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キャリアマネジメントとは何か?基礎知識や実施手順、具体的な施策

現代では、企業が従業員のキャリアマネジメントをしていくという考え方が定着しつつあります。

企業がキャリアマネジメントを正しく理解し従業員に実践させることが、結果的に企業の持続的成長の促進につながると言ってもよいでしょう。

労働市場の変化や技術革新が進む中、企業の競争力を維持するためには、従業員のキャリアを適切にサポートすることが求められているのです。
 
では、企業は従業員のキャリアのサポートをどのように行っていくべきでしょうか。

この記事では、キャリアマネジメントの基本から、企業が行う具体的な施策まで詳しく解説します。

キャリアマネジメントについての理解を深めて、従業員への支援を実践していきましょう。

目次[非表示]

  1. 1.キャリアマネジメントに関する基礎知識
    1. 1.1.キャリアマネジメントとは
    2. 1.2.キャリアマネジメントの必要性
    3. 1.3.バウンダリーレスキャリアという考え方
  2. 2.効果的なキャリアマネジメントの実施手順
    1. 2.1.キャリアのプランニング
    2. 2.2.スキル開発
    3. 2.3.内省と行動の継続
  3. 3.具体的なキャリアマネジメント施策
    1. 3.1.異動や配置転換
    2. 3.2.面談
    3. 3.3.集合研修
    4. 3.4.eラーニング+LMS(ラーニングマネジメントシステム)
    5. 3.5.スキル開発の支援
  4. 4.効果的なキャリアマネジメントの施策を取り入れよう

キャリアマネジメントに関する基礎知識

従業員のキャリアマネジメントは、企業の成長において重要な要素の1つとなっています。

はじめにキャリアマネジメントとは何かについて解説します。

キャリアマネジメントとは

キャリアマネジメントとは、従業員が自身のキャリア実現に向けて、キャリア形成に計画的に取り組むことを指します。

従来、キャリアマネジメントは従業員自身ではなく、企業が主体となって行うものという認識がありました。

しかし近年は、従業員自身がキャリアパス(自分のキャリアを得るための道筋)を明確に描き出し、企業は従業員の目標達成に向けた支援を行うのが主流となっています。

キャリアマネジメントの必要性

企業が従業員のキャリアマネジメントをサポートする事で、モチベーション向上など得られるメリットがあり、更に従業員からも求められているため、実施する必要があります。

企業が得られるメリット

企業側としては、キャリアマネジメントを通じて、従業員のモチベーションを高めることが出来るため欠かせない要素です。

  • 従業員が自身のキャリアの見通しを立てられれば、将来に対する明確な目標を持つことができ、日々の業務に対する取り組み方もポジティブになります。
    このように、キャリアマネジメントは従業員の意識変革につながる重要な手段として活用されています。
  • また、キャリアマネジメントの推進により従業員の満足度と生産性を同時に向上させることが可能です。
    従業員が自己のキャリアパスに納得感を得ることで、職場への貢献意識が増して、業務に対する熱意や誠実さも高まります。

従業員の働く満足度が高まることで、日々の仕事にも意欲的になり、結果的に生産性が向上して組織全体の成長につながるのです。

従業員からキャリアマネジメントを求められている

一方で、リクルートマネージメントソリューションズの調査結果から、従業員としては、キャリアを「自律・主体的」に形成していきたいと考えています。

    「自律的・主体的なキャリア形成」に関してのアンケート結果で、80%以上が実施したいと思っています。

    更に企業に次の様なキャリアマネジメントを求めている人が多くいることが分かります。

    • 学習支援
    • 配置・異動
    • キャリア相談


    参考情報:【調査発表】若手・中堅社員の自律的・主体的なキャリア形成に関する意識調査 | リクルートマネジメントソリューションズ

    以上の結果から、従業員が企業にキャリアマネジメントを求めているため、必要性を感じることが出来ると思います。

    バウンダリーレスキャリアという考え方

    バウンダリーレスキャリアは、特定の組織や職務に縛られることなく、個人が柔軟にキャリアを構築していく新しい働き方を指します。

    グローバル化や技術革新によって労働市場が急速に変化している現代では、従来の終身雇用の枠組みが崩れつつあり、従業員が自ら主体的にキャリアを切り開くことが求められています

