テレワークで注目されるビジネスチャットの活用法

テレワークで注目されるビジネスチャットの活用法

今や、大小さまざまな企業に導入されているビジネスチャット。テレワークとの相性がよいことから、多様な働き方が求められる現在において、ビジネスに欠かせないツールになりつつあります。

一方で、ビジネスチャットの導入に踏み出せない企業や運用に苦労している企業が多く存在することも事実です。今回は、ビジネスチャットの導入を成功させるための具体的なノウハウを紹介します。

Text by Tetsu Shinohara / 篠原哲

ビジネスチャットとは?

ビジネスチャットは、文字通りビジネスの現場で用いられるチャットツールです。なぜビジネス専用のチャットを導入する必要があるのか、という疑問もあります。その疑問に答えるために、チャットの歴史から紐解いていきます。

チャットの歴史とビジネス専用チャットの誕生

まずは、大まかなチャットの歴史を整理してみましょう。2010年代に入りスマートフォンが急速に普及すると、LINEに代表される個人用チャットの利用が活発化しました。それ以前にもブラウザベースなどのチャットは存在していましたが、スマートフォンの普及によりチャット利用が拡大しました。

その流れに伴い、チャットのもつ手軽さやリアルタイム性がビジネスの現場でも重宝されるようになったことが、現在のビジネスチャットが普及した発端です。個人用チャットが普及しはじめた当時、企業非公認ながら個人アカウントのチャットで仕事のやりとりをしていた経験がある方も多いのではないでしょうか。

しかし、個人用のチャットでは管理面やセキュリティ面でいくつもの問題点があることを忘れてはいけません。特に、個人用チャットでは「いつ」「誰が」「誰と」「どんな内容を」やりとりしていたのかについて、企業側が把握できないという問題が発生します。

もし、企業間の取引や契約を企業が把握できない個人用チャット上でやり取りをされていたとしたら。何か問題が起こっても、企業側が事実を把握できていない以上、その従業員個人を守ることは難しくなります。

これらの問題を解決するため、社内の共通インフラとして導入されているのがビジネス専用のチャットです。

もちろん、セキュリティ機能や管理機能のほかにも、ビジネスに役立つ機能は多種多様で、出退勤の管理や健康管理など、必要に合わせて機能を拡充することができる点もビジネスチャットの特長です。

ビジネスチャットのメリット・デメリット

ビジネスチャットのメリット・デメリット
次に、ビジネスチャットのメリット・デメリットについて、具体的な利用シーンを用いて解説します。

ビジネスチャットのメリット

ビジネスチャットを導入するメリットの一つに、プロジェクトやチームごとにルームを作ることができる点が挙げられます。例えば、あるプロジェクトに途中から参加する場合、現状を把握するために過去のメールを遡って確認していく行為は、とても時間のかかる面倒な作業です。

一方、ビジネスチャットであれば特定のプロジェクトやチームに限定して経緯を追うことが可能です。また、メールよりも文字数が少ないので重要なポイントを見落とすことなく、過去から現在に至るまでの流れを簡単に遡ることができます。

さらに、チャットはメールよりも手軽に発信できるため、発言する人が増え、社内のエンゲージメントが高まることも期待できます。

ビジネスチャットのデメリット

一方で、社外の人とやりとりをする際には適したツールとは言えないかもしれません。ビジネスチャットはメールのように誰とでもやりとりができるわけではなく、やりとりができる人が社内に限定されるからです。どれだけビジネスチャットが普及してもメールがビジネスで利用とされる理由はここにあります。

ただし、やりとりの多い外部の人にはゲストアカウントを作成することで、ビジネスチャットに招待することも可能です。ビジネスチャット導入前に想定される利用シーンを洗い出すことで、より業務に適したビジネスチャットを検討することが運用・定着を左右します。

ビジネスチャットと企業文化の関係

実際にビジネスチャットを利用している人は、ビジネスチャットの導入後、どのような変化を感じているのでしょうか。利用者の声を集めてみました。

ビジネスチャット利用者の声

  • 「部署間・役職間の壁が低くなり、社内がフラットでオープンな組織に変わった」
  • 「若い社員が気軽に発言できるようになった」
  • 「上司の整備した使用ルールが厳しすぎて、社員が疲弊してしまった」
  • 「業務時間外にも通知が止まず、プライベートの時間が奪われてしまった」

これらの声には、共通していることがあります。それは、ビジネスチャットを導入したことで、良し悪しを問わず、企業文化が露呈するようになった点です。では、なぜビジネスチャットの導入で企業文化が露呈してしまうのでしょうか。

ビジネスチャットルールは企業文化を反映する

ビジネスチャットの導入で企業文化が露呈してしまう答えはシンプルです。ビジネスチャットはメールの運用とは異なり、ルールづくりが求められるからです。ルールは企業文化(価値観や行動規範)を反映します。

ビジネスチャットはメールよりも機能が多く、自由度が高いです。それゆえ、ルールが必要です。「口頭で伝えたもの」や「暗黙の了解」もルールになります。むしろ、そのような目に見えないものをルールとしている場合のほうが多いかもしれません。

社内にビジネスチャットルールが浸透していくにつれて、業務効率が格段に上がり、社内のコミュニケーションが活発になる企業(良い文化の露呈)と、夜に連絡してくる上司や事細かに監視をしてくるマイクロマネジメント上司のせいで、スマートワークを目指して導入したツールが社畜ツールに変身してしまう企業(悪い文化の露呈)といった差が浮き彫りになります。

ビジネスチャット導入後に運用で失敗してしまうのは大抵の場合、ビジネスチャット自体の問題ではありません。使い方(ルール=企業文化)が問題です。ビジネスチャットは企業文化を映す鏡です。

では、ビジネスチャット運用を成功させるために、どのような運用が求められるのでしょうか。

ビジネスチャット運用を成功させるためのプロセス

ここでは、ビジネスチャット運用の成功鉄則を下図にまとめています。

ビジネスチャット導入を成功に導くプロセス

肝心な部分はやはり、「目指す企業文化」をビジネスチャットのルール策定と施策に落とし込む部分です。

例えば、夜間でも業務連絡をする上司への不満が出ている場合、

  1. それが組織内のどんな文化に問題があるかを考え
  2. 目指す組織文化を描いたうえで
  3. ビジネスチャットのルール作りと施策へ落とし込んでいきます

ビジネスチャット運用の成功事例

ビジネスチャットでスマートワークを実現したM社の成功事例では、下記のようなルール作り・施策を行っています。

M社のビジネスチャット運用施策・ルール

さらにこの企業では、ビジネスチャットをつかったスマートワークを対外的に発信することで企業文化をアピールし、ブランディングや採用にも大きな影響を与えています。

戦略的なビジネスチャット運営をすることが、企業全体の課題解決をするきっかけになるかもしれません。

ビジネスチャット「JobTalk」

最後に、おすすめのビジネスチャットを紹介します。

リロクラブが提供をしているビジネスチャット「JobTalk」は、シンプルでありながら優れた機能性、強固なセキュリティを兼ね備えたビジネスチャットです。

誰でも簡単に使えるシンプルな操作性を目指して開発されているので、誰もが気軽に使えてフラットでオープンなコミュニケーションを実現します。

ビジネスチャット「JobTalk」

ビジネスチャット「JobTalk」