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ウェルビーイング測定の4つの指標|測定方法やツール・重要性も解説

従業員の健康をサポートし、組織作りや企業価値を高めるウェルビーイング。国が推し進める働き方改革の推進に伴って、多くの企業で導入されつつあります。

本記事に辿り着いた方は、ウェルビーイングが企業価値やブランディング、また採用力の向上に有効だと感じてはいるでしょう。しかし、どのように効果を測定して経営に活かせられるか、測定方法が分からないと思っているのではないでしょうか。

本記事では、ウェルビーイングを定量的に測定・評価する4つの指標を解説します。また測定ツールや重要性も紹介するため、ぜひ自社のウェルビーイング施策に活かしてみてください。

目次[非表示]

  1. 1.ウェルビーイングとは
    1. 1.1.なぜウェルビーイングが注目されているのか
    2. 1.2.デジタルウェルビーイングも注目されている
  2. 2.ウェルビーイング測定に役立つ4つの指標
    1. 2.1.ギャラップ社の指標
    2. 2.2.PERMAモデル
    3. 2.3.世界幸福度ランキング
    4. 2.4.OECD(経済協力開発機構)の指標
  3. 3.ウェルビーイングの測定方法
    1. 3.1.アンケートを実施する
    2. 3.2.ツールを活用する
  4. 4.企業とウェルビーイングの重要性
  5. 5.ウェルビーイングの測定結果を向上させるには
    1. 5.1.労働環境を見直す
    2. 5.2.福利厚生を充実させる
    3. 5.3.健康経営を推進する
    4. 5.4.コミュニケーションを活性化させる
    5. 5.5.生活習慣をサポートする
  6. 6.ウェルビーイング経営を成功させた企業事例
    1. 6.1.トヨタ自動車株式会社
    2. 6.2.株式会社デンソー
    3. 6.3.積水ハウス株式会社
  7. 7.ウェルビーイング向上なら「リロクラブ」が伴走してサポート
  8. 8.ウェルビーイングを的確に測定しビジネスに活かそう


ウェルビーイングとは

ウェルビーイング(Well-Being)とはビジネスにおいては経営の指針として用いられ、従業員の健康や高いエンゲージメント、組織づくりや企業の存在意義の達成を目指す言葉です。「幸福」や「健康」という意味を持つ英語からきています。

世界保健機関(WHO)憲章では「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます」と定義されています。

出典:世界保健機関(WHO)憲章とは 

なぜウェルビーイングが注目されているのか

ウェルビーイングが注目されているポイントは下記のとおりです。

  • 働き方改革の推進
  • 多様性を認める社会
  • SDGsの目標に掲げられている
  • 新型コロナウイルスの感染拡大

働き方改革の推進やコロナの影響にともなって、テレワークやフルフレックスタイム制度が導入されるようになりました。これと同時にライフスタイルに合わせた働き方が広く認知されるようになり、多くの就業者にも支持されるように変化しています。

さらに、国連サミットで採決されたSDGs(持続可能な開発目標)でも、目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標8「働きがいも経済成長も」、目標16「平和と公正をすべての人に」など、多くのSDGs目標にウェルビーイングと関連する目標が掲げられています。

社会において多様性の許容が求められる中で、従業員の健康や幸福度を高めるウェルビーイング思考は、今では必須の考え方や経営方法といえるでしょう。

デジタルウェルビーイングも注目されている

2018年5月にGoogleが提唱した「デジタルウェルビーイング(Digital Wellbeing)」は、テクノロジーとのバランスをコントロールしてメリットを享受するための取り組みのことです。

昨今よく聞く「SNS疲れ」「スマホ依存」などが、デジタルやテクノロジーとのバランスが取れていない状態を指します。

アメリカ精神医学会(APA)の調査によると、スマホを頻繁に取り出す人ほどストレスを多く抱えているといいます。

本調査ではスマホやネットへの依存が健康に与える悪影響を指摘しており、この解決策としてデジタルデトックスなどが、デジタルウェルビーイングを向上させるための方法として注目されているのです。