    このような変化の中で、 キャリアマネジメントを成功に導くためには、この概念が欠かせません。

    企業がこの考え方を重視することで、社員が柔軟なキャリア形成を追求しやすくなり、それによって新たな視点やスキルが企業にもたらされます。

    結果的に、これがイノベーションの推進や組織全体の活性化に大きく寄与します。

    具体例として、IT技術者が挙げられます。

    特定の企業に長期間留まるのではなく、複数の企業やプロジェクトを渡り歩く技術者は、多様な経験とスキルを蓄積し、幅広い視野を身につけます。

    その結果、最新の技術革新の最前線で活躍するだけでなく、特定の企業に在籍している期間中においても、イノベーションの創出が期待されます

    企業と従業員が共に成長し、持続可能な関係を築いていくためには、組織内でのスキルや役割に限定されないバウンダリーレスキャリアの考え方を取り入れることが、これからの時代の鍵となるでしょう。

    効果的なキャリアマネジメントの実施手順

    キャリアマネジメントとは具体的にはどのような手順で進めていくのでしょうか。

    取り組みを始める前に、まずは企業がキャリアマネジメントの進め方について理解しておく必要があります。

    ここでは、キャリアマネジメントの効果的な実施手順について説明します。

    キャリアのプランニング

    まずは、対象とする従業員がなりたい姿を明確にするためのプランニングを行います

    キャリアのプランニングは、効果的なキャリアマネジメントを行うための基礎になる手順です。

    キャリアのプランニングでは、以下の二つの目標を設定します。

    1. 長期的な目標
    2. 長期目標を叶えるための短期的な目標

    目標を設定する際は現実的に考えすぎず、理想も取り入れながら行うことが大切です。

    次の様な形で、対象者の目標をヒアリングしつつ、段階的な目標設定をともに、行っていきます。

    事例:営業職から管理職を目指す場合

    1. 長期的な目標設定(5〜10年後):
      • 営業部門のマネージャーや部長職に就き、チームを率いる。
    2. 中期的な目標設定(3〜5年後):
      • リーダーシップ研修やマネジメントスキル向上のためのセミナーに参加する。
      • 小規模なプロジェクトやチームのリーダーに立候補し、マネジメント経験を積む。
      • 営業戦略の立案や実行に主体的に関与し、成果を上げる。
    3. 短期的な目標設定(1〜3年後):
      • 営業成績の向上を目指し、年間目標を達成する。
      • コミュニケーション能力や問題解決能力を高めるための研修に参加する。
      • 業務プロセスの改善提案を行い、業務効率化に貢献する。

    キャリアのプランニングを綿密に行うことで、従業員は自らが思い描くキャリアの目標を認識し、将来進みたい方向性を見直す機会を得られるでしょう。

    スキル開発

    キャリアのプランニングができたら、目標を実現させるためのスキル開発に移ります。

    実現したい目標によって、獲得するべきスキルは大きく異なるため、その人その人に応じて適切なスキル開発プログラムを導入し、従業員の成長を継続的にサポートする必要があります。

    以下に、具体的なスキル開発の事例を職種別に紹介します。

    1. 営業職の場合
      目標: 新規顧客の獲得数を増やす。
      • 必要なスキル:
        • コミュニケーション能力: 顧客のニーズを的確に把握し、信頼関係を構築する。
        • 商品知識: 自社製品やサービスの特徴を深く理解し、効果的に提案する。
      • スキル開発の方法:
        • ロールプレイング研修: 実際の営業シナリオを想定し、同僚と練習することでコミュニケーション能力を向上させる。
        • 商品勉強会の実施: 定期的に商品知識を深めるための勉強会を開催し、最新情報を共有する。
    2. 事務職の場合
      目標: 業務の正確性と効率性を向上させる。
      • 必要なスキル:
        • タイムマネジメント: 業務を効率的に進め、期限内にタスクを完了させる。
        • ITリテラシー: Excelや専用ソフトの活用により、データ管理や分析を効率化する。
      • スキル開発の方法:
        • タイムマネジメント研修: 優先順位の付け方やスケジュール管理の技法を学ぶ。
        • ITスキル講座の受講: Excelの高度な機能や業務ソフトの使い方を習得するための講座に参加する。
    3. 管理職の場合
      目標: チームのパフォーマンスを最大化する。
      • 必要なスキル:
        • リーダーシップ: チームを効果的に導き、目標達成に向けてモチベーションを高める。
        • 問題解決能力: 発生する課題を迅速かつ的確に解決する。
      • スキル開発の方法:
        • リーダーシップ研修: 効果的な指導方法やチームビルディングの技法を学ぶ。
        • ケーススタディ分析: 過去の事例を検討し、問題解決のアプローチを習得する。

