中小企業でも福利厚生を充実できる!おすすめの福利厚生施策と外部サービス
福利厚生は、工夫をすれば従業員数の規模や資金力に関係なく充実させることができます。働きやすい労働環境づくりを左右する福利厚生の充実度。今回は、中小企業におすすめの福利厚生施策、アウトソーシングサービスを紹介します。
注目! 中小企業におすすめの福利厚生のアウトソーシングサービス
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中小企業でも福利厚生を充実させることができる
充実した福利厚生を用意するには「莫大なお金がかかる」「運用に人手がかかる」というイメージがあるかもしれません。しかし大企業に比べて経済的、また人的に余裕のない中小企業でも、福利厚生を充実させることができます。
福利厚生は管理や運営、見直しが大変
労働者の働き方やライフスタイル、そこから発生してくるニーズ、福利厚生のあり方が大きく変化しています。
そのような中で福利厚生の一つひとつの施策を、中小企業がすべて自社で揃え、管理、運営することは非常に大変です。 また、福利厚生は一度整備したら終わりではなく、時代の変化、従業員の変化に柔軟に対応できるかどうかが重要になってきます。
企業側が福利厚生制度を十分に整備できていると思っていても、従業員が現行の制度に不満をもっているということは細かいところにまで手が回らない中小企業では少なくありません。古い福利厚生制度が使えない制度になっていないかどうかも、見直していくことが必要になります。
最近は、福利厚生のサービスを提供するアウトソーサーの成長や少額でも導入できる施策もあり、中小企業でも柔軟に対応でき、そこまでリソースと費用を割かなくても導入できる福利厚生施策が増えてきています。
福利厚生についてもっと詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
福利厚生とは?人気の種類・導入方法やおすすめの代行サービスを解説!
中小企業におすすめの福利厚生施策
福利厚生を充実させる際に、気になる点が手間と費用です。しかし、手間と費用がかかりそうに思える施策も工夫をすれば、手軽に取り入れることができます。中小企業でも導入しやすい、おすすめの福利厚生施策を紹介します。
飲食関連の施策
社員食堂や食事補助は人気のある福利厚生です。 マンパワーグループが2015年に行った調査によると、実際にあった福利厚生でよかったと思うもの1位は「食堂、昼食補助」で2位が「住宅手当・家賃補助」でした。
しかし、あらためて社内に飲食設備を設置するとなると大がかりになってしまいます。また、テレワークの普及もあり、オフィス出社を前提としない働き方における食事補助も検討しなければなりません。
飲食関連の福利厚生施策は日常密着型で利用率も満足度も高めですから、自社の環境や状況に合わせて、検討してみてください。
飲食関連の施策具体例について、詳しくはこちらをあわせてご覧ください。福利厚生で人気の食事補助。食事補助のサービスの種類と導入方法
育児・介護両立支援関連の施策
育児と仕事の両立をしている労働者は、全体的に増えています。特に育児と仕事を両立する女性は顕著に増えています。 内閣府男女共同参画局の男女共同白書によると、育児休業を取得して就業継続をした女性の割合が昭和60~平成元年の5.7%から平成22~26年には28.3%へと大きく上昇しています。
育児休業などの法規定はすでにありますが、よりきめ細かく柔軟な配慮があると労働者は働きやすくなります。 また、自宅で介護をしながら働いたり、介護施設に親族を預けて働いている労働者も増えてきています。介護のために離職する労働者も一定数おり、企業には介護休業制度を整備していくことが求められています。
参照:改正育児・介護休業法 参考資料集|厚生労働省(PDF資料)
例.ベビーシッター補助
特に都市部では、託児所や保育園の不足が育児と仕事を両立させたい労働者の悩みの種です。ベビーシッターサービスの活用も解決策のひとつになりますが、その費用を企業が援助するという方法があります。
福利厚生サービス代行企業のパッケージサービスの中には、ベビーシッターサービスを割安で利用できるものがあります。臨時的な利用がほとんどであれば、パッケージサービスの利用ではなく、企業が独自に全額補助をする制度を設けるのもよいです。 掛かる費用と優秀な人材が欠けることのリスクを対比して、検討してみてください。
例.介護に対する支援
少子高齢化が進む日本においては、今まで以上に介護と仕事の両立をする労働者が増えていきます。 そこで重要となるのが、企業側の介護休業に対する理解と支援です。 国の「介護休業給付金」という支援制度を利用することで、最大93日間、賃金の67%の支給を受けながら介護休業をとることができます。また、原則無給とはなりますが、5日間の介護休暇についても取得が認められています。