SNS依存やスマホ依存は人とのつながりを求めるあまり、逆に孤独や不安など鬱状態を助長してしまいます。テクノロジーはこれからもより進化するため、従来のアナログなウェルビーイングに加えて、デジタルに適応するウェルビーイングもまた重要視されるといえるでしょう。

参照:Stress in America Coping with Change|APA

ウェルビーイング測定に役立つ4つの指標

本章では、ウェルビーイング測定に役立つ指標を4つ紹介します。

  • ギャラップ社の指標
  • PERMAモデル
  • 世界幸福度ランキング
  • OECD(経済協力開発機構)の指標

それぞれ解説します。

ギャラップ社の指標

世論調査やコンサルティングなどを行っているギャラップ社では、ウェルビーイングを下記の指標に則って計測しています。

ギャラップ社の指標
Career well-being
総合的なキャリアの幸福度
Social well-being
人間関係に関する幸福度
Financial well-being
経済的な幸福度
Physical well-being
心身に関する幸福度
Community well-being
地域社会での幸福度

それぞれの指標に基づいて、ウェルビーイングを推進することが可能です。例えば、それぞれの項目ごとに10点満点で評価し、どれくらい点数を獲得できたかを計測し、足りない項目に沿った対策や施策を検討します。

具体的には、総合的なキャリアの幸福度である「Career well-being」が低ければ、仕事を通じて経験やスキルなどを蓄積して自己実現を図っていくプロセスが困難な状況だと判断できるでしょう。

このような不足を企業がサポートするには、仕事で有利になる資格取得のバックアップや、適材適所に人員を再配置したりする施策が有効です。

PERMAモデル

PERMAモデルは、ポジティブ心理学分野で研究している米国の心理学者セリグマン博士によって、ウェルビーイングの概念として考案されたフレームワークです。

PERMAモデル
P(Positive emotion)
ポジティブな感情・心身の健康
E(Engagement)
没頭や没入・エンゲージメント
R(Relationship)
良好な人間関係・社内の雰囲気
M(Meaning)
モチベーションや意義・生産性
A(Accomplishment)
達成感や満足感・報酬の安定感

PERMAのそれぞれの要素は、健康・活力・仕事満足度・生活満足度・コミットメントとの間に正の相関があります。これらに積極的に取り組むことでウェルビーイングが高まり、メンタルの悪化が軽減することが知られています。

世界幸福度ランキング

国連の持続可能開発ソリューションネットワーク(SDSN)が発表する世界幸福度調査(World Happiness Report)ランキングも参照しましょう。 生活に関する幸福度の評価が0〜10までの11段階で行われています。ランキングで評価される項目は下記のとおりです。

世界幸福度ランキングの優先事項
physical and mental health
身体的および精神的健康
human relationships 
人間関係
income and employment
収入と雇用
character virtues, including pro-sociality and trust
向社会性や信頼関係、人格形成など
social support
ソーシャルサポート
personal freedom
個人の自由
lack of corruption
汚職や不正のない平等さ
effective government
効果的な政府指導

2023年の発表では、2020年〜2022年のコロナ期間であった3年間が対象でしたが、結果はフィンランドが6年連続で1位を記録し、日本は2022年の54位から7ランク伸ばし47位という結果でした。

参照:World Happiness Report 2023|SDSN

この指標を活用して企業がサポートできる項目は、表の上から3つの項目が該当します。

  • 身体的および精神的健康
  • 人間関係
  • 収入と雇用

身体・精神の健康や人間関係、収入と雇用は、そのまま労働環境や業務内容などに直結するでしょう。また、向社会性(相手の気持ちを理解・共感し自分よりも相手を尊重する心情や行動)や信頼関係も、そもそもの就業状態や収入の安定といった環境があるからこそ実現できる内容です。

そのため企業側では、面談や1on1のヒアリング、アンケートなどを通して、従業員の抱えている悩みや漠然とした不安を聞き出し、社会的に安定した生活や豊かさを実現できるような取り組みを実現することがポイントです。

OECD(経済協力開発機構)の指標

38ヶ国の先進国が加盟する国際機関であるOECD(経済協力開発機構)が2011年より開始した「OECDより良い暮らしイニシアチブ(OECD Better Life Initiative)」は、ウェルビーイングの分析のための研究プロジェクトです。