    これらの具体例を参考に、従業員一人ひとりの目標と現状のスキルギャップを明確にし、適切なスキル開発プログラムを導入することで、効果的なキャリアマネジメントを実現できます。


    ►より具体的な進め方については、次の記事もご覧ください。

      社員研修プログラムとは|作成6ステップと成功へ導くコツ 社員研修プログラムとは、従業員のスキルや企業価値向上のための必須施策です。研修内容を過不足なくスムーズに受講者へ伝えることが目的です。本記事では、社員研修プログラムの作成ステップや階級別テーマ、成功のコツを紹介します。ぜひ社員研修を活用してリテラシー向上に努めましょう。 株式会社リロクラブ

    ►当社のReloかんたんラニング(LMS)では、従業員に応じた受講プログラムの作成ができて、更に従業員ごとの進捗管理も可能となります。詳細はお気軽にお問合せください。

      Reloかんたんラーニング(LMS)|福利厚生のことならリロクラブにお任せ LMS(学習管理システム)にeラーニングが付帯されているサービスです。教材の視聴履歴や受講状況が把握でき、テスト・アンケートのデータも蓄積できます。 株式会社リロクラブ


    内省と行動の継続

    キャリアのプランニングとスキル開発を繰り返していく過程で、内省は欠かせません

    内省とは、自分と向き合い、考えや行動を省みることです。

    自己評価を定期的に行うと、次の点などを振り返れるため、次の行動に活かすことができます。

    • 何がうまくいったのか
    • どこに改善の余地があるのか

    内省と行動を繰り返すことで、成長のためのサイクルを維持できるのです。
     
    長期的に内省と行動を継続できれば、従業員は自己成長をし続けられ、最終的には長期的なキャリア成功に結びつくでしょう。


    ♦この様に、プランニング(Plan)→スキル開発(Do)→内省(Check)を通じて、次のアクション(Action)を模索し、従業員のキャリアマネジメントのサポートを成功に導きましょう!

    具体的なキャリアマネジメント施策

    ここからは企業が行うべきキャリアマネジメント施策について具体的に解説します。

    異動や配置転換

    異動や配置転換は、従業員のキャリアの幅を広げるための1つの手段です。

    異動や配置転換を通じて、従業員は異なる部門や業務に触れ、多様なスキルや知識を得られるからです。

    新たな部門での業務は、従来の業務にはなかった新しい経験と視点を従業員にもたらします。

    たとえば、企業によっては次の様な施策を行っています。

    • 従業員に希望のキャリアプランやポジションを明確にしてもらい、それに沿った配置転換を行う。
    • 社員の過去のキャリアや実績、現在の専門性や能力、将来の育成方向などの情報を集約管理し、適材適所の人材配置

    こうした経験を積んでいけば、キャリアの幅が広がり、より柔軟な適応力を持った人材へと成長していくことが期待されます。




    ►リロクラブでは、こうした人材配置のミスマッチを防ぐために、データを活用して、組織と人材のマッチ度合いを測る『テキカク』という新たな適性検査を提供しています。

      適性検査『テキカク』 適性検査『テキカク』は、1億以上の組織環境データを元に、​自社や組織にマッチするかどうかを分析・提案するツールです。​ 企業側が一方的に「選別」するのではなく、互いに「テキカク」​であり、必要な人材を「テキカク」に判定します。 株式会社リロクラブ

    少しでも、ご興味あれば、お気軽にお問合せ下さい。

    面談

    面談を通じて上司と従業員がキャリアの目標や進捗状況を共有し確認することで、個々のキャリアプランをより明確して、的確なキャリアマネジメントを可能にします。

    例えば、定期的にフィードバック面談を設定すれば、次の様なマネジメントが可能になります。

    1. 従業員は自らが設定した目標に対するフィードバックを定期的に受けられます。
    2. 面談の中で、目標達成のために欠けているスキルの指摘や、進捗に応じた次のステップを提案すると、従業員はキャリアプランをより明確にできます。
    3. 定期的な面談を通じて従業員のモチベーションを維持しつつ、キャリア成長をサポートすることが可能です。

    適切なフィードバックやサポート体制を確立できれば、従業員は自分の職務に対する責任感と自己効力感を持ち続けられ、これが職場全体の活性化にもつながることが期待できます。

