業員のパフォーマンスを向上させるために、人的資本経営によって従業員エンゲージメントを高める施策が必要です。 従業員のエンゲージメントを向上させれば、従業員がモチベーションを高く持って仕事に取り組むため、高いパフォーマンスを発揮します。

個々の従業員のパフォーマンスを最大化できれば、組織内の生産性を向上させることができます。

さらに生産性の向上で業績がアップし、従業員の給与や待遇へ還元できます。結果的に従業員エンゲージメントをさらに高めることになるため、より高いパフォーマンスを発揮する好循環へつなげることも可能です。


ESG投資にて評価される

人的資本経営でエンゲージメントを向上させれば、ESG投資にて評価されます。

人的資本経営の強化で、ESGの「Social(社会)」と「Governance(ガバナンス)」の評価が高まり、投資家たちの関心を集められます。 さらに従業員エンゲージメントが向上すれば、組織内の生産性が向上し売上が増加するため、企業の社会的評価を高めることが可能です。

人的資本経営でエンゲージメントを向上させることによって、ESG投資にて評価される組織づくりへつながります。


従業員エンゲージメントを向上させるポイント

従業員エンゲージメントを向上させるポイントとして、次の4つを押さえておきましょう。

  • 現状のエンゲージメントを把握する
  • 企業への帰属要因を把握する
  • 成果を評価する社内風土を構築する
  • ライフワークバランスを充実させる

それぞれのポイントを押さえておき、社内の従業員エンゲージメントを向上させましょう。


現状のエンゲージメントを把握する

従業員エンゲージメントを向上させるためには、まず現状のエンゲージメントを把握することが大切です。 現状のエンゲージメントを把握しておくことで、目指すべき目標とのギャップを可視化し対策を講じられます。 エンゲージメントを把握するためには、次の測定方法がおすすめです。

  • 従業員エンゲージメントサーベイ
  • 従業員パルスサーベイ

従業員エンゲージメントサーベイとは、従業員に半年から1年ほどの周期でアンケートを実施して、働きやすさや仕事への熱意・企業への信頼性などを測定する方法です。

また従業員パルスサーベイでは、週1回や月1回など短期間に現状のエンゲージメントを調査します。従業員の負担が大きくならないように、10〜15問程度の簡単な質問でエンゲージメントを測定します。

現状のエンゲージメントを把握して課題を解消するための対策法を実施することが、従業員エンゲージメントを向上させるポイントです。


企業への帰属要因を把握する

従業員エンゲージメントを向上させるために、企業への帰属要因を把握しましょう。 従業員が組織に帰属する際には、次のいずれかの方向性に魅力や共感を感じたときです。

エンゲージメントを左右する組織の帰属要因(4P)
Philosophy(目標の魅力)
Profession(活動の魅力)
People(組織の魅力)
Privilege(待遇の魅力)
明確な理念
事業優位性
風通しの良い風土
最先端の設備
経営計画
事業領域の広がり
若手の活躍
納得感のある給与
企業の成長性
仕事のやりがい
魅力的な先輩
福利厚生
ブランド
商品サービス
経営陣の魅力
就労実態

上記の帰属要因をすべて揃えることは難しいため、自社に求められる要因を強化して、従業員エンゲージメントを向上させる必要があります。

「自社に不足している帰属要因は何か」「現在の従業員が魅力に感じている帰属要因は何か」など、企業への帰属要因を把握してエンゲージメント向上のために必要な施策を考案しましょう。


成果を評価する社内風土を構築する

従業員エンゲージメントを向上させるポイントとして、成果を評価する社内風土の構築が必要です。従業員が自らの成果を評価される環境を整えれば、仕事に対するモチベーションが向上します。 成果を評価する社内風土を構築するためには、次のような対応が必要です。

  • 人事評価制度の見直し
  • 上司や同僚からの感謝・称賛
  • チャレンジができる環境の用意
  • 成果に対して適切に評価する風土の構築

従業員の仕事を適切に評価する人事評価制度を設けて、上司や同僚から感謝・称賛される風土を構築しましょう。

従業員が能動的にチャレンジができる環境を整え、成果に対して適切に評価する風土を構築すれば、エンゲージメントを向上させられます。


ライフワークバランスを充実させる

ライフワークバランスを充実させることも大切です。長時間労働や休日出勤によって従業員のライフワークバランスが悪い環境では、従業員エンゲージメントを向上できません。

反対に従業員のライフワークバランスを充実させれば、高いパフォーマンスを発揮させられます。これを達成するには、テレワークやフレックスタイム制などといった勤務を柔軟にできる制度などの導入がおすすめです。 他にもライフワークバランスに関する研修やセミナーを実施して、従業員の意識を高める方法も効果があります。