「より良い暮らし指標(BLI, Better Life Index)」と呼ばれるウェルビーイング指標の分析や公表、傾向とその要因に関する理解を深めるための施策を実施しています。 その指標となるのが下記の図です。

OECD「良い暮らしイニシアチブ」
物質的生活状況
住宅
所得と富
雇用と収入
生活の質
社会とのつながり
教育と技能
生活の質
環境の質
市民生活とガバナンス
健康状態
主観的幸福
個人の安全
仕事と生活のバランス

※一部抜粋 大きく分けて物質的生活状況・質1・質2の3大要素から成り立ち、ウェルビーイングを測定します。 これらの指標をアンケートに取り入れて、従業員の健康や生活の質の実態を数値化して計測することが可能です。

参照:第2章 諸外国における子供の貧困に関する指標の状況(2.4.1)|内閣府

参照:経済協力開発機構(OECD)|外務省

ウェルビーイングの測定方法

本章では、実際にウェルビーイングを測定する2つの方法について解説します。

  • アンケートを実施する
  • ツールを活用する

それぞれ詳しく解説します。

アンケートを実施する

1つ目が、自社でウェルビーイング測定に役立つ4つの指標を取り入れたアンケートを作成し、実施する方法です。アンケート作成のポイントは、私生活も含めた質問項目を作ること。仕事と私生活両方の観点から、現在の幸福度がどのくらいあるか可視化しましょう。

ただし、アンケートを自作・実施することは自社にフォーカスした内容で取り組みやすい半面、効果的な作成が難しく、リソースもかかるのがデメリットです。

そのため、実際に作成するアンケートの例として、富山県で暮らしている方を対象としたアンケートを記載しておきます。文面や構成を元にアレンジして活用してください。

参考:富山県生活満足度アンケート 下記にアンケート作成時によくある問題への対処法を紹介します。

社内アンケートで本音を引き出すためには?

「バックオフィスに見られるから評価に関わるのではないか」と心配する従業員も少なくありません。このため、アンケートでは本音を最大限引き出す必要があります。 従業員の意見や考えを正確に把握するためのポイントは以下の3つです。

  • 目的を明確にする
  • 匿名方式で実施する
  • 回答リスクを伝える

まずは、実施するアンケートがウェルビーイングを測定するためのアンケートだということを明確化します。人は何の調査かが分からなければ、本気で取り組むべきなのか分からず、結局本音を引き出せずに終了してしまいます。

また、過去の習慣や風習により「本音を言っても相手にしてもらえない」「結局変わらない」と思われては意味がありません。そのためにも、企業側が本気な姿勢を見せ、目的を明確化して伝えることが重要です。

次に、回答は匿名で行うのがベター。プライバシーの保護や忖度などを回避するためにも、匿名方式のアンケートが適しています。 最後に回答リスクも事前に伝えましょう。回答リスクとは、たとえ匿名でもアンケート結果から個人が判明してしまうリスクのことです。

個人が判明したときに人事評価に加味されるかなどをアンケート内容に盛り込んでおくとよいでしょう。加味しないことがもちろん前提ですが、評価に関わるのか否かを記載しておくことは非常に重要です。

アンケートの作り方は?

本章ではアンケート作成のコツを3つ紹介します。

  • 心理的な効果を知っておく
  • 回答の順番を考える
  • リッカートスケールを使う

まずは、アンケートを回答する際に発生する心理的な要因について知っておきましょう。

心理バイアス
質問文が特定の回答を誘導するような内容だと、本音とは異なる回答をすること
正解バイアス
回答者が自分に求められている回答を予測して本音とは異なる回答をすること

上記のように、2つの心理的作用を発生させないような設計が必要です。 そのためには、回答の順番を考えて、より回答者の本音を引き出しやすい内容にすることがポイント。

前回の質問の答えと、次の質問の答えは意識的に相互作用してしまいます。そのため、重要な質問は連続して続けないような順番設定が重要です。 また、回答の選択肢は「リッカートスケール」が多く採用されています。