参考:介護休業給付の内容及び支給申請手続について|厚生労働省
しかし、こうした制度があるということを知らない労働者は多く、知っていても長期的な休業となると躊躇してしまうケースもあります。 介護休業制度についてのアナウンスを行い周知するだけでなく、原則無給となる介護休暇についても、企業負担の有給休暇扱いにするような取り組みが理想です。
介護は育児と違って終わりがみえません。それゆえに介護を続けながら働き続ける不安は大きくなります。介護離職のリスクを少しでも低減させるという意味で、検討する価値があるでしょう。
例.勤務時間の柔軟性の拡充
勤務時間をできるだけ柔軟に調整できる制度にしておくことで、労働者は個々の事情に応じた多様な働き方を選択できます。 短時間勤務制度は、法律で義務付けられた代表的な制度です。
短時間勤務制度について、詳しくはこちらをあわせてご覧ください。 【総務人事担当者必読】短時間勤務(時短勤務)とは?制度をわかりやすく解説
ただし、単に短時間勤務制度を導入して、生産性が落ちてしまっては意味がありません。 製造業で従業員数の少ない中小企業であれば、作業工程の見直しやラインの再構築・体制づくり、多能工の育成など少ない人員であっても生産ができる環境を作っておくと、生産性を落とさない両立支援関連の施策の実現性が高まります。
テレワーク関連の施策
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、テレワークを推進する企業が増えてきました。 特に在宅勤務では、本来企業が負担していた様々な費用を労働者側が支出する必要があります。それらを労働者負担とさせないために、テレワーク関連の手当を導入する企業が出てきています。
例.必要な機器を揃えるための費用負担
パソコンやプリンタ、仕事ができる通信環境など、テレワークに必要な環境が揃っていない労働者には、そうした電子機器類の買い足し、通信環境整備のための費用の一部を企業側が負担してあげると、働きやすい労働環境がつくれます。
仕事内容によっては非常にハイスペックな性能のパソコンや高速・大容量のデータ通信が求められる場合もあり、この準備費用を労働者の個人負担にするのは、労働者にとっては非常に痛手です。 これから在宅勤務者を増やしていくことを検討している企業であれば、こうした費用の一部負担や全額負担を検討していくことが求められます。
例.通信費・光熱費支援
パソコンや携帯電話の通信料、光熱費など、普段オフィスにいるときは企業が負担していた仕事に必要な諸経費も、在宅勤務では労働者が負担することになります。
こうした出費に対して在宅勤務関連の手当で支援をしないと、労働者の生活費が圧迫されることとなります。
こうした在宅勤務関連の手当の原資は、通勤手当の固定支給廃止(実費精算)や、残業時間削減によって浮いた残業手当から捻出することが可能です。
■参考記事;通勤手当とは。課税・非課税ルールと今後の働き方を踏まえた上での見直し
中小企業におすすめの福利厚生のアウトソーシングサービス3社
人手や資金に余裕がない中小企業にとっては、福利厚生のアウトソーシングサービスの利用が効果的です。
外部委託するほどの経済的余裕はない、と思われるかもしれません。
しかし、低価格で導入でき、運用にかかる人的負担や費用を抑えられるサービスもあります。中小企業での導入事例も増えています。
中小企業の導入事例がある、代表的な福利厚生代行サービス企業を3社紹介します。
リロクラブ 「福利厚生倶楽部」
福利厚生パッケージサービス「福利厚生倶楽部」を提供しているリロクラブ。「福利厚生倶楽部」は首都圏だけでなく地域の活性化を重視しており、エリアに特化したメニュー開発など地域格差のないサービス提供を常に意識しています。 また、健康経営の推進支援サービスも充実しています。健康改善の取り組み課題をわかりやすく可視化し、健康づくりをサポートする「Relo健康サポートアプリ」や、ストレスチェックをより有効な組織改善と対策機会として活かす組織診断ツール「Reloエンゲージメンタルサーベイ」を提供しています。
基本情報 | |
福利厚生代行参入年 |
1993年9月 |
契約団体数 |
23,500団体(第1位) |
契約会員数 |
1,250万人(第2位) |
月会費 |
従業員1名あたり800円~ (※別途入会金3万円~発生します。) |
ベネフィット・ワン 「ベネフィット・ステーション」
出典:ベネフィット・ワン
福利厚生パッケージサービス「ベネフィット・ステーション」を提供しているベネフィット・ワン。2020年度には、人事のDX化を本格推進するプラットフォーム「ベネワン・プラットフォーム」をリリースしています。人事部門が抱えるデータ活用の課題を解決し、福利厚生や健康経営の実現、人事部門の脱アナログ化・DX化を支援しています。