人的資本経営における従業員エンゲージメントを向上させる施策例

人的資本経営を実現させるためには、従業員エンゲージメントを向上させる施策を実施するべきです。 具体的な施策例として、次のようなものが効果的です。

  • 社内コミュニケーションの活性化
  • フレックスタイム制やテレワークの導入
  • ポジション公募制の導入
  • 健康経営の実施
  • 福利厚生の充実

それぞれの施策例を参考に、従業員エンゲージメントを向上させるための施策を実施しましょう。


社内コミュニケーションの活性化

人的資本経営における従業員エンゲージメントを向上させる施策として、社内コミュニケーションの活性化が効果的です。 社内コミュニケーションを活性化させれば、従業員同士のつながりが深まります。組織内のつながりが強まると、従業員が企業のために貢献しようとエンゲージメントを向上させ、高いパフォーマンスを発揮してくれます。 さらに社内コミュニケーションの活性化は、離職の防止や円滑な情報共有を実現できるため、生産性を向上させることが可能です。

なお社内コミュニケーションを活性化させる具体的な方法として、次のような施策が効果的です。

  • フリーアドレス制の導入
  • リフレッシュスペースの設置
  • コミュニケーションツールの導入
  • 1on1ミーティングの導入
  • 社内イベントの実施
  • 社内サークル・部活の導入
  • 社内食堂・カフェスペースの設置
  • 社内報の実施

社内コミュニケーションを活性化させる施策を実施して、従業員エンゲージメントを向上させましょう。


フレックスタイム制やテレワークの導入

フレックスタイム制やテレワークを導入すれば、従業員のワークライフバランスを充実させてエンゲージメントを向上できます。

従業員エンゲージメントを向上させるには、ワークライフバランスの充実が重要であり、フレックスタイム制やテレワークのような柔軟な働き方が求められます。 仕事とプライベートを両立できる環境の提供により、従業員のモチベーションを向上させて高いパフォーマンスを発揮させることが可能です。

また従業員からすると、フレックスタイム制やテレワークが導入されることにより、働きやすい環境を用意してくれた企業に貢献したいと愛着心が生まれます。


ポジション公募制の導入

ポジション公募制の導入もおすすめです。ポジション公募制とは社内公募制度とも呼ばれる施策で、人材が不足している部署が社内で募集をかける制度を指します。 人材が不足している部署・仕事に興味がある従業員が、自ら応募して異動するため、自分がやりたい仕事に就けるメリットがあります。

自分の興味のある部署・仕事に就けるため、従業員エンゲージメントを向上させることが可能です。 この施策を行うことによって、現在の部署ではモチベーションが上がらなかった従業員も、ポジションチェンジによりパフォーマンスを最大限に発揮できる可能性があります。


健康経営の実施

人的資本経営で従業員エンゲージメントを向上させたい場合は、健康経営の実施も検討しましょう。 健康経営は、従業員の健康維持・増進を目的とする経営戦略で、人材を資本として扱う人的資本経営と相性が良いです。

従業員の健康を維持・増進する体制を整えることで、人材を大切に扱う企業だと従業員から好感を持たれます。 健康経営は従業員エンゲージメントの向上につながる経営戦略なので、人的資本経営を実現させたい企業におすすめです。


福利厚生の充実

従業員エンゲージメントを高めるためには、言うまでもなく福利厚生を充実させることも大切です。 福利厚生を充実させれば、従業員のワークライフバランスを向上させて働きやすい社内風土を構築できます。

従業員は働きやすい企業に勤めたいと考えるため、福利厚生を充実させれば定着率・採用力を強化できます。

また福利厚生を充実させて成果を評価する制度を整えれば、従業員エンゲージメントの向上が可能です。 人的資本経営における従業員エンゲージメントを向上させるために、従業員のニーズに沿った福利厚生を導入しましょう。


従業員エンゲージメントを向上させる際の注意点

人的資本経営を実現させるために、従業員エンゲージメントを向上させる際の注意点を押さえておきましょう。 従業員エンゲージメントを向上させる際の注意点は、次のとおりです。

  • 従業員エンゲージメントの向上に絶対解はない
  • 従業員エンゲージメントの向上を最終目標にしない
  • 長期的な戦略として取り組む

それぞれの注意点を確認して、人的資本経営に取り組む際の参考にしてください。


従業員エンゲージメントの向上に絶対解はない

人的資本経営に取り組む際は、従業員エンゲージメントの向上に絶対解は存在しないため注意しましょう。 エンゲージメントは企業と従業員の関係性を示す指標であり、「どのような関係であるべきか」の最適解は企業によって異なります。業界や企業規模・部署など、組織の状態によってエンゲージメントの最適解は異なるため、自社の課題や従業員から求められるニーズに応じた施策を実施してください。