「まったく満足していない」から「大変満足している」のような選択肢が複数設定されている回答方法のことです。 選択肢の数は5つが一般的ですが多い場合は、最大で7つを目安にしましょう。中央値を設定することで、回答者の心理的負担を減らし、より本音を引き出しやすくする効果が期待できます。

ツールを活用する

2つ目はツールを活用する方法です。ツールを導入すれば、手間やコストをかけずに簡単に測定が可能です。 主なツールを3つ紹介します。

  • MEASUREMENT幸福度計測
  • WELL-BEING CHECK Plus
  • PERMA診断(PERMA-Profiler)

MEASUREMENT幸福度計測

MEASUREMENT幸福度計測は、アンケートをするだけで回答者の幸福度がわかるサービス。アンケートはブラウザ上で実施でき、インターネット環境があればどこでも手軽に行うことが可能です。

また、測定結果をもとにして、ウェルビーイングを向上させるためのガイドも解説されます。それぞれの従業員にあわせた改善策が提示されるため、適切なセルフケアの推進ができることもポイントです。

定期的に利用し、ウェルビーイングの変化を追うことで、長期的な施策として反映できるでしょう。

参考:MEASUREMENT 幸福度計測|一般社団法人ウェルビーイングデザイン

Well-Being Circle

幸福度診断Well-Being Circleは、2021年に利用者数が10万人を突破した「幸せの見える化」サービス。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科ヒューマンラボ(前野隆司研究室)との共同開発で、個人や企業のウェルビーイングを見える化します。

ユーザ情報を登録したあと、72問のアンケートに答えることで32項目のウェルビーイングチェックを実施できます。 また、どのように幸福度を向上させればよいか、学術的な背景を元にアドバイスしてくれることもポイントです。

参考:幸福度診断Well-Being Circle|株式会社はぴテック

PERMA診断(PERMA-Profiler)

ウェルビーイングを測定するPERMAモデルを元に、スタンフォード大学生物学研究員ジュエリー・バトラー(Julie Butler)博士とメルボルン大学社会心理学科准教授のマーガレット・L・カーン(Margaret Kern)博士により開発されたのが、PERMA診断(PERMA-Profiler)です。

紹介するアンケートは、金沢工業大学心理科学研究所が翻訳・作成・公開したものです。 アンケ―トは、登録なしに誰でも無料でウェルビーイングの状態をチェックすることが可能。

ただし、一度ウェブページを閉じると、診断結果を再び見ることはできません。 そのため、診断結果を印刷・スクリーンショットして記録しておくか、エクセルなどで集計する必要があります。

参考:PERMA診断(PERMA-Profiler)|金沢工業大学心理科学研究所

企業とウェルビーイングの重要性

労働人口減少や、定年退職の年齢延長など、長く健康で働くためには適切な職場環境がより重要です。このため、心身の幸福や健康を重視するウェルビーイングの考え方は必須といえます。

下記の図は、経済産業省の発表した就活生や、その親が就職先を選ぶ際にどのような企業に就職したいかを示した図です。 参考:健康経営の推進について|経済産業省ヘルスケア産業課

上記から分かるように、従業員の働き方や健康が重視、配慮された企業へ就職したいとの回答が最多です。次いで、雇用の安定や福利厚生の充実、企業理念・使命に共感できるかやりがいを重要視している結果となりました。

このように、ウェルビーイングを見直すことは、社内の従業員だけにとどまらず外部の潜在的な人材へのアピールにもつながるのです。また、ウェルビーイングを推進することで、人材の流出を食い止め、高いスキルや志をもった有望な人材確保も行えるでしょう。

下記の図は、転職支援や求人情報、アウトソーシングなどを手掛ける総合人材サービス会社のパーソル研究所が発表している情報です。 個人パフォーマンスが上がると組織パフォーマンスも上がることを示しており、個人パフォーマンスと組織パフォーマンスは相互関係にあると証明されました。

上記により、個人の社会的・身体的・肉体的な健康を後押しするウェルビーイングは、お互いにとって正の相乗効果が期待できるということが分かります。

また、同じパーソル研究所のデータでは「幸せを感じない企業だと継続して働く意識が低下、転職意向がアップする」との情報も記載されています。 抜粋:パーソル総合研究所

一方で、幸せを実感できると、継続的に働く意欲が増加し転職する意向もかなり低下する反比例の関連であるとの結果が出ました。

ここからも分かるように、企業価値を高め、永続的な経営や利益の拡充には、従業員の満足度(SE)の向上が最も重要だといえるでしょう。これらの情報を踏まえた上で、社内状況を可視化するためにも自社ウェルビーイングの可視化が重要です。