基本情報 | |
福利厚生代行参入年 |
1996年3月 |
契約団体数 |
13,005団体(第2位) |
契約会員数 |
1,011万人(第1位) |
月会費 |
従業員1名あたり1,000円~ (※別途入会金が発生します。) |
出典:労務研究所 旬刊 福利厚生No.2322 ‘21.6月下旬
* 「旬刊 福利厚生」2021年6月下旬号掲載の数字。ホームページ等に記載されている数字と異なることがあります
リソルライフサポート 「ライフサポート倶楽部」
出典:リソルライフサポート
福利厚生パッケージサービス「ライフサポート倶楽部」を提供しているリソルライフサポート。2021年3月、アドバンテッジリスクマネジメントと資本提携契約を締結。アドバンテッジリスクマネジメントの健康経営・両立支援とリソルの総合的福利厚生が一体化し、従業員エンゲージメント向上のための共通基盤の構築が進められています。
基本情報 | |
福利厚生代行参入年 |
1999年10月 |
契約団体数 |
約2,000団体(第4位) |
契約会員数 |
約200万人(第5位) |
月会費 |
従業員1名あたり350円~ |
出典:労務研究所 旬刊 福利厚生No.2322 ‘21.6月下旬
* 「旬刊 福利厚生」2021年6月下旬号掲載の数字。ホームページ等に記載されている数字と異なることがあります
アウトソーシングサービスには、あらかじめ用意されているパッケージプランと、導入企業によるカスタマイズが可能なカフェテリアプランがあります。 どちらも福利厚生を充実させるプランですが、中小企業にとってはどちらがおすすめでしょうか。
中小企業にはパッケージプランとカフェテリアプランのどちらがおすすめ?
福利厚生のパッケージプランとカフェテリアプランはサービス形態が異なります。中小企業にとって、どちらが適しているかの判断は、企業の状況によって変わってきます。
パッケージプラン
単純に費用面で考える場合は、パッケージプランのほうが手軽で低価格です。パッケージプランは、入会金と1人あたり数百円から1,000円程度の月会費を支払えば簡単に導入できます。
他の企業の労働者も同じサービスの会員として利用をするため、スケールメリットが得られます。自社では用意できない多種多様なサービスがひとつの契約にパッケージングされています。 自社の従業員の属性(性別、年齢、地域)がさまざまな場合は、パッケージプランでまんべんなく従業員のニーズを満たせる可能性が高いです。
▼パッケージプランの詳細については、以下の記事も併せてご確認ください
カフェテリアプラン
福利厚生制度に柔軟性や拡張性をもたせたり独自性を出したい場合は、カフェテリアプランを検討する価値はあります。 カフェテリアプランは企業から付与されたポイントで従業員自らが福利厚生サービスを選択・利用するため、福利厚生制度の利用率向上が期待できます。
ただしカフェテリアプランは制度設計に時間がかかるため、パッケージプランほどの手軽さはありません。リソースと予算にあまり余裕がない場合は、まずはパッケージプランからはじめてみるのがおすすめです。
▼カフェテリアプランに関する基本情報は次の記事をご参考ください
福利厚生を充実させる際に注意すべきポイント
最後に、福利厚生制度を整備し充実させるにあたって、特に注意しておきたいポイントを解説します。
ポイント1.自社の状況や利用状況をよく把握する
まずは自社の予算検討をしっかりと行います。現行の福利厚生制度があるのであれば、その利用状況を把握します。それにより、費用と利用効果が見合った福利厚生施策を見極めるヒントを得ることができます。
ポイント2.従業員の意見を取り入れる
一方的に企業側だけの視点で導入する福利厚生の施策は、失敗に終わる確率が高いです。日頃から従業員の声に耳を傾け、時代に合った施策のアイデア材料にします。 従業員満足度の高い福利厚生を時代に合わせて導入している企業は、従業員の声に耳を傾け、意見を取り入れています。 あまり費用をかけられないような場合はなおさら、従業員の声が貴重な情報になります。
ポイント3.課税対象と非課税対象の区別をする
福利厚生の中には、課税対象になるものと非課税で済むものがあります。導入検討時には、きちんと理解した上で、企業と従業員の金銭面での影響も考慮していくことが大切です。
■参考記事;福利厚生費とは?課税・非課税の基準と、節税に役立つ理由も紹介!
ポイント4.定期的な見直しと管理体制
充実した福利厚生とは、その数よりも、自社従業員の支援としてフィットしているか否かです。定期的な見直しも欠かせません。利用状況や満足度をデータとしてとり、見直しの材料とします。 見直しのフローも確立しておくとスムーズに更新できます。利用されない福利厚生では意味がありません。時代の変化、従業員の変化に柔軟に対応できる福利厚生制度をつくっていきましょう。