従業員エンゲージメントの向上を最終目標にしない

従業員エンゲージメントの向上を最終目標にすると、企業が求める目標に到達できない可能性が出てきてしまいます。 従業員エンゲージメントを向上させる際には、「生産性の向上」や「離職率の低下」など企業によって目標が定められています。あくまで従業員エンゲージメントの向上は、企業ごとに定めた目標を達成するための施策であり、最終目標ではありません。

いずれの企業も最終的には業績や企業価値の向上を目指す必要があるため、従業員エンゲージメントの向上を最終目標にしないよう注意してください。


長期的な戦略として取り組む

従業員エンゲージメントを向上させる際は、長期的な戦略として取り組む必要があります。 従業員エンゲージメントがある程度高まった段階で「この程度で十分か」と、安心して取り組みを辞めてしまってはいけません。

事業環境や社会情勢の変化、従業員のコンディション・社内体制の変化によって、従業員エンゲージメントは変動します。 従業員エンゲージメントの向上を目指すなら、エンゲージメントが常に変化することを理解して、長期的な戦略として取り組むよう注意してください。


人的資本経営を実現させるなら「リロクラブ」にお任せ!

人的資本経営を実現させたいなら「リロクラブ」にお任せください。 リロクラブは福利厚生のアウトソーシングサービスと、健康経営を推進する健康支援サービスを提供しています。

従業員エンゲージメントを向上させて人的資本経営を実現させるために、リロクラブのサービスを利用しましょう。 福利厚生サービスと健康支援サービスの概要をそれぞれ解説します。従業員エンゲージメントを向上させるために導入を検討してください。


福利厚生アウトソーシングサービス

リロクラブの福利厚生アウトソーシングサービスは、導入企業数19,200社・会員数710万人の実績を誇るサービスです。

低コストで充実した福利厚生の構築が可能で、煩雑な業務や間接人件費をかけずに従業員エンゲージメントを向上できます。

従業員とそのご家族が利用できる福利厚生の導入で、ワークライフバランスの実現や従業員の自己啓発をサポートします。 幅広いサービスから企業のニーズに合った福利厚生を選べるため、従業員満足度・健康増進も期待できます。

コストパフォーマンスの高い福利厚生アウトソーシングサービスを探している方は、リロクラブへお気軽にご相談ください。 https://www.reloclub.jp/fukuri/fukurikouseiclub/


健康支援サービス

リロクラブでは、多種多様な健康支援サービスで健康経営をサポートしています。 健康支援サービスは、従業員の心身の健康を保持・増進させるサービスが充実しており、企業で働く従業員のエンゲージメントを向上できます。 リロクラブの健康支援サービスは、大きく分けて次の4つです。

  • Relo健康サポートアプリ
  • 健康診断代行サービス
  • Reloエンゲージメンタルサーベイ
  • メンタルヘルスケアサービス

従業員の健康を計測し改善するRelo健康サポートアプリや、健康診断代行サービス・メンタルヘルスケアサービスを提供しており、企業の健康経営実現をサポートできます。 さらにReloエンゲージメンタルサーベイは、ストレスチェックとエンゲージメントサーベイが同時にできるサービスで、健康経営と従業員エンゲージメントの測定が可能です。 従業員エンゲージメントを向上させ人的資本経営を実現するために、健康経営に取り組みたい企業は、リロクラブの健康支援サービスを導入しましょう。 https://www.reloclub.jp/health/

人的資本経営を実現させるために従業員エンゲージメントを向上させよう!

人的資本経営を実現させるためには、従業員エンゲージメントを向上させることが大切です。 従業員エンゲージメントは、従業員が企業にどれだけ愛着心を持って貢献したいと考えているか、働きがいや企業における信頼性を示しています。人的資本経営は人材を資本として捉える経営戦略なので、従業員の定着性向上やスキルアップが重要な課題です。

​​​​​​​ 従業員エンゲージメントを向上させれば、離職を防止し従業員が能動的に成果を出そうと、高いパフォーマンスを発揮してくれます。 人的資本経営を実現させるために従業員エンゲージメントを向上させたい企業は、現在のエンゲージメントを測定して、課題を解消するための施策を実行しましょう。

RELO総務人事タイムズ編集部
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RELO総務人事タイムス編集部です。 本メディアは、「福利厚生倶楽部」の株式会社リロクラブが運営しています。 「福利厚生倶楽部」の契約社数は19,200社、会員数710万人という規模で、業界シェアNo.1を誇ります。 従業員満足を追求する人事や総務、経営者の皆様にとって少しでも有益になる情報を発信していきます。

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