ウェルビーイングの測定結果を向上させるには

本章ではウェルビーイングの測定結果を向上させる施策を5つ紹介します。

  • 労働環境を見直す
  • 福利厚生を充実させる
  • 健康経営を推進する
  • コミュニケーションを活性化させる
  • 生活習慣をサポートする

それぞれ解説します。

労働環境を見直す

まずは、働く従業員の労働環境の見直しです。経済産業研究所の労働環境における研究結果では「1日の労働時間が10時間半を超えたところから急激に生活満足度が低下する」と発表されています。

参考:労働時間が生活満足度に及ぼす影響|独立行政法人経済産業研究所

また、新型コロナウイルス感染症の影響により労働時間が減少したことで、生活満足度が向上したというデータもあります。

参考:満足度・生活の質に関する調査報告2022|内閣府政策統括官

ここから分かるように、働きすぎるオーバーワークは生産性の低下もさることながら、本人の生活における満足度が著しく低下するため、ウェルビーイングで改善するべき点であるといえます。

福利厚生を充実させる

2つ目は、福利厚生の拡充を図ることです。福利厚生には下記のような取り組みが挙げられます。

  • 食事の補助
  • 手当や家賃補助
  • 健康的な活動へのインセンティブ
  • 社内託児所の設置
  • リフレッシュ休暇の導入
  • 教育費用補助
  • 宿泊施設やレジャー施設の割引クーポンなど

さまざまな施策を導入することで、従業員のエンゲージメントやウェルビーイングの向上が見込めるでしょう。 また、株式会社学情が就活中の学生に行ったアンケートでは下記のような結果が出ています。

自身の「ウェルビーイング」を追求するために重視している点
休日休暇・勤務時間に関する制度
61.0%
福利厚生
54.8%
企業の雰囲気社風と相性
55.0%

参考:あさがくナビ2024|株式会社学情

アンケートでは、労働環境が整っていることの次に、福利厚生がしっかりしている企業を重視していると回答。同アンケート内では、ウェルビーイングを推進している企業は「好感が持てる」と回答した学生が9割を超えています。

ここからも分かるように、企業に求めるウェルビーイング施策は今後も重要視されると予想できるでしょう。企業活動を続けるためにも、全労働者が求める福利厚生の充実を図れば、おのずとウェルビーイング指標も向上していきます。

福利厚生ならば企業側も導入しやすく、節税対策として行えるほか制度を活用して補助金などを受け取ることも可能です。外部サービスを使う事で、費用も安く手軽に福利厚生を拡充できるため、リソースを割かずにウェルビーイング向上に一役かってくれるでしょう。

健康経営を推進する

健康経営とは、従業員の健康を守るために企業が実施する施策のことです。また、健康経営には健康経営優良法人認定制度が導入されているため、評価がわかりやすいこともポイントといえます。

健康経営を推進することはウェルビーイング経営そのものにつながる大きな施策です。経済産業省が公表しているガイドラインを活用して推進すれば、自社を可視化できるため役立つでしょう。

参考:経済産業省 健康投資管理会計ガイドライン

あわせて読みたい:健康経営は、将来に向けた投資。メリットと実践ポイントを詳しく解説

コミュニケーションを活性化させる

2020年にProFuture株式会社(HR総研)が実施した「社内コミュニケーション」に関するアンケート調査によると、社内のコミュニケーションに課題があると回答した企業割合は全体の80%でした。

「文面やテキストだけだと、意思の疎通や方向性の違いがあった」や「社内コミュニケーション不全には飲み会・ランチが役立った」との結果が発表されています。

参照:HR総研社内コミュニケーションに関するアンケート結果報告|HPpro

コミュニケーションが充実し活性化されれば、自身の意見を受け入れてくれる環境が構築されることで、気兼ねなく働ける環境が整います。それにより、会議の場でも活発な意見交換につながるでしょう。