    この様に、定期的な面談実施は、キャリアマネジメント成功に於いて重要な施策となります。

    集合研修

    キャリアマネジメントについて、従業員の理解をより深めさせたい場合、集合研修の一環として取り入れることも一案です。
     
    例えばキャリアマネジメントをテーマにしたグループワークを行う集合研修を企画すれば、従業員同士が意見交換をするため、より考えを深められるでしょう。

    また、外部から講師を呼んでキャリアマネジメントに関するセミナーを実施すれば、従業員にキャリアマネジメントの重要性を効果的に伝えられます。

    eラーニング+LMS(ラーニングマネジメントシステム)

    eラーニングとLMS(ラーニングマネジメントシステム)は柔軟かつ効率的な学びの手段として、現代のキャリアマネジメントにおいて非常に役立つ方法です。

    ※LMS(ラーニングマネジメントシステム)とは、受講者の学習状況を管理できるシステムとなります。

    • 従業員は、時間や場所に縛られずに学習を進められるため、自分のペースでスキルを習得できます。
    • 企業側としては、従業員の受講を管理できる為、オンラインでも適切なキャリアマネジメントを可能にします。

    そして、eラーニングのメリットとして、次の点があります。

    • コースの多様性
    • 新しい情報が常時提供されている

    そのため、従業員は、さまざまな分野やスキルセットに関連するコースを選ぶことができ、自分のキャリアの目標に合わせた学びを深められるのです。

    さらに、LMSと組み合わせることで、企業側は、キャリアマネジメントに必要なプログラムを従業員に受けさせることが出来ます。

    こうしたキャリアマネジメントの取り組みを通じて、組織の競争力を高めることができるのです。



    ►リロクラブでは、安価で、LMSをご提供していて、更に、導入しやすい様に、初期設定で学習コースも兼ね備えています。

      Reloかんたんラーニング(LMS)|福利厚生のことならリロクラブにお任せ LMS(学習管理システム)にeラーニングが付帯されているサービスです。教材の視聴履歴や受講状況が把握でき、テスト・アンケートのデータも蓄積できます。 株式会社リロクラブ

    キャリアマネジメントのサポートに必須ツールのLMSについては、まず、リロクラブにお問合せ下さい。

    【eラーニングに関する参考情報で次の記事もご覧ください】


    スキル開発の支援

    従業員が求めるスキルを獲得できるように企業がサポートすることも、キャリアマネジメント実施において重要な要素です。

    企業が従業員のスキル開発を支援することで、従業員は自らの成長に対する意欲を持ちながら、やりがいを持って働けるでしょう。
     
    具体的には、企業は従業員が新しいスキルや知識を習得できるよう、次の項目を負担することが考えられます。

    • 資格取得のための受講料補助
    • 外部セミナーへの参加費用

    従業員が新しい知識や技術を身に付けることは、個々の成長のみならず、組織全体の業績向上にも寄与します。

    このようにして、スキル開発の支援を通じて従業員のスキルアップをサポートし、企業全体の持続的な成長を実現することが大切です。


    ►これらの補助は福利厚生としてサポートすることが可能になります、詳細は次の記事をご覧ください。

      福利厚生でスキルアップ支援を行うメリット|事例13選 従業員のスキルアップは、定着率の向上やキャリア形成につながる重要な施策です。福利厚生で従業員のスキルアップを支援すれば、人材確保・育成を行い、企業の生産性を向上できます。この記事では、福利厚生でスキルアップ支援を行うメリットを詳しく解説します。 株式会社リロクラブ



    効果的なキャリアマネジメントの施策を取り入れよう

    キャリアマネジメントは、企業と従業員が共に成長するための重要な取り組みです。

    従業員が自身のキャリアを主体的に設計し、企業がそれを効果的に支援することで、モチベーションや生産性の向上、さらに組織全体の競争力強化につながります。

    本記事で解説した基礎知識や具体的な施策を参考に、従業員の成長を促し、企業全体の持続的な発展を実現するキャリアマネジメントの実践に取り組んでみてください。

    ►主体的なキャリア形成を行う為には、ビジョンの共有も欠かせません。次の資料を参考にビジョン浸透についても、アクションしてみてください。


    RELO総務人事タイムズ編集部
    RELO総務人事タイムズ編集部
    RELO総務人事タイムス編集部です。 本メディアは、「福利厚生倶楽部」の株式会社リロクラブが運営しています。 「福利厚生倶楽部」の契約社数は23,500社、会員数1,250万人という規模で、業界シェアNo.1を誇ります。 従業員満足を追求する人事や総務、経営者の皆様にとって少しでも有益になる情報を発信していきます。

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