生活習慣をサポートする

取り組みやすい食事や生活習慣をサポートすることもウェルビーイング向上の施策の1つです。食事や禁煙など、身近な生活習慣を企業側でもサポートすることでウェルビーイングにつながります。

食事で従業員の健康をサポートした好事例では、味の素株式会社、ヤフー株式会社などがあげられます。一方の喫煙の成功事例では、アクサ生命保険株式会社、中外製薬株式会社、株式会社ワコール・ホールディングスなどが主な成功事例として紹介されています。

詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

食事の健康経営のイロハ|導入のコツやメリット、他社事例を紹介 健康経営において禁煙推進は必要なのか?導入の流れやポイントを解説

ウェルビーイング経営を成功させた企業事例

本章では、ウェルビーイング経営を成功させた企業事例を3社紹介します。

トヨタ自動車株式会社

日本最大手の自動車メーカー、トヨタでは「トヨタフィロソフィー」を対外的に公表。 トヨタのミッションである「幸せの量産」を中心軸に、従業員はもちろん世界中の人たちが幸せになるモノやサービスの提供を明示しています。 具体的な取り組みは下記のとおりです。

  • 肩こり解消チャレンジをアプリの実施
  • 「健康レッスン」の受講推奨
  • ワークライフバランスの推奨など

株式会社デンソー

自動車部品メーカーのデンソーでは「一人ひとりにウェルビーイングな日常を」をコンセプトに積極的なウェルビーイング経営に取り組んでいます。

  • 定期健康診断結果の見える化
  • 各現場に「健康リーダー」配置など

データ結果と実際の業務を鑑みて、リーダーが現場に合った施策を実行することが特徴です。

積水ハウス株式会社

大手住宅メーカーの積水ハウスでは「『わが家』を世界一幸せな会社にする」を掲げ、さまざまな施策を実行しています。

  • 男性従業員の育児休業1ヵ月以上の完全取得
  • 育児・介護・不妊治療などとの両立支援など

住宅メーカーならではの「キッズ・ファースト企業」としてウェルビーイングを推進し、取り組みを一層加速させていくとしています。

ウェルビーイング向上なら「リロクラブ」が伴走してサポート

ウェルビーイング向上には、福利厚生代行サービスではトップクラスの満足度を誇る「リロクラブ」へのご相談がおすすめです。

リロクラブの中でも「複利厚生倶楽部」は、主に宿泊、育児、介護、グルメ、レジャー、リラクゼーション、自己啓発など、各サービスを制限なく利用できる会員サービスです。

また、リロクラブではさまざまなサービスを展開しているため、福利厚生やウェルビーイングのセミナーを活用することも可能です。

人気タイトルは「お酒との付き合い方セミナー」や「睡眠の質向上セミナー」「メタボ対策プログラム」などがあります。実際に取り組みやすく、実生活に活用できるセミナーが多いため、よりウェルビーイングを身近に取り入れ、社内で定着させることが可能です。 ぜひ、興味のある方は「リロクラブ」へお問い合わせください。

ウェルビーイングを的確に測定しビジネスに活かそう

ウェルビーイングを的確に測定するためには、自社アンケート調査を行うかツールを導入するかの2択です。

自社アンケートを作成する際には正確に調査するためのポイントを押さえることが重要です。また、ツール導入には、全従業員が参加でき、漏れのないように導入作業を進めましょう。さらに、調査から判明した自社ウェルビーイングに足りない点を補完できるような施策を推進する実行力も必要になってきます。

社内で新しいルールづくりを画策することや、ウェルビーイング向上に繋がりやすい福利厚生の導入などを通して、自社のブランド力や企業価値・人材確保につなげていきましょう。

RELO総務人事タイムズ編集部
RELO総務人事タイムズ編集部
RELO総務人事タイムス編集部です。 本メディアは、「福利厚生倶楽部」の株式会社リロクラブが運営しています。 「福利厚生倶楽部」の契約社数は19,200社、会員数710万人という規模で、業界シェアNo.1を誇ります。 従業員満足を追求する人事や総務、経営者の皆様にとって少しでも有益になる情報を発信していきます